バランスデッキトーナメント大会 デッキ構築方法(後編)
・バランスデッキ大会記事・後編
バランスデッキ考察記事の後編です。
前の記事では『基本的な構築方法』をご紹介いたしました。
では、今回は『どういうデッキが勝ち残るのか?』というものです。
それではまず、デッキのご紹介です。
このデッキ、
『黒茶』が当店でのバランスデッキ研究の中心となり、自然と
『この黒茶という色の組み合わせに勝つことのできる、色の組み合わせ』
というものを考えていったのが、当店でのバランスデッキ研究の指針となっていました。
■バランス用 黒茶デッキ
■広島大会(午前)優勝デッキ:黒茶クイック |
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黒×10 | ジム・クゥエル 《15弾》 | 指定2 クイック(&ユニット除去)
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ガブスレイ 《Z編》 | 指定2 クイック&強襲(&高機動) |
ハンブラビ(ヤザン・ゲーブル機) 《11弾》 | 指定3 手札破壊&高機動&強襲 |
ドッゴーラ 《11弾》 | 指定2 擬似ユニット除去&強襲 |
ジ・オ 《15弾》 | 指定2 擬似【転向】&強襲 |
タイタニア 《BB3》 | 指定3 Gリセット |
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戒めの処断 《12弾》 | 指定2 手札を奪う |
天使たちの昇天 《13弾》 | 指定1 ユニットリセット |
核の衝撃 《BB1》 | 指定2 ユニットリセット |
新たなる敵 《14弾》 | 指定2 ユニット除去 |
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茶×10 | コルレル 《11弾》 | 指定2 低国力5点速攻 |
ベルティゴ 《14弾》 | 指定2 クイック(&擬似リロールイン) |
ガンダムエアマスター 《8弾》 | 指定1 リロールイン&バルチャー |
∀ガンダム(ミンチドリル装備) 《13弾》 | 指定2 サーチ&強襲 |
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宝物没収 《BB2》 | 指定1 2枚ドロー |
真実を識る者 《15弾》 | 指定1 サーチ |
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ディアナ帰還 《BB3》 | 指定1 本国回復 |
発掘道具 《BB1》 | 指定2 サーチ |
海水浴 《11弾》 | 指定1 本国回復 |
ニュータイプの排除 《12弾》 | 指定2 サーチ |
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紫×7 | MS用トレーラー 《9弾スターター》 |
擬似リロール |
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プロテクト解除 《13弾》 | オペレーション破壊 |
かつての同志 《15弾》 | サーチ |
戦場の鈴音 《12弾》 | 2枚ドロー |
身勝手な懇願 《Z編》 | 攻撃抑制&【転向】【ジ・オ】対策 |
THE ORIGIN 《A編》 | リセット |
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凌駕 《14弾》 | 3回ロール
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国力×23 | 12x 黒基本G |
11x 茶基本G |
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このデッキは、ガンダムウォーツアー・広島のバランスデッキトーナメント午前の部にて当店店員オザわが使用し、見事優勝を果たしています。
ユニット選定は『場に出たときに効果を発揮する』ものを優先的に投入。
この遅い環境では『行動の早いカード』は非常に強力です。
相手が遅いのに、自分だけ早く行動できるとなると、その速度差はとんでもない差として現れます。
そして速度を重視した構築となっているため、
・【MS用トレーラー】があるとは言え、【凌駕】に弱すぎる
・国力域が高く、重いため、展開力に難がある
などの理由により、【パラス・アテネ(BB3)】や【ゴトラタン(メガビームキャノン装備)(11弾)】が採用されていません。
どうせ同じ重いユニットなら、出撃する必要もなく、場に出した時に効果のある『起動が早い効果』を持つ【ドッゴーラ(11弾)】のほうが使いやすい、ということになり、こちらを優先しての採用となりました。
(もしも両方積んでしまったら、ものすごい重デッキになってしまい展開が遅れてしまう、というのが【ゴトラタン】非採用の最大の原因だったりします)
そして、バランス環境において、もっとも警戒すべき存在が
【タイタニア(BB3)】です。
このユニットこそが、間違いなくこのバランス環境において最凶のユニットといえます。
とにかく、出すとほとんどの場合で勝負が決します。
このユニットの対策用に、【エスコート(13弾)】や【撤退命令(BB)】を採用する方も多く見受けられました。
出したターン中に【タイタニア】を場から消してしまえば、そのまま勝てる、という考え方です。
赤はそれができるため、非常に多くの方が赤入りのデッキを組んでいたのでしょう。
【タイタニア】対策としてだけでなく、これらは普通に使用するだけでも強力なコントロールカードですし、赤という色自体がドロー&サーチにも長けているのも重要なポイントです。
しかし、茶にはそのようなコントロールコマンドがほとんどありません。
いくら突出したドロー&回復があったとしても、【タイタニア】の対処法では一歩劣っている、といわざるを得ないでしょう。
しかし、それは『コマンド』においてのみです。
コマンドがダメならば、クイックをもったユニットを多く採用し、「【タイタニア】を手札やハンガーに送られても、すぐに別のユニットを出して展開し直せる」ようにし、相手の【タイタニア】に耐性をつけたのが、このデッキ。
このクイックが単純に相手の【タイタニア】対策のためだけにあるのか、というと、そうでもありません。
黒は【核の衝撃】のような全体除去を持っているので、自分が【核】を撃っても相手に【核】を撃たれても、クイックとの相性はバツグン。
場がサラ地になった直後、自分だけすぐにユニットを再展開できます。
単純に、相手の計算をずらしつつユニットを出す、というだけでも十分すぎるほどです。
そして自分が【タイタニア】が出した時にも相性がバツグン。
【タイタニア】を出したターン中に追加で1体も2体もユニットが降ってくれば、それはもう勝ったも同然。
要約すると、黒が強力であるバランス環境において、クイックを持ったユニットは非常に強力だということです。
このデッキの場合は【核の衝撃】に加えて【天使たちの昇天】も積まれていますし、茶の永続回復カードによりものすごい粘り強さを発揮するため、なかなか本国が減りません。
さらに、茶のドローカードを駆使すれば結構【タイタニア】を探しやすいものですし、茶を採用していない相手に比べると【発掘道具】などのパワーで無駄ドローをする確率が明らかに低く、相手がブン回りしないかぎりは安定して勝ちを狙えるでしょう。
しかしこのデッキの場合は、ちょっと【タイタニア】に依存した構築とはなってしまっています。
そして安定性と展開力を重視しため、カード1枚1枚のパワーが全体的に低くなっているため、カードパワー合戦になるとちょっと不安が付きまとってしまうかもしれません。
・バランス用 青黒デッキ
続いて、↑の黒茶クイックデッキの派生として生まれた『青黒クイック』デッキをご紹介しましょう。
このデッキもバランスデッキトーナメント広島の午後の部において当店店員B君が使用し、これまた見事優勝しています。
■広島大会(午後)優勝デッキ:黒青クイック |
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黒×10 | ジム・クゥエル 《15弾》 | 指定2 クイック(&ユニット除去)
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ガブスレイ 《Z編》 | 指定2 クイック&強襲(&高機動) |
ハンブラビ(ヤザン・ゲーブル機) 《11弾》 | 指定3 手札破壊&高機動&強襲 |
ドッゴーラ 《11弾》 | 指定2 擬似ユニット除去&強襲 |
ジ・オ 《15弾》 | 指定2 擬似【転向】&強襲 |
タイタニア 《BB3》 | 指定3 Gリセット |
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戒めの処断 《12弾》 | 指定2 手札を奪う |
天使たちの昇天 《13弾》 | 指定1 ユニットリセット |
核の衝撃 《BB1》 | 指定2 ユニットリセット |
新たなる敵 《14弾》 | 指定2 ユニット除去 |
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青×10 | ガンダム試作1号機 《15弾》 | 指定1 クイック&砂漠&破壊無効(&高機動) |
ガンダム試作1号機フルバーニアン 《8弾》 | 指定2 高機動格闘4(&リロールイン) |
ガンダムMk−II(カミーユ・ビダン機)《14弾》 | 指定2 クイック |
リック・ディアス(アムロ・レイ機) 《Z編》 | 指定2 ユニットコントロール |
Zガンダム(ルー・ルカ機) 《13弾》 | 指定2 クイック(&一応高機動) |
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アムロ・レイ 《10弾》 | 指定2 リロール効果&NT |
カミーユ・ビダン 《BB》 | 指定2 コマンド対策&NT |
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急ごしらえ 《BB2》 | 指定1 ドローカード |
決戦前夜 《BB3》 | 指定2 大回復カード |
火急の措置 《Z編》 | 指定1 G事故回避&相手効果回避&エンドドロー |
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紫×7 | MS用トレーラー 《9弾スターター》 |
擬似リロール |
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プロテクト解除 《13弾》 | オペレーション破壊 |
かつての同志 《15弾》 | サーチ |
戦場の鈴音 《12弾》 | 2枚ドロー |
身勝手な懇願 《Z編》 | 攻撃抑制&【転向】【ジ・オ】対策 |
THE ORIGIN 《A編》 | リセット |
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凌駕 《14弾》 | 3回ロール
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国力×23 | 12x 黒基本G |
11x 青基本G |
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黒茶の流れを汲んで作られたデッキだけのことはあり、かなりの数のクイックユニットが採用されています。
茶と比べるとユニット性能が明らかに高く、ユニットパワーだけで押し込めることも多々ありました。
このデッキのポイントも、やはりクイック。
中でも【Zガンダム(ルー・ルカ機)】のクイックは実はとても強力。
4/2/4のユニットが突然出てくれば、相手の計算を大きくずらしてやることができます。
サイコミュ3にも耐えることができるのも優秀でした。
Zガンダム(ルー・ルカ機)
ユニット 2/5/2
クイック 変形
宇宙・地球 4/2/4
変形名称:ウェイブライダー
チーム>〔ガンダムチーム〕高機動
戦闘力 * /2/5
また【タイタニア】を出したターン中に【カミーユ】を出してやれば、【エスコート】などが効かなくなる上にサイコミュ3まで使用可能になるので、このセットが成立すればほぼ勝ち、といっても過言ではありません。
そして【リック・ディアス(アムロ機)】&【アムロ・レイ】の時代が違う専用機セットが揃っても強力。
このセットがいるだけでハーフロックがかかってしまい、相手はこのセットを除去するか、両面高機動パンチなどをしない限り、ほとんどの攻撃を抑えきることができます。
通常の構築では、効果回避としても、事故回避としても効果が中途半端な感がいなめない【火急の措置】ですが、バランス環境ではとても強力。
1枚しかスロットを食わないくせに、効果回避&事故回避を両立して行うことのできるスーパーカードとなってしまうのです。
とは言うものの、この環境ではやはり【決戦前夜】がすごく弱く、場で負けきっているときに本国が回復しても、手札がなければそこからの逆転なぞ見込めたものではありません。
茶に比べると本国の粘り強さに欠けます
(実際、【決戦前夜】を打った試合はすべて負けたようです)
さらに、茶に比べるとドローカードがかなり貧弱になってしまっています。
おかげでG事故、逆G事故、ともに発生確率がとても高くなっており、ブン回り仕様なデッキである、といえるでしょう。
それでもこのユニット性能の高さは非常に魅力的。
うまく引きが噛み合えば、黒茶以上のパワーを発揮するでしょう。
・バランス用 緑茶デッキ
↑の解説を見ても判るように、この環境において黒は本当に強力。
黒のカード単体でのパワーの高さによって、他の色では本当に苦しい戦いを強いられます。
それでは、こんなに強力な黒デッキを相手に、黒以外のカードで構築されたデッキというのは勝ち得るのでしょうか?
実はもう勝っています。
去る10月23日、ガンダムウォーツアー大阪・午後の部において、当店店員O君が黒以外のデッキを使用し、すでに優勝しているのです。
デッキのタイプは緑茶。
それではさっそくレシピを見てみましょう。
(Z編の発売前に行われた大会なので、Z編のカードは使用されていません)
■大阪大会(午後)優勝デッキ:緑茶リセット速攻 |
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緑×10 | ザクI(トップ機) 《13弾》 | 指定1 相手のカードを奪う
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ザクII 《A編》 | 指定1(実質2) 擬似リロールイン |
アッガイ(アカハナ機) 《4弾》 | 指定1 リロールイン |
ドラッツェ 《BB2》 | 指定1 リロールイン |
グフ(ランバ・ラル機) 《A編》 | 指定2 リロールイン&ブロッカー対策 |
高機動型ギャン(ジョニー・ライデン機) 《BB3》 | 指定2 リロールイン&除去等を回避 |
ケンプファー 《BB3》 | 指定2 リロールイン |
ノイエ・ジール 《BB2》 | 指定1 クイック&高機動 |
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光る宇宙 《12弾》 | 指定2 ユニットリセット |
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総攻撃 《13弾》 | 指定1 打点強化 |
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茶×10 | ガンダムエアマスター 《8弾》 | 指定1 リロールイン&バルチャー |
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宝物没収 《BB2》 | 指定1 2枚ドロー |
月のマウンテンサイクル 《BB3》 | 指定2 サーチ |
宝物投棄 《5弾》 | 指定2 手札&捨て山破壊 |
破滅の終幕 《BB3》 | 指定2 本国&ハンガー以外リセット |
月光蝶 《5弾》 | 指定2 Gリセット |
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ディアナ帰還 《BB3》 | 指定1 本国回復 |
発掘道具 《BB1》 | 指定2 サーチ |
天を焼く剣 《BB2》 | 指定1 ユニット除去 |
ニュータイプの排除 《12弾》 | 指定2 サーチ |
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紫×4 | かつての同志 《15弾》 |
サーチ |
戦場の鈴音 《12弾》 | 2枚ドロー |
THE ORIGIN 《A編》 | リセット |
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凌駕 《14弾》 | 3回ロール
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国力×26 | 13x 緑基本G |
13x 茶基本G |
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レシピを見てもわかりますように、デッキに入っているユニットのほとんどがリロールインかクイックを持っています。
この速度の早さを活かして序盤から相手本国を削っていき、中盤戦になると
・【宝物投棄】による手札&捨て山リセット
・【月光蝶(5弾)】によるGリセット
・【破滅の終幕】や【THE ORIGIN】によるリセット
これらの、とにかく何かしらのリセットカードを使い、場をひっくり返してから、その本国差を持ってして勝ちを狙いに行くデッキです。
『【破滅】などで一度場をリセットしてからが本番』というコンセプトのため、リセット後に確実にGを引けるよう、その枚数は非常に多く、なんと全部で26枚!
【MS用トレーラー】も採用せず、そのスロットもGに回してしまったくらいです。
そのため、ちょっとGを引きすぎる事態は発生しやすいですが、G事故はなかなか起こりません。
そして指定のキツイかわりに安定したサーチカードである【月のマウンテンサイクル】まで採用し、確実にリセットカードを手札に入れられるような工夫も凝らされているのです。
Gを引きすぎたとしても、茶の得意技【発掘道具】や【ニュータイプの排除】による永続手札交換を活かし、無駄ドローができるだけ起こらないようにしています。
さらに、その無駄になったGを生かす方法として【天を灼く剣(BB2)】まで採用されているため、他のデッキに比べて無駄Gの有効活用法はとても多くなっています。
しかし、その大量のリセット&ドローサポートカードのためにかなりのスロットを割くハメになっており、速攻デッキにしてはユニットの枚数がちょっと少なめです。
序盤から殴っていかないといけないのに、もしも序盤にユニットが引けなかった場合は大変なことになってしまいます。
そこがちょっと辛いところでしょうか。
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