FB徳島カードゲーム戦記レジェンズTCG(04.06.06)


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 レジェンズTCG

 少々遅くなりましたが、以前から予告していたレジェンズの記事です。



商品としてのレジェンズ

 「レジェンズ」について、まずは商品形態から見てみようと思います。
 なぜなら、いくらシステムが面白かったりバランスが取れていても、そもそも『説明書を読んでもプレイできないぐらい説明が下手』だったり、『カード自体がカッコ悪い』だったりすると、みんななかなか手を出せませんよね。
 そういう部分は、ある意味で中身よりも大切だと思いますので、まずはココから考えていこうと思います。


1・販売形態

 バンダイのカードゲームの定番どおり、スターターは構築済みデッキ形式での発売 です。
 中身はデッキ・ルールブック・プレイシート・サイコロと、ゲームに必要なものは 全て揃っています。
 つまりスターター代1050円を払えば誰でもすぐにゲームが始めれるので、非常 に手を出しやすいと言えます。


 また、同時にパックとカードダス(いわゆるガチャガチャ)でもカードが発売され ています。
 今までの『ドラゴンドライブ』や『ガッシュベル!!』では、ゲーム的に強いカー ドや原作で人気の高いカードがなぜかカードダス限定で販売されており、さらに基本 的にカードダスは再販されないため、後発組がゲームに付いていけない状態が見られ ました。
 ですが、『レジェンズ』では、パックとカードダスではどちらもまったく同じカー ドが入っているようになり、良い変化だと思います。

(ただ実は、スターターにしか入ってないカードがあり、これがゲーム的に最強の カードの1枚なので、勝つためには一人で複数個買わねばなりません。
 しかし、「いっぱい買った子が布教用にルールブックを配ってくれるかもしれない」「再販がある分、 スターター専用カードの方がカードダス専用よりもマシ」であるとは思います。)


2・カードレイアウト

 カードのレイアウトで一番重要なのは、「カードの左上の部分に何の情報を配置す るのか」です。
 なぜ左上かというと、実際にカードを手札として持っている状態を思い浮かべてく ださい。あなたが右利きならば、何枚かのカードを手札として扇状に持った時、個々 のカードで見れる部分は、左上の一部分のみになるハズです。
 という事は、手札にあるときに最も必要な情報は左上に配置しておけば、プレイし やすいカードゲームになるのです。

 『レジェンズ』では、この左上にカードタイプ(クリーチャーとか呪文とか)が書 かれています。
 ですがここは、実際のカードでは右上に書かれている「コスト」を左上にするべき だったのではないでしょうか?
 コストが手札内のカードにとって最重要な要素であることは間違いがないでしょ う。

 さらに実はこのゲーム、クリーチャーには召喚コストが必要で、他のカードは基本 的に必要ありません。
 となると「左上にコスト」方式にすると、コストが書いてあるカードはクリー チャーで、書いてないのはそれ以外、と判別が可能です。

 また、現在のカードで採用されている「左上はカードタイプ」ですが、これが見や すいとは言えません。
 クリーチャーも呪文も全部「白文字&英語」で書かれているため、パッと見がどれも同じなのです。
 せめて違うカードタイプは違う色で書いたり、見やすいアイコンとかにして欲し かったのですが。

 また、クリーチャーのパワーも白字で書かれているため、背景が白いカードでは埋 没してしまい、見難いものとなっています。


3・アニメとのタイアップ

 いきなりですが、微妙です。
 アニメ版は現代のアメリカを舞台に、そこに登場するモンスターたちで戦う、みた いな設定で、つまり「現実の舞台設定で、一部ファンタジー」です。
 が、カード版は、はるか古代、モンスターが全然元気な時代という設定で(『指輪 物語』の「中つ国」みたいなもの)、見た目は「何から何までファンタジー」。
 正直「アニメ原作」と言われてもピンと来ないぐらい雰囲気が違います。
 一応、アニメの主役級モンスターもカード化はされてはいますが、戦闘形態だけ で、普段の形態はカード化されていません。なので、やはり「原作」というには違和 感を感じます。

 『遊戯王』や『デュエル・マスターズ』のようなカード主体のアニメほどとは言い ませんが、もう少しアニメの内容に近いカードゲームにはならなかったのでしょうか ?
 例えば、「アニメ『ガッシュベル』がカードゲームでも発売! 中身は千年前の魔 物の戦いを再現!! カードオリジナルキャラ多数登場!!」とか言われても、 ちょっと困りますよね。普通にアニメに出てるキャラをカードにしてくれよってカン ジで。


4・オモチャとのタイアップ

 アニメ原作なので、カードではない普通のオモチャも同時期に発売になっていま す。
 で、このオモチャ、「カードゲーム用のサイコロとしても使用できるよ」という仕 様になっており、実際カードでもサイコロを振る効果のものが多くあります。

 ですがこのオモチャ、恐るべき事にサイコロとして使用した場合、「6以上の目が 出る」となっているのです。
 つまり、サイコロを振るカードをプレイする場合、どう考えても普通のサイコロよ りオモチャを使った方が強いのです。
 あまりにも露骨過ぎやしないでしょうか? 「カード以外にもお金を使え」という のは、少し引きます。

 ならば、サイコロを使わないカードでデッキを組めば良いのか?
 いえ、このゲームは先攻・後攻の決定でサイコロを使います。そして、ドローとかでの有利不利の調整がまったくないので、先攻完全有利。

 実物を手に入れていないので断言はできませんが、ゲームを遊ぶ上で平等ではない特殊サイコロの存在は、首を傾げてしまいます。



システムからみたレジェンズ

 システムはゲームが長続きするかどうかという意味で非常に重要です。
 例えば一部の超強いカードがあっても、禁止・制限・エラッタ・対抗カード、など などで、スマートとは言えないまでもなんとか対応できます。
 しかも、それもゲーム自体が面白くてみんながプレイして、大会とかも行われて 「強いカード」への興味が高まらないと、そもそも問題にはなりません。
 つまり当然のことですが、誰もプレイしないゲームだと、カードの強弱なんかは意 味がないのです。
 まず、システムが面白いこと。
 そうでなければみんなゲームをやり込んでくれず、 カード単位まで話が行きません。
 では、レジェンズのシステムはどうなのでしょうか?

 レジェンズは、「1ターンに1枚だけマナをチャージし、それを使ってクリーチャー出す。クリーチャーで相手の本体を殴って殴って殴ってすれば勝ち」と、マジックやデュエルマスターズ、ガンダムウォーなどのメジャーゲームに近いシステムを持っています。

 が、似ているのはここまでで、その他はかなり違った独自ルールが多くなっています。
 しかし、ここで問題があります。
 今の世の中、ほとんどの子供たちが『遊戯王』か『デュエルマスターズ』を遊んでいます。となると、子供向けを意識する以上はその2つとルールが違う部分は、かなり強調してルールブックに書いておかなければ、子供たちに正しく遊ばれないのではないでしょうか?
 『レジェンズ』はここが不徹底で、大会に来ていた子供たちほとんどがルールを間違っていたり(ほぼ『デュエルマスターズ』としてプレイしていました)、我々のような色んなゲームに触れている人間でさえ「多分、こう処理するんじゃないのかな?」とあいまいな判断をするしかないような読みにくい個所もあります。


 また、その独自ルールも「おもしろいか?」と問われれば、「微妙」と答えざるを得ないようなものがあります。
 例を挙げてみましょう。


1・マナを置くタイミングが変

 多くのゲームでは、「ドロー→マナセット→クリーチャーや呪文を使う→戦闘」というタイミングで使いますよね。
 しかし、このゲームでは、「ドロー→クリーチャーや呪文を使う→戦闘→マナセット」と、マナが一番最後! つまり、どんなにデッキのカードコストを低くしていても、1ターン目には絶対に何も出来ません。

 実際にやってみると、なぜわざわざ独自路線にしているのか、さっぱりメリットを感じません。
 他のと違うのでとまどいますし、そもそも1ターン目にクリーチャーを召喚できず、2ターン目にやって1マナクリーチャーを召喚しているのでは、どうもプレイがノロノロした感じを受けます。
 カードゲームですからもっとスピーディにテンポ良くプレイしたいのに、どうもそれを1ターンづつズラされてタイムラグを受けているような・・・
 レスポンスが悪い、壊れたコントローラーでTVゲームをするような感覚です。


2・クリーチャー1体が攻撃するときは、自分のマナを1枚破壊せねばならない

 読んで字のとおりのルールです。
 しかしこのルールにより、「序盤から小さいのいっぱい並べてペチペチ殴って勝つ」戦略がまったく成り立ちません。
 結果みんな「デカイの出して一撃ドカン」戦略しか組まなくなり、「マナを置くのは一番最後ルール」と相まって、非常にトロトロしたゲームという印象になりました。




 とりあえず今回はここまでで。
 次はカードバランスについての話です。
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