FB徳島遊戯王研究所第33回(2006.10.24)

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プレイヤー抹殺の火力デッキ、“チェーン・バーン”


 バーンとは、英語のBurn(=やけど)のこと。
 つまり、相手のライフを直接に攻撃できる、火力カードを満載した特殊なデッキのことです。
 原作の漫画版遊戯王で、『表の遊戯 vs マリクに洗脳された城之内』戦のとき、城之内が使っていたようなデッキのことですね。

 今までは【波動キャノン】などなどを使うタイプのバーンデッキが主流でしたが、最新弾サイバーダークインパクトにより、新しいタイプのバーンが誕生しましたので、今回紹介してみましょう。
 きっちり回った時には、3〜5ターンで8000ダメージを叩き出します!


 『チェーン・バーン』
下級モンスター(6枚)
 1x メタモルポット(BE2・制限)
 1x クリッター(BE2・制限)
 1x マシュマロン(PP6・制限)
 3x デス・コアラ(EE1
通常魔法(4枚)
 1x 天使の施し(BE2・制限)
 3x 火炎地獄(BE2
速攻魔法(7枚)
 1x 月の書(BE2・制限)
 3x ご隠居の猛毒薬(EE1
 3x 連鎖爆破(CDIP
罠(23枚)
 1x 破壊輪(ST海馬2・制限)
 1x 停戦協定(BE1・制限)
 1x 魔法の筒(魔法使いの裁き・制限)
 2x 無謀な欲張り(BE2・準制限)
 3x 八汰鳥の骸(PP6
 3x 強欲な瓶(BE1
 3x 仕込みマシンガン(EE1
 3x チェーン・ブラスト(CDIP
 3x 積み上げる幸福(CDIP
 2x ファイアーダーツ(CRV
 1x ディメンション・ウォール(CRV


 一目見てお分かりのように、モンスターが極端に少なくなっております。
 つまり、モンスターで攻める気はほとんどありません。
 これにより、相手の【聖なるバリア−ミラーフォース−(BE2)】などを無駄カードにしてやり、開いたデッキのスペースには目一杯の火力を入れているわけです。



■デッキの主役、チェーンカード

連鎖爆撃(チェーン・ストライク)
 速攻魔法
このカードの発動時に積まれているチェーン数×400ポイントダメージを相手ライフに与える。
同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動されている場合、このカードは発動できない。



チェーン・ブラスト
 通常罠
相手ライフに500ポイントダメージを与える。
このカードがチェーン2またはチェーン3で発動した場合、このカードをデッキに加えてシャッフルする。
このカードがチェーン4以降に発動した場合、このカードを手札に戻す。



積み上げる幸福
 通常罠
チェーン4以降に発動する事ができる。
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動されている場合、このカードは発動できない。



 これがデッキの主役、チェーンカードです。

 「チェーンって何?」という人は、まずオフィシャルページのルールを読みましょう。
  →チェーンとスペルスピード
 読みました?

 要するに、
A「モンスターを召喚!」
B「じゃあ、それに【奈落の落とし穴】!」
A「それは嫌だから【盗賊の七つ道具】!」
みたいに、『使われたカードや能力に対応して、カードを使っていく』のを、遊戯王ルール用語で『チェーン』といいます。
 で、このチェーン、相手のカードに対応するだけではなく、自分のカードだけでも作れます。


 つまりこのデッキは、1ターン目からカードを5枚伏せて、

チェーン1【ご隠居の猛毒薬】
チェーン2【仕込みマシンガン】
チェーン3【強欲な瓶】
チェーン4【積み上げる幸福】
チェーン5【連鎖爆撃】

みたいに発動することで、

解決1【連鎖爆撃】 チェーンが5なので、400×5の2000ダメージ!
解決2【積み上げる幸福】 2枚ドロー
解決3【強欲な瓶】 1枚ドロー
解決4【仕込みマシンガン】 相手のカード枚数×200ダメージ(おそらく1000〜1400ダメージ)
解決5【ご隠居の猛毒薬】 800ダメージ

と、一気に相手のライフに大ダメージを与えることが出来るわけです。
 おまけに【積み上げる幸福】+【強欲な瓶】で3枚もドローしていますので、次のターンには5枚のカードを使うことが出来ます。
 そしてその5枚で、同じようなダメージ&ドローができたとしたら?
 そう、このデッキは相手を2〜4ターンで燃やし尽くしてしまえるのです! 


 なので、このデッキを使うときは、
「オレの先行! ドロー! 手札からモンスターを裏向き守備表示でセット! そして残ったカードを魔法・罠ゾーンにすべてセット! ターンエンド!」
と手札をすべて場にセットし、次の相手のターンにほぼすべての魔法&罠を発動させるという、かなりおおざっぱな、まさにデッキのカードを全部相手に叩きつける的なプレイングでいきましょう!

 逆に、こーいうおおざっぱな動きができない手札のときは、デッキがうまく回っていないときです。



■チェーンを支えるサポートカード

 このように、このデッキは「大量チェーンで発動すればすごい強い!」なカードが満載されていますが、逆に言うと「大量チェーンで発動しなければすごい弱い」なカードが満載でもあります。
 しっかりと足場を支えて、思う存分チェーンできるようにしましょう。

 【チェーン・ブラスト】&【積み上げる幸福】が罠カードであるため、相手ターンに発動するのがベストです。そのため、サポートカードも相手ターンに発動できる速攻魔法&罠から厳選することになります。



強欲な瓶
 通常罠
自分のデッキからカードを1枚ドローする。


八汰鳥の骸
 通常罠
次の効果から1つを選択して発動する。
●自分のデッキからカードを1枚ドローする。
●相手フィールド上にスピリットモンスターが表側表示で存在する時に発動する事ができる。 自分のデッキからカードを2枚ドローする。


無謀な欲張り
 通常罠
カードを2枚ドローし、以後自分のドローフェイズを2回スキップする。


 チェーンを増やすだけでなく、カードを引けるので、次のターンにもチェーンカードを発動させやすくしてくれます。
 これらと【積み上げる幸福】があるおかげで、大量にカードを消費するチェーン火力を毎ターン連続して発動させることができるわけです。
 【無謀な欲張り】はデメリットが気になる人も多いでしょうが、このデッキは短期決戦のデッキであり、次の次のドローフェイズが来る前に決着をつけることも可能なので、デメリットはあまり気になりません。




ご隠居の猛毒薬
 速攻魔法
次の効果から1つを選択して発動する。
●自分は1200ライフポイント回復する。
●相手ライフに800ポイントダメージ与える。


仕込みマシンガン
 通常罠
相手フィールド上のカードと相手の手札を合計した数×200ポイントダメージを相手ライフに与える。


ファイアーダーツ
 通常罠
自分の手札が0枚の時に発動する事ができる。サイコロを3回振り、その合計の数×100ポイントダメージを相手ライフに与える。


 バーンデッキですので、優秀なバーンカードはいくらあっても困りません。チェーンしやすいのをタップリ入れましょう。
 最近は【E・HEROエアーマン】や【各種ガジェット】が流行っていますので、【仕込みマシンガン】のダメージ量が勝手に増えてくれます。
 【ファイアーダーツ】は、普通に使うと発動するのすら難しいカードですが、このデッキだと簡単です。




停戦協定
 通常罠
フィールド上の全ての裏側守備表示モンスターを表側表示にする。この時、リバース効果モンスターの効果は発動しない。フィールド上の効果モンスター1体につき500ポイントダメージを相手に与える。


破壊輪
 通常罠
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊し、お互いにその攻撃力分のダメージを受ける。


魔法の筒
 通常罠
相手モンスター1体の攻撃を無効にし、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手プレイヤーに与える。


 相手がモンスターを出していないと真価を発揮できないので、チェーン用サポートとしてみるとちょっと使い勝手が悪いですが、その分効果は強力です。
 一応【停戦協定】と【破壊輪】は自分しかモンスターを出していないときでも使えますし。
(なお、「おジャマトークン」や「羊トークン」などの各種トークンは、例え効果があったとしても通常モンスター扱いなので、【停戦協定】のダメージは増えません)




月の書
 速攻魔法
表側表示でフィールド上に存在するモンスター1体を裏側守備表示にする。


 相手のモンスターの攻撃を1回かわしたり、自分の【デス・コアラ】を再利用したり。



■その他のパーツ


デス・コアラ
 闇 ☆3 獣族・効果 ATK/1100 DEF/1800
リバース:相手の手札1枚につき400ポイントダメージを相手ライフに与える。


マシュマロン
 光 ☆3 天使族・効果 ATK/300 DEF/500
裏側表示のこのカードを攻撃したモンスターのコントローラーは、ダメージ計算後に1000ポイントダメージを受ける。このカードは戦闘によっては破壊されない。(ダメージ計算は適用する)


 バーンデッキなので、もちろん採用しているモンスターも火力内蔵です。
 しかも【コアラ】は守備が1800もあるので、最近流行の【E・HEROエアーマン】の攻撃をえんえん止め続けます!



メタモルポット
 地 ☆3 岩石族・効果 ATK/700 DEF/600
リバース:相手と自分の手札を全て捨てる。その後、お互いはそれぞれ自分のデッキからカードを5枚ドローする。


 上で解説しましたように、このデッキを使うとたいてい手札は0です。
 なのでこのモンスターはデメリット無しの5枚ドロー!




火炎地獄
 通常魔法
相手ライフに1000ポイントダメージを与え、自分は500ポイントダメージを受ける。


 火力はいくらあっても嬉しいもの。
 通常魔法なのでチェーンはしづらいですが、速攻魔法や罠では他にほとんど良い火力が残っていないので、通常魔法に頼ることになります。 



■細かいプレイング

 上で「おおざっぱに叩きつけるように!」と書きましたが、最低限覚えておくプレイングが存在します。


1・【連鎖爆撃】&【積み上げる幸福】

 どちらも「同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動されている場合、このカードは発動できない。」というテキストがありますので、これには注意せねばなりません。
 つまり、
チェーン1【強欲な瓶】
チェーン2【強欲な瓶】
チェーン3【連鎖爆撃】
とかはできないわけです。

 が、それはそれとして、勘違いしやすい点なのですが、【連鎖爆撃】&【積み上げる幸福】は同一のチェーンで2回発動することができます。

 つまり、
チェーン1 【ご隠居の猛毒薬】
チェーン2 【仕込みマシンガン】
チェーン3 【強欲な瓶】
チェーン4 【連鎖爆撃】
チェーン5 【連鎖爆撃】
というのが可能です。

 なぜなら、チェーン5の【連鎖爆撃】の時点では、チェーン4の【連鎖爆撃】が1回発動しているだけ。
 つまり「複数回」発動しているわけではありません。
 なので、2回発動は可能です。
(もちろん「複数回」になるので【連鎖爆撃】3回目は無理です)



2・チェーンは5が限界、ではない

 確かに魔法・罠ゾーンは5ヶ所しかありませんので、通常、自分の魔法・罠だけでは5回が限界。
 ですが、チェーンは相手の行動に対しても積めるのです!(というか、それが普通なのですが)

 例えば、相手が【サイクロン(BE1)】や【大嵐(BE2)】を仕掛けて来た時。

チェーン1【サイクロン】←相手の
チェーン2【ご隠居の猛毒薬】←こっから自分の
チェーン3【仕込みマシンガン】
チェーン4【強欲な瓶】
チェーン5【チェーン・ブラスト】
チェーン6【連鎖爆撃】

 チェーンが6まで積まれたので、【連鎖爆撃】が400×6の2400ダメージです!


 例えば、相手が【〜・ガジェット】や【E・HERO エアーマン】を召喚した時。

チェーン1【〜・ガジェット】の、デッキから仲間を連れてくる効果←相手の
チェーン2【ご隠居の猛毒薬】←こっから自分の
チェーン3【仕込みマシンガン】
チェーン4【強欲な瓶】
チェーン5【チェーン・ブラスト】
チェーン6【連鎖爆撃】

 もちろん、【ならず者傭兵部隊】の「モンスターを破壊する時」や、【魔導戦士ブレイカー】の「魔力カウンターを乗せる時」「魔力カウンターを使う時」などにもチェーン可能です。

 また、場合によっては「チェーン6まで増やせるけど、あえて4とかで止めて、残りは次のターンのチェーン数を増やすために温存」とかもありえますので、むやみに増やすだけでもダメですが、こういった「あえて発動しない」プレイはデッキに慣れてから考えることにして、まずはダメージの増やし方を覚えまておきましょう。



3・【無謀な欲張り】

 上↑に書いた「あえて発動しない」カードのわかりやすい例が、【無謀な欲張り】です。
 相手のターンにすぐ発動するよりも、次の自分ターンで通常のドローをした後に発動したほうが、短期的な合計手札は増えます。
 つまり、ギリギリまで引きつけてから発動したほうがお得ということです。
 相手のターンにチェーンを発動するのではなく、場合によっては1ターン我慢して、自分のターンにチェーンを発動する、そういう事もありえるということです。
 「相手の行動にチェーンして、チェーン数を増やす」のが良いのか、「我慢してもっと良い状態で発動できるのを待つ」のか? 手札によって変わってきますので、ある程度回数を重ねてコツを掴んでください。



■このデッキの弱点

 「ライフを削るのだから、ライフ回復のカードに弱いのでは?」と思われるかもしれませんが、遊戯王ではライフ回復カード自体があまり使われないので、気にしても仕方がないでしょう。
(例外として、相手が【魂吸収(EE2)】&除外デッキならば、【ライフチェンジャー(EOJ)】を使いましょう)

 それよりも、このデッキには異常に罠カードが多いことに注目です。
 つまり、【人造人間−サイコショッカー−】や【王宮のお触れ】を非常に苦手としています。
 これらをちまちまと対策すると、その分、火力カードが減ってしまい、けっきょく勝ちきれなくなりますので、「引かれる前に焼き尽くす!」ぐらいの考えでいきましょう。

 また、このデッキが相手にバレるのも良くありません。
 バレたとたん、「あの伏せたモンスターは【デス・コアラ】か【メタモルポット】! ならば手札の魔法・罠は全部伏せてから攻撃!」となってしまい、【デス・コアラ】のダメージ量が大幅に減ってしまいます。
 そういった場合は、奇襲効果バツグンの【冥府の使者ゴーズ(特典)】や、壁&火力の【ジャイアントウイルス(BE1)】を使いましょう。
 なお、【D−HERO ディフェンド・ガイ(POTD)】を使うと、ものすごいバックダメージが入るわ、相手に追加ドローを与えることで【仕込みマシンガン】のダメージが上がるわと、かなりの面白状態になります。



■このデッキを強化するなら?

 かなり昔のカードなので入手は難しいですが、【自業自得】が3枚手に入るならば、【おジャマトリオ(EE2)】3枚と合わせて投入しましょう。
 【仕込みマシンガン】のダメージも増えるので、さらに強力になります。

自業自得
 通常罠
相手のフィールド上モンスター1体につき、相手に500ポイントのダメージを与える。


おジャマトリオ
 通常罠
相手フィールド上に「おジャマトークン」(獣族・光・星2・攻0/守1000)を3体守備表示で特殊召喚する(生け贄召喚のための生け贄にはできない)。
「おジャマトークン」が破壊された時、このトークンのコントローラーは1体につき300ポイントダメージを受ける。



 その際は、
1x 【クリッター】
1x 【月の書】
1x 【魔法の筒】
2x 【ファイアーダーツ】
1x 【ディメンション・ウォール】
 などの、発動に条件が必要系を抜いて入れ替えましょう。



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