□仮想敵・【ボルバルザーク】が1枚だけ入ったドラゴンデッキ
ハリー「どうやら7月15日から、【無双竜機ボルバルザーク(10弾)】が殿堂入りだそうで」
いけっち店長「不満だ。まったく不満だ。殿堂入りじゃなくて、禁止にしないとダメだろう!」
ハリー「殿堂入りしないより良いじゃないですか。難しい人だなぁ」
いけっち店長「だってそうだろ。【ロスト・チャージャー(9弾)】や【スケルトン・バイス(8弾)】は、1枚制限になったら『引けばラッキーな強力なカード』ですむが、【ボルバルザーク】は違うだろ! 『引けば勝負に勝つ!』って、エンドカードじゃないか。これから先も納得のいかない対戦が繰り返されるぞ。
『あ。【ボルバルザーク】引いた。僕の勝ち。』『なんだよ、いい勝負だったのに、けっきょく【ボルバルザーク】で終わりかよ!』って。
『【ボルバルザーク】引かれたらしょうがねぇよな!』って、勝負じゃないよ、それ」
ハリー「遊戯王の【カオス・ソルジャー-開闢の使者-】も、引かれたとたん、ガッカリしますしね」
いけっち店長「もしかして、1枚制限になって、気分的にはよけいにタチが悪くなったんじゃないか? 単純に、運よく引いたほうが勝つ、みたいな意識が強まるという」
ハリー「1枚だけなぶん、警戒してないところで突然死!というサドンデスな状況は起きやすそうですね。
そもそも、運よく引いた!というだけでなく、【ボルバルザーク】を持ってこれるカードも多いので、狙って出すデッキも組めそうですし」
いけっち店長「【ボルバルザーク】を連れてくるのは、
・【ディメンジョン・ゲート(6弾)】
・【次元の霊峰(11弾)】
・【鳴動するギガ・ホーン(2弾)】
・【誕生の祈(9弾)】
・【バルキリー・ドラゴン(プロモ)】
よく使われるのはこのあたりだろう。
デッキの組み方によっては、【魅了妖精チャミリア(6弾)】【ハナサキエリンギ(10弾)】もアリだ。
変わったところでは、【幻想妖精カチュア(8弾)】なんかも強いぞ」
ハリー「けっこうやりたい放題ですな」
いけっち店長「【ボルバルザーク】がシールドに入っていない限り、やりたい放題だな。
シールドに入ってる【ボルバルザーク】を何とか回収するシステムを組み込むのは、現実的じゃないだろうから、それより【ボルバルザーク】なしでも勝ちきれる構成にした方が確実」
ハリー 「実際、“水入り3色ボルバルザーク”のデッキは、【ボルバルザーク】が出なくても勝ちますしね。そのまんまで強い」
いけっち店長「ものすごくピーキーなんで、研究所では紹介しなかったけど、【スケルトン・バイス】【腐敗勇気ガレック(10弾)】【ロスト・ソウル(2弾)】の入った“闇文明入り4色ボルバルザークデッキ”は、今回、【スケルトン・バイス】が殿堂入りしたから、生き残れないだろう。
でも、水入り3色は、【ボルバルザーク】が1枚になっても、ほぼ問題なく生き残りそうだ」
ハリー 「まあ、たぶんまったくそうでしょうが・・・・実際にやってみますか」
◇新殿堂対応・転生編未対応・3色『バルキリーボルバル・裁入り』 |
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クリーチャー |
4x ラブ・エルフィン
| 2弾 |
3x シビレアシダケ
| 1弾
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2x 無頼勇騎ゴンタ | 10弾
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3x 青銅の鎧
| 1弾
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2x アクア・ハルカス | 1弾
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2x 紅神龍ガルドス | 双竜
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1x コーライル
| 2弾
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2x 無頼勇騎ウインドアックス | 10弾
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3x アクア・サーファー(S・トリガー)
| 5弾
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2x バルキリー・ドラゴン | プロモ
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1x 無双竜機ボルバルザーク | 10弾
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2x ツインキャノン・ワイバーン | 5弾
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1x バザガジール・ドラゴン | 6弾
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呪文 |
3x エナジー・ライト |
6弾
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4x 母なる大地(S・トリガー) |
10弾
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1x サイバー・ブレイン(S・トリガー) |
1弾
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4x 火槍と水剣の裁 |
13弾
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○「裁くか、裁かれるか?!」
13弾環境でのデュエルマスターズは、
「裁く(【炎槍と水剣の裁】を使う事)か? 裁かれるか?」
「【ボルバルザーク】を出すか? 出されるか?」
に、要約されると思います。
あまりにも強力すぎる呪文カード、【炎槍と水剣の裁】により、考えなしにパワー3000以下のクリーチャーを出す事は、ほぼ自殺行為と言えるのが現実。
極端な速攻デッキの“マッハつるりん”や、【ゴンタ】を主軸にした炎・自然の超速攻デッキ“ドラゴンスレイヤー”のように、「裁かれる前に勝つ!」というデッキならともかく、それ以外のデッキでは、パワー3000以下のクリーチャーを1体でも出せば、【裁】により、一方的にソンする事になってしまいます。
・【裁】で破壊されたのが1体なら、破壊された方が失ったカードは1枚。
・【裁】を使った方は、【裁】を使って1枚消費。効果でドローして1枚得。プラスマイナスゼロ。
→この時点で、【裁】を使った方の1枚得。
破壊したのが2体なら、失った側2枚に対し、裁いた側は1枚増えて、その差3枚。
たった3体破壊しただけで、なんと、実に、5枚ものカード枚数差が発生!
めちゃくちゃです。
13弾発売時の研究所で書いたとおり、【炎槍と水剣の裁】は、デュエルマスターズを、
「“超”速攻以外で、考えなしにパワー3000以下のクリーチャーを出したら、負けちゃうよ」
というゲームにしてしまいました。
【曙の守護者パラ・オーレシス(10弾)】を4枚積んでも、けっきょく【裁】から自軍を守りきる事はできません。
だいたいにおいて、1発目の【裁】で【パラ・オーレシス】が破壊されてドローされ、そのドローからの2発目の【裁】で壊滅します。
極端な話ですが、お考え下さい。
パワー3000以下のクリーチャーを、まったく入れずにデッキを作る、というルールで、いったいどれだけのデッキが組めるでしょうか?
ほとんど全滅です。
では、この環境でいったいどのようなデッキを作れば良いのか?
答えは、冒頭の、
「裁くか、裁かれるか」
に行き着き、
「【裁】を撃たれる前に、自分で裁いてやれ」
と、やっぱり自分が【炎槍と水剣の裁】を使ってみたり、極端な対抗策として、
「【裁】されても【ロスト・ソウル(2弾)】してやれ」
だったり、
「裁かれないデッキを作る」
という選択肢が出てきます。
「裁かれないデッキ」とは、
・呪文だらけ、クリーチャー少な目のコントロールデッキ、いわゆる“除去デッキ”
・そもそもパワー3000以下のクリーチャーが入っていない、マッシブなクリーチャーのデッキ
であったりします。
例えば、【宣凶師ベルモーレ(12弾)】【雲海の守護者メッサ・バーナ(10弾)】などの、マナが軽くてもパワーが高く、「裁かれない」クリーチャーから展開したり、【電磁聖者シリオン(12弾)】などの、3マナでパワー4000のレインボーカードを使ったり、種族統一して【光器ペトローバ(9弾)】して、相手の【裁】を紙切れにしてしまう戦術。
これは、自分自身が【裁】を使いたい放題、という利点もあいまって、とても有効なのですが(そうです。この戦術のデッキも【裁】を搭載できるのです。ああ・・強すぎ)、速攻に対していくぶん速度が足りない、という弱点を持ちます。
○「カードパワーで理屈も吹っ飛ぶ」
さて、それでは、今回ご紹介する“新殿堂対応・3色『バルキリーボルバル』”とは、どういうデッキで、どう【裁】対策しているのか?
これはもう、身もフタもありません。
【ボルバルザーク】と【炎槍と水剣の裁】という、2大鼻血レベル強力カードが入っているのですから、
ズバリ、自分も使ってカードパワーだけで勝とうという、身もフタもないもの。
【ラブ・エルフィン】【シビレアシダケ】【青銅の鎧】などの小型クリーチャーを出しつつマナ加速し、【エナジー・ライト】などで手札を補充。
相手が速攻で攻撃してくれば、【ガルドス】【ゴンタ】で迎撃します。
そのまま【バルキリー・ドラゴン】→【ボルバルザーク】につないで勝利するのも良いのですが、だいたいは【炎槍と水剣の裁】を使って自分のクリーチャーごと場をリセットし、手札を大量に増やし、増えた手札でさらに展開。
【母なる大地】を使って一気に大型クリーチャーを出し、攻撃して終わり。
持久戦に持ち込むなら【バザガジール・ドラゴン】が大活躍。
このクリーチャー、これから良く見ることになるでしょう。なにしろ天敵の、手札破壊カードが弱体化しましたから・・・。
まわりのデッキにあわせて、少し改造を加えてみるのも簡単。
基本さえ抑えておけば、とにかくタフで強い(マナ加速とドローがあるため)デッキなので、2〜4枚ほどの改造で充分です。
速攻が怖くないのなら【ガルドス】【コーライル】を抜き、【アクア・サーファー】や【シビレアシダケ】、【青銅の鎧】を増量してデッキをさらに安定化。
持久戦用の【バザガジール・ドラゴン】がいらないと感じたら、ずばり【ガルクライフ・ドラゴン(4弾)】や【超竜バジュラ(8弾)】がおすすめ。
【バルキリー】で持ってきて、光文明に駄目押ししたり、相手の【母なる大地】からのコンボをストップできたり。
【裁】対策がきっちりとされているなら、ドローカードをじゃっかん増やし、【地獄万力(7弾)】や【サウザンド・スピア(9弾)】を入れましょう。
【サウザンド・スピア】は、火の天敵【電脳聖者タージマル(10弾)】が破壊できるので優秀。【パラ・オーレシス】で強化されている【タージマル】はパワー6000なので、ほっとけば【ボルバルザーク】の出現で、巻き込まれて死にます。
速攻も、持久戦も、一撃必殺もお手の物。しかも“事故”が少なく、動きが安定しているという、おそらく現在最強のデッキの一つが、この“バルキリーボルバル・裁入”でしょう。
これとよい勝負ができるのは、13弾ボックス通販ご予約者にお送りした“ドラゴンスレイヤー”(【ゴンタ】中心の自然・火超速攻デッキ)のような超速攻か、【裁】が一切通じないクリーチャーで固められた“グラディエーター”中心のデッキ(スピードがネックですが)、【光器ペトローバ】や【ロスト・ソウル】をうまく使えるデッキだったり、つまり数えるほどです。
と、いう訳で、今の所、1枚になっても相変わらず強い【ボルバルザーク】と、困った強さの【炎槍と水剣の裁】が両方入ったこのデッキが、倒すべき“敵”だと思います。
僕も頑張っているつもりですが・・・大変ですよ〜。コイツに勝てても他に全然勝てないデッキになったりして(笑)
大会での勝利を目指すなら、「まずは14弾・転生編を使ってこのデッキを14弾対応にし、そして14弾のカードで対策デッキを考える」という必要があるでしょう。