遊戯王研究所 第51回(2009.10.19) |
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□コンボ? シンクロ? そんなものは無くても勝てる!! 遊戯王ビートデッキ
うっす。カードキングダムのいけっち店長です。
今回のデッキは、もともとは始めたばかりの人や小学生の子供たちに貸し出して、「始めたばかりでも、上級者とのデュエルを楽しんでもらえるように」というテーマで作ったデッキです。
使い方はカンタン。でもガチデッキ。そんなデッキ作れるの?と思われるかもしれませんが・・・・
原作の漫画でも、ほら、ペガサスが初心者(らしい)少年の「トム」にデッキを渡し、全米チャンピオンのバンデッド・キースに勝たせる、というシーンがありましたでしょう?
遊戯王の漫画内でのゲーム、“デュエルモンスターズ”と現実のゲーム、“遊戯王5D’s”は「違うゲーム」ではありますが(実は、ね)、それは実は、不可能ではないのです。
と、いうわけで、今回は非常に珍しく、サンダーではなく僕(いけっち店長)が組んだデッキです。(注:なんだかんだ言ってサンダーのサポートもあり)
■遊戯王5D'sは、「殴れば勝つ」このデッキの強さの理由
このデッキは、「遊戯王は殴れば勝つ!」という、シンプルな作戦を突き詰めたデッキです。
「そんなにシンプルでいいの? なんだかよく分からないけど、シンクロとか、コンボとか、色々できないと強いデッキじゃないんじゃないの?!」と思われるかも知れませんが、そんな事はありません。
リリース(生け贄)の必要な上級モンスター、魔法や罠とのコンボ、シンクロや融合、それらはすべて、「〜」と「〜」がそろった時に使える、『たら、れば』です。
(注・『たら、れば』→「カードがそろっ“たら”」「相手が、または自分が何々す“れば”」という、条件に頼った考え)
すべての『たら、れば』は事故のもと。
実際のカードゲームで、「引きが悪い!事故った!」という叫び声をあげる人はたくさんいますが・・・・
ではいったい、実際に事故で何割負けているのでしょうか?
仮に事故が2割だとすれば、「事故のないデッキ」はそのデッキ相手に、2割は確実に勝てる計算になりますね?
もう一つ。コンボがスタートするのに、いったい何ターンかかるのでしょうか?
もし、「事故」と言えないまでも、コンボがスタートするのに4ターンぐらいかかるなら、4ターンの間にものすごい勢いでライフを削り取ってくるデッキと当たった場合・・・実力を発揮する前に、何もできずに負けてしまいますよね。
このデッキは、
「基本的に事故を起こさず、ものすごい勢いで相手のライフを削り取り、手札破壊や墓地破壊で相手のコンボの準備を潰して、逆転のコンボも使わせない!!」
という戦い方に特化しています。
方法は簡単。
Lv4モンスターを呼び出して殴る。ほぼそれだけ!!
外道ビート |
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下級(17枚) |
3x 白い泥棒 (光属性)
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3x 霊滅術師 カイクウ |
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3x 魔導戦士 ブレイカー |
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3x 異次元の女戦士 (光属性) |
3x ライトロード・パラディン ジェイン (光属性)
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3x オネスト (光属性) |
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3x ライオウ (光属性)
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1x ダーク・ヴァルキリア
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速攻魔法(7枚) |
1x サイクロン(制限)
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3x 月の書 |
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3x 収縮
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通常魔法(4枚) |
1x 地砕き (制限)
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3x 地割れ
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永続魔法(3枚) |
3x 強者の苦痛
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永続罠(3枚) |
3x 王宮の弾圧
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カウンター罠(1枚) |
1x 神の宣告 (制限)
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| (このデッキは2009年10月時点でのルールとカード、
9月1日付け禁止制限ルールで作成されております。)
リリースのいらないLv4以下で、攻撃力が高かったり、光属性だったり、相手のジャマをしたりなモンスターを入れています。
始めたばかりの人は、よく防御力の高いモンスターを守備表示で出そうとしますが、遊戯王というゲームでは、攻撃力の高いモンスターが攻撃表示で立っているだけでも、それはつまり「防御」となります。
ですのでこのデッキの場合は防御は気にせず、攻撃主体でいきましょう。
22体のモンスターを順次召喚し、どんどん殴っていきます。
相手がこちらより大きなモンスターを召喚し、殴り返してきた場合、《収縮》や《オネスト》でパワーを上下させ、返り撃ちです。
魔法やトラップは、《プレイカー》や《サイクロン》で潰すか、あるいはまったく無視して攻撃し続けます。
たとえ《ミラーフォース》があるのがわかっていても、使わせれば良いのです。次のアタッカーを出せば良いだけなのですから。
カンタンに言うとこのデッキは、「殴り続ける状況を作り続けて、そのまま押し切るデッキ」だと言えるでしょう。
かてて加えて、《カイクウ》で墓地を除外したり、《白い泥棒》で手札を破壊していれば、相手は逆転のコンボも使えなくなります。
要するに、何もさせずに一方的に勝つ事がカンタンにできるわけです。
始めたばかりの人にとって恐いのは、上級者の使う、「なんだかわけのわからないコンボ」です。
が、そもそも相手を、そんなコンボの使えない状況に追い込んでしまえば、何も怖いものはありませんよね。
■各カード解説
オネスト
☆4 光属性 天使族 効果
ATK/1100 DEF/1900
自分のメインフェイズ時に、フィールド上に表側表示で存在するこのカードを手札に戻す事ができる。
また、自分フィールド上に表側表示で存在する光属性モンスターが戦闘を行うダメージステップ時にこのカードを手札から墓地へ送る事で、エンドフェイズ時までそのモンスターの攻撃力は、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力の数値分アップする。
手札から捨てると、光属性モンスターのパワーが、相手モンスターのパワー分上昇。
つまり、攻撃力1900のモンスターと、同じく1900のモンスターがバトルする場合、《オネスト》を使うと、こっちは3800に。
使用タイミングはバトルフェイズの「ダメージステップ」なので、バトルに入ったら、「ダメージステップに入ってよろしいですか?」と相手に訊きましょう。
特に何もなければ(普通、何もない)その後、「では、ダメージステップに《オネスト》を使います」と宣言し、パワーアップさせるカードを指定して、《オネスト》を手札から捨てるだけ。
これで戦闘で勝ってしかも大ダメージ。このデッキの主軸です。
(注:「ダメージステップ」とは?
バトルフェイズ中の、攻撃力・守備力を変更させるカードと、カウンター罠だけが使えるタイミングです。
このステップまで入ってしまうと、《聖なるバリア−ミラーフォース−》や《強制脱出装置》も使えません。
くわしくはルールブック3章や4章を確認ください)
場合によっては、《オネスト》自身を召喚して、攻撃しましょう。
カードゲームには、「ダメージ・プレッシャー(またはクロック)」というアドバンテージ理論がありまして・・・くわしく解説すると長くなるので割愛しますが、まあようするに、相手のライフを減らしてやることで「相手の行動選択範囲を狭める」こともできるのです。
殴れるときは、殴る。このデッキを使う際の鉄則です。
間違っても、マンガの遊戯のように、「あの伏せカードが怪しいぜ・・ここは何もせずにターンエンドだ!」とか、言わないようにしましょう。たいていの場合、意味がありません。
ライオウ
☆4 光属性 雷族 効果
ATK/1900 DEF/800
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事はできない。
また、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地に送る事で、相手モンスター1体の特殊召喚を無効にし破壊する。
Lv4、光属性1900のアタッカーで、デッキサーチ(《増援》や《クリッター》、《E−エマージェンシーコール》など色々!)と特殊召喚を封じます。
存在するだけで、いろんなコンボデッキをズタズタにします。
ライトロード・パラディン ジェイン
☆4 光属性 戦士族 効果
ATK/1800 DEF/1200
このカードは相手モンスターに攻撃する場合、ダメージステップの間攻撃力が300ポイントアップする。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、自分のエンドフェイズ毎に、自分のデッキの上からカードを2枚墓地に送る。
攻撃時は2100。相手のアタッカーをほぼ一方的に潰します。
異次元の女戦士
☆4 光属性 戦士族 効果
ATK/1500 DEF/1600
このカードが相手モンスターと戦闘を行った時、そのモンスターとこのカードをゲームから除外する事ができる。
どんなモンスターとも相撃ち可能。戦闘で死なない相手も除去。攻撃力も悪くはない。
使っている自分が想像している以上に、相手にとって効いているカードです。
白い泥棒(ホワイト・シーフ)
☆3 光属性 魔法使い族 効果
ATK/1000 DEF/700
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、相手はランダムに手札を1枚捨てる。
主役です。
《オネスト》で強化できる光属性であり、手札破壊で相手のコンボパーツを落とし、逆転不可能に追い込みます。
手札破壊能力は、殴られた時に《収縮》《オネスト》を使っての「返り撃ち」でも発動するので、お忘れなきよう。
(10/20 ルール的に間違った文章を載せておりましたので、一部削除いたしました。申し訳ございません)
霊滅術師カイクウ
☆4 地属性 魔法使い族 効果
ATK/1800 DEF/700
このカードが相手に戦闘ダメージを与える度に、相手墓地から2枚までモンスターを除外する事ができる。
またこのカードがフィールド上に存在する限り、相手は墓地のカードをゲームから除外する事はできない。
相手の墓地からモンスターを除外。さらに、墓地から除外することで効果を発動するカードも動けなくするので、《ネクロガードナー》や《ヴァーユ》などを封じます。
墓地からのコンボを壊滅させるカードと言えるでしょう。すなわち、ライトロードも涙目です。
魔導戦士 ブレイカー
☆4 闇属性 魔法使い族 効果
ATK/1600 DEF/1000
このカードが召喚に成功した時、このカードに魔力カウンターを1つ置く(最大1つまで)。
このカードに乗っている魔力カウンター1つにつき、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。
また、このカードに乗っている魔力カウンターを1つ取り除く事で、フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を破壊する。
コレが3枚入っていれば、相手の魔法・罠に悩まされる事はまずありません。まさに外道!
ダーク・ヴァルキリア
☆4 闇属性 天使族 デュアル
ATK/1800 DEF/1050
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードが表側表示で存在する限り1度だけ、このカードに魔力カウンターを1つ置く事ができる。
このカードの攻撃力は、このカードに乗っている魔力カウンターの数×300ポイントアップする。
その魔力カウンターを1つ取り除く事で、フィールド上のモンスター1体を破壊する。
相手モンスターを能力で除去。裏向きも問題なし。
しかし、必須カードではありません。ここの1枚の枠は、比較的自由に好きなアタッカーを入れて良いと思います。
地砕き
通常魔法
相手フィールド上に表側表示で存在する守備力が一番高いモンスター1体を破壊する。
地割れ
通常魔法
相手フィールド上に表側表示で存在する攻撃力が一番低いモンスター1体を破壊する。
直球な除去で、戦闘のリスクなく攻め続けることができます。
《オネスト》を使ってくるライトロードや、戦闘に生き残って能力を発動させる剣闘獣には、特に有効です。
月の書
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、裏側守備表示にする。
チューナーを裏返してシンクロを封じたり、相手の大型モンスターを守備にして殴って破壊。自分のモンスターを裏返して《ライトニング・ボルテックス》から守ったりと、使いどころが非常に多い、現在最強の速攻魔法です。
収縮
速攻魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択する。
そのモンスターの元々の攻撃力はエンドフェイズ時まで半分になる。
戦闘で勝ち続けるために必要なコンバット・トリック。《聖なるバリア−ミラーフォース−》や《炸裂装甲》と違い、攻めにも守りにも使えます。
強者の苦痛
永続魔法
相手フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの攻撃力は、レベル×100ポイントダウンする。
相手の攻撃力を激減させる永続魔法。場に残り続ける限り、戦闘に一方的に勝てます。超強力!
神の宣告
カウンター罠
ライフポイントを半分払う。
魔法・罠の発動、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚の
どれか1つを無効にし、それを破壊する。
なんでもカウンターできるカード。
それはすなわち、有利な状況を「そのまま」に固定する事も、相手の逆転の一手をピンポイントで阻害する事も可能という事です。
攻め続けるデッキなのですから、ライフを払う事はまったく苦にならないはずです。
王宮の弾圧
永続罠
800ライフポイントを払う事で、モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む効果を無効にし破壊する。
この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。
800ライフ払う事で、特殊召喚を打ち消す永続罠。
ほとんどのデッキは、特殊召喚やシンクロでゲームを決めます。つまりこいつで、ほとんどのデッキがアウト!
剣闘獣にもライトロードにも突き刺さります。
ライフが必要なため、いつまでも止め続けられるものではありませんが、1回か2回止めるだけで、こっちが殴りきってゲームエンドでしょう。
■より深くデッキを理解する。「入りそうで入らないカード」
デッキアドバイスを頼まれた時に、よく、こういう質問をする事があります。
「君のデッキには《聖なるバリア−ミラーフォース−》が入ってるけど、なぜ?」
それに対して、「え? 強いから・・・・。」と答える人がほとんどです。
しかし、「強いから」は理由ではありません。
カードゲームにおいて、「何も考えず入れて良いカード」はほとんどなく、よしんばあったとしても、ホントに何も考えずに入れて良いわけではないのです。
なぜなら、自分に対して「理由(どうして?)」を問い、「その答え(なぜならば)」を考えだしていく事こそが、「論理的思考」であり、理論の構築(正しさを見つけ出していくこと)だからです。
理論に裏打ちされて作られたものだけが、「技術」となり、次のものを生み出す土台となります。
「なんだか理由は分からないけど、雨乞いをしたら雨が降った。だから、また雨乞いをしよう」というのでは、経験法則に過ぎません。
「この季節になると、雨が降らなくなるが、10日たつと雨が降り始める。その理由は何々なのではないか」と、データと仮説から事実を導き出し、理論を作りあげていく事で、文明は発展してきました。
生産的思考とはすべからく、根拠のないものではなく、理論に裏打ちされたものなのです。
大げさに聞こえるかも知れませんが、僕達が「遊び」で行っているカードゲームにも、それは当てはまります。
「なんとなく」でカードを使っている人間は強くなれませんし、カードゲーム以外のことでもそれは同じでしょう。
デッキに入っているすべてのカードの「入っている理由」を明確に説明できて、初めて、「そのデッキを理解している」と言えます。
「どうして入るの?」と訊いたのは、《聖なるバリア−ミラーフォース−》が弱いと言っているのではありません。
《ミラーフォース》はものすごく、強いカードです。
しかし、今回ご紹介した“外道ビート”には、《ミラーフォース》は入っていません。《激流葬》も、《リビングデッドの呼び声》も入っていません。
それはなぜなのか?
それを自分の言葉で、明確に説明できるようになれば、このデッキを使っていても、単なるコピーではなくなります。
「あなたのデッキ」になるでしょう。
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