FB徳島カードゲーム戦記FCTCGその2(04.05.25)


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 FCTCGは正しい「カードゲーム」?

  さて前回は、FCTCGを「ゲームデザインのありようとしてはOK」という ことで擁護しましたが、今回は問題点を指摘していきたいと思います。



 実は、ゲームバランスうんぬん以前にものすごい問題点があります。
 これはもはや、"バグ"といってもよいレベルのものでして…。

「表記が統一されていない」
 これです。


 わかりやすい例として、【EX01 C039 木ノ下昇】が持つ能力を見てみましょう。
『あなたのデッキから【天野織江】を1枚手札に加え、デッキをシャップルする。』

 次に、【EX01 C001 森原さとみ】の能力を。
『あなたのデッキから【稲葉翔子】を1枚探し出し、手札に加える。』

 つまり、似たような効果ながら、片方はシャッフルが必要なのに、もう片方には必要ないのです。
 これでは
「このカードはサーチ後デッキをシャッフルするって書いてるからシャッフルしないといけないけど、こっちのカードはそんなことは書いてはいない…つまりデッキをシャッフルしなくていいんだな!?」
と、いうことになります。積み込み放題ですね

 おそらく書き忘れたのでしょうが、こういった表記は統一されるべきものです。
 例えば、デッキの中から何かを持ってくる(サーチ能力)効果を発動した場合、その後デッキをシャッフルするのは当たり前の行動ですが、すべてのカードに「その後、デッキをシャッフルする」と記載するか、逆にすべてのカードに記載せず、ルールブックに「効果によってデッキの中を見た場合、特に指定がない限りその後必ずデッキをシャッフルする」というような記述を明記しておくか、どちらかにしないと、混乱を呼んでしまいます。
 また、『1枚手札に加え』『1枚探し出し、手札に加える』と、同じような事を違う言葉で表現されても、「この2つは違う行動なのか? 何か意図があってわざわざ違う言葉を使っているのか?」と混乱してしまいます。


 また逆に、用語が無意味に、余計なところで統一されている事もあります。
 このゲームでの"発生"という言葉は、キャラクターカードやシーンカードが場に出ることを指すのですが、コストが出る事(マナがでる事)も"発生"と呼びます。
 違う効果が同じ用語で表現されているので、テキストを読んでいて大変ややこしく感じてしまいます。


(細かい事かもしれませんが、同じように、【EX01 E065 迷惑なお誘い】も用語の分類としては失敗かと思われます。
『キャラクター1体に3点のアプローチダメージを与える。』とありますが、"アプローチダメージ"とは、 キャラクターのアタックによって発生する、戦闘ダメージ(コンバットダメージ)の事なのです。
 現在、"アプローチダメージでは死なないキャラ"や、あるいはその逆とかは存在しないので、今のところ特に意味がありません。
 ここは単純に、『キャラクター1体に3点ダメージを与える』みたいなので良かったと思うのですが…。)




 また、これは現在の2代目デザイナーさんが現在頭を抱えている事なのですが、現在4色あるうちの1色(『町』)の呪文には、なんと!
・カウンター
・手札破壊
・カードサーチ
・クリーチャー除去
・全体除去
・エンチャント除去
・ライフ全回復
・バウンス
・リアニメイト
・直接本体火力
 と、カードゲームで一般的に強いタイプのカードが、全て揃っているのです!

 2代目デザイナーさんによると、
「例えばカウンターが強かったら、手札破壊で対策しようとしますよね。でも、このゲームではそれが全部1色で出来てきますから、『両方入れよう!』となってしまい、結局どのデッキも同じようなカードしか使わないものとなってしまうでしょう。これを2弾からどう打破するのかが難しくて・・・」
とのこと。


 方法としては、他の色にアッパーバージョンのカードを出す事で、「カウンターなら『学校』が強い!」「手札破壊なら『レストラン』が強い!」という具合にすることで、「『町』は何でもできるが、性能自体は他のに劣る」という、ガンダムウォーでいう白のようにするのが抜け道だとは思います。

 しかし、現在の『何でも止めれるカウンター』は3コストなのですが、これを他の色で2コストで出すとしたら、はたしてカードバランスは取れるのか? 強すぎて難しいと思います。
 しかし、他の色の特徴は絶対に出さねばなりませんし・・・。


 あるいは、他の色には今までのTCGではあまりなかった斬新なシステムを入れるとか。
 例えばガンダムウォーでは、茶色をこの手段によって他の色との差別化を図ってます。
 しかし、天才ならともかく、斬新なシステムをポンポン考えるのは非常に難しい事。




 とまあ、問題点も山積みのゲームですが、現在の二代目デザイナーさんはかなりカードを研究しているようですので、現状以上の仕事が期待できそうです。
 今後のエラッタやQ&A、そして第2弾に期待しましょう。


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