2003年7月29日(火)東京やさぐれ紀行 完結編<1>
月日は百代の過客にして。え〜と、東京行ってから何日たったっけ?
ハリー
「だ、だめだ! 店長の記憶力では東京紀行を思いだせない!」
店長
「失敬な! 私は仕事として東京へ行ったのだ。忘れるハズが、あぶぅぅ〜ん」
既に危険なほど記憶が薄らいでいますが、ハリーを予備頭脳として活用し、なんとか思い出してみましょう。
さて、東京に着いたその日のうちに、FB本部、FB秋葉原店、アソビットシティと渡り歩いた私とハリー。
今日は後TI東京と遊宝洞(NACさんとこ)へ行く予定です。
慣れない大都会の地図は距離感を狂わせます。思わず秋葉原から台東区のTI東京まで歩いて行けそうな気になりましたが、多分気のせいと推察。リッチにタクシーに乗ります(実は電車の繋がりがわからんかった)。
営業の方に訊いたビルについてみると、“イマ・エンターテイメント”と書かれています。
店長
「ハリー、コレは一体?」
ハリー
「今日の本部の方の話から察するに、よーするに“イマ・エンターテイメント”さんの中にTI東京があるのでは?」
実はもう少しややこしい理由があるそうだが、とりあえずはそういうことのようで。
営業の方お二人が我々のお相手をしてくださる。
向こうにすれば「何しに来たんだ、こいつら」ってかんじだろう。
実はこのとき、我々も大変だったのだ。
店長・ハリー「何しに来たんだ、オレ達」
もともとは『ランブリングエンジェル』のあまりの出来の悪さとか、せっかく出したリーフファイト構築済みがあっという間に市場から消え去って再販が無いこととか、メーカーさんの努力で何とかなる点を指摘しに来たつもりだったのだが・・・。
前日に目撃した大阪のカードショップのあまりにもイケてなさに、現在のカードゲーム屋の問題点として、小売店側(つまり我々)の努力が足りないことが大きいのでは!?と考えさせられ、「こりゃメーカーに文句言える立場ではないかも」と気落ちしていた我々。
もはや敗残兵と化したオレ達が、いまさら天下の“イマ・コーポレーション”に来て、何をモノ申すことができるやら・・・。
しかし、聞けば営業のお二人はつい最近カードゲーム事業の担当になったばかりで、これからどのように売っていけば模索中だった、とのこと。
それなら少しはお力になれるかもと思い、色々とお話が弾むことに。
営業さん |
「やっぱり構築済みデッキは必要ですか?」 |
店長 |
「重要です。とにかく人に薦めやすいですからね。『リーフファイト』だけでなく、エキスパンションの多い『ハーレムマスター』にも必要でしょう」 |
ハリー |
「その場合、間違いなく実戦レベルのデッキでなければなりません。初心者にも勝てる喜びを経験して頂かなければ」 |
営業 |
「なるほど」 |
店長 |
「新カードゲームを出すときにも、理想としてはたくさんカードが手に入るスターター、少しづつ足せるブースター、とりあえずすぐ遊べる構築デッキ、がいりますね」 |
ハリー |
「まぁシールド戦を考えないなら、スターターはなくても良いでしょう」 |
営業 |
「『ヴァラノワール』は続きを出しても売れそうですか?」 |
顔を見合わせるオレとハリー。 |
ハリー | 「難しいですね・・・」 |
店長 | 「なんで『ヴァラノワール』だったんです?! 元ネタどうり『キングダムオブカオス』ってタイトル付けたほうが売れたんじゃないですか?」 |
ハリー | 「斜めに向かって攻める分、『モンスターコレクション』よりフィールドに無駄が発生しにくいシステムは良かったんですが・・・、ルールブックを読んでもルールがわからないのは大問題かと」 |
営業 | 「わかりませんか・・・?」 |
店長・ハリー |
「誰もわかりませんでした」 |
ハリー | 「厳密に言うと、多分こうだろうと推測してプレイする事はできたんですが、あらゆるカードゲームのルールブックを見てきた我々ですらこれでは・・・。普通は、わからないのではないか、と」 |
他にも、すぐに売り切れて追加が出荷されない問題点をどうするか、とか、どのTCGに未来があるか、とかをお話。
ハリー「で、『ランブリングエンジェル』ですが・・・」
店長「たしか発売後聞いた話ですと、システムを作成中、作者がなんどかFB本部に来たそうですよね、相談に」
営業「ええ」
店長「本部の人は何度も問題点を指摘し、このままではゲームにならない、これこれこういう理由でダメだ、と全部忠告したはずなんですよ。で、そしたらまったく修正されずに発売された」
営業「はい」
店長「当然、ゲームの完成度がアレ」
営業「そんなにダメですか?」
店長「あのゲームを楽しめる人は、キャラクターが付いてりゃどんなゲームでも楽しめる人なんでしょうが、だからと言って適当なものを作ってるとカードゲーム市場そのものが腐ります。日本では“アタリショック”は起こらないと言われてはいますが」
ハリー「“TIのゲームはとにかく安心できない”というのが、一般的なユーザーの意見です」
店長「先ほどのお話では、きちっとカードゲームメーカーとして売っていきたい、とのお話でしたね!?」
営業「はい!」
店長「では、せっかく良いキャラクターを使わせてもらえるんですから、もっとクオリティーの高い商品を作ってください! 業界そのもののレベルを下げないように!
なにもカードゲームに競技性が重要だ、と言っているわけじゃないんです。結局は遊びなんですから高尚になれば入り口が狭くなる。そうではなく、どのカードも使う意味があるように作り、少なくともバグのないものにして欲しいんです」
ハリー「特に貴社のゲームはキャラクター物ですから、キャラクターが好きな人がお買い求めです。好きなキャラクターのカードを使おうと思う。ところがそれが、使う理由がないほど弱いものであったらゲームやっても勝てないでしょう?
“勝てなくてもいい”って人もいますが、最初から負けを前提にするのは対戦相手に失礼ですし、そりゃ好きなキャラで勝てれば嬉しいものです」
店長「てなわけで、カードゲームを作るスタッフには、少なくとも算数のできる人を起用して下さい。数学じゃなくて算数でいいですから」
・・・ずいぶん激しく攻めたてる我々。
思えば2・3年前にも『グラップラー刃牙』や『ハーレムマスター』のバグをレポートにまとめ、わざわざ東京に出かけてTIの社長にお話したものだった。
ブロッコリーの木谷社長にもお会いして、中井まれかつ氏を引っ張り出して質問会を開いてもらったり(話してみたところ、どーしても中井まれかつ氏は『アクエリアンエイジ』の先攻超有利が理解できないらしい)、エニックスにはレポートを提出し『ガンガンヴァーサス』のエラッタを雑誌に4ページに渡って出してもらったり、とにかく色々やってきた。
1円の儲けにもならんのに、オレは一体何をやっているのだろう。
理由はいろいろある。クオリティの高いカードゲームが出ないと、みんながカードゲームを見捨ててしまうのではないかという危機感。
あきらかにデバックせずにテキトーに作られたとしか考えられないゲームを買う人が気の毒だから。
お客様を尊敬できない商売はツラい。良いものを売りたい。
まぁけっきょく全部、自分のためだ。
「しかしメーカーには、自分達の足りていないところが見えていないのだ!」
ハリー | 「店長、何咆えているんスか。もう帰りますよ」 |
店長 | 「あれ? ここどこ?」 |
営業のお二人は、我々が考えていたTIのイメージより、はるかにガッツのある人で、マジメに話を聴いてくれた。
だが、はたして営業の声が、どこまで製作に届くか・・・。今後まだ闘いは続くだろう。
ハリー | 「正直、営業の人に話して意味あるんですか?」 |
店長 | 「・・・昔、『アクエリアンエイジ』で“支配すれば1枚ドローする”というキャラが大量にあった。そいつらを全部デッキに全部入れると1ターン目で相手を殴り殺してゲームが終わってしまうことを、当店の常連きゃべ助とKくんが発見した。 ただでさえゲーム性の低い『アクエリアンエイジ』がこれで完全に駄目になる。オレはレポートを書いてもらい、ブロッコリーの営業の人に見てもらった」 |
ハリー | 「あぁ、そういえばそんな事、ありました」 |
店長 | 「オレが連絡して一週間後にルールが変更された。営業の人に熱意と説得力があれば間違いは正せる! 当たり前だ! バグはバグだ!」 |
我々は思ったよりも手応えのあったことに満足しつつ、NACさんの待つ遊宝洞に向かった。メシを奢ってもらいに。
次回、東京やさぐれ紀行 完結編<U>
NAC名人焼き肉編/ありがとうバンダイ編
お楽しみに!
ハリー「けっきょく続くんですか」
店長「ううむ、意外だ(ウソつけ)」
ハリー「今回はギャグもありませんし、もういいかんげん、誰も読んでくれませんよ」
店長「こないだ岡山のマナソース主催の『真・武闘会』という大会に行ったんだけどぉー、なぜかFB本部の池上さんやナギサワさんがいてぇー、『日記の続きはどうなった』『はよ書け』『遊んでないで帰れ』とかいじめられました。お土産もらったけど」
ハリー「本部の人、いたんですか!? 遠いのに大変ですね、頑張ってるなァ」
店長「オレと池上さんは、赤い糸で結ばれているという説、濃厚」
ハリー「ホモ話はいいですから、次こそ終わるんですね!?」
店長「赤い糸説、濃厚」
ハリー「いいから!」
次回予告
NACさんとこで
ハリー「へぇ〜。これがあの『伝説のかけら』ですか。シンプルでおもしろそうですね」
店長「うぃぃ〜。(ね、眠い。睡魔がオレを襲う!)
ハリー「ほおぉ、よくできている!」
店長(うぅ、思考がまとまらん)
せっかく遊宝洞に見学に来てるのに、このまま寝てしまうのか?! 店長、ピンチ!
ピンチは名人にも! 「ぐっはあ!!」「名人〜〜!!」
店長、子供説上昇! 「ダ・ボム!!」
あまりにも斬新な中華料理の数々!
「ハリー・・・、麻婆豆腐ってしょうゆ味だったっけ?」
「こっちのホイコ−ローも・・・、」
なんとなく話がバンダイまで行かないような気もします。
9月13日 東京やさぐれ紀行 完結編2
イマコーポさんを出、ちょっと遅めの昼メシを食べる我々。ギョーザの旨い店っ!≠ニの看板に魅かれ、とある中華料理店に入る。
店 長「わーい、ギョーザ大好きー。ビールに合うよね」
ハリー「昼間っから飲んで、この人ときたら」
野菜ギョーザがかなりウマい。この店はイケる!と、追加注文。オレは好物のマーボー豆腐。
ハリーもホイコーローを頼む。
で、出てきたマーボー豆腐は旨そうなアメ色。ピリピリ辛い刺激を求めて、一口目をよそう。
店 長「いただきま〜す。もぐもぐ。……んごぉ!?」
醤油味がする。慌てて記憶を確認。
『マーボー豆腐って醤油味だったか!? いや、違う!! これは何か別の物体だ!!』
自分の味覚が狂ったのかと思い、ハリーに食わせてみようとするオレ。
店 長「ハリー、このマーボー……」
見ると、ハリーもホイコーローを食いながら、眉間に深い縦ジワを発生させている。
ハリー「店長、このホイコーロー……食ってみてください…」
ホイコーローは辛味噌味のハズ。色も赤くて、普通に見えるが…ケチャップ味。
店 長「創作料理を食いに来たんじゃない! マーボーを食わせろ! 何だこの異次元料理は!」
ハリー「不味いワケじゃないってのが……また微妙な…!」
厨房を覗いて見ると、本当に中国人っぽい人がお料理中。
店 長「本当の中国人が作る中華料理って…ケチャップ味なのかしら…?」
ハリー「店長、しっかりして!!」
繰り返すが、マズいわけではなかった。今度は別の料理を試してみよう。(気に入ったのか!?)
中村名人の所へ行くまで、アキハバラをさ迷う我々。
カードショップやホビーショップを何件か廻るが、大阪とあまり変わらない問題点が目に付く。
オ レ「とにかく、シングルカードが買いにくい。しかも全部揃ってるわけじゃない。アンコモンやコモンの扱いがおざなりだ!」
ハリー「やはり全部揃ってないと、初心者はどんなカードがあるのか不安ですなぁ…。相変わらず、メモにカード名書いて出す方式だし」
オ レ「在庫管理の都合があるんだろうが、客に優しいシステムではないのは確かだ。我々が都市部に店を出すとしたら、どうする?」
ハリー「やはり、初期フューチャービーのやってた、とにかく壁にカードがフルコンプで貼ってあるのは、良いインパクトですよね。
アレを進化させた、今の我々の見本のカラーコピーをレジに持って来てもらうのがベストなのでは?」
オ レ「見本コピーを増やす必要はあるだろうが、あれがベストだよな? 買いやすいし、店にさえ来れば全てのカードが見れるし。
逆に今回、カードの売り方として学ぶべきところはあったかね? 高い旅費使って東京まで来たが」
ハリー「うっ! ……すんません。実は、ありません」
オ レ「うむ! 実は……オレも無い。困った」
せっかく色々なアイデアをパクって楽をしようと思ってたのに。超ヘコむ我々。
いよいよ中村名人の所へ遊びに行く我々。ゲーム制作会社遊宝洞≠ウんの最寄り駅で降りた我々。携帯で中村名人のナビを受けるも、電波状態が悪く、ほぼ聴き取れない。
オレ「はい!? 何ですって? に=H」
名 人「みですみ=I いいですか? ミルストーンのみ=I」
カードゲームプレイヤーらしいナイスナビで、何とか通じる。ようやく遊宝洞さんにたどり着いた。
*遊宝洞。
せっかくのブームなのに、ろくなゲームデザイナーのいない日本TCG界において、数少ない良質なTCGを制作し続けるゲームデザイン会社。
知ってる限りでご紹介させていただくと、おもにコナミのTCGを作っていらっしゃる。
ここで「何だコナミか…」と思った人!! 一時間正座!! そういう人は初期の遊戯王しか知らない原始人だ!!
…さて、本題に移る。
マジックマスター
イキナリ来た!! 知る人ぞ知る伝説のカードゲーム。
モンスターメーカーシリーズと絵が全然違うが、当時大学生だった中村名人が作ったこのカードゲームが、あまりにおもしろかったため、番外的に発売された。
MTGが無ければ、世界はこのカードゲームのエキスパンションで支配されていたかも知れない。
バーサーカー≠ェ誤植で、バーカーサー≠ノなっている点は、名人が人に会う度にフォローしているのがおもしろ悲しい。
…て言うか、遊宝洞じゃなく、中村名人本人の作です。すんません。 コナミでもないし。
神の記述
当店HPの日記で、「コナミが本気のゲームを作ってるぞ!」と言ったところ、ヤナーに
「はっはっはっ。そんなバカな。」 と言われたゲーム。
本気。
当初より、ハイレベルのTCGユーザーに向けてデザインされた、超硬派ハイエンドストラテジックカードゲーム。
コナミが会社イメージを変えるために、名人に作らせたのではないかと思えるほど。
構築済みデッキ2つでも物凄く奥深い駆け引きが味わえるので、未体験の人は是非。
残念ながら、キャラクター性の欠如と、あまりにストイックな内容、コマーシャル不足でメジャーとはなりえなかった。
テニスの王子様
実は、遊宝洞さん作。
キャラ人気がありすぎて、しかも買っているのが女性ばかりなので、 コレクターが多く、高いゲーム性に気づかれていない。こんなんばっかり。
ゲットバッカーズTCG
神の記述を変化させたようなルール。
取り扱い店が少なく、キャラ人気も盛り下がってからの発売。例によっていい仕事してるのに、プレイ人口が少ない。
コロッケバンカーカードゲーム
子供用らしく、わかりやすいルールとドカスカ動く場のカードが楽しいカードゲーム。
どんなキャラでデッキを作ってもやってる事はあまり変わらないという、プレイ感がいつもいっしょ%I弱点があるようだが、2弾の発売でどうなるか期待。
久しぶりに会った中村名人は、いつものニコヤカな笑顔で我々を迎えてくれた。
代表取締り役の廣木さんもご一緒。
「こんちは名人。お邪魔しま〜す」
「どうもようこそ」
事務所を見渡すが、例の帽子が無い(何で一番にそれを見るか)。
本棚を見ると、ちゃんとデュエルマスターズの漫画がある。
「ここにあるデュエルマスターズは資料用ですか?」名人に質問するハリー。
「あぁそうですよ」にこやかに答える名人。
「では、この巨乳ハンター≠ヘ?」
「…資料用です」微妙に声が震える名人。
資料用らしいです。
が、その後の我々のディスカッションによっても、ゲーム作製においてどう役立つ資料なのか、全く解りませんでした。さすが遊宝洞。奥が深い。
ご存知の方も多いと思いますが、実はNACこと中村名人は、今をときめくデュエルマスターズのテクニカルアドバイザー。漫画に登場するデッキのアイデアを出したりと、大活躍中です。
1弾から2弾のフレーバーテキストや、ゲーム内世界設定を考えたのも名人で、デュエルマスターズの生みの親の一人です。
デュエマス制作上の、愉快なお話をお聞きしたり、これからの展開についてちょこっと教えて頂いたりして、盛り上がる我々。
「バロムが出現した時、全滅するミミのクリーチャー達が、白骨化するじゃないですか。あそこでシビレアシダケに頭蓋骨があるんですよね。」
「そうそう、バロム出現の超カッコいいシーンが、一挙に大爆笑シーンに! あの作者、侮れませんよねえ!」
「デュエルジャッカーショウ≠ヘ、モンスターの絵がカッコいい上に、ギャグがおもしろいし、デュエルマスターズ≠ヘストーリーがおもしろい&ブッ飛んだセンスのギャグが大人にもウケますよね。実にいい感じです」
秋にはTVアニメ(30分枠)もやっと始まるとの事で、デュエルマスターズについては、とにかく安心。東京に来て、やっと安心できる話が聞けた感じ。
ところが、疲れが出たのか安心したのか。突然の睡魔に襲われるオレ。名人が「ゲットバッカーズTCGやってみます?」と薦めてくださるが、集中力に自信が無く、ハリーに任せる。
ここで、さらに意識が遠くなる…
ハリーが、「ほぉ」とか「へぇ」とか納得しながらゲームをしているのが、遥か遠くから聞こえてくる。何か知らんが、メロンを奪い合うゲームになってるような!?
メロンが強いとか聞こえるし…
ハリー「いやぁ、ナルホド、手札の読み合いがあって、なかなか恐いゲームですな」
オ レ「めろん……」
名 人「いやあ、こっちはこんな手札だったんですよ。逆転性あるでしょう?」
オ レ「めろんゲーム?」
ハリー「店長…?」
続いて、ウワサの伝説のかけら≠プレイ。
こいつはとにかくやってみたかったので、何とか覚醒する。
おもしろい! ウノのような1セットで全カードの揃っている純然たるカードゲームで、カンタンで逆転性や戦術性、ブラフなどの要素がバランス良く楽しめるゲームとみた。
オレはひねくれた役≠狙いすぎた上、頭脳の出力が8%くらいだったため惨敗したが(いいわけ)、発売したら入荷して、客に無理矢理でも売りつけようと思った。
(現在、当店にて発売中。2000円で通販も可能です。)
オ レ「この、救国の乙女≠ェ萌えカードですな」
ハリー「そんな事しか考えてないんスか」
名 人「いやあ、作った我々でも訳解らん展開になったりしますよ(笑)」
ハリー「パーティーゲームとして、長く遊べそうです」
名 人「ええ、そう遊んで頂ければ」
オ レ「よし! オレは救国の乙女デッキ≠組むぜ!」
ハリー「店長、このゲームはデッキを組みませんので」
その後、オレが、あまりにひもじい表情をしていたせいか、廣木さんと名人が焼き肉を奢ってくださる事に。
眠気もぶっ飛び、喜んで付いて行く我々。 夜の新宿をてくてく歩く4人。
その時、事件が起こった!
名 人「……ぐはぁ!」
ハリー「どうしました!?」
名 人「こ、こんな所に段差が… 足をくじきました」
廣木さん「ありゃあ、大丈夫かいな!?」
見れば、かなり大丈夫じゃない様子。
オレも昔、同じような目にあった事があるのでマジ心配。
「銀行の前に、しかもこんな暗がりに、段差があるなんて……」
言い訳トークンを発生させる名人。
病院へ行った方が良い、という我々に、せっかくだから…と、 あくまで焼き肉を奢って下さる覚悟の名人。
オ レ「ううっ! 名人…そんなにまで私の事を! こうなったらもう、オレも入院するぐらいの勢いで、肉食いまくりますよ!!!」
名 人「いや、その」
数々の困難を乗り越え、我々はついに焼き肉屋に着いた(苦労したのは、歩くたびに激痛と闘っていた名人)。
良い感じにアルコールも入り、ゲーム業界の話題で盛り上がる我々。
廣木さんが、数々のTVゲーム攻略本を作った人だと知ってビックリ。オレも昔は、玩具店でTVゲームの専門家だったため、知らない間にお世話になっていたかも。
とにかく、日本カードゲーム業界のクリエイターには信用できる人が少ないとなげくオレ。ブロッコリーへ行って中井まれかつ氏と話した時の事件を話す。
オ レ「…で、木谷社長が話しの解る人で、
『じゃあ明日、うちの中井まれかつを呼んで、質問会を開こう』
と言って下さったんですよ。で、次の日、会場へ向かう電車の中で考える訳です。
言い出しっぺはオレだから、たくさんの店長さん達の中で、ズバリ中井さんにアクエリアンエイジの競技性について突っ込むのはオレがやらざるをえないと」
名 人<「ふむふむ」
オ レ「アクエリは、言うなれば1ターン目に石の雨≠ェ撃てるゲームなんです。超先攻有利。
データをとればハッキリするでしょうが、とにかく先攻が勝ちます。なのに何故か先攻にもドローがあり、ペナルティが無い。ココを聞いてみたかったんです。
ですが、先攻ドロー無し≠ノするのはオプションルールみたいなモンですから、出来るだけ初心向けに、という事なら、それも一つの考え方として一応容認すべきかな、と考えました。
本当は、容認出来る差ではありませんし、何より木谷社長の、競技性の高いゲームにしたいとの考え方から外れますが…」
廣木さん「そんなに先攻有利ですか?」
ハリー「話にならんぐらいです。大会へは、ジャンケンしに行くようなモンですよ」
オ レ「で、いよいよ質問会。
全国から集まったカード屋の店長さん達40人あまりの前に、中井まれかつ氏が現れます。
幾つかの質問の後、いよいよ、という感じでオレが立ち上がります。
参加者の方々も、オレが言い出しっぺだと知ってる人がほとんどで、注目です」
ハリー「ゴゴゴゴ」
オ レ「大ヒットしている。だけどゲームとして問題がある(と、オレが考える)アクエリアンエイジ。
当店のきゃべ助君や、イハラさん、その他大勢の人達が、とにかく中井氏本人に直接聞きたかった事を(おそらく全国のアクエリプレイヤーも)、万感の想いを込めて、中井氏の目をまっすぐ見据えながら、オレはゆっくり聞きました。
『何故、アクエリアンエイジには、先攻ドローがあるのですか?』」
名 人「そして!?」
オ レ「中井氏は答えました。
『出来るだけ、初心者にも解り易くする為に、ルールをシンプルにしたかったからです』
…オレはぐっと何かを飲み込み、
『解りました。ありがとうございました』
と、答えました。
競技性やバランスがゲームの全てではない。オレとは方向性が違うなれども、中井氏もちゃんとした価値観を持って、ゲームを作っているんだ、と、納得したのです」
名 人「ううむ」
オ レ<「ところが!!その後が良くない。中井氏は、
『でも、そんなに先攻有利ですか?』
と言ったのです!! 一斉にため息をつく参加者達!!
だめだこりゃっ!!て感じで!!
あの時、我々の心はひとつだった!!」
名 人「………」
オ レ「さらに! 会議終了時。中井氏に声をかけてみたワケですよ。
『いやあ、今回の質問会は、私が言い出して開いてもらったものなんです。お忙しい中、すいませんでした』
『いやあ、突然呼び出されて、何事かと思いましたよ』
『ところで、今度出るサーガUからは、先攻ドローなくなりますか?』
『え? 何でですか!?』
と」
名 人「……大変でしたね」
こういった話をしているうちに、名人と廣木さんの、ゲームデザインにおいての考えを聞く事になる。
名 人「アドバンテージやコストはすべて数式に直せるようにして作っていかないと、バランスは取れませんよね。
計算して作らないと、どうしても強いカード、弱いカードが出来て、使うカードが限られるようになる」
オ レ「そうなんですよ。もともとMTGも、数学者が作った物で数式からカードを作っているのに、その常識を考えてもない作者が多いですよ」
名 人「どこかで数式を破壊するカードがあっても良いんですけどね。
ただそのカードのペナルティが小さい物だったり、抜け道があったりすると、皆がそのカードを使って終わってしまう」
オ レ「昔のポケモンの、カメックスデッキですな。中村さんが、ポケモン名人だったころ使ってた」
名 人「あれは、僕の友人が作ったんですけどね。とにかく、感覚だけでカードゲームを作るのは危険だと思います」
オ レ「オレは店をやってる者として、長く遊べる出来の良いゲームを求めていますが……期待してますよ」
ここはひとつ、じろりと名人を睨むオレ。
名 人「ええ、勿論です」
ごく自然に微笑む名人と廣木さん。本物だ、と思った。
更に盛り上がる我々。酔っ払ってるし。
名 人「だからアメリカでスターウォーズTCGやポケモンがダメになったのは、ぜ〜んぶマジック方式で大会を運営したからですよ!
競技としてのゲームと、カジュアルな遊びとしてのゲームは、別けて盛り上がらないと!
アメリカTCG業界は、焼き畑農業状態なんです!」
オ レ「何か知らんがその通りや! 中村さん! あんた志士や!!」
ハリー「アメリカもウィザーズ以外のカードメーカーは無いんですか?
マジックがさらに盛り上がるには、ライバル的な物も必要でしょう」
名 人「今のところ、全部へたってますね。焼き畑で」
オ レ「そうだ! そこへ我らが遊戯ウォーが…! だめだ! 英語版セットの中身はスカばっかりだ!!
何であんな、ゲームバランス無茶苦茶な時のカードばかりセットにしたんだ!
今のまともなカードからまとめれば良かったのに…!」
廣木さん「実は、遊戯王やってないんだけど。おもしろいの?」
ハリー「何故かおもしろいんですよ(苦笑)。
バランスとか数式とかブッ飛んでるんですけど。こうゆうおもしろさもアリと、最近は思えます」
オ レ「少なくとも、普通のカードゲームではなく、遊戯王のおもしろさを求めてる人はたくさんいます。
是非やってみて下さい! 今度デッキ送りますから!」
楽しい時は過ぎ、宴はお開きとなった。
帰ってゆく名人が足を引きずって歩いているのを見て、ようやく名人が重症患者であった事を思い出した。
オ レ「大丈夫かな名人。肉食ったから治るかな」
ハリー「…どんな理屈ですか? そりゃそうと、お二人が店長の事誉めてましたよ」
オ レ「え!? いつ?」
ハリー「店長が席を外してる時。
『なるほど、ああゆう人だから子供達に人気あるんですねぇ』って」
オ レ「いやあ、照れるな。はっはっはっ」
ハリー「ご安心下さい。『いやあ、子供なだけですよ』とフォローしておきました」
オ レ「………」
完結編3へ続く。
後日談。
その後、遊宝洞の方々に遊んで頂く為、遊戯王のデッキを2つ制作。
何も考えず殴る速攻デッキと、パーミッション気味に闘ってヤタガラスでロックするデッキ。
名付けて、破壊と制圧=A奇襲と翻弄=B(神の記述の構築デッキと同じ名前。)
まずタイトルでバカウケだったそうな。
で、「アホになったつもりでプレイして下さい」とのオレのアドバイス通り、楽しんで頂けたらしい。(“マジック”の定食屋さん)
遊戯王が楽しめる頭の柔らかさもお持ちのようで、ますます安心。
頑張り過ぎない程度に、頑張って下さい。
次回予告!!
いよいよバンダイ本社へ特攻とかける我々!
何と言っても日本玩具業界のドン! ヘタに批難しようものなら消されるのでは!?とビビりながらも玉砕覚悟で挑む我々に、バンダイカードゲーム担当さんが取った行動とは……!?
「これ、おみやげです」
「わ〜いありがとう。バンダイ大好き〜♪」
次回、東京やさぐれ紀行 真完結編!
ドラゴンドライブは何でああなのか!?に、ジャスティーン!!
注※ 諸事情により、タイトルの事には触れられないかもしれません。(弱)
2003年10月13日(月)東京やさぐれ紀行 完結編V
バンダイ本社突入!ドラゴンドライブは何でああなのか編
おにぎり食いながら、バンダイ本社ビルに到着。(道に迷い、朝食をとっている暇が無かった為、コンビニおにぎり。)
今回の目的は、
1 |
ガンダムウォーの今後の展開についてお話を伺う。 |
2 |
バンダイとしては、今後TCGをどう扱ってゆく気か確かめる。 |
3 |
ドラゴンドライブについて、何度か意見書を出したが、何故改善されないのか追求する。 |
実は今までに何度かドラゴンドライブの問題点について意見書を提出しており、バンダイさんも納得の内容だったのにも関わらず、全く改善されず半年以上も経っていたのだ。
ここで、ドラゴンドライブを知らない人の為、カンタンに説明すると…
え〜、一言で言って、ゲームになっていないという事なんですが。
モンスター(以下ドラゴン)は、お互い1人1体しか出せません。こいつの1対1の戦いがゲームで、ドラゴンを倒された方は、よりレベルの高いドラゴンを出せます。
1レベルからスタートで、1レベルを倒されると2レベル、2レベルを倒されたら3レベルのドラゴンを出せる。当然、レベルの高いドラゴンの方が強く、普通に考えたら、負けた方が次は勝ちやすくなり、シーソーゲームになりますな。で、倒したドラゴンのレベル合計が10になれば勝ち。
つまり、5レベルぐらいのドラゴンまで出せるという事。
ですが、もし、最初にドラゴンを出さなければどうなるか?
この場合、本体が攻撃を受けた事になり、(本体という概念はこのゲームにありませんが。)手札から、ドラゴンカードを1枚、相手のポイントとして出します。
ここで、いきなりレベルの高いドラゴンカード(7とか8レベル)を出します。すると、こっちは、いきなり8レベルのドラゴンを出せるのです!
もうお解りでしょう。最初から、デッキに最強のドラゴン(8レベル)数枚と、1レベルのドラゴン数枚、後は強化カードとカウンターカードを入れれば、それでお終い。
実際、神竜という8レベルのカードがありますが、プロモ版と合わせて神竜を7枚入れたデッキは、ゲームにならない強さでした。
このシステムの問題点は、神竜を禁止にしても、次に強いドラゴンと入れ替えれば良いだけで、何の解決にもならない事。
マジック・ザ・ギャザリングで言えば、リアニメイトカード無しで10/10のクリーチャー(プロテクション全色、飛行、シャドー、タップしない付き)が出せて、手札が全部カウンターカードみたいなもの。
その他、意味も無くフェイズごとにターンプレイヤーがチェンジするとか、表記が見ずらい、とか、普通にプレイしても先に動いた方が必ず不利になる$逑手になったりとか、何よりもゲームとしておもしろいと思えない≠ニか色々あるのですが。
詳しくは、ゲーム批評にて。
実はこのドラゴンドライブ、数年前に一度、カードダスでゲームカードとして発売されたのですが、人気が出ず、今回、ゲームとしてのおもしろさ≠前面に打ち出してリニューアル新発売されたハズでした。
さらに、2003年のバンダイカードゲーム戦略として、
1・ガンダムウォー: |
ハイエンドユーザー向け。 |
2・ドラゴンドライブ: |
子供達にゲームとしてプレイしてもらい、専門店、玩具店で大会を行っていく、イベントの中心となるもの。 |
3・ガッシュTCG : |
量販店、コンビニ中心でキャラクターカードとしての人気を盛り上げる。 |
という企画がありまして、カードゲーム専門店としては、ドラゴンドライブのゲームとしてのおもしろさ≠ヘ、キチンと見定めておく必要があったのです。
最悪のシナリオが、私の頭にありました。
バンダイ |
「今年はドラゴンドライブで子供達に盛り上がってもらいたいんですよ。
専門店さんには、大会等を企画して下さい!」 |
オレ達専門店 |
「バンダイさんのバックアップはしっかりしてますからね。 こっちこそよろしく!」
で大会に子供達を誘う。 |
|
↓
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子供達 |
「ねぇ店長、これつまんないよ。」「いや、そんな事…あるか?」 |
|
↓
|
|
で、子供達、イコール、カードゲームつまんないと思う。 |
バンダイ |
「専門店に協力してもらっても盛り上がらないかぁ。 カードゲームの店って、そんなもんか」 |
|
↓
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TCG専門店、風化。
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これだけは避けたい! 我々の怠慢が原因で、盛り上がらないなら仕方ないが、素材が悪けりゃ我々にはどうしようもないのだ、という事を…。今回、バンダイさんに御理解いただかなければ!!
前置きが長くなりましたが、この件に関して、オレとハリーはシンクロ率100%でバンダイ本社に挑みました。
バンダイ本社応接室には、鉄道模型の上にガラスを貼ったテーブルがありました。「良い遊び心だのう。さすがはバンダイ」とか思って見ていると、「おもしろいでしょう」と、カードゲーム事業部担当課長さんがにこやかに登場。そのまま鉄道模型の上でお話する事に。
オレ |
「多くのカードゲームメーカーの中でも、バンダイさんは、サポート体制がとてもしっかりしていると思います。我々としては、信頼できるメーカーかと」 |
担当 |
「ありがとうございます」 |
オレ |
「やれ不景気やら、玩具が売れん、ブームが無いなどの中で、カードゲームは、元々がたかが紙ですから、少ないコストで作れるとの理由で、色んなメーカーが手を出しています。昔のファミコンと同じで、舐めてかかって作ってるメーカーが多い」 |
担当 |
「あぁ、なるほど」 |
オレ |
「おかげで、ゲームとして成り立っていないわ、間違った記載、ルールについてのサポートが無いわ、プレイヤーにしてみれば、せっかく買ったのに、まともに遊べない、投げっぱなしバグだらけの不良品が実にたくさんあるんですよ。
我々専門店は、このままでは、カードゲームそのものの評価が低下しないか心配なんです」 |
担当 |
「つまり、『アタリショック』ですね。(注:1982年冬、アメリカで大ブームとなっていたTVゲームアタリ≠フソフトがいきなり、全く売れなくなった事件。いいかげんなソフトが出すぎた為、TVゲームそのものの信用を失った)」 |
オレ |
「それです! カードゲームがちゃんとおもしろい物である事は間違いありません。世代差を超えて、知らない人同士でも楽しめる、素晴らしいツールです。
バンダイさんは、ガンダムウォーのエラッタをどんどん更新して、プロモカードを作り、ルール、イベント共にサポートを続けていらっしゃる」 |
担当 |
「エラッタが多い事は、よく批難されるんですがね(笑)」 |
オレ |
「投げっぱなしよりよっぽど良いですよ! 自らの非を素直に認め、修正する。当たり前のようで、やってるメーカーは実に少ない」 |
担当 |
「そう言っていただけると、救われます」 |
オレ |
「そう言うワケで、バンダイさんの出すカードゲームには、我々も期待しているワケですよ。キャラクター商売の上手いバンダイさんですから、それだけに、自社キャラクターもとても大事に育てていらっしゃる。
ウルトラマンもライダーも、親子で楽しめるよう、初代を観て育った人に子供が出来る頃を狙って新番組を出したりですね」 |
担当 |
「よくご存知ですね」 |
オレ |
「元玩具店員なので。
で、ここからが問題なのですが、それだけキャラクターを大事にしていらっしゃるバンダイさんにしては、カードゲームの完成度において、とても低い物が多いのではないかと」 |
担当 |
「以前からお手紙頂いているドラゴンドライブですか」 |
オレ |
「そうなんです。本当〜に何度も連絡したのですが、ドラゴンドライブ担当の方に全然お返事いただけなくて」 |
担当 |
「今日池田さんがいらっしゃることも知っているはずなんですが、どうもその」 |
オレ |
「なぜお話できないんです?」 |
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これ以降のお話は、近日公開予定の「よりよきTCG業界のために。ドラゴンドライブはいかにして失敗したか?」特集として記事にしたいと思います。 |
オレ |
「まぁ、色々あるのでしょうが…TVゲームも昔、バンダイさんのはプログラム技術が低くて、せっかくのキャラを殺してしまっているゲームが多かったですよね。で、どんどん売れなくなって…
他で完成度の高いゲームを作った人達に、自社キャラを使ってゲームを作らせた。で、今のバンダイさんがある。」 |
担当 |
「えぇ、そうだったようです」 |
オレ |
「カードゲームも、是非、そうして下さい。お願いですから」 |
オレ |
「で、ガンダムの今後ですが…」 |
ハリー |
「イデオンは入らないんですか!?」 |
ハリー |
「機動戦士VS伝説巨神ですよ!! 長谷川さんの漫画の!!」 |
オレ |
「いや、そりゃ無理だろぉ」 |
ハリー |
「クロスボーンガンダムもオフィシャルなんだし、大丈夫ですよね!?」 |
担当 |
「結論から言うと、無理ですね」 |
担当さん苦笑い。そりゃそうだ。
オレ |
「しかし、Gガンダムはどうなんです? そろそろゆるしてやっても…」 |
ハリー |
「やっぱり、鬼子扱いなんでしょうね」 |
多分ダメなんだろうと思い、次の話題に移ろうとする我々。が、ここで担当さん、身を乗り出し、
担当 |
「いや、個人的には、やはりガンダムの立派なキャラクター。我が社の財産ですから、鬼子だなんて思ってませんよ!」 |
オレ |
「おおっ!!」 |
担当 |
「しかし、今までのプレイヤーさん達に拒否反応があるのも事実。我々もそれを無視する訳にもいきません」 |
オレ |
「うん、うん、バンダイさんの、そういう所、好き」 |
担当 |
「数字的に強すぎるんじゃないか?とか意見もありますが、ゲームデザインで何とかなる物だと考えていますし」 |
オレ |
「そうですよね! 『Gが出たら強すぎるよ〜。』とか言ってる人は、ゲームデザインの自由性という物が解ってませんよ。例えば、モビルファイターは、格闘修正2以上のキャラクターがセットされていないと出撃出来ない≠ニか、条件を付ければコンボデッキとして、回れば強い、回らなきゃやられる、バランスのとれたものになりそうですし」 |
担当 |
「えぇ。方法はいくつもあると思います。そこでですねぇ、まぁ企画としてもまだ立ってないんですが……例えば、今回のガンダムシードブースターのように、ショートエキスパンションとしてGガンダムを出し、プレイヤーの皆さんにお伺いを立ててみる、というのも考えています。
要するに、ガンダムウォーに混ぜて遊べる別の<Qームとして出して、評判が良ければ公式に加えるという」 |
ハリー |
「なるほど! アングルードですか!!」 |
担当 |
「それです!!」 |
これはイカス!! 盛り上がる我々。やっぱりバンダイの人もちゃんとガンダムファンなんだなぁ。
オレ |
「その方法でなら、SDガンダムエキスパンションもあり!?」 |
担当 |
「いや、それは無いです」 |
ハリー |
「イデオンは?」 |
担当 |
「それもないです」 |
注・上記のGガンダム話は、読んでいただいたらわかるように個人と個人の「だったらいいな。こんなかんじなら反対派プレイヤーからの反発も少ないんじゃないかな」話です。
まさかこいつを公式見解と見る人はいないだろうと思ってましたが、なんとバンダイに問い合わせた人がいたそうで。世の中には話をでかくしたがる人がいるものだなぁと驚きました。
慌て者の代わりに、バンダイにお詫びします。
オレ |
「現在(5月)放映中の、ガンダムSEEDについて、バンダイさんはどう考えているんですか? 期待通りの人気なんですか?」 |
確かに、プラモデルは今までに無い程の売上で、視聴率も歴代ガンダムの中でもトップクラスらしい。が、オレはあんまりおもしろく感じてなかったのだ……
担当 |
「確かに、ある程度の評価を頂いていますが、我々は満足していません」 |
担当 |
「もっといけるハズだ。これが本音です。…何と言っても、昔からのファンの評判が悪いんですよね。ストーリーがもうひとつ、と」 |
オレ |
「SEEDって、ファーストとか今までのガンダムのオマージュでしょ? だから、ストーリーの部分部分が似てて当然なんですが、それはいいとして、おかげで彼ら≠フ物語に見えんのですよ。彼ら≠チて登場人物ですが…」 |
担当 |
「旧ガンダムのファンには、キャラクターが特に受け入れられてませんね。その辺を反省点にして、今回の良かった点も合わせて、次のガンダムを考えていますよ。」 |
オレ |
「おお! やっぱり次もありますか!」 |
ハリー |
「なら、ガンダムウォーも安泰ですね」 |
担当 |
「その点は安心してもらって大丈夫ですよ」 |
後日談だが、ガンダムシード終了パーティに、あの富野監督が出現。今までSEEDに対し、ほとんど沈黙を守っていた監督の第一声は、
「私はひとこと言いたい! いいか! 目をでかくすりゃいいってモンじゃないんだ!! いいか! 人を殺せばいいってモンじゃないんだ!!」
と、言ったらしい。
キャラクターを殺しまくってんのは、アンタだ、というツッコミもあるが、あれはZZまでですよね。監督にすれば、自分の昔の作品のキライな所までオマージュにされて、たまらんのかもしれません。
担当 |
「ベースドブースターをシリーズ化して出してゆく事で、ガンダムウォーは商品として、小売店さんに扱いやすい物になると考えています。全弾揃えていただかなくても、ベースドさえ置いていただければ、プレイヤーさんに始めていただけますよ、という」 |
オレ |
「それは素晴らしい」 |
ハリー |
「確かに、基本セットの作成は、長く続いたカードゲームには必要な事だと思います。ですが、ぜひ他にも作ってもらいたい物があるんですよ」 |
担当 |
「何でしょう?」 |
ハリー |
「構築済みデッキですよ。限定品でなく、常に在庫として置ける、買ってすぐに遊べる構築デッキを各色」 |
オレ |
「確かに、ギレン編が出た時も、プレイヤーがどっと増えました。『これさえ買えばすぐ遊べる。』という商品は、常に必要ですね」 |
担当 |
「そうですか。…では、これからのドラマチックブースターは、今までより多く作って、長く販売出来るようにしましょう」 |
おみやげに、キャラクターグッズを頂いて大喜びの我々。バンダイ訪問は、やさぐれていた我々に、少し元気をくれた。
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