■デッキ紹介「黒赤タッチ緑 自爆ジ・オ」
ご紹介するのはEB2に新規収録されているカードを主力としたデッキではありませんが、現在のメタゲーム上でも重要視される可能性のあるデッキ、いわゆる
「自爆ジ・オ」です。
【ジ・オ】を使うといっても、普段見かける強力カード、【ジ・オ(15弾)】ではありません。
言うまでもなく、1弾やBBのものでもありません。
今回使用するのは、
BB2収録&EB2再録のものです。
EB2に再録されているカードを使ったデッキであるため、EB2関連のデッキ、といえなくもありません。
ジ・オ(EB2orBB2)
ユニット 2/6/1
プリベント(4) 強襲
(自軍ダメージ判定ステップ):《[2・6]0》このカードが破壊されている場合、このカードを廃棄する。その場合、ターン終了時に、自軍捨て山と全ての本国にある、全てのカードをゲームから取り除く。その後、全ての手札を本来の持ち主の本国の上に移し、全ての本国をシャッフルする。
宇宙/地球 5/2/5
このデッキは基本的に黒赤の2色で組まれることが多いのですが、今回ご紹介するのはそれにタッチ緑した、3色のバージョンです。
緑を足すことによって【一日の長】や【遺志を伝える者たち】の採用が可能になり、緑の優秀なサイドボード用カードが、もしも必要になればが採用可能になり、いろいろと構築の選択肢が増えます。
国力の安定、という意味で2色よりも劣ることとなるでしょうが、それよりもパワーを重視した構築、ということですね。
■サンプルレシピ
■黒赤緑「自爆ジ・オ」 |
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ユニット |
3x ジ・オ |
| 破壊されている場合、お互いの手札を本国にする |
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キャラクター |
3x イリア・パゾム |
| コンボパーツ 【ジ・オ】破壊用カード |
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コマンド |
2x 残忍な野獣 |
| 赤発生のヴァリアブル(1) キャラ破壊 |
3x 退路の確保 |
| コンボパーツ 相手の「手札」を0枚にする |
3x 密約 |
| 2ドロー |
3x サラサ再臨 |
| 本国5枚サーチ |
2x 予期せぬ遭遇 |
| 緑発生のヴァリアブル(1) 配備限定でユニットを手札に |
3x 遺志を伝える者たち |
| 緑+赤 本国に2枚以上残っているカードをサーチ |
3x 完封 |
| 黒+赤 プリベント無視【作戦の看破】 |
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オペ |
3x 一日の長 |
| 自軍ユニットがいなければ追加ドロー |
3x 木星圏からの出発 |
| 2ターンの間、戦闘フェイズを飛ばす |
2x 司令部の移送 |
| 本国完全回復+その後ダメージはゲーム除外 |
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国力 | 6x 黒基本G | | |
5x 赤基本G | | |
3x ジャブロー残留部隊 |
| 緑or黒発生G |
3x ジオン兵士残党 |
| 緑or赤発生G |
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(このデッキは、2008年1月27日時点のカードプールとルールにより作られています)
今回狙うべきコンボは以下のとおり。
■自軍配備フェイズに【退路の確保】をプレイ(相手の手札を全てハンガーに移す)
→続いて【ジ・オ】をプレイ
→さらに続いて【イリア・パゾム】をプレイ
→ダメージ判定ステップまで進み、【イリア・パゾム】のテキストを宣言、【ジ・オ】を破壊
→破壊されている【ジ・オ】がテキストを宣言、解決すればターン終了時、お互いの手札が本国になる
→【退路の確保】の効果で「手札は0枚」になっているので、相手の本国は0枚となり、自軍の勝利!
こんなカンジとなります。
なお、これはわかりやすく手順を書いただけです。
相手によっては手順を細かく変更する必要もあります。そのあたりも追々解説していきましょう。
ちなみに、【退路の確保】プレイ前の段階で相手の手札が1枚以下の場合、【ディアナ帰還】のような目に見えた回復カードがない場合、コンボパーツに【退路の確保】が不要になります。
0枚ならそのままOKなのは当然として、1枚の場合は
「テキストプレイ、ターン終了時に効果解決→相手の本国が1枚になる→ドローフェイズ規定の効果でドロー→本国0枚に、勝ち」という流れになるためです。
なお、お互いの手札が0枚の場合は引き分け…になるように見えますが、ターン終了時にお互いの手札が0枚の場合は「その場合」以降のテキストが解決されないようです。注意しましょう。
イリア・パゾム(1弾)
キャラクター 1/3/0 F Ad NT
(常時):《0》このカードと同じエリアにいる、自軍ユニット1枚を破壊する。
1/1/2
退路の確保(13弾)
コマンド 1/1/0
(配備フェイズ):プレイヤー1人は、手札を全て(そのプレイヤーの)自軍ハンガーに移す。
■このコンボの利点
自分でこのデッキを使わずとも、「こういうデッキである」という知識を持っているのと、そうでないのとでは、大きく対戦時の対応が変わります。ぜひ覚えておきましょう。
このコンボの利点は、大きく分けて以下のとおり。
まだ他にもありますが、とりあえずこれらを覚えておきましょう。
■起動に(【ジ・オ】プレイ時の)資源1しか支払う必要がない
(どんなピンチな状況であっても、本国が2〜3枚程度ほど残っていれば一発逆転可能!)
■【ジ・オ】本人が出撃する(戦闘エリアにいる)必要がない
(戦闘エリアに出る必要がないため、戦闘エリア限定除去が通用しない)
■コンボ用としてのコマンドは、配備フェイズにしかほぼ使わない
(各種コマンド対策カードではシュートの対策になりにくい)
■敵軍本国への「ダメージ」によるシュートではない
(各種本国ダメージ対策が役立たない)
■メインカラーが「赤黒」なので、【完封】というプリベント無視の軽量カウンターを採用できる
(【魂の輝き】のような重プリベントの厄介なカードを対策しつつ、ドローコマンドのような軽量カードもカウンター可能)
完封(17弾)
コマンド 黒1/赤2/3/0
(自動B):このカードのプレイは、「プリベント」の影響を受けない。
(常時):Gとユニット以外のカード1枚のプレイを無効にし、廃棄する。
■↑に加え、コンボの基点が【退路の確保】であるため、相手のハンガー(さっきまで手札だったもの)を確認しながらコンボ起動に移ることができる
(相手のハンガーにある「カウンターすべきカード」を完全に把握しながらコンボに移行できる)
これらの利点に加え、色事故率アップを覚悟してでも緑を加えたことにより、更に利点が追加されます。
■【一日の長】によりドロー量の増強
(コンボパーツや、相手への妨害カードを手に入れやすい)
■【遺志を伝える者たち】により、本国に必要なカードが2枚以上残っていれば、その必要カードをサーチ可能
(コンボパーツだけではなく【完封】や【密約】、ヴァリアブルコマンドや特殊Gもサーチ可能)
といったカンジです。
遺志を伝える者たち(19弾)
コマンド 緑1/赤1/4/0
【ターン1枚制限】 プリベント(5)
(自軍配備フェイズ):自軍本国のカードを全て見て、その中にある、基本G以外の同一名称のカード2枚を抜き出し、表にする事ができる。その場合、その中から1枚を手札に移し、1枚をゲームから取り除く。その後、自軍本国をシャッフルする。
■細かい解説 問題点
もちろんいいことばかりではありません。
以下のような問題点もありますので、それも覚えておきましょう。
■コンボの起動が確定で6ターン目以降になる
(【ジ・オ】が6国ユニットであり、さらにテキストの起動コストとして[2・6]が設定されているため)
■序盤は特に場へ干渉しないため、【木星圏からの出発】などに防御を頼ることとなる
(【木星圏からの出発】を破壊される、引けていない、となると一気に無防備になる)
■↑に加え、【一日の長】ドローに頼っている部分もあるので、結果オペレーションへの依存率が高くなっている
(カウンターがあるとはいえ、オペレーション破壊にじゃっかん弱い)
■サンプルレシピのままだと、特殊Gが非常に多く採用されている
(結局まわりの環境次第ではあるが、各種特殊G対策が非常に効く)
序盤の防御オペレーションを【隠された翻意】ではなく、2ターンしか遅延できない【木星圏からの出発】を採用している理由は、「戦闘フェイズそのものを飛ばしたい」からです。
木星圏からの出発(BB2)
オペレーション 1/1/4
(自動B):このカードがプレイされて場に出た場合、このカードの上にコイン2個を乗せる。
(自動C):自軍ドローフェイズに、このカードの上にあるコイン1個を取り除く。コインが無くなった場合、このカードを廃棄する。
(自動A):全てのプレイヤーは、戦闘フェイズをとばす。
隠された翻意(EB2)
オペレーション 1/1/4
(自動D):自軍ターン終了時に、このカードの上にコイン1個を乗せる。
(自動C):自軍ドローフェイズ開始時に、このカードの上にあるコイン1個につき2(資源2)を支払う。支払わない場合、このカードをゲームから取り除く。
(自動A):全ての本国は、戦闘ダメージではダメージを受けない。
現在は、『青単Sガンダム』のような、殴れずとも戦闘フェイズに展開したり、戦闘フェイズに永続的にオペレーション破壊を行うデッキが存在するため、戦闘フェイズ自体を相手に与えるのは非常に危険、ということからです。
(戦闘フェイズの永続オペ破壊=【ジュンコ・ジェンコ】や、『緑単シャア』の【リックディアス(クワトロ・バジーナ機)】など)
また遅いデッキ相手だと、戦闘フェイズを飛ばすことは手札破壊を対策することにもなります。
【シンデレラ・フォウ】【シロッコの眼】【戒めの処断】【報道された戦争】はみんな、タイミングにやや違いはあれど結局、戦闘フェイズにしか撃てませんからね。
(【下劣な奸計】は除く)
ですので、2ターンしか止められない欠点を加味してでも、今の環境的には合っているのは(基本的に)
「【木星圏からの出発】>【隠された翻意】」なのです。
(一応、【隠された翻意】だと「戦闘フェイズがある」ため、【隠された翻意】が場に存在しながらコンボ起動が可能、という利点もあります。念のため)
■その他解説
実はこのコンボ、【イリア・パゾム】以外にも【ジ・オ】を破壊する方法が存在します。
そのカードが【その場しのぎ】です。
その場しのぎ(9弾)
オペレーション(ユニット) 1/2/0
(常時):《0毎》このカードがセットされているユニットは、ターン終了時まで、+1/±0/−1を得る。この効果は、1ターン中に、そのユニットの本来の防御力と同じ値までしか解決できない。
このカードを【ジ・オ】にセットし、テキストを5回宣言しましょう。
そうすると【ジ・オ】の戦闘力が「10/2/0」となり、防御が0になったことにより破壊されてしまいます。
こうなっても結局は「破壊されている」ことに代わりありませんので、【イリア・パゾム】による破壊とほぼ変わらず、【ジ・オ】のテキストは使用可能になります。
なので、キャラクター破壊が怖い場合など、【イリア・パゾム】の代わりにこちらを使用することもあります。
ですが、現在の環境では(こちらから見た)自軍ターンに使われる「キャラクター破壊」よりも、(こちらから見た)自軍ターンに使われる「オペレーション破壊」のほうが多くなっています。
(メインボードから非常に良く見かけるのは主に【周辺警護】)
相手が【パトゥーリア(EB)】+【マリオン・ウェルチ(EB)】のコンボを使用している場合、【ジ・オ】→【イリア】とプレイしてそのターン中にコンボ起動、という勝ち筋も生まれますが、【その場しのぎ】だとそれができない、といった差もあります。
【遺志を伝える者たち】の絡みもあり、このデッキでは【イリア・パゾム】を3枚としていますが、まわりの環境に合わせてどちらを採用するかを決めると良いでしょう。
他にも、【その場しのぎ】を4枚目以降の【イリア・パゾム】として換算し、【イリア】2〜3枚+【その場しのぎ】1〜2枚の枚数調整、というのもいいでしょう。
相手に合わせて調整するため、メインボードに入っていないほうをサイドボードに入れる、というのも手ですね。
ですが、上記は【イリア・パゾム】の優れている点を上げただけであり、もちろん【その場しのぎ】にも優れている点があります。
■ミラーマッチの場合、【イリア・パゾム】を先に出せた側が圧倒的に有利
(出されると、キャラ破壊が通らない限りはコンボ起動不可能になるため、もしもミラーマッチを意識するのなら【その場しのぎ】が優先)
■【ガンダムLOブースター(ロッシェ・ナトゥーノ機)】で、コンボ起動前に【イリア・パゾム】を奪われる可能性がある
(【その場しのぎ】も【イリア・パゾム】も、両方ともカットイン【部品ドロボウ】には弱く、白にもオペ破壊はあるため一長一短な部分はあるが、(相手から見た)敵軍ターン中に使用可能でメインから採用されやすいのは【LOブースター】)
加えて、まわりの環境が「自軍ターン中に使われるキャラ破壊>自軍ターン中に使われるオペ破壊」だった場合は評価が逆になりますので、どちらにも長所短所があると言えます。
何度も言いますが、ご自分の環境に合わせた調整を行うといいでしょう。
また、相手に【νガンダム(GTG)】がいるとテキストが消えてしまうため、非常に困ったこととなります。
とりあえずメインには【予期せぬ遭遇】を対策カードとして入れていますが、【アストナージ・メドッソ】などで毎ターン出撃されてしまっては非常に面倒です。
一応、メインからキャラ破壊である【残忍な野獣】も入っていますので2重の対策も可能ではありますが、両方とも引かなければならないため、万全とは言いづらいものがあります。
まわりに【νガンダム】を多く見かけるようでしたら、これも何らかの対策カードを用意するが必要あるかもしれません。
予期せぬ遭遇(19弾)
コマンド 1/2/0
ヴァリアブル(1)
(ダメージ判定ステップ):配備エリアにいる敵軍ユニット1枚を、本来の持ち主の手札に移す。
第2テキスト
(自動A):このカードは、緑国力1を発生する。この国力は、無効にしたり変更する事ができない。
残忍な野獣(19弾)
コマンド 1/2/0
ヴァリアブル(1)
(自軍ターン):キャラクター1枚を破壊する。
第2テキスト
(自動A):このカードは、赤国力1を発生する。この国力は、無効にしたり変更する事ができない。
■細かい解説 このデッキの利点
ついでですので、「このデッキが今、注目されている理由」についてもチェックしておきましょう。
このデッキ自体はわりと昔から存在していたのですが、
■「昔は配備エリアに触ることができる中速デッキも多く、更に『カウンターΞ』のようなカウンターが非常に多いデッキが非常に多かったため、『環境に適している』とは言いにくかった」
■「大きな大会にはコンボデッキよりも、敵軍本国を殴って勝つデッキを持っていこうと考える人が多い」
■「そもそも、デッキの知名度がそこまで高くない」
などなどの理由(おそらく)により、あまり日の目を見ることがありませんでした。
しかし、今は昔と比べ、大きく環境が変わりました。
■「【ガンダムエクシア】の登場で中速デッキが減り、逆に混色コントロールデッキが増えた(混色化により、単色時よりカウンターの枚数が減った)」
■「現在の赤単のコントロールデッキでは、単純に周りと比べてデッキパワー不足が顕著なので数が減り、結果、天敵の1つである『フルカウンター』といえるようなデッキが減少」
■「同じような理由で最近人気が高まった『青茶第7次宇宙戦争』に高い勝率を出せるデッキである」
などなどの理由が上げられます。
実際、チャンピオンシップ決勝などが開催されていた「ガンダムウォーツアー」においても当店店員がガンスリンガーにて使用し、12連勝の戦果をあげています。
他にも、ついこの間、当店で開催された参加者20人オーバーのショップチャンピオンシップ予選において4−1というなかなかの結果もあげています。
まだ目に見えた大きい戦果を挙げていないデッキではありますが、今後の動向が注目されるデッキです。
自身で調整して使ってみる、または対策を考える、というのは、今後において重要かもしれません。
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