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お母様 VS カードゲーム
ららぽーとでのカードコーナー、“カードスポット”にて得た事は実にたくさんありますが、一つ、重要な問題として解決すべき事が見つかりました。
「お母さん VS カードゲーム」
これです。
以前から、お父様からのメールはたくさん頂いているのですが、皆さん
「息子とデュエルしまくってますよ」
「息子に勝てん! デッキを買わせていただく!! おすすめはどれかね?」
などなどの微笑ましいお便りが多く、特に問題は無かったのですが・・・・
カードスポットに叫びながら突入してくる子供たちの、えり首をつかんで引っ張り出していくのはほとんどお母様。
お父さんは一緒になって見て下さるのに、お母様はまったく興味をお示しにならない。
「これはイカン」
女性に認められない文化は滅びますですよ。
だいたい、子供たちのサイフを握っているのは、当たり前ですがお母様ではないですか。
主婦は家庭の金庫番。ムダな物は決して買いません。
つまり、そう。
カードゲームはムダな物、とお母さまに認知されているのです。他の玩具とくらぺても特に。
なぜか?!
色々と考えましたが、実際にお母様方にお聞きするのが一番。
幸いいつもの店と違ってここはショッピングセンター。ご家族連れだらけです。
さっそく、話しやすそうなお母様にお声をお掛けして、「カードゲームの、どんな点に問題があると思われますか?」とご意見を聞き集めました。
さて皆さん、ご注目。これが“お母様”のカードゲームに対するご不満な点です!
1、いっぱい買ってやっと揃えても、テレビが終わったりブームが終わると、ゴミになる
痛い! これは痛い! 確かに“シャーマンキングカードゲーム”など、明らかにメーカーが売り逃げたゲームや、そもそも拡張性の無いルールでにっちもさっちもいかなくなって、“続編”にチェンジしてしまった“ワンピース”(今のじゃないぞ)“ポケモンカードゲーム”“ポケモンe”などは、そりゃ確かにゴミになってます。
こういう事をするメーカー、制作会社をキッチリ覚えておいて、次からは手を出さないように自衛すべきだと私は考えていますが、そりゃそんなの、普通は解りませんよね。
本来、一生懸命集めた物は、大切に長く使いたい物。
そりゃあ多少の“禁止カード”“制限カード”は、ゲームそのものを楽しみ続けるために仕方の無い事ですが、ポケモンのように何度も裏の絵やらシリーズが変わって、以前のカードが事実上使えなくなるのは、ユーザーを犠牲にするデザイナーの無計画性が目に余ります。
(一応混ぜても遊べますが、混ぜて遊ぶルールは今は廃れてしまっています)
遊戯王、ガンダムウォーを見て下さい。
禁止カードやエラッタなどは出ますが、これらは今までのカードを可能な限りムダにしないための努力であって、実際、何年も昔のカードで遊び続ける事が出来ています。
人気があるから続けられる事ではありますが、ポケモンなんか人気の絶頂期に昔のカードを切り捨てたじゃないですか。それと比べれば実に立派。
マジックザギャザリングは、「古いカードは落ちる」のが前提として明言されていて、だからこそ変化するゲーム性を楽しむ物です。これはこういう在り方の競技性の高いゲーム。落ちるのが嫌なら最初からやらなければいい。
が、ある日突然終わるカードゲームは酷いですね。
つまり、何年も続いているカードゲームもある、という事です。
身近でのブームが終わっても、行動力さえあれば自分で友達を誘ってブームをもう一度盛り上げる事もできるでしょうし、いずれまた遊ぶ事もありえるでしょう。 実際、遊戯王などは、何度もやめたり復活したりを繰り返している人が多いのではないでしょうか?
長く続いていて終わりそうに無いもの、きちんとしたポリシーで「続けよう」としているメーカーの商品を選ぶ事。これが対抗策ではないでしょうか?
具体的に言うと、アニメを元にしたカードゲームは、アニメが終わると同時に人気がなくなるのであまり続かないようです。
「1年間楽しめればいいや」という人以外にはあまりおすすめできません。
さて、お母様のご意見。その2。
2、ハズレのカードが多く、ムダな買い物をしている気になる
・・・・ええ、まあ。
“トレーディング・カード”の体裁を持っているからには、そうなります。
実は、品物そのものを買っているだけではなく、「当たるか、外れるかのドキドキ感」をも、楽しみとして消費する。
子供たちはそれに対してもお金を払っているのです。
中身が決まっている物と違い、不公平であるからこそ、価値が創出されているのです。
不公平である事が、面白い。
それがキライなら、あるいは認められないなら、トレーディングカードゲームに対してご不満なのは当然だと思います。
これは仕方ないですね。
3、ハズレカードを散らかす。片付ける仕事が増えてかなわない
これはもっともだ! 全面的に散らかす方が悪い!! オレもよく散らかして、しまむーやハリーに怒られるが!!
全国の子供たち、カードはちゃんと片付けよう。でないと、買ってもらえなくなって当然だぞ。
物を大切にするのは本当に重要な事だ。
買ってくれたお母さんの身になって考えてみろ。せっかくお金を出して買ってあげたのに、ほったらかしにされてたら、悲しいだろ。
お小遣いで買っても同じだぞ。
いらないカードは友達にあげたり、ご両親の許可をとってお店に売りに行ったりしよう。
4、取ったり、取られたりと事件になる
確かに問題ですね。子供達の生活を見つめ続けているお母様方だからこそ、強く胸を痛めているのでしょう。
子供達の間で何かが流行ると、必ずこういった問題が起こります。
もちろんこれは、その問題自体が悪いのであって、カードゲームのせいじゃありませんが。
「善悪の判断がしっかりしていない」
「悪いと解っていても、見つかっても少し怒られるだけ」
とくれば、そりゃあ大人より簡単に犯罪行為を犯しますわいな。
オレはものすごく、ものすごーく問題だ、と思っているわけですが。
なぜ大人が、ちゃんと子供を叱る事が出来なくなったのか。
例えよその子供でも、キチンと叱って成長させてあげるのが、大人の一番大切な義務ではないでしょうか。
犯人を追い詰め、白状させて、キチンと罰を与える。この当たり前の“闘う”事を教えられないのは、大人が“罰を与える”ことから逃げているからではないでしょうか。
だから、「自分のカードは自己責任でしっかり守りなさい」とかの、“守る事”しか教えられないんじゃないでしょうか。
これでは「世の中、やったモン勝ちだ」と教えているのと、同じ事です。本当に情け無い。
せっかくのカードゲームブーム。これを上手く使って子供の教育に活用するのが、応用力のある大人の知恵というものではないでしょうか。
実際、ある幼稚園の先生から、カードゲームを教育に活用している、実に興味深いお話をうかがいました。いずれ記事にしたいと思ってます。
以上のように、お母様方の意見から、なかなか我々の立場では気付かない問題点を教えていただきました。
僕はお話を聞きながら、勉強させて頂いただいたり、いくつかの問題点に対しては我々として善処している事や、対処策を説明した。
するとお話しさせて頂いたお母様は、皆、「カードゲームが悪い訳ではない」事を解って下さり、別にセールスした訳でもないのにたくさんのシングルカードやデッキを買って下さった。
「こうして選べるなら、ムダな物を買わなくてすむ」
「デッキ丸ごとで説明書が付いているなら、使いこなせるだろうし、大切にするだろう」
実に実利的、現実的な考え方で、高価な物を買って下さる。
つまりこういう事だ。
お母様は、ケチではない。「価値がある」と認めた物には、惜しみなく代価を払うのだ。
子供が、本当に喜んで、大切にするだろうという物は、ちゃんと買ってくれる。
子供達よ。カードゲームが買って欲しいなら、それが自分にとって本当に大切な物になる、何年も大切にする、という事をお母さんにわかってもらうんだ。
そしてその為には、ちゃんと片付けて、大切に扱い、よく考えてデッキを組み、楽しく、勝てるようになれ。
オレはその手伝いとして研究所を書くし、カードゲームという物が、安心して買ってもらえる良い物になるよう、メーカーさんやデザイナーさんと一緒に考えていくぞ。当店で買ってくれたお母様方を、裏切らないように。
とか何とか、誓いを新たにしながら徳島に帰ってくると、珍しい“デュエマス少年のお母様からのメール”が!
カードゲーム戦記・お母様VSカードゲーム、第2回に続きます。
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