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“キメラテック・オーバー・フュージョン”デッキ紹介
遊戯王の記念すべき第5期にあたる、最初のエキスパンション“POWER OF THE DUELIST (パワー・オブ・ザ・デュエリスト)”のが発売されました。
今回も恒例の、新弾攻略と参りましょう!
それではまず、新弾対応デッキをご紹介。
「カードゲームって面白いぜ!こんなデッキはいかが?」とお伝えするのが当研究所の本道。しかしたまには、
「コイツぁ厄いぜ!何とかしねぇと!!」というデッキも紹介して、現状に警鐘を鳴らす事もございます。
今回ご紹介する一品は、最新弾“パワーオブザデュエリスト”のカードを使ったコンボデッキ。
その名を“キメラテック・オーバー・フュージョン”!
巷では、略して“KОF”などと呼ばれておりますが・・・。
いけっち店長 「なぁハリー、『キメラ』の頭文字って、『K』じゃなくて『C』なんじゃないの?」
ハリー 「そうですよ。店長って馬鹿じゃなかったんですね」
いけっち店長 「いやあ、誉めるなよ。あははは」
ハリー 「まぁ、そういう略称のゲームが別にあるので、それが元でしょうね」
さて。
このデッキ。
ものすごい安定性で、いきなり相手を即死させるコンボが炸裂します。
しかも、そのコンボを止める手段がかなり限られています。
はっきり言って、「相手に何もさせずコンボで勝ちたいいんじゃああああ!!」という場合、このデッキを取り出せばそれでオーケー。
実に簡単な方法で、パワー8000を軽く超える【キメラティック・オーバードラゴン】が降臨し、相手を一撃で粉砕します。
コンボを理解するまで、ちょっと想像しにくいし、僕も最初わけがわかんなかったんですが、わかったとたん回る回る。毎回確実にコンボ炸裂です。
ではまず、デッキレシピを。
『キメラテック・オーバー・フュージョン』 |
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上級モンスター(3枚) |
3x サイバー・ドラゴン(CRV)
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下級モンスター(20枚) |
1x メタモルポット(BE2・制限)
2x 魔鏡導士リフレクト・バウンダー(EE1・準制限)
3x UFOタートル(BE1)
3x デビル・フランケン(BE2)
3x 魔装機関車 デコイチ(RDS)
3x サイバー・フェニックス(EOJ)
2x ドリルロイド(CRV)
2x 瞬着ボマー(SOI)
1x キャノン・ソルジャー(BE2)
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魔法(17枚) |
1x 早すぎた埋葬(BE1・制限)
1x サイクロン(BE1・制限)
1x リミッター解除(BE1・制限)
1x 天使の施し(BE2・制限)
1x 大嵐(BE2・制限)
1x 手札抹殺(ST烈風の覇者・制限)
3x 未来融合−フューチャー・フュージョン(POTD)
3x オーバーロード・フュージョン(POTD)
2x ハリケーン(BE1)
2x 巨大化(BE1)
1x ビッグバン・シュート(EE1)
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融合デッキ |
サウザンド・アイズ・サクリファイス(BE1・制限)
ドラゴン・ウォーリアー(BE2)
サイバー・エンド・ドラゴン(CRV)
サイバー・ツイン・ドラゴン(CRV)
キメラテック・オーバー・ドラゴン(POTD)
などなど
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(手に入るならば【スフィア・ボム 球体時限爆弾】なども良いです)
キメラテック・オーバー・ドラゴン
闇 ☆9 機械族 融合/効果
ATK/? DEF/?
「サイバー・ドラゴン」+機械族モンスター1体以上
このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。このカードの融合召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上のカードを全て墓地へ送る。このカードの元々の攻撃力と守備力は、融合素材にしたモンスターの数×800ポイントの数値になる。このカードは融合素材にしたモンスターの数だけ相手モンスターを攻撃する事ができる。
オーバーロード・フュージョン
通常魔法
自分のフィールド上または墓地から、融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、闇属性・機械族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)
未来融合−フューチャーフュージョン
永続魔法
自分のデッキから融合モンスターカードによって決められたモンスターを墓地へ送り、融合デッキから融合モンスター1体を選択する。発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時に選択した融合モンスターを自分フィールド上に特殊召喚する(この特殊召喚は融合召喚扱いとする)。このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。
原作アニメにて『カイザー』こと「丸藤 亮」改め、『ヘルカイザー「丸藤 亮」』が使用した、現在問題になっている非常に強力カード&強力コンボ達。
カイザーが使用したときも、不利な状況をこれらで一気に打開したというほどのスーパーパワーカードですが、OCG化された場合にもやっぱりめちゃくちゃ強力でした。
このデッキでの使用方法は以下のとおり。
→【未来融合−フューチャーフュージョン】を使用
→素材モンスターを墓地に送り、融合モンスターには【キメラテック・オーバー・ドラゴン】を指定
(素材モンスターとして、【サイバー・ドラゴン(CRV)】と、デッキの中にある機械族モンスターをほぼ全て墓地に送る)
→【オーバーロード・フュージョン】を使用、先ほど【未来融合】に使用した素材モンスターのほとんどをゲームから除外、【キメラテック・オーバー・ドラゴン】を融合召喚!
→10枚以上の機械族を素材としていれば攻撃力8000、攻撃すればゲームエンド
こんなカンジで、新たな1ターンキルが可能になってしまっているのです。
このコンボの優れた点(ゲーム的には問題点)は、【デビル・フランケン(BE2)】を使用した1KILLと違って大量のライフが必要というわけでもなく、モンスターを召喚する必要もなく、ただ2枚の魔法カードが手札にあれば発動が可能なこと。
(まぁ相手の守備モンスター除去や伏せカード除去も必要にはなりますが、このコンボ自体はこの2枚で可能ということで)
そう、まさにどんなに不利な状況でも、まさに一撃で逆転が可能になるのです。
■デッキの回し方
デッキの動かし方をご紹介しましょう。
とりあえず上記のように、【未来融合】が手札に来るまで粘りつつ、手札を濃くし続けます。
基本的には【UFOタートル】戦闘破壊→【サイバー・フェニックス】特殊召喚という流れでデッキ圧縮&ドローによる防御策を採用。
【魔装機関車デコイチ】のリバースドローも加え、デッキ圧縮をしていきます。
【未来融合】が引けたら、機械族を墓地に落としましょう。これでデッキが大幅に圧縮され、【オーバーロード・フュージョン】を引きやすくなります。
そして【キメラテック】を召喚するのですが、その前に【大嵐】や【ハリケーン】などを使っておくと、相手の罠に引っかからないので良いですね。
また、召喚後は無理にダイレクトアタックを狙わずとも、
・11体以上のモンスターを素材として攻撃力を上げまくり、【ビッグバンシュート】で貫通効果を与えて守備表示モンスターごと相手ライフを0にする
・後に述べる【デビル・フランケン】コンボで相手モンスターをどける
などで対応しましょう。
他にも、このデッキでは採用していませんが、相手の場に攻撃力が高めの攻撃表示モンスターが立っていたとしても、あえて【ミストボディ(PP9)】を相手モンスターに装備させて戦闘で破壊できないようにしたあと、【キメラテック】のもう1つのテキスト「素材としたモンスターの数だけ、相手モンスターに攻撃できる」のを活かし、同じモンスターを
「グォレンダァ!」
と叫びながら何度も殴りつづけて相手ライフを0にする、という方法も取ることができます(笑)
また別の勝ち筋として、機械族なので融合素材としても無駄なく活用することができる、【デビル・フランケン】による1KILLも狙うことが可能です。
デビル・フランケン
闇 ☆2 機械族・効果
ATK/700 DEF/500
5000ライフポイントを払う。自分の融合デッキから融合モンスター1体をフィールド上に攻撃表示で特殊召喚する。
・【デビル・フランケン】召喚
→効果で【サイバー・エンド・ドラゴン】もしくは【サイバー・ツイン・ドラゴン】を特殊召喚
→【巨大化】装備、または【リミッター解除】、攻撃でゲームエンド
【デビル・フランケン】を引けなくとも、これまた【未来融合】をあわせると悪い使い方が可能になります。
・【未来融合】で【デビル・フランケン】を含む融合素材を墓地に
→【早すぎた埋葬】で【デビル・フランケン】特殊召喚
→以下略
さすがに【早すぎた埋葬】が制限カードなので積極的に狙うことはないでしょうが、「こういう事もできる」と覚えておけば、非常に有用ですね。
また【デビル・フランケン】にはこの1KILLを狙う為だけでなく、他の仕事もあるため、まったく無駄になりません。
他の仕事とは、「壁モンスターの除去、および罠カードの回避」です。
やり方は簡単、相手に裏守備などの面倒な壁モンスターが1体いるようなときに【デビル・フランケン】の効果を使用し、【サウザンド・アイズ・サクリファイス】を呼び、壁モンスターを吸収、除去します。
しかしこのままでは、【サウザンド・アイズ・サクリファイス】以外のカードが攻撃することができませんね。
ですのでその後、【未来融合】→【オーバーロード】と繋げるなどして、【キメラテック・オーバー・ドラゴン】を特殊召喚します。
すると、【キメラテック・オーバー・ドラゴン】の効果で自分以外のカードが全て墓地に送る効果が発動し【サウザンドアイズ・サクリファイス】も墓地に送られてしまうため、攻撃力8000オーバーの【キメラテック・オーバー・ドラゴン】がダイレクトアタックを狙いにいける状況を作り出せるのです。
サウザンド・アイズ・サクリファイス
闇 ☆1 魔法使い族 融合/効果
ATK/0 DEF/0
「サクリファイス」+「千眼の邪教神」
このカードがフィールドに存在する限り、他のモンスターは表示形式を変更できず、攻撃宣言もできない。
相手モンスター1体を指定してこのカードに装備する(この効果は1ターンに1度しか使用できず、同時に装備できるモンスターは1体のみ)。
このカードの攻撃力・守備力は装備したモンスターの数値になる。
戦闘によってこのカードが破壊される場合、かわりに装備したモンスターが破壊される。
他にも、【ドラゴン・ウォリアー】を呼び出して【聖なるバリア−ミラー・フォース(BE2)】や【炸裂装甲(EE1)】の発動を抑える役割も担います。
ドラゴン・ウォーリアー
地 ☆6 戦士族 融合/効果
ATK/2000 DEF/1200
「戦士ダイ・グレファー」+「スピリット・ドラゴン」
このモンスターの融合召喚は、上記のカードでしか行えない。
このカードがフィールド上に存在する限り、1000ライフポイントを払う事で通常罠の効果を無効化する。
また、このカードを対象にする魔法カードの効果を無効にし破壊する。
別手段による1KILLを可能とするだけでなく、本筋の勝ち筋をも補助し、しかも機械族.
デッキ的に【デビル・フランケン】は本当に無駄のない働きをするのです。
■コンボのゲーム的問題点
これらの魔法カード2種&【キメラテック・オーバー・ドラゴン】のコンボは、コンボに必要なカードが普通に使ってもまったくかまわないほどに、「普通に使っても強力なカード」であることも問題点として挙げられます。
例えば、機械族が多い強力デッキといえば、「ガジェットデッキ」があげられます。
このデッキにも当然のように【サイバー・ドラゴン】が入るため、【未来融合】&【オーバーロード】のセットこれらのカードをちょっと忍ばすだけで、いきなり1ターンキルを可能にすることもできます。
別に【未来融合】を挟まずとも、終盤戦【サイバー・ドラゴン】1枚程度と大量の【ガジェット】たちが墓地で眠っているときに【オーバーロード・フュージョン】を使えば、いきなり攻撃力3000オーバーの【キメラテック・オーバー・ドラゴン】を出現させることも可能になります。
そう、強力な「ガジェット」たちで戦いつつ、隙あらば1KILLを狙いにいくことが可能なデッキも作ってしまうことが可能なため、相手にすると「強力なガジェットへの対策」「隙を見せれば襲ってくる1KILLへの対策」の2つが必要と、本当に始末に負えないのです。
そして最大の問題点はやはり
「【キメラテック・オーバー・ドラゴン】+【未来融合】によるとんでもないまでのデッキ圧縮能力」
にあるといわざるを得ないでしょう。
要するに、【サイバー・ドラゴン】が1枚デッキの中に含まれていれば、デッキの中の機械族を全て墓地に落とすことができると書いているわけですから、そりゃー強力すぎます。
圧縮する枚数が尋常ではありませんので、現在禁止カードに指定されている【苦渋の選択(BE1)】の上位互換といっても過言ではありません。
これだけ圧縮すれば、【オーバーロード・フュージョン】も簡単に引けて、あっという間にコンボ完成です。
もちろん、あまりにも手軽に【キメラテック・オーバー・ドラゴン】を呼び出せる【オーバーロード・フュージョン】にも大いに問題がありますが、大きな視点で見れば、1KILL的にも他のカードの影響的にも、【未来融合】には問題が多すぎるといわざるを得ません。
こういった1KILLデッキに限らず、【残骸爆破(EE2)】を絡めたバーンデッキなども制作可能だし、その気になればデッキ圧縮エンジンを組み込んだ【封印されしエクゾディア(BE1)】デッキも組めなくもないでしょう。
(現状ではヤバイほどには強くないようですが)
「トーナメントレベルでの話」のみをすれば、1KILLとはいっても【クリボー(BE2)】&【クリボーを呼ぶ笛(PP9)】などで、サイドチェンジ後にある程度対策は可能ですので「強力デッキの1つ」くらいの位置付けでもかまわないかもしれませんが、今後のことを考えても、あのデッキ圧縮効果によるデッキの減り方はやはり危険と判断せざるを得ないでしょう。
なにより、ゲームは大会でのみ行われているのではなく、フリープレイメインで行われるのが普通なので、こういった対戦相手を不快にするようなカードたちを歓迎するわけには行きません。
なお、余談ですが、【沼地の魔神王】や【融合呪印生物】シリーズのような融合素材代用モンスターは「場、手札、墓地においてのみ効果が有効となる」そうなので、「デッキの中から融合素材として墓地に送る事ができない」という裁定だそうです。
この裁定のおかげで、【未来融合】が「E・HERO」のような素材代用モンスターを多用するデッキには投入しづらいカードとなっているにもかかわらず、今回紹介したような悪しきデッキにはほとんど影響がないのもおかしな話です。
やはりデッキ圧縮とのシナジーが強力すぎるため、これら3種のカードには、9月の禁止・制限改定にて何らかの処置が行われると思います。
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