FB徳島遊戯王研究所第18回(2004.12.30)

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『FLAMING ETERNITY』カード紹介

 お待たせいたしました。
 最新弾『FLAMING ETERNITY』の各カード解説をお送りいたします。




【ネフティスの鳳凰神】

このモンスターがカードの効果によって破壊された場合、次の自分のスタンバイフェイズ時にこのカードを特殊召喚する。この方法で特殊召喚に成功した場合、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。
 2400/1600 ☆8 炎属性 鳥獣族


 非常に強力なカードだ。死ににくい、という事ではトップレベルのタフさだろう。

 【異次元の女戦士】や【鳳翼の爆風】、【強奪】などには弱いが、普通の除去魔法や【ならず者傭兵部隊】などでは破壊されても帰ってくるので、非常に場持ちがいいカード。

 今回のセットのノーマルカード【ネフティスの導き手】が役に立つので、意外と場に出しやすいのも良い。




【サイレント・ソードマンLV5】

このカードは相手の魔法の効果を受けない。このカードが相手プレイヤーへの直接攻撃に成功した場合、次の自分ターンのスタンバイフェイズ時に表側表示のこのカードを墓地に送る事で「サイレント・ソードマン LV7」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。
 2300/1000 ☆5 光属性 戦士族


 普通に1体生贄で出せるので使いやすい。
 【ホルスの黒炎竜LV6】と同じく魔法効果を受けないので、【心変わり】【強奪】などの強力カードを避ける事ができる。

 【ホルス】と違う点は、自分の魔法効果は受ける事で、自分の【レベル制限B地区】で止まってしまう代わりに、普通の強化カード(【デーモンの斧】など)を使う事ができる、という点だ。




【百獣王ベヒーモス】

このカードは生け贄1体で通常召喚する事ができる。その場合、このカードの元々の攻撃力は2000になる。生け贄召喚に成功した時、生け贄に捧げた数だけ自分の墓地の獣族モンスターを持ち主の手札に戻す事ができる。
 2700/1500 ☆7 地属性 獣族


 地味だが、おもしろい動きをするカードだ。
 【怒れる類人猿】などでゴリゴリ攻撃するデッキに、4枚目、5枚目の【怒れる類人猿】として投入できる。【怒れる類人猿】を生贄に【ベヒーモス】を出し、墓地の【怒れる類人猿】を回収。次のターンにはパワー2000アタッカーが2体だ。

 同じ獣族である、【素早いモモンガ】を入れておけば、2体生贄も比較的楽に。その場合は額面通りパワー2700だ。
 とにかく殴りまくるデッキにどうぞ。




【ブラッド・マジシャン−煉獄の魔術師−】

魔法カードが発動する度にこのカードに魔力カウンターを1個乗せる。魔力カウンターを任意の個数取り除く事で、取り除いた数x700ポイント以下の攻撃力を持つフィールド上の表側表示モンスター1体を破壊する。
 1400/1700 ☆4 炎属性 魔法使い族


 絵がカッコいいので人気。が、いかんせんパワーが小さいため、使い方が難しい。
 出して1回魔法を使えば、このカードの能力で、めんどうな【マシュマロン】や【魂を削る死霊】を倒せる。

 また、パワーが低いがゆえに【UFOタートル】で出せるモンスターなので、炎属性で固めたデッキに隠し味として入りうるかも。




【竜魔人 キングドラグーン】

「ロード・オブ・ドラゴン−ドラゴンの支配者−」+「神竜 ラグナロク」
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手はドラゴン族モンスターを魔法・罠・モンスターの効果の対象にする事はできない。1ターンに1度だけ、手札からドラゴン族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
 2400/1100 ☆7 闇属性 ドラゴン族・融合


 【可変機獣 ガンナードラゴン】を生贄なしで召喚し、【突然変異】することで、けっこう簡単に召喚できる。
 能力で【アームド・ドラゴンLV5】や【青眼の白龍】を出し、大活躍させる事もできる。
 実は強いカードなので、豪快で面白いデッキが作れるぞ!




【ライトニング・ボルテックス】

通常魔法
手札を1枚捨てる。相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。


 実に強い効果のカード。【サンダーボルト】が禁止になったと思ったらこれだ。
 【キラー・スネーク】と【苦渋の選択】も入れ、全体除去の魔法カードとして活躍するだろう。

 しかし、常に【キラー・スネーク】や【深淵の暗殺者】が手札にあるとは限らないので、これらのカードが手札にない時に使用し、モンスターを1体しか破壊しなかった場合、こちらがカード1枚を損してしまう。
 モンスター1体を破壊するだけでいいのなら、【地砕き】の方が強力だということだ。

 また、表側表示モンスターしか倒せないのもときどき困る。

 つまり、非常に強力な効果だが、効率よく使うためにはデッキ構築に工夫が必要なカードだ。




【魔のデッキ破壊ウィルス】

通常罠
自分フィールド上の攻撃力2000以上の闇属性モンスター1体を生け贄に捧げる。相手のフィールド上モンスターと手札、発動後(相手ターンで数えて)3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認し、攻撃力1500以下のモンスターを破壊する。


 強いかどうか、落ち着いて考えてみよう。

 まず、パワー2000以上の闇属性を生贄にするのは、簡単だろうか?
 【ダークヒーロー ゾンバイア】【ジャイアント・オーク】【疾風の暗黒騎士ガイア】が入るデッキなら、この点はわりと簡単だ。

 しかしそんなメインアタッカークラスのパワーを持つモンスターが自分の場から消えて、こちらの戦線を維持しつづける事ができるだろうか?
 そして、その後の効果だが、一般的に言って相手のデッキに、パワー1500以下のモンスターは何枚入っているだろうか?

 ここで「普通、○枚ぐらいだよね」と枚数を書くと、「一般論」の理解できない人からの突っ込みがあるので控えるが、40枚のデッキに対して何分の1か?
 そして、【魔のデッキ破壊ウィルス】の効果を3ターン使って、一体何枚のカードを叩き落せるのか? こちらは2枚以上使用しているのだが、間違いなく損のない取引をすることができるのだろうか?

 【死のデッキ破壊ウィルス】が強力だったのは、こちらの生贄に使うモンスターが出しやすくて使いやすい効果をもつ、攻撃力の低い効果モンスターであった点と、破壊する相手のカードが攻撃力のあるメインアタッカーであった点だ。
 これにより相手のアタッカーを当分のあいだ場から消し、こちらの攻撃を一方的に通す事ができるようになり、さらに当時大暴れしていた【混沌帝龍−終焉の使者−】や【カオス・ソルジャー−開闢の使者−】を手札から叩き落す事もできたからだ(【開闢】はまだ大暴れしてるけど)。

 結論として【魔のデッキ破壊ウィルス】は、普通は使う事のないが、相手によってはけっこう突き刺さる、サイド用のカードといったところだろう。




【アルティメットインセクトLV5】

「アルティメット・インセクト LV3」の効果で特殊召喚した場合、このカードがフィールド上に存在する限り、全ての相手モンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。自分のターンのスタンバイフェイズ時、表側表示のこのカードを墓地に送る事で「アルティメット・インセクトLV7」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。(召喚・特殊召喚・リバースしたターンを除く)
 2300/900 ☆5 風属性 昆虫族


 実は相当強い。おそらく次のエキスパンションでLV7が出るであろう事を考えると、けっこういい感じだ。
 風属性、昆虫族デッキがそろそろ実戦レベルになるだろう。

 しかしいかんせん、民心に訴えない。到底かっこいいと思えるようなイラストをしていない。
 なのでこのデッキを作ろう、という人はあんまりいないだろう。
 逆に言うと珍しくて、トレードなどで作りやすいデッキになるって事だ。究極のインセクター羽蛾デッキ、作ってみる?




【賢者ケイローン】

手札の魔法カードを1枚捨てる。相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する。この効果は1ターンに1度だけ使用する事ができる。
 1800/1000 ☆4 地属性 獣戦士族


 【サイクロン】が1枚制限カードである現在、魔法・罠を破壊するカードは不足気味だ。とりあえずアタッカー兼、魔法罠の破壊カードとして使える、非常に良いカード。

 コストとして使う魔法カードだが、序盤に撃ち損ねた手札破壊カードなど、そのとき不要なカードはわりとあるだろう。




【デス・メテオ】

通常魔法
相手ライフに1000ポイントダメージを与える。相手ライフが3000ポイント以下の場合このカードは発動できない。


 言うまでもなく弱い。普通は使わない。




【スペースマンボウ】

 1700/1000 ☆4 水属性 魚族

 絵の後ろの方に書かれている、宇宙船こそが本物の【スペースマンボウ】だ。コナミのМSXIIソフト“スペースマンボウ”より。




【甲虫装甲騎士(インセクトナイト)】

1900/1500 ☆4 地属性 昆虫族

 ノーマル4つ星、1900モンスター。【ヂェミナイ・エルフ】の微妙な上位互換カード。手に入りやすくてしかも強い、良いカード。




【ブレードラビット】

このカードの表示形式が攻撃表示から守備表示に変わった時、相手フィールド上のモンスター1体を破壊する。
 400/300 ☆2 地属性 獣族


 【つまずき】を貼っていると攻撃表示で出てくるなり、「おっとっと」とつまずきながら敵破壊。
 【ドリームピエロ】と同じだが、今回のセットの【レスキューキャット】とコンボで、2体まとめて破壊。かなりショックなコンボだ。




【ゴブリンのやりくり上手】

通常罠
自分の墓地に存在する「ゴブリンのやりくり上手」の枚数+1枚をデッキからドローし、手札からカードを1枚選択してデッキの一番下に戻す。


 普通に使うと、「1枚ドローして1枚デッキに戻す。【やりくり上手】自体を使っているので1枚損」→「2枚ドローして1枚デッキに戻す、1枚使っているのでプラスマイナス0」などという順番で地道にドロー枚数を増やしていく、実に手間のかかるしょぼいドローサポート。

 だが、【苦渋の選択】でこのカードを2枚墓地に落としてから使うと、いきなり「3枚ドローして1枚デッキに戻す」という強力ドローサポートになる。

 さらに強力なのが【非常食】とのコンボ。
 理想的な回りが以下のとおりだ。

 このカードを3枚伏せ、3枚同時に【ゴブリンのやりくり上手】を使い、次に【非常食】を発動。
(厳密には同時発動ということはできないので、3枚とも同じチェーンで発動するということ)

 そして逆順処理でそれぞれの効果の解決。
 まず【非常食】の効果が処理され、効果の処理待ちの3枚の【ゴブリンのやりくり上手】を墓地に送り、ライフを回復する。
 次に1枚目の【ゴブリンのやりくり上手】が処理され、『墓地に【ゴブリンのやりくり上手】が3枚あるので、「4枚ドローしてデッキに1枚戻す」』という効果が処理される。
(一度発動したカードは、永続罠などの「場に残る限り有効」などでのカードではない限り、発動元のカードがどうなろうとも効果は発動、処理される)

 次に2枚目の【ゴブリンのやりくり上手】が処理され、再び「4枚ドローしてデッキに1枚戻す」という効果が起動。
 さらに3枚目の【ゴブリンのやりくり上手】の処理、同じ行動を行う。
 ようするに、ブン回れば最高で『12枚ドローして3枚デッキに戻し、ライフを3000以上回復』できるということ。

 さすがに上記のようなブン回りはそうそう起こりえないだろうが、たとえ【ゴブリンのやりくり上手】と【非常食】1枚ずつでコンボを使っても、それだけで「2枚ドローして1枚デッキに戻す」ことになる。
 この2枚だけでも、ライフを回復しつつアドバンテージは失っていないので、そんなに悪くはないだろう。

 罠カードなので、相手の【サイクロン】や【賢者ケイローン】の効果にチェーンして発動も可能なことだし。

 しかし、優秀ドローサポートカードの少ない遊戯王で、「2枚以上のカードをそろえる」というのはそんなに簡単なことではない。
 しかも両方ともカード単体では効果がそんなに強くないので、片方1枚だけ引いてもあまりうれしくない。
 つまりこのカードは、「安定してデッキを回すためのドローサポートカード」ではなく、「ブン回った時の爆発力を高めるためのドローサポートカード」だということ。

 安定性より爆発力重視!という人にはオススメ。




【キャトルミューティレーション】

通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在する獣族モンスター1体を手札に戻し、手札から戻したモンスターと同じレベルの獣族モンスター1体を特殊召喚する。


 パッと見た感じ、なんだかよくわからない、微妙な効果に思えるカード。
 だが、実は使い方次第でかなり有効に使うことができる、強力カードだ。

 自分の場にいるモンスターで相手に攻撃する。
 次にこのカードを使い、攻撃済みのモンスターを手札に戻し、同じモンスターを召喚しなおそう。
(もちろん、別の同じレベルモンスターでもかまわないが)
 すると、これはさっきと別のモンスターとして扱われるので、もう一度攻撃することができる!

 また、相手がこちらの獣族モンスターに、たとえば【死者への手向け】のような対象を取るカードを使い、破壊しようとしてきたとする。
 それにチェーンして【キャトルミューティレーション】を発動、対象にされたモンスターを手札に戻し、同じモンスターか、別のモンスターを召喚しなおす。
 すると、相手のカードの対象が失われるので、そのカードの効果から逃げるができるのだ。
 だが、【ライトニング・ボルテックス】や【地砕き】のような対象を取っていない効果からは逃げることはできない。注意しよう。

 生贄1体で召喚した【百獣王ベヒーモス】にこのカードを使えば、攻撃力2700のきれいな状態で【百獣王ベヒーモス】が帰ってくる。
 使うのなら覚えておこう。

 便利な使い方の多い、実にテクニカルなカードだ。



【融合呪印生物シリーズ】

このカードを融合素材モンスター1体の代わりにする事ができる。その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。フィールド上のこのカードを含む融合素材モンスターを生け贄に捧げる事で、*属性の融合モンスター1体を特殊召喚する。
 1000/1600 ☆3 *属性 岩石族


 まとめて解説しよう。実に楽しいカードだ。

 普通、融合モンスターはとても使いにくい。融合素体のカード2枚と、【融合】カード、または【フュージョンゲート】。
 つまり、3枚のカードがきちんと揃って、やっとこさ出てくる物だからだ。

 普通のカードゲームなら、3枚のカードが揃うコンボが発動すれば、それだけでゲームの勝敗をキメる程のパワーを持つものだ。
 が、融合モンスターはたかが1体のモンスターが出るだけ。
 極端な話だが、運が悪いとすぐに除去られたり、もっと運が悪いとすぐに【強奪】されたりとか、何のために出したのか解らなくなってくるときもある。

 だが、この【融合呪印】はそのうち2枚の変わりになってくれる。【沼地の魔神王】と同じく、融合ファンにとって朗報だ。


 問題は手札融合できず、どちらか一方をまずフィールドに出して1ターン持ちこたえなければならない事だ。まあ、実際にやってみれば、普通に融合素材と【融合】を集めるのにくらべれば、そこまで難しい事ではない(物にもよるが)。
 一番難しいのは、実戦レベルの強さを持つ融合素体を見つける事だが…。



 【超魔導剣士−ブラック・パラディン】や【究極竜騎士】などは融合召喚でないと召喚できないため、【早すぎた埋葬】なども含め、融合召喚以外の特殊召喚効果では場に出せない。




■今回登場したカードを主役としたデッキを組んだ場合、どんなカードをサポートとすればよいのだろうか?
 軽く説明してみよう。



【ネフティスの鳳凰神】

 先程にも書いたが、このカードは場に出れば非常に強力だが、レベルが高いモンスターなので、普通に召喚しようとすれば出すまでがかなり大変。
 だが今回このカードと一緒に登場した、【ネフティスの導き手】を合わせて使えば、驚くほど簡単に召喚が可能だ。
 【ネフティスの導き手】と別のモンスター1体を生け贄にすれば、場に出せる。
 その生け贄は【スケープ・ゴート】の羊トークンでもOK。

 そして【見習い魔術師】などを使えば、デッキから【ネフティスの導き手】自体を探すことも可能だ。
 【見習い魔術師】なら他にも、【聖なる魔術師】や【魔導サイエンティスト】も探せるので、無駄になることもないだろう。


【ネフティスの導き手】

このカードを含む自分フィールド上の2体を生け贄に捧げる事で、デッキまたは手札から「ネフティスの鳳凰神」1体を特殊召喚する。
 600/600 ☆2 風属性 魔法使い族



【見習い魔術師】(エキスパートエディションVOL.1)

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、フィールド上で表側表示の魔力カウンターを乗せる事ができるカード1枚に魔力カウンターを1個乗せる。このカードが戦闘で破壊された場合、デッキからレベル2以下の魔法使い族モンスター1体を選択して自分のフィールド上にセットする事ができる。
 400/800 ☆2 闇属性 魔法使い族



12月26日(日)練馬春日店 遊戯王非公認大会(フリー)
 ↑デッキサンプル。カードキングダム練馬春日店での優勝デッキです。




【竜魔人 キングドラグーン】

 強力な効果をもつカードだが、融合モンスターなので普通に融合召喚しようとしたのではあまりに手間がかかる。
 【竜魔人 キングドラグーン】の項目でも説明したが、ここは生贄なしで召喚した【可変機獣 ガンナードラゴン】に【突然変異】を使って召喚するのが一番てっとり早い。
 
 あとはドラゴン族を中心に構築していけば、展開力が高い上にやられにくい、タフなドラゴン軍団が作れるぞ。


【可変機獣 ガンナードラゴン】(RISE OF DESTINY)

このカードは生け贄なしで通常召喚する事ができる。その場合、このカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。
 2800/2000 ☆7 闇属性 機械族



【突然変異】(エキスパートエディションvol,1)

通常魔法
自分のフィールド上モンスター1体を生け贄に捧げる。生け贄に捧げたモンスターと同じレベルの融合モンスターを融合デッキから特殊召喚する。




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