SEED限定構築戦 もっとも注意すべきカード
・SEED限定構築開始!
5月より、指定国力がS(基本Gを除く)のカードのみでデッキを構築する大会、SEED限定構築戦が始まりました。
始まってからもう1ヶ月以上が経ちますし、もうずいぶんこの環境になれた方も多いことでしょう。
ですが、通常の大会とは違う構築の大会ですし、初心者の方も多く増えてきたようですし、「どんなカードに注意すれば勝てるの?」という疑問をお持ちの方も、まだまだいることでしょう。
ですので、今回は「SEED限定構築戦」について、もっとも注意すべきカードに絞った、環境の解説をいたしましょう。
・SEED限定構築を支配するカード
まず、最初にこの環境下でもっとも多いとされるデッキを考えてみましょう。
すると、間違いなく「PS装甲」を持ったデッキを中心に構成される、「PS装甲デッキ」が最も多いと予想されることでしょう。
PS装甲持ちユニットはリロール状態で場にでるため、とても速い「速度」を持ちながら、さらに高い戦闘力を持ちます。
格闘5の強力なユニットが、場に出したターンにすぐ殴れるため、速い段階からとても高い打点出せる、というのがPS装甲デッキの特徴と言えるでしょう。
ですが、このデッキに間違いなく刺さるカードが存在します。
それが【フェイズシフトダウン(10弾)】ですね。
フェイズシフトダウン
コマンド 2/3/1
(防御ステップ):「PS装甲」を持つユニット1枚を、本来の持ち主の本国の上に移す。
タイミングが「防御ステップ」なのでダメージを押し通す手段にも使えるし、エリアも指定していないため、配備エリアにいるPS装甲ユニットも除去することのできる、この環境下では非常に強力な除去カードです。
ほとんどのプレイヤーが、このカードをデッキに投入していることでしょう。
少なくとも、サイドボードには必ず用意されているはずです。
(となると、
「なら【フェイズシフトダウン】が効かないPS装甲を持たないユニットを中心にして、デッキを組むぜ!」
という動きに出るかもしれませんが、これも難しい話です。
そもそも、PS装甲を持たない4国力以上のユニットを中心にしてデッキを組んでも、「速くて打点が高い」PS装甲デッキを相手にせねばならないこの限定環境下では、
「戦闘力が普通なため打点が低い」
「場に出た次のターンにならないと殴れないため、展開が遅い」
などという大きな弱点を持つため、まともに立ち向かっては勝つことがかなり難しいでしょう。
ですので、4国力以上がメインの中速以降なデッキの場合だと、PS装甲ユニットを使う以外に、現状では選択肢がないと言っても過言ではないのです)
それでは、本題です。
この、【フェイズシフトダウン】が強いという環境下において、最も注意すべきカードというものがあります。
それは
【アスラン・ザラ(ミネルバ)】です。
アスラン・ザラ
キャラクター 3/5/0
(自動A):このカードが属するセットグループは、3以下の合計国力を持つ敵軍カード(プレイされたカードを含む)の効果の対象にならない。
2/2/2
この【アスラン・ザラ】は、2/2/2という最大級の戦闘修正に加え、3国力以下のカードの効果の対象にならないため、この【フェイズシフトダウン】の効果を受けません。
この環境、PS装甲デッキを対策するためにほとんどのプレイヤーがこの【フェイズシフトダウン】を直接除去として活用しているため、このカードを無駄札にしてやるだけで、大きく有利に立つことができるのです。
また、この環境唯一のキャラクター直接除去カードである【ラクス襲撃(DESTINY編)】も2国力のカードであるため、このカードでも【アスラン・ザラ】を殺すことができません。
それだけではありません。
PS装甲デッキと双璧をなすと予想されるデッキタイプ、「ジュール隊:ザクデッキ」。
このデッキののメインカード、【イザーク・ジュール(DESTINY編)】のユニット破壊テキストも、そのテキストを使用できる名称「ザク」であるユニット自体に4国力以上のものがまったくないため、【アスラン・ザラ】の乗ったユニットをテキストで殺すことができないのです。
さらに、【アスラン・ザラ】はキャラクターですので、相手より先に出してしまえばもう相手に【アスラン・ザラ】を出されることはありません。
はっきり言って、ゲームになれた人同士のデュエルともなると、
「先に【アスラン・ザラ】を出したほうが勝つ」といっても過言ではないほど、この環境下では【アスラン・ザラ】が重要なポジションを占めているのです。
しかし、この【アスラン・ザラ】も4国力以上のカードの効果は受け付けますし、ある程度は対処する方法もあります。
まずはそれらのカードを探してみましょう。
・【アスラン・ザラ】を倒すことのできるカードたち
シン・アスカ(ミネルバ)
キャラクター 3/4/0
(防御ステップ):《X》自軍白基本G2枚を選んで廃棄する。その場合、このカードと交戦中の防御力X以下の全ての敵軍ユニットを破壊する。
2/1/2
イザーク・ジュール(10弾)
キャラクター 2/4/0
(戦闘フェイズ):《0》このカードがユニット2枚以上の部隊にいる場合、このカードと交戦中の敵軍ユニット1枚をロールする。さらに、ロールしたユニットが「PS装甲」を持つ場合、そのユニットを破壊する。
ソードインパルスガンダム(14弾)
ユニット 3/5/2
【PS装甲】 特殊シールド(3)
(防御ステップ):《0毎》このカードと交戦中の敵軍ユニット1枚を指定し、自軍本国の上のカード1枚をゲームから取り除く。取り除いたカードの合計国力が4以上である場合、指定したユニットを破壊する。この効果は、1ターン中に自軍Gの枚数までしか使用できない。
地球・宇宙 6/1/5
これらの破壊効果を持つカードは、全て4国力以上のカードのため、問題なく【アスラン・ザラ】を倒すことができます。
すべて強力なカードなので、デッキに投入されていることも多いことでしょう。
トーナメントシーンでもよく見かけることと思います。
しかし、これらのカードに共通する大きな問題点が1つあります。
それは
「交戦中の相手ユニットしか倒せない」ということ。
普通に使う分には、防御ステップに交戦中の相手ユニットを破壊できれば、それだけで充分すぎるほど強力です。
が、相手が交戦するタイミングで出撃してこなければ倒すことができないため、「狙ったカードをピンポイントに殺す」という意味ではあまりにも頼りないのです。
さらに、これらのカードで【アスラン・ザラ】を倒そうとしても、こちらに(キャラクターの場合は、PS装甲ユニットに乗っている場合)【フェイズシフトダウン】を撃たれてしまうと、カウンターでもしない限り、成す術も無く除去されてしまうのです。
(そのため、【イザーク】や【シン】は【アークエンジェル】に乗っている光景が良く見られます)
ですので、これらは
「数少ない【アスラン・ザラ】を倒すことのできる強力なカード」であるのには間違いないのですが、
「【アスラン・ザラ】を倒すためのカード」というにはちょっと心もとないのです。
除去する方法とはまたちょっと違うのですが、他にも対処する方法はあります。
【フリーダムガンダム】みたいなPS装甲(X)の、補給する必要のないPS装甲ユニットに【アスラン・ザラ】が乗っている場合、単機で出撃する機会が多いことでしょう。
そこで、単機で出撃したのを確認した後で【切り開く力(SEED編)】を撃ってやりましょう。
するとこのターン中に発生する国力は全て紫になってしまうため、PS装甲(X)の白国力Xが満たせず、ターン終了時に手札に戻ってしまいます。
こうやって相手の【アスラン・ザラ】の手札戻しが成功したら、
次ターンに自分の【アスラン・ザラ】を出してやり、相手に対してフタをしてやりましょう。
こういったテクニックも非常に重要です。
こうしてみてみると、
「【アスラン・ザラ】を直接倒す、もしくは対処することのできるカード」というカードが、どれだけ少ないか、ということが理解できると思います。
しかし、この【アスラン・ザラ】を直接倒すことができて、それでいて実用的なカードが、実はあるのです。
それは
【サイクロプス(12弾)】です。
・【サイクロプス】について
サイクロプス(12弾)
コマンド 3/5/X
【追加コスト>自軍G2枚を本来の持ち主の本国の上に移す】
(自軍攻撃ステップ):X以下の合計国力を持つ全てのユニットを破壊する。
通常の構築では、追加コストが本当に厳しく、カウンターされるととんでもない目に会ってしまう上に、とてつもなく資源が痛いため、あまり使われることはありませんでした。
しかし、カウンターが少なく、【フリーダムガンダム(ハイマットモード)(DESTINY編)】による強力な回復のあるこの環境だと、唯一の大量除去でありながら、唯一【アスラン・ザラ】を狙って倒すことのできるカードとして、非常に強力なカードとなったのです。
しかも「X以下の合計国力を持つ全てのユニットを破壊する」というテキストですので、こちらの場のユニットが、相手のユニットよりも合計国力が高いユニットばかりの場合だと、一方的にユニットを除去してしまうことも可能になります。
こちらがPS装甲デッキで、相手が「ジュール隊:ザクデッキ」の場合、このカードをX=3でプレイすれば、一方的に相手の場だけ壊滅させることができたりと、非常に強力なカードとなりえるのです。
【アスラン・ザラ】を除去するためのカードとして、PSデッキの「ザクデッキ」対策として、メインとサイド合わせて2枚程度を忍ばせておくことをオススメします。
・【アスラン・ザラ】先だしのススメ
とは言うものの、やっぱり相手が自分より先に【アスラン・ザラ】を出してしまうとかなり辛くなるもの。
すると、逆に
「相手よりも先に【アスラン・ザラ】を出せる構築をすれば勝てる!」ということになるのではないでしょうか?
ならば【アスラン・ザラ】を対戦相手よりも多く積み、相手より先に出せる構築にすれば、一気に有利に立てる確率も高まる!ということですね。
しかし、このカードは5国力と、ちょっと重めのカード。
そして先攻のほうが早くGをおけるため、どうしても後攻のほうが先出し勝負で不利となってしまいます。
この差を、いかにすれば埋めることができるのでしょうか?
この差を埋めることが、実は可能です。
無駄にスロットを使わず、そのカード1枚だけ引いても無駄にならない単体でも強力なカードでありながら、速度の差を埋めることのできるカード。
その鍵は、ユニットにありました。
それは
【イージスガンダム(9弾)】です。
イージスガンダム(9弾)
ユニット 3/4/2
【PS装甲】 特殊シールド(3)
(常時):《1》このカードにキャラクターがセットされていない場合、手札にある「CO」を持つキャラクター1枚を、このカードにセットする事ができる。その場合、このカードを対象に「補給(1)」の効果を解決する。
「CO」を持つカードが手札にある場合、このカードに(常時)タイミングでセットすることができ、さらに「補給」の効果を解決することができます。
もちろん、【アスラン・ザラ】は「CO」を持つカードですね。
常時タイミングでセットすることができる、ということは、相手の【アスラン・ザラ】プレイにカットインし、こちらの【アスラン・ザラ】を出してやれば、こちらの場に【アスラン・ザラ】が降臨するだけでなく、相手の【アスラン・ザラ】を除去してしまうことができるのです。
さらに、相手の【フェイズシフトダウン】にカットインして【アスラン・ザラ】を乗せてやれば、【フェイズシフトダウン】を無駄撃ちさせることも可能です。
(2枚目の【フェイズシフトダウン】を撃たれてしまう可能性があるため、あまりオススメする方法ではありませんが)
そして最も重要なのは、
「セットするキャラクターのコストを支払う必要がない」ということ。
これは
場にG4しか並んでいなくとも、5国力のキャラクターカードを乗せることができるということ。
つまり、
手札に【アスラン・ザラ】があってこちらの場に【イージスガンダム】があれば、先攻後攻に関わらず、先に【アスラン・ザラ】を出すことができるのです!
しかし、先攻の相手が【イージスガンダム】を先に出してしまうと、かなり悲しいことになります。
そうなると、【サイクロプス】や【ソードインパルスガンダム】などを全力で探しに向かいましょう。
今回は、あくまで
【アスラン・ザラ】に関してに絞った解説をしました。
ですので、今回のサンプルレシピも
【アスラン・ザラ】を先に出すことに特化した内容ということでご紹介します。
サンプルレシピ
■Deck-Name:SEED限築 PSアスラン |
|
ユニット | 3x イージスガンダム 《9弾》 | 【アスラン・ザラ】を素早く出せる |
2x ソードインパルスガンダム 《14弾》 | 防御ステップに交戦中のユニットを破壊できる |
3x フリーダムガンダム(ハイマットモード) 《DESTINY編》 | 単機の部隊でダメージが通れば本国回復 |
3x アークエンジェル 《DESTINY編》 | 敵軍効果で破壊されないリロールイン艦船 |
2x ラゴゥ(アンドリュー・バルトフェルド機) 《11弾》 | 単機で打点6、格闘2キャラが乗れば打点10 |
|
キャラクター | 3x アスラン・ザラ 《ミネルバ》 | 相手より先に出せば、一気に有利に立てる
|
1x ミハイル・コースト 《14弾》 | ダメージが通ればものすごいアドバンテージ |
|
コマンド | 3x フェイズシフトダウン 《10弾》 |
PS装甲ユニットを除去 |
2x FAITH 《ミネルバ》 | ドローカード とりあえず手札が増える |
2x 失われた日々 《ミネルバ》 | サーチカード とりあえず探せる |
3x 切り開く力 《SEED編》 | 相手の国力を紫にする、一時的なロック+ドローカード |
1x サイクロプス 《12弾》 | 【アスラン・ザラ】も倒せる大量除去カード |
|
オペ | 3x プラント最高評議会 《DESTINY編》 | 永続本国操作 白の必須カード
|
|
国力 | 19x 白基本G |
|
【アスラン・ザラ】に特化している、という点以外ではほとんど普通のPS装甲デッキです。
この【アスラン・ザラ】を3枚から2枚にし、代わりに別のキャラクターを積めば、基本的な構築になると思います。
メインボードはこんな形でほぼ問題ないでしょうが、重要なのはサイドボードです。
「ジュール隊:ザクデッキ」が多いようでしたら、【ランチャーストライクガンダム(ムゥ・ラ・フラガ機)(DESTINY編)】や【ブラストインパルスガンダム(ミネルバ)】や【ラクス襲撃】と、そして追加の【サイクロプス】を。
相手が【アスラン・ザラ】を使わないデッキの場合、サイドボードから別のキャラクターを積み、【アスラン・ザラ】を1〜2枚抜くのも良いでしょう。
【ミーア・キャンベル(DESTINY編)】の使用者が多いようでしたら、【ディン(ラウ・ル・クルーゼ機)(12弾)】を。
【終わらない明日へ(プロモ)】が使用可能で、それが怖いと感じたり、【フェイズシフトダウン】が危険と感じれば、カウンターとして【自由への奔走(SEED編)】を用意するのも良いですね。
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