FB徳島デュエルマスターズ研究所第70回(2004.10.09)

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□戦術級コンボデッキ“ファントム・ゲート”・理詰めと実戦でデッキを組んでいこう!

  11弾の研究も煮詰まってきたある日。

オレ 「けっきょく11弾は、良いカードも多いんだけど、『まったく新しいデッキがいくつも作れる』ってセットじゃないわいなぁ」

ハリー「いやいや、ウェーブストライカーとか、【フォーチュンボール】を使った一連のデッキとか、小型エキスパンションのわりに色々組めましたよ」

オレ 「はて? たしかに充分に強いけど、目新しくはないような・・・。
 しかしまあ、『コイツは使ってみたいぜ!』っていう、愉快カードはあるよね。
 代表格は【憎悪と怒りの獄門】! (以下、【ゲート】)
 デュエルジャッカーショウの【逆転のオーロラ(3弾)】とのコンボにはしびれたね」

【憎悪と怒りの獄門(エターナル・ゲート)】
 6コスト(炎/闇) 呪文
■マナゾーンに置くとき、このカードはタップして置く。
■相手のシールドが自分のシールドより多ければ、この呪文を唱える事ができる。
■自分のシールドと同じ枚数のシールドを、相手は自分自身のシールドゾーンから選ぶ。相手は残りのシールドを持ち主の手札に加える。(その「Sトリガー」を使ってもよい)


【逆転のオーロラ】
 5コスト 呪文
■自分のシールドから好きな枚数を裏向きのまま選び、表向きにして自分のマナゾーンに置く。


ハリー「実戦では(その「Sトリガー」を使ってもよい)とか、ブロッカーをいかに除けるかとかで、意外と決めるのが難しそうですが。
 しかしカッコいいのは確かでしたから、発売後1週間の間は、何枚あっても売り切れまくりでした。一時期3000円オーバーしましたが、それでもまだ足りない。1週間ほどたつと落ち着いてきましたけど」

オレ 「なぜそうなったと思う? ハリー」

ハリー「やはりみんな、使いこなせなかったんでしょうね。(その「Sトリガー」を使ってもよい)で心が折れたり」

オレ 「うん。オレもそう思う」

ハリー「メインカードとして見るのでなく、サポートとして使えば強力なんですけどね。
 速攻に弱いデッキで色が合えば、保険としてぜひ2枚ほど入れたいところです。
 “サルデター”で速攻に悩んでいる人とかには最適ですよ」

オレ 「どうせならアグレッシブに、『【ゲート】を使って勝つデッキだぜ!』って感じで使いたいな。よし、研究してみよう!!」



 次の日。

オレ 「わざとブロッカーを出さず、シールドをブレイクしてもらう、という戦術では、相手が攻撃してくれるかどうか解からない。ゲームの戦術において『相手まかせ』の要素が前提ってのはナンセンス(ありえない)。
 だいたい、普通は数を並べて一斉攻撃するよな。殴り返しも計算して攻撃するし。

 で、だ。

 【ゲート】を有効利用する戦術として、『場に出たとき、自分のシールドを1枚手札に加える』能力を持つ闇クリーチャーや、『プレイする時、自分のシールドを1枚墓地へ置く』炎の呪文カードなどを使ってシールドを自分で減らしていくのはどうだ?と考えたワケよ」

ハリー「で、作ったのがこのデッキですか」

オレ 「【邪剣バラガ(3弾)】とか【灼熱波(3弾)】とか。
 特に10弾の【暴発秘宝ベンゾ】が楽しい。出た時にシールド1枚手札に加えるんだけど、トリガーだったら発動できる。Sトリガーを多めにしとくと良い感じ」

ハリー「ふむ。で、どうでした。? 勝てます?」

オレ 「これはこれで間違ってない使い方みたいだけど・・・運任せの要素が強い。
 ドロー強化は『シールドを手札に加える』能力で若干助かっているけど・・・けっきょく、シールドの数の調節が上手くいかない。
 自分でシールドを減らしすぎて、結局自爆したりする。
 シールドを減らしたくない時にシールドを減らすカードしか手札に無かったりするとドツボ」

ハリー「では、まだダメと」

オレ 「うーん、【ゲート】・・・サブテーマ的にに使う分には問題ないカードなのに、メインコンボにして使うことをテーマにすると、難しいカードだなあ」

 と、いう事を繰り返し、試行錯誤して出来上がったのがこれ!


 ■闇水炎コントロールコンボデッキ“ファントム・ゲート”
クリーチャー
 2x ねじれる者ボーン・スライム
2弾
 4x 腐敗電脳メルニア
10弾
 2x 死劇人形ピエール
10弾
 2x ブラッディ・イヤリング
1弾
 3x 貪欲の影グレイ・バルーン
3弾
 2x 不屈のウレックス
10弾
 4x アクアン
4弾
 2x 呪いの影シャドウ・ムーン
4弾
 2x 腐敗勇騎ガレック
10弾
 2x 荒廃の巨王ジェノサイド
4弾
進化
 3x 絶望の魔黒ジャックバイパー
3弾
呪文
 3x ファントム・ベール
5弾
 3x スケルトン・バイス
8弾
 1x サイバー・ブレイン(S・トリガー)
1弾
 1x ディープ・オペレーション(S・トリガー)
2弾
 1x ネオ・ブレイン
PR
 3x 憎悪と怒りの獄門
11弾


オレ 「よし、良い感じだ! 勝率は高いし、ちゃんと【ゲート】で勝つぞ!」

ハリー「なるほど。【ファントム・ベール】で無理やり攻撃させてシールドを減らし、返しのターン【ゲート】を使って相手シールドを吹き飛ばし、止めを刺すデッキですな」

【ファントム・ベール】
 1コスト 呪文
■相手の次のターンに、相手の攻撃できるクリーチャーはすべて、攻撃しなければならない。


オレ 「思った以上に【ファントムベール】が使いやすくて強い。攻撃させてブロックや殴り返しで一網打尽にすれば、場を制圧できたりする。ちょっとタイミングが難しいけど、【ホーリー・スパーク(1弾)】みたいな使い方もできるってことだ。これで制圧して、そのまま勝てたりもする。
 つまり、形は“アクアンブラック”の変化に近いけど、やってみるとプレイングはぜんぜん違うぞ」

ハリー「純粋にトーナメントで勝つためには、普通の“ガチャックス”で良いんでしょうが、『ゲートを使う』というテーマにおいてはこれで良さそうですね。
 では解説を」



■ファントムゲート・戦術解説

 「【ファントム・ベール】で無理やりアタックさせて自分のシールドを減らさせ、【ゲート】を使う」のがコンボ目的のデッキです。
 レインボーカードが多いので、マナを置く順番をよく考える必要があり、使い方のとても難しいデッキですが、使い方をマスターすれば相手を思うがままにコントロールする楽しさが味わえ、逆転性も高く、様々なデッキと戦える多様性もあります。
 ガチガチのトーナメントデッキではありませんが、今まで当研究所で紹介した“聖剣ばかナ”“ペトイバー”等と同じ、「かなり闘えるコンボテーマのおもしろデッキ」といったところでしょうか。


 基本的に、レインボーカードを優先的にマナにして、相手のデッキタイプを見定めながら、受身になりつつカードを出していきます。


1・相手が攻撃してくる場合
 【ファントム・ベール】は使いません。

 相手のトリガー率が薄そうなら、こちらのシールドが少なくなったところで【ゲート】! そして攻撃すれば、そのまま勝ち。

 トリガーがありそうなら、ブロッカーや手札破壊で丹念に相手アタッカーを減らし、【ゲート】後の攻撃に失敗しても反撃でやられないよう、場を制圧する事を第一にプレイします。


2・相手があまり攻めてこず、クリーチャーを並べて場を作ってくる場合
 対光戦とかですね。この場合、Sトリガー【ホーリー・スパーク】がありえるので、【ゲート】だけに頼った闘い方は不可能です。
 この場合は、『知力を尽くした頭脳戦』を勝ち抜かねばなりません。

 まず、【アクアン】などでドローしつつ、ブロッカーや殴り返し用の【メルニア】【ジェノサイド】を場に展開。
 適当なところでまず一発目の【ファントム・ベール】を使います。
 この一発目の【ファントム・ベール】は、シールドを割らせるためではありません。
 手札が欲しいなら1〜2枚はそのまま通してシールドブレイクさせても良いでしょうが、基本的にはブロックして相手クリーチャーを減らし、有利な場にするためのものです。

 この時、進化獣や大型クリーチャー等の、ブロッカーで倒せない相手は一旦シールドに通し、返しの【メルニア】で相撃ちを取れば良いでしょう。

 このデッキは【アクアン】等のドロー能力、【ジャックバイパー】での回収能力もあるため、相撃ちを繰り返してもほとんどすべてのデッキに枚数で負ける事はありません。
 その上【ファントム・ベール】でバトルゾーンを有利にコントロール出来るので、いくらでもアドバンテージが取れます。

 2発目の【ファントム・ベール】でシールド数を調整し、次のターン【ゲート】を叩き込めば勝ちでしょう。
 その場合、まず先のターンに攻撃させ、タップしている相手クリーチャーを、【メルニア】やブロッカーでの殴り返しで掃除しておくのが安全です。

 特に【ホーリー・スパーク】が恐い対光では、【メルニア】+【ジャックバイパー】の無限スレイヤーや、【ジェノサイド】での場の制圧が重要です。



■デッキの構築理論・なぜこのカードがこの枚数なのか?


【不屈のウレックス】
 3コスト(闇/火) スピリット・クオーツ 3000
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■相手はこのクリーチャーをタップできない。


【腐敗勇騎ガレック】
 5コスト(闇/火) ゴースト/ヒューマノイド 2000
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、「ブロッカー」を持つ相手のクリーチャーを1体選んで破壊し、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。


 【アクアン】で手札に入る炎カード、ということで、“炎・闇”のレインボーカードが入ります。
 最初は【ガレック】が4枚入っていたのですが、やはりマナが重過ぎて、速攻と当たった時に展開力で追いつけませんでした。苦肉の策として【ウレックス】を入れてみたのですが、これが意外と大活躍。
 3マナ3000は悪くないサイズであり、相手の効果でタップされない、という能力が【ホーリースパーク】【時空の守護者ジル・ワーカ(9弾)】対策として突き刺さります。
 とはいえ2枚で充分。

 【ガレック】もこれはこれで、【電脳聖者タージマル(10弾)】【雲海の守護者メッサ・バーナ(10弾)】【聖天使カイザル・バジキューラ(7弾)】などの、こちらが殴り合いで破壊しずらいサイズのブロッカーを破壊してくれます。

 これら“火・闇レインボークリーチャー”が4枚+【ゲート】が3枚で、火マナの出せるカードは7枚。
 初手からはプレイしにくいでしょうが、最悪でも【ゲート】を打つ前に火マナを確保するには、充分な枚数でしょう。



【ディープ・オペレーション】
 4コスト 呪文
■S・トリガー
■バトルゾーンにある相手のクリーチャーと同じ枚数のカードを引く。


【ネオ・ブレイン】
 4コスト 呪文
■S・トリガー
■カードを2枚まで引く。


 「何で入ってんの?」と思う人もいるでしょうが、ただでさえレインボーカードが多く、3色の混合デッキで事故りやすいのですから、毎ターン、何をマナにするか、何を先に出すかの選択の幅が大きくなければまともに動かせません。
 選択の幅を広げる事、イコール手札を増やす事、です。
 よってそのための水マナの枚数、ドロー能力カードが、このデッキの場合普通より多めに必要です。

 ナンバーワン・ドローカードは言うまでも無く【アクアン】ですが、次が【サイバー・ブレイン】で、3番目に重要なドローカードはデッキによって少しずつ変わってくるのです。

 【アクアハルカス(1弾)】は、攻撃をしながら手札補充の必要なデッキにとってナンバースリーです。(もっともっと早いなら、【フォーチュンボール(11弾)】が強力)

 【エナジーライト(6弾)】は、特に急いで攻撃するわけでなく、安定したドローが欲しいデッキでナンバースリー。

 このデッキの場合、急いで攻撃する訳でもなく、安定したドローが欲しいのですが、【エナジーライト】を使っている暇がなかなか無いのです。
 攻撃する訳でもガチガチに固める訳でもないのにクリーチャーの数を出す必要があり、レインボーカードが多く、カツカツにマナを使い切る事も多いので、できればマナを使ってプレイせずトリガー発動でドローしたい。
 それに何といってもこのデッキでなら、序盤戦から【ファントムベール】を使うことでトリガー発動のチャンスもある。
 また、レインボーカードが多いので、結果、少し速攻デッキに弱いので、少しでも早くブロッカーを展開するためにもトリガードローする必要もあります。

 故に【ディープオペレーション】【ネオ・ブレイン】なのです。



【スケルトン・バイス】

 闇の最強カードの一つですが、最初、このデッキには1枚もはいっていませんでした。
 なぜならこのデッキ、一旦敵を場に出させて、その後コントロールして破壊する、「バトルゾーンで勝つ」デッキだからです。
 事実アクアンホワイトとの戦いでは、例え【スケルトンバイス】があったとしても使わないであろう、むしろ場に出してもらって【ファントムベール】でコントロールしたい、という状況ばかりでした。
 手札が欲しい、あるいは自分のシールドを減らして欲しい、という場合や、出してもらって【ジェノサイド】で撃破、等々。

 ですが、“ボルバルザーク”のデッキと闘う場合、4〜5ターン目に相手の手札に握られているカードを叩き落さないと、そのままボル様が降臨して来て終わりです。
 一撃必殺のコンボ、戦術を持つデッキ相手にはやはり欲しい、という事で2枚投入。

 ちなみにこのデッキ、戦い方さえ研究すれば、【バイス】を撃たずとも“ボルバルザーク”デッキと互角に戦えます。
 コツは、「最初から、一枚もシールドを割らせないつもりでプレイする事」です。
 また、【ファントムベール】でこまめに相手アタッカーをムダ死にさせていく事も重要です。



【死劇人形ピエール】
 2コスト デス・パぺット 1000
■ブロッカー 
■このクリーチャーは攻撃することができない。
■相手のクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーは可能であればブロックする。
■スレイヤー


 最初は4枚入っていたのですが、【ブラッディ・イヤリング】と2枚さし変わりました。
 恥ずかしながら、【ファントム・ベール】プラス【ゲート】の戦術と、【ピエール】の能力が相反していると、何度か使ってみるまで気付かなかったのです。
 気付いてからも、メリットとデメリットのバランスで悩みました。
 結果、【ピエール】と【ミケ】2枚ずつという、一見煮え切らない枚数になったのですが、結果としてこれで良くなったようです。
 「どこが相反しているの?」という方は、実際に使ってみて「あっ!」と叫んでみてください。



【荒廃の巨王ジェノサイド】
 5コスト デーモン・コマンド 9000
■このクリーチャーは、タップされていない光のクリーチャーを攻撃できる。
■このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。


 サイズの大きさや、対光用兵器としてなど、普通に活躍するカードです。
 が、このデッキだと、
1・【ファントム・ベール】をプレイ
2・【ジェノサイド】パンチ
3・「プレイヤーを攻撃できない」けどクリーチャーは攻撃できるクリーチャーが【ジェノサイド】に強制アタック!
と、光ブロッカー&【ストームジャベリン・ワイバーン(5弾)】ホイホイ状態を作れるのです。



 今回は、テーマデッキ“ファントムゲート”の解説と共に、我々がどのようにデッキを組んで試し、どう考えて1枚1枚のカードの枚数を決めているか、お読みいただきました。

 お気付きのように今回の記事では、デッキの内容について、いきなり最初から完成した物でなく、お恥ずかしながら、
「最初はこうしていたが上手くいかなかったのでこうなった」
という書き方をいくつかしています。
 デッキ作りの楽しさ、積み重ねる事の大切さをご理解いただければ幸いです。

 デッキにおける各カードの枚数は、「何が何でも4枚積み!!」という物ではありません。
 特にデュエルマスターズのように、すべてのカードをマナにできるプレイの自由度の高いゲームでは、デッキの汎用性(色々な対戦に対応できる様にする事)を高めるため、ある程度まではカードの種類を増やした方が、勝率を高めるのに良い事が多いようです。

 しかしそれは、「適当な枚数でよい」という事ではありません。
 「確実性」の必要なカードは4枚。
 そして1枚、2枚削れるカードは何か、空いたスペースに入れる「汎用性を高めるカード」は何か、何枚で良いのか。
 色々考える事があります。

 対策カードを入れるなら、どんなデッキに対して使うのかが決まっているはずですから、「何ターン目あたりに使うべきか」も決まっているはず。
 ならばそのターンまでに手札に入るよう、作り込む必要も出てくるでしょう。

 ちょっと難しい話になりましたが、こういうふうに、1枚1枚理詰めで考えてデッキを作り、そして勝利する事こそ、デッキ構築の醍醐味というものです。
 カードゲームの楽しさは本当に色々ありますが、「デッキ構築を楽しみたい!」という方。
 毎試合の内容をただプレイするだけでなく、試したり、覚えたり、相手の考えを読んだりしながら経験として身に付けていき、常に理詰めで考え、「考える事」そのものを楽しんでみて下さい。



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