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ワールドホビーフェアレポート
(デュエルマスターズ、獣神伝、トレジャーガウストなどなど)
ワールドホビーフェア行って来ました。
全体としては相変わらずの活気でしたが、いつもの同イベントと比べるといつもよりじゃっかん人は少なめ。
集客の中心だったデュエルマスターズの人気の低下が全体に響いています。
「じゃあ代わりに何か流行ってる物があるのか?」と言うと、圧倒的中心となるものが他にない、という状況。
女の子用カードゲームとして鳴り物入りで登場したチャームエンジェル(カードキングダム蒲田店常連の女の子がグランドチャンピオンに!おめでとうございます)のイベントが、一時は6時間待ち?!と話題になりましたが、前回のイベントであまりにも参加者が少なかったので席数を減らした結果、今回は全然足りなかった・・・という事だったようです。
少しずつ伸びているのかも知れません。
しかしとりあえず、今現在、圧倒的中心になっているものは見当たらなくても、各社趣向を凝らした、「新しいものを作り上げようとしている熱気!」は感じられました。
■大怪獣バトル
ウルトラマン怪獣のカードを使うムシキングのようなものです。
怪獣イラストが書き下ろしでなかなかのクオリティのため、大人に注目されるも子供たちにはイマイチの食いつき。
しかしついに今後は、ウルトラマン達が参戦! 子供たちも注目し始めたようです!(なぜ初弾からウルトラマンを出さなかったかは謎)
これからの盛り上がりに期待が掛かります。
カードキングダム岡山倉敷店のような、子供用筐体型カードゲームが強いお店では、大きな売り上げが期待できそうです。
■結界師
テレビゲーム、カードゲーム、共に大掛かりなプロモーションが目立っていました。“メルヘブン”に続き、「“ガッシュ”のようなヒット再び!」を目指した、「サンデー発・人気漫画コンテンツを広げよう」というチャレンジと思われます。
前回のワールドホビーフェアでは、出口で参加者全員に小冊子(第1話から数話をまとめて「続きは単行本で」としたもの)が配られ、帰りの電車内では子供たちが全員読んでいました。
試しに東京駅の本屋さんをのぞくと、1巻がどこでも売り切れ。すごい効果。このプロモーション自体は当たっていましたね。
今回も、海浜幕張駅から“結界師”のポスターが貼られていて、「結界師って、大ブームになってるの?」と“思わせる”ようなプロモーションが徹底されていました。
しかし、個人的にも、とても良くできた、文句のあまり言いようのない漫画だと思うのですが・・・祭り上げられるには少々地味すぎる内容だと思います。
ガッシュのように、「心に残るほどの感動」「商業化しやすいキャラクター数」「ヒロイックなキャラクター性」があるわけではなく、子供たちが主人公の「ごっこ遊び」のためにアイテムを買うような内容でもありません。
ちょっと“商業向け漫画”では無いような気がします。純粋に漫画としては、良い作品だと思うんですけどね。
■トレジャーガウスト
コマーシャルで、実写の少年の背後にCGのドラゴンが召喚されたシーンを見たとたん、
「やられた!! これをカードゲームのコマーシャルでやって欲しかったのに!!」
と叫んだものでした。
カードゲームでモンスターを召喚した時、子供たちの脳内では間違いなくモンスターが立体化して、自分の背後か目の前に出現しています。
生まれたときから、いわゆる“スタンド・バトル漫画”(自分の側に異形のものが現れて、超能力を振るい戦う形の漫画。一般的に“ジョジョ第三部”が元祖。“ブリーチ”の“卍解”も広義ではこれ)の漫画、アニメを見続けている子供たちにとって、“遊戯王”“DM”で表現された通り、カードのモンスターは実体化してプレイヤーと共に戦うもの“で、無ければならない”ということ。
それを想像の世界ではなく、実写で見せることで子供たちの需要にダイレクトに訴えかける事ができるはず、と僕は考えていました。
事実、蒲田店でディメンション・ゼロの日本選手権決勝のテレビ中継を映した時、一番喰らい付いて見入っていたのはD0プレイヤーではなく、遊戯王、デュエルマスターズの子供たちでした。
「僕たちが夢見た世界が本当にあった?!!」
トレジャーガウストは、あの、子供たちの夢を具現化したコマーシャルでガッチリ彼らの心をつかんだのではないでしょうか。
また、それなりに遊べるゲーム性と、チャレンジ意欲を煽る収集性、小学生が持ちたいものナンバーワンである“携帯電話”の形(しかも子供的にカッコイイと思える未来のSF携帯電話の形だ)で、これからも人気が出るのではないかと思います。
コイツをカードと結び付けてくれたら、僕としては言う事はありません。メーカー的にも「売り続ける事ができるもの」が増えて良い事尽くめだと思います。
そこで、次世代の“ガウスト”に色彩センサー(2万種類登録できるらしい)を付けて、カードデータを読み取れるようにしてTCGにすればどうでしょう?
さらに進化させて“ガウスト”にデータを無線でダウンロードできるようにして、DSのような情報プラットフォームにするのは? ナムコの技術力を吸収した今のバンダイなら可能なのでは?
■ポケモン
相変わらず元気でとても良いです。
ポケモンを作っている人々は、「キャラクターコンテンツを育てる」という事の大切さ、その手段を本当に熟知しています。 前にも書きましたが毎年、山手線を中心にスタンプラリーをやってるのは本当に偉い。
これを見て一般の人たちが、「ああ、今年もポケモンは子供たちに人気なんだな」と「刷り込まれる」のですから。
その刷り込みは、
「ポケモンにならお金を払っても良いだろう」
「みんな知ってるものだし、今も現役なのだから」
という「安心」につながります。
そう。スタンプラリーのプロモーションは、そうした「安心」を「作り出して」いるのです。
以前“毎日ディメンション・ゼロ”でも書きましたが、“権威というものは誰かが人工的に作り出しているもの”なんですね。
直接的に利益を生み出さないところに、「コンテンツが盛り上がるストーリーを予定」して投資できる。そうした人間が作っているからこそ、ポケモンは世界に広まっているのだと思います。
今回のワールドホビーフェアでも一番目立つブースを作っていたと思います。また、「子供用TCGが不作」と言われていた今年の春からも、ポケモンTCGだけは売り上げを伸ばしているようです。
そうそう、アメリカでのTCGの人気が、ここ数年、1位遊戯王、2位マジックで安定していたところを、ポケモンが1位になったってご存知ですか?
むろんダイヤモンド・パールの発売以降なんですけど、やはりアメリカの子供たちもポケモンを「待っていた」んでしょうね。日本人として、これは嬉しい。
■獣神伝
個人的に大きく期待していたコンテンツです。
これは、企画の立て方そのものが画期的「かもしれない」のです。
まず、獣神伝をご存じない方のために軽く説明。
基本は、ニンテンドーDSのソフトです。ゲームソフトを買うと、カードも付いてきます。
DSにくっつけたタッチセンサーに、カードの表面をどこでも良いからタッチすると、0.5秒でそのカードのデータが画面に表示されます。
これにより、お互いに通信しながらカードを出し合ってバトル。
ようするにDS本体を“デュエルディスク”と見立ててカードゲームが出来る!という、ある意味誰もが考えていた事を、ついに現実にしたカードゲームです。
これで、カードがそれだけなら、テレビゲーム屋さんの商品なのですが、追加パックが発売されるという事なので、十分に我々の商売となります。
なんでも、予定ではゲームソフトひとつにつき、追加されるブースターパックは4弾まで発売されるとか?(公式発表ではありません)
そう聞くと、TCGショップとしても力を入れたい商材ではありませんか。
○DSという、「誰もが持っているハード」を取り込んだTCGである
○“デュエルディスク”に憧れた世代に強力にアピール
○キャラクターが原作漫画などの無い“オリジナルコンテンツ”なので、「テレビが終わったらゲームも終り」的な「いつごろまでに終わる」というイメージが無い
そして、最初に言った「企画の立て方そのものが画期的“かもしれない”」という理由はこれ。
○テレビゲームの企画のフリをしたTCGの企画
である事です。
ちょっと難しい話ですが、自分がメーカーの企画部署の人間だと想像して考えてください。
新しいカードゲームを作ろうと考えます。すると、「じゃあ、広告には500万円使って良いよ」と言われるとしましょう。
500万でできる事と言えば、雑誌広告を数箇所と、イベントを少々開催できるぐらいです。ほとんど人に知られることは無いでしょう。
これが、テレビゲームだと、「広告に5000万使って良いよ」というのがザラです。ゼロがひとつ違います。テレビコマーシャル、雑誌を巻き込んだプロモーション展開、やれることは格段に差が付くでしょう。
なぜなら、メーカーの、テレビゲームに対する認識とカードゲームに対する認識が、決定的に違うからです。市場規模が違うから、当然なのですが。
そこで、こう考えていた人たちはたくさんいました。
「ああ、このカードゲームも、テレビゲーム並みの予算で広告すれば、テレビゲーム以上の儲けを作り出す事ができただろうに」と。
しかし、カードゲームにそこまでのプロモーション費用をかけるメーカーは、基本的にはありません。(コナミさんは、遊戯王にすごい投資を続けていますが、他のカードゲームとは扱いが違います)
さあ、そこで、画期的「かも知れない」と言ったのはここです。
獣神伝は、DSソフトではありますが、真に売ろうとしているのは追加パックなのは間違いありません。(本当に利益が出るのはそこですから)
すなわちこれは、「テレビゲームの企画としてのプロモーション予算を持った、破格の広告費を得たTCG」とも言えるのです。
この企画を考えた人が、そう考えて始めたのだとしたら、すごい切れ者です。
獣神伝の見た目だけでなく、その企画の立て方そのものがクリエイティブ。言い方は悪いですが、上手く上司を騙して優秀な企画を通せる人間なのでは(笑)
「こいつは、やりおる! 要チェックだ!!」と考えて然るべきでしょう。
しかし。
言うまでも無く、こういった作品は共同作業。
そもそもの企画を作った人間、キャラクターデザイナー、ゲームプログラマーがどんなに優秀でも、どこか一箇所、出来が悪ければ全てがスッ転ぶ事がありえます。
苦言を呈しましょう。
ゲームシステムだけが、今のところ、致命的につまらない。
あえて言うならば、「カードゲームを馬鹿にしている」としか言いようがありません。
だって単なるジャンケンなんですもの。
ゲームを簡単にして、子供たちに始めてもらいやすくする。これは重要です。
しかし、「簡単」ではなく「単純」にし過ぎて、「ゲームでも何でも無いもの」にするのはいかがなものか?
ほとんどが、単なるジャンケンの相性で勝敗を決めるのですが、「どの手札を出すべきか?」と悩む「選択する為の情報」があまりにも少なすぎます。
例えばこれが、
「グーで勝ったら大ダメージ」
「連続3回チョキで勝ったら効果」
「勝負の前にコストをベットして、勝ったらハイリターン、負けたらハイリスク」
などの「変化」があり、相手がそうした能力を使っているという「情報」があれば、そこにかけ引きが生まれ、「ゲームとしてプレイする意味」が出てきます。
そこまで考えない子供でも、単純にジャンケンゲームをやってる内に色々なリスクリターンに気付いてくるでしょう。そうして「ハマッて」くれます。
今のシステムでは、手札3枚を何も考えず機械的に盲目的に「スキャンして出していく」だけ。
10年の歴史を持ち、数々のノウハウを積み上げた過去のトレーディング・カードゲームから、何かを受け継いだ物には見えません。
新しいものは、どんなに画期的であったとしても、今まであったものから謙虚に「学んだ上にあるもの」で無ければならないと思います。どうも今のところ、「“ムシキング”だけが先生」といったカードゲームのように見えます。
さて、とは言え、まだこれから十分に進化の余地を残したコンテンツだと思います。これほどの企画を立てたスタッフが、本当にこのままのゲームで発売するとは考えられません。
実際に発売したら、まず試してみて、「カードゲームとして面白いもの」であれば全力でプッシュしたいと思います。
残念ながら「カードゲームとして他から学んでいない物」であれば・・・・当社としては関係ないものですから、黙っているだけです。
重ねて言いますが、個人的には「凄い!」と思いましたし、凄いものであって欲しいと期待はしています。
・・・と書いておいたのですが、記事をアップした後、某所から情報が入ってきました。
「池田さん、池田さんが指摘していたルールは、全て実際にゲームに入っていますよ?!」
「何ですって?!!」
これは、大問題です。さっそく、おもちゃショーに行ってより詳しく調べてこなければ!
コナミブースの入り口にどでかく構えられた“獣神伝”ブース。やはり力が入っています。
ここまでのプロジェクトで、一番大切なゲームシステムが練りこまれていないはずが無い・・・と半年以上前から“想い続けていた”からこそ、ワールドホビーフェアでは大ショックだったのですが、それが「誤解であった!」のなら僕としても望むところ!
むしろ僕の間違いであって欲しいので、今回はより突っ込んで調べてみようと思いました。
「ルール教えてください!」
「はい、こちらで」
コンパニオンのおねーさんが実機に案内してくれます。
「ルールはジャンケンです」
「ジャンケン以外のかけ引きとかはないんですか?」
「はい。ジャンケンです」
「そんなに単純なんですか?」
「ええ。ですから憶えやすくて・・・」
「いや、実はこのゲームに関する記事を書いたところ、ある人から単なるジャンケンではないと指摘を受けたんです。
このままでは、僕の誤解で多くの人に迷惑を掛ける事になってしまうかも知れないんです。申し訳ございませんが、初心者用ティーチングではなく、より詳しいルールの説明をお願いできませんか?」
「少々お待ち下さい。開発の人間をお連れします」
「待たせしました」
「ならば話が早い。実はかくかくしかじか」
「ああ。それは確かに違いますね」
「ティーチングマニュアルは、相手が子供の場合の、出来るだけ単純に教えることに特化したマニュアルなんでしょうか?」
「確かにそうでしたね」
「で、かけ引きの元になる、相手に見えている情報や特殊能力等はあるんですか?」
「あります。獣神伝には、練りこまれたゲームシステムがあります!」
結論。
全然タダのジャンケンとは違いました!! よく考えられています!
○ダブルダメージ。例えばグーの表記のカードがバトルする場合、グーで勝ったら2倍のダメージ。
○ベースカード。場に出しておくカードで、様々な効果がある模様。例えば相手が何々だったら自分がパワーアップ、とか。
○魔法カード(?)。カードを使用すると何らかの条件でマジックポイントが溜まっていく。それを使用して発動させる逆転カード。またはモンスターにもマジックポイントを使う特殊効果がある。
○進化(エボリューション)。決められたカードの上に重ねる事で圧倒的に強くなる。
詳しく突っ込んでルールを聞き、実際にプレイしてみると、実に様々な要素が散りばめられた、立派に“カードゲーム”と言えるものでした。
>あえて言うならば、「カードゲームを馬鹿にしている」としか言いようがありません。
全然馬鹿にしていませんでした。出来るだけ簡単に、それでいて奥深くしようとしながら、子供が悩まないようわざと選択肢を狭めて・・・と、様々な試行錯誤が見え隠れしています。
デザイナーが、「カードゲームとしてよい物を作ろう」としているのは、よくわかりました。
誤解とは言え、あのような書き方をしてしまった事を、デザイナーの方と記事を読んで頂いた皆さんに直接謝りたい気持ちでいっぱいです。
僕もカードゲームを仕事にしている以上、より突っ込んでから皆さんに紹介すべきでした。反省しています。
「ゲームとして面白いかどうか」の判断は、実機が出て、何度もプレイしてカードを全部見てから判断したいと思います。
大流行してくれると、お店的にはとてもありがたい商材なのは間違いありません。獣神伝、要チェックです!
■デュエルマスターズ
極神編発売直後という事で、かなりの盛り上がりでした。会場で一番人が多かったのはもちろんここ、デュエルマスターズでしたね。
みんながみんな、猫も杓子も【竜極神ゲキ&メツ】のトレード求めてくるのにはちょっと閉口しましたが・・・わかりやすいヒーローカードがあったほうが盛り上がるのは、やはり間違いないところですね。
トレジャーガウストのところで、モンスターの召喚を実写と組み合わせることの有効性について書かせて頂きましたが、同じように、DMが初心者用構築デッキのコマーシャルを実写で作ったのは大正解だったと思います。
余談ですが、半年前の商品説明会の時、夏からのDMのプロモーションが「これからでも勝てる!」という「初心者に向けたアピール」であり、それが嘘にならない本当に強い構築デッキであった事(今回の構築デッキ「ビートスラッシュ」の中身はその時から提示されていました。でも言っちゃダメだったんですよね)から、僕は、「タカラトミーの営業企画の人たちはわかっている!!」との確信を持ちました。
今回の“極神編”からの盛り上がりは、そうした「新しくDMを始めようよ!」という、一貫性のあるメッセージが効いて来ているからかも知れません。強い初心者用デッキで、「勝てた経験」を持ちえた子供たちが、そのまま続けてくれるのですから。
しかし。
タカラトミー営業企画部が「新しいカードは強くなければ」という事をどんなに理解していても、ゲームの中身を作っている会社であるウィザーズ・オブ・コーストがそう考えていなければ、事態は好転しません。
誰もがわかっている事でしょうから、はっきり言うべきだと思いますが、今回の極神編、決して「すごく強いセット」ではありませんでした。面白そうなカード、はいくつかありましたからまだお薦めできるのですが・・・
これについては最近、衝撃的な事実を知りました。
ウィザーズ・オブ・コースト社が開発し、日本ではメディア・ワークスが販売している“ドリーム・ブレード”というフィギュア・ゲームがあります。(ゲームとしてはかなり面白い。さすがウィザーズ)
で、そこのオフィシャル掲示板(英語です)で、こうした質問がありました。
Q・「ドリームブレードではタイプ落ち(いわゆる、昔のカードが使えなくなる状態)はあるのか?」
それに対し、ウィザーズの開発者が、こう答えているのです。
A・「ウィザーズのゲームで、タイプ落ちを前提に開発しているゲームは、マジックと、デュエル・マスターズだけ」
デュエルマスターズは、タイプ落ちを前提として開発されているゲーム!!!
コラム“不死鳥編とは何だったのか?”でも考察していた通り、「そうじゃないかな?」と予測されていた事でしたが・・・どうやら思った通りだったようです。
すなわち、作っているウィザーズは、「昔のカードが使えなくなる事を前提に、良いものを作る事にベストを尽くしている」のです。
が、現実にはDMではタイプ落ちは実行されていません。
誤解の無い様に書いておきますが、僕もDMはタイプ落ちするべきではないと思います。子供用カードゲームでは「昔のカードが使えなくなる」のは致命的でしょう。
しかし、これははっきり言って問題です。すなわち、作っている人たちは昔のカードを使わないのを前提でテストプレイしているわけですから、
「僕達が遊んでいるデュエルマスターズというゲームと、作っている人たちのテストプレイしているデュエルマスターズとは、全く違うゲームである!!」
という事なのです!
“不死鳥編とは何だったか”でも書きましたが、確かに今のDMを、14弾以降のカードのみ・・あるいは19弾以降のカードのみでプレイした場合、非常によく出来た、全く違うゲームの顔が見えてきます。
すなわち、ウィザーズはやはり、良い仕事を行っているのです。
しかし現実には、タイプ落ちが無い以上、それら全ては無駄な努力になっています。
新しいカードはほとんど、「でも昔のカードの方が強いから使わない、いらないよね」で片付けられ、販売数に結びつきません。
今回の【石像男】が【呪紋の化身】が使える環境で生まれたカードとは、とても思えない事からも、誰だってわかる事でしょう。
(え? 文明が違う? 【石像男】の効果が使えるという事は自然文明もあって、つまり【呪紋の化身】も使えるのに?)
石像男
コスト6(闇) へドリアン パワー5000
■バトルゾーンにある自分のクリーチャーで、すべての文明が揃っている時、相手は自分自身の「S・トリガー」を使えない。
重ねて言いますが、だからと言って、DMにおいてタイプ落ちを選択する事は、DMの息の根を止める事になりかねません。だから、解決方法はひとつです。
「DMはタイプ落ちさせないものとして、改めて開発環境を変えてもらう」
これ1点でしょう。
「タイプ落ちさせない」という前提になれば、ウィザーズはより魅力的なカードセットを作ってくれるはずです。
そして、軌道修正を認めさせる事ができる、いや、やるべきは、タカラトミーを置いて他にありません。
ウィザーズは開発に1年かけるらしいですから、軌道修正したとしても効果が出るのは1年後。
しかしそれを「すぐにやってくれ!」と交渉する事は可能なはず。なぜなら国産TCGは、ユーザーの反応を見て開発レベルでもっともっと早く軌道修正する事があるのですから。
向こうさんに「そんな事はできない!」と言われても、「そうしなければDMは死ぬ!」と言い返し、説得する、タフな交渉は可能なはずです!!
タカラトミーが、「ただ、送られてきたものを・・・プロモーションとしてベストは尽くすが、ただ売るだけ」であれば、期待はできません。
しかし、タカラトミーの内部に、「DMを育てるんだ!」という気概を持つスタッフがいてくれるなら、アメリカの会社が見えていない点を指摘し、ゲーム開発の内容に踏み込んだ提案ができるはず。
サラリーマンではなく、クリエイターとしての気概が必要ですが、僕は今までにお話した営業の方々を見るに、「それができるはずだ」と期待しています。
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