TOPガンダムウォー研究所第72回(08.04.16)

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■2007年度グランドトーナメント優勝デッキ解説


 先日のガンダムウォー・グランドトーナメント決勝大会(通称:GT決勝)で当店店員が参加し、優勝しましたことは前回にご報告いたしました。
 今回の記事ではそのデッキを選択した経緯などの解説を行っていきましょう。
(注:このデッキは08年4月1日付けの制限カード追加により消滅しています。優勝したデッキの解説、といった程度に捉えていただけますと幸いです)

 とりあえずもう一度デッキレシピを掲載しておきます。

■2007年度GT決勝優勝デッキ
ユニット
 3x ガンダムエクシア
クイック&敵軍部隊のいる戦闘エリアに出せる
&キャラがセットされていないユニットの格闘を*に
 3x ガンダムデュナメス
攻撃に出撃すると本国orユニットに2点
 1x ガンダムデュナメス(スナイパーモード)
戦闘エリアにいるユニットに4点
 3x ガンダムキュリオス
クイック&条件付き戦闘配備&変形《1毎》で高機動
 2x ガンダムヴァーチェ
条件付き戦闘配備&範囲兵器4&範囲兵器の対象変更
キャラクター
 2x ボッシュ
敵軍手札の「名称:ガンダム」を奪う
コマンド
 3x ブリッツクリーク
大量ユニット配備カード
 3x サラサ再臨
本国5枚サーチ
 1x 女王の擁立
Gを廃棄して本国から別のGをサーチ
 1x 嫉妬
条件付軽量カウンター
 1x 遺志を伝える者たち
 本国に2枚以上残っているカードをサーチ
 1x 雲散霧消
ヴァリアブル(1)戦闘エリアにいるユニットのテキスト無効化
オペ
 3x 内部調査
永続本国サーチ
 1x 民意の獲得
毎ターンGをサーチ
 2x 地球侵攻作戦
自軍G2枚を廃棄して、敵軍G1枚を破壊
国力
 14x 赤基本G
 6x ギレンザビ狂信派
自軍ドローフェイズに破壊される、緑2国力発生G

 サイドボード
キャラクター
 1x 大胆な計画 《20弾》
ヴァリアブル(1)敵軍ユニットを1ターン奪う
 1x 露払い 《17弾》
軽量カウンター
 1x 雲散霧消 《18弾》
ヴァリアブル(1)テキスト無効
 1x 血の宿命 《1弾》
受けた本国ダメージを敵軍本国にも与える
 2x メテオブレイカー 《14弾》
ジャンク除去 『Sガンダムデッキ』対策
オペ 1x 摂政の演説 《BB2》
【虚偽の報告】対策
 2x 司令部の移送 《19弾》
速攻デッキ対策
 1x 虚偽の報告 《9弾》
特殊G対策
(このデッキは、2008年3月15日時点のカードプールとルールにより作られています)


 ■デッキの目的

 ではデッキの細かい解説を行いましょう。

 見てのとおり、3ターン目に「赤基本G2枚+【ギレンザビ狂信派】1枚=合計4国力」を発生→00ユニット大量展開→【地球侵攻作戦】でG破壊」を狙うことに特化したデッキです。

 3ターン目には3国力目をスキップして4国力を発生させるデッキであるため、ゲーム中でも最高クラスのドローカードである【密約(EB1)】も、スキップされるタイミングである3国力カードのため、不要となります。

 赤2国力でも【サラサ再臨】と【内部調査】、加えて専用のサーチカードを駆使すれば非常に高い安定性をみせます。
 赤のサーチ力が強力だったからこそ、このデッキが作られ、ゲームを勝利に導いてくれたといっても過言ではありません。

 では、その3ターン目のゴールへ行き着くための道筋の解説に参りましょう。


 まずは国力。
 必要国力集めなければ話になりませんので、全サーチ力を駆使して赤基本G2枚+【ギレンザビ狂信派】を用意しましょう。
 赤の必須サーチカード以外だと、【民意の獲得】でデッキ圧縮+Gサーチ、【女王の擁立】でデッキから必要なGをサーチ、というのが優秀な働きを見せます。

 そうこうして国力を集め、「【ブリッツクリーク】→手札のユニットを出す→【地球侵攻作戦】」というゲームエンドコンボを完成させましょう。

 3ターン目に【ブリッツクリーク】で00ユニットがワラワラ並びつつ相手のGを破壊するのですから、とても恐ろしい状況です。


 ■各種対策カード解説

 続いて「デッキを動かすためのコンボパーツ」ではなく、「対戦相手に効く優秀な対策カード」を解説いたします。

 【ボッシュ(18弾)】

 優秀な「名称:ガンダム」対策です。
 デッキ唯一のキャラクターなのでデッキの動きを阻害せずに使える上、「00ユニットの大流行+青や白のデッキが多そう」というメタゲームではほぼ確実に相手の手札には「名称:ガンダム」がいる、といってもいいでしょう。
 そういうわけで、相手の戦力アップ妨害+自軍戦力増強というのは非常に優秀な働きを見せます。


 【嫉妬(EB1)】

 このデッキは長期戦なんぞ一切行うつもりがありません。
 ですのでこの「早いターンならG以外のカードを何でもカウンター可能」という特性を持つ【嫉妬】は非常に優秀なカウンターカードなのです。
 相手の【ブリッツクリーク】や【地球侵攻作戦】をほぼ確実に消せる上、もっと早いターンに撃つサーチカードも消せるため、想像以上に相手の足を引っ張ってくれます。


遺志を伝える者たち(19弾)
コマンド 緑1/赤1/4/0
【ターン1枚制限】 プリベント(5) 
(自軍配備フェイズ):自軍本国のカードを全て見て、その中にある、基本G以外の同一名称のカード2枚を抜き出し、表にする事ができる。その場合、その中から1枚を手札に移し、1枚をゲームから取り除く。その後、自軍本国をシャッフルする。


 以前のご紹介したデッキにもこのカードをオススメしていましたが、このカードは非常に強力です。
 デッキに2枚以上残っている基本G以外のカードなら、なんでも手札に入ると書いてるのですから、この効果で【地球侵攻作戦】でも【ブリッツクリーク】でも探し放題です。
 一応、特殊Gもサーチ可能です。




 ■デッキ選択の経緯

 今大会で多いと予想される(予想した)デッキは以下のとおり。

 ・赤緑ブリッツクリーク
 ・青単ガンダム(第13独立部隊)
 ・青単Sガンダム
 ・青茶コンボ(『A.W.ハリソン機』『第七次宇宙戦争』など)


 いろいろと考えた結果、当初は青単のデッキを持っていこう!ということになっていました。
 そう思った理由は主に以下のとおりです。

 1.混色デッキは色事故という要素があるため「安定性」に難が残る。

 2.オペレーションをメインから割れる

 3.新たに追加された【ガンダムF91(ハリソン機)(20弾)】でユニット戦が強化

 4.ユニットによる本国防衛力が高いため、【エースの奮闘】の回復力がかなり強烈

 5.『ガンダムデッキ』も『Sガンダムデッキ』も非常に強力なユニットが存在するため00ユニットにも引けを取らない


 それを踏まえての、大会(予選大会)の前日調整に望みました。

 ・・・が、『ガンダム』も『Sガンダム』もデッキの中心パーツであるカードを引けないとデッキの動きが鈍ります。
(『ガンダム』は【ガンダム(20弾)】 『Sガンダム』は【Gボマー】)

 そしてミラーマッチになると1ゲームが非常に長くなる為、長丁場では休憩タイミングが減り、人為的なミスが発生しやすいという不安が出ました。
 一番ひどいのが、「お互いが【エースの奮闘】を打ち合った場合、お互いの本国がまったく減らず引き分けになる可能性が極めて高い」というもの。
 ミラーマッチにおいての【エースの奮闘】は本当に最悪です。

 まさかの大会直前になっての難航。
 どうしたものか、といったカンジです。


 その時、隣で一緒に調整していた、友人のTakuさんが今回の赤緑デッキを回していて、気分転換にデッキを見せていただきました。

 メタゲーム的に考えても、(『Sガンダム』を除く)環境上存在する強力デッキの初動がほぼ4ターン目以降。なので3ターン目の行動開始は非常に有効です。
 そして環境に存在する強力なユニットはほぼ全て「名称:ガンダム」です。
 これらを克服するのが2国Gであり、そこからの【地球侵攻作戦】と【ボッシュ】でした。これらを使えるのは大きい。

 続いて、緑Gは完全にタッチ(【ギレン・ザビ狂信派】のみ)なので、感覚的には赤基本G+特殊G6枚が入っただけの、いわば「赤単デッキ」であったため色事故率が低いのも大きな要因です。
 いってしまえば、安定性に定評のある「赤単デッキ」が自軍国力を1国力ブーストしながら、相手のGを破壊し、過去最強クラスの超強力ユニットである00ユニットたちをワラワラと並べるデッキであるということ。

 実際、これらをデッキとして構築してテストはしていたのですが、

 ・安定してコンボ決めるためドローサポートを多めに投入
 →ユニットスロット不足となり、【ブリッツクリーク】のパワーが下がる

 ・ユニット、コンボパーツを充分数確保する
 →ドローサーチ不足の為、3ターン目コンボが決まらない

 と自分の中では50枚のデッキとして構築できずにいて諦めていたのですが、このデッキはGバランスや「そもそも赤Gを2枚という状況からコンボスタートなので、密約は不要」と非常に内容の練られたものでした。

 早速貸していただいて回させてもらいましたところ、使用感が想像以上に良好だったのです。

 デッキの回し方自体複雑でなく(『3ターン目にユニット大量展開→可能ならG破壊』というテンプレ行動しか狙わないため、ゴールが非常に見えやすい)基本コンボデッキなので扱いが楽であること。

 そしてこんなやりとりを。

 「このデッキ貸していただけますか?」
 「いいよいいよ」


 ・・・そして前日のGT予選大会。

 このデッキで参加してみましたところ、

 予選結果
 1戦目 赤黒オノゴロ00 ××
 2戦目 赤白フリーダム ○○
 3戦目 緑単シャア ○○
 4戦目 白単 ○○
 5戦目 赤茶カウンターパトゥーリア ○○


 このような十分な戦績を出しました。

 なお、全10試合中、G事故を起こしたのは1回のみであり、あとは非常に安定したいいデッキの回りを見せてくれたため、このまま決勝用デッキとして持っていくことが決定されました。

 その結果、見事優勝。
 細かい戦績は以下のようになります。

 決勝結果
 1戦目 黒緑 ○○
 2戦目 青緑辣腕 ○○
 3戦目 赤黒00 ○×○
 4戦目 赤緑00 ○○
 5戦目 青緑00 ○○
 6戦目 黒茶輝き ×○○





 ■このデッキの終焉、そして環境変化

 結局のところ、このデッキは【ブリッツクリーク】&【地球侵攻作戦】コンボを、【ギレン・ザビ狂信派】によって3ターン目に行うところにキモがあります。

 とてつもなく強力な00ユニットたちが【ブリッツクリーク】で3ターン目に大量生産され、ついでに3ターン目にGを割っていくのですから始末に終えません。
 1枚のカードから「運次第で0〜7枚のユニットを戦闘配備で生産」という、不確定ながらもとてつもないアドバンテージを生み出してくれる【ブリッツクリーク】はやっぱり異常だったのでしょう。

 結果、4月1日付のレギュレーション更新にてさまざまなカードが制限・禁止(メンテナンス中)カード指定を受けました。
 →ガンダムウォー公式ページ・制限カード
 過去にも問題をたくさん残してくれた、G破壊&国力加速はやっぱりダメだった、という事ですね。

 他にも【A.W.】のような問題カードも制裁を受け、本国から好きなユニットをジャンク送りにできる【コア・ベース】もおそらく「便利すぎる」ということで制限を受けたということなのでしょう。

 このおかげで環境は、少なくとも「良いほうに進んだ」のは間違いありません。

 加えて、環境に変化があったのは間違いのないところ。
 弱体化したデッキ、死滅したデッキ、逆に相対的にパワーアップしたデッキ、などなど。

 これらを踏まえて新しいデッキを作り、調整し、新しい年度のガンダムウォーを楽しんでいきましょう。


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