TOPディメンションゼロ研究所第18回(2007.02.02.)

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□通常の3倍つおい! グランプリ4準優勝デッキ


 さあ、前回に続いて準優勝デッキの解説です。

 前にも言いましたが、準優勝だからと言って、「優勝デッキに劣っている」ものではありません。ぶっちゃけ、上位のデッキはどれが優勝してもおかしくないものばかり。
 1位の方のデッキと同じように、「グランプリ4を制したデッキ」として見て頂きたいと思います。

■雨宮慎太郎君Aデッキ
完全自己チューン型黒単デッキ“雨宮専用黒単”
ユニット 17枚
 2x 殺意の魔煙キラー
 3x 夢見る人形エリザベス
 3x ローリング・ソーンズ
 2x 琥珀童子
 1x レディ・ラベンダー
 1x イビルアイ・ベイビー
 2x スパイク・ガールズ
 3x 真夜中の狩人ミュラー
 1x イビルアイ・サージェント
 1x 愛撫の魔煙フェザー
 3x イビルアイ・ドライバー
 1x 苦悩の魔煙アゴニー
 1x 幻影王ルドルフ
ベース 3枚
 3x 魔王の城
ストラテジー 13枚
 1x 冥界の門
 1x サキュバスの吐息
 1x 石化の呪法
 3x 失恋の痛み
 1x シャドー・ソウル
 3x 真夜中のダンスパーティ
 3x 絶望の連鎖



○「俺は1枚積みが大好きだああああ!」by雨宮慎太郎

いけっち店長「なんで?!」

雨宮君  「デュエルマスターズの例えになっちゃいますが、例えば光のデッキだったら【雷鳴の守護者ミスト・リエス】が4枚確定・・とかありますよね。
 そうした『マックス投入確定のカード』以外のカードって、手札に来た時余計な事ってあるでしょう?
  だったら、マックスは必要ないカードを実際にじゃあ何枚必要なんだ・・・って言うのを、何度も使い込んで経験で枚数調整してきたんです」

いけっち店長「なるほど。十分な理屈を積み上げた後は、最後は経験法則か」

雨宮君  「一応、全部自分なりに理屈はあるんですけど。多くのカードを1・2枚積みにすると、最終的には枚数なんて、人によって違う、どの考え方も正しい、っていうレベルになるじゃないですか」

いけっち店長「そうだな。つまりこれは、自分のプレイングに合わせて徹底チューンした、『完全雨宮専用黒単』って事か! 君が使ってこそ通常の3倍強い(笑) 誰でも真似して作れば勝てる、というモノじゃないな?!」

 事実、試合を見ていた進藤ジャッジの話によると、
「【アゴニー】が【アゴニー】としての仕事を、【琥珀童子】が【琥珀童子】にしか出来ない仕事を完璧にこなしていて・・・【吐息】がこれ以上無いベストなタイミングで【吐息】としての仕事をしていたり、全てが完璧にかみ合っていた。怖かった。とても、怖かった」
との事。

 こりゃカッコイイですよ。完璧な理論のデッキ構築の、「その上」にある、「自分自身の癖やプレイングの傾向も、デッキの一部」とした、より次元の高いデッキの作り方です。
 つまり、このまんまでは他の人の役には立たんのですわ(笑)

 でも、「確定3枚積み以外のカードを幅広く試してみる」という雨宮君のデッキ構築方法は、誰でも試してみていい事かも知れませんね。
 自分だけの、「3倍強い!」という“専用デッキ”を作ってみたいものじゃないですか。



■雨宮慎太郎君Bデッキ “アメーバグッドスタッフ”
ユニット32枚
15x 変幻獣バブルフェアリー
 2x 細波の入江の魔女
 3x 変幻獣バブルツリー
 1x 大巨人クレーター・メーカー
 3x 変幻獣バブルライカン
 1x カオスビースト・ナインテイル
 1x カオスビースト・ブレーメン
 3x 妖魔の勇者
 2x 変幻獣バブルドリアード
 1x ヒメチシオ・ドリアード
ベース1枚
 1x ロスト・ワールド
ストラテジー7枚
 3x バードマン・ソウル
 3x サイバー・チェイス
 1x 緑の獣王の門



 まず、謝らせてくれ。
 すまん! 雨宮君! 紹介用としてデッキ名を変えた!
 「どう反感を受けようとも、憶えやすくてインパクトのある名前が良いと思います」という、素晴らしい“真実”を語り、デッキネームを“ぬるぬるブレーメン”とした勇気ある君。
 ・・・いや、勇気だったかな?

「僕は“ぬるぬるブレーメン”で良いと思います! インパクトこそが大切ですよ。叩かれたって構わない!いやむしろ叩かれたい! ありていに言うと僕はMなんです!!」

 ・・・すまん。勇気でも何でもないような気がしてきた。
 しかしだめだ! 面白すぎるから!
 もとい!
 “ぬるぬるブレーメン”ではデッキの内容を表しておらんと思うのじゃよ。
 どう見ても真実は“アメーバグッドスタッフ”(アメーバを中心に、純粋に強い優秀なカードを投入したデッキ・タイプ)だろ?! インパクトはともかく、覚えやすさはこっちでは? “グッドスタッフ”という単語の意味を知っているプレイヤーなら、デッキ名を聞いただけで内容が理解できるし。

 えー、雨宮君本人と僕(あとその場にいた数人)にしかわからない話題はここまで。
 このデッキに関して雨宮君本人から御解説頂こう。


雨宮君  「アメーバデッキに【バードマン・ソウル】を入れてると、引いた時にただマナに行くだけで、もったいないんですよね。
 で、試しに【サイバー・チェイス】を入れてみると、2ターン目に使った時、デッキの2枚目に【バブルツリー】が仕込めて、『これは強いんじゃ?!』って感動したんですよ!」

いけっち店長「なるほど! そりゃすげえ!」


変幻獣バブルツリー
 ユニット(アメーバ)
 タイミング:クイック
 使用コスト:緑1無2  移動コスト:緑1無1 パワー:3000 スマッシュ:1
プランゾーン効果(このカードがプランゾーンにある場合、以下のテキストが有効になる。)
種族「アメーバ」のあなたのユニットがスクエアから墓地に置かれた時、あなたは自分の山札の上から2枚のカードを、持ち主のエネルギーゾーンにフリーズ状態で置く。




 日本選手権でも実績を出していた“アメーバデッキ”は、実際コントロールデッキキラーとして冗談ではない実力を持つ。
 以下は何人かのプレイヤーさんと僕の間で、実際にあった会話でげす。

「いけっち店長! この前のアメーバデッキ、僕も作ってみたんですけど」

「おお、どう? 使い方わかった?」

「ええ。・・・真面目に強い・・・んですか? あのデッキ」

「弱いと思った?」

「なんと言うか、『そんな馬鹿な』という感じで・・・。じゃあ、ガチのトーナメントデッキなんですか?」

「いや、・・・あのデッキには致命的な弱点がある。使った君なら気付いてるだろ?」

「ああ・・・【バードマン・ソウル】ですね」

「そうそう」(皆さんわかりますね?)


 ・・・という事で、「強いんだけど、ガチの大会では最終的には生き残れないだろう」と僕は思ってたわけですよ。アメーバ。
 もしもプランデッキがたくさんいたら、それに対するカウンターデッキとしては、アリかな・・・とは思うけど、さすがに安定して上位に行くのはしんどいんじゃないかなー、と。(何しろあの弱点・・・青のデッキ全部がライバルじゃないですか)

 しかし! 雨宮君はそうした僕の常識を打ち破り、見事頂点の戦いにアメーバを持ち込んでくれました!(すげえ!!)


■各お勧めカードについて

○名・バイプレイヤー


カオスビースト・ブレーメン
 ユニット(キメラ)
 タイミング:クイック
 使用コスト:緑1無4  移動コスト:緑1無1 パワー:7000 スマッシュ:1
このカードが手札からスクエアに置かれた時、あなたはバトルスペースのスクエアにある対象の自分のユニットを1枚選び、持ち主のエネルギーゾーンにフリーズ状態で置く。



雨宮君  「何といっても今回一番活躍してくれたのはコイツです! もう主役はアメーバじゃなくて【ブレーメン】ですよ!
 エネルギー加速で勝てなくて【バブルライカン】が役に立たなくても、【ブレーメン】のパワーと移動力でなんとか取り返せたシーンが何度も!」

いけっち店長「じゃあ、今のところ1枚積みだけど、2枚にする?」

雨宮君  「やっぱり【カオスビースト・ナインテイル】が役に立ちませんでした。これを抜いて【ブレーメン】ですね。
 もう、このデッキの名前を“ブレーメンと愉快な仲間達”と言いたいほどに(以下ブレーメンを称え続ける)」


○こういうデッキでこそ出番が

ヒメチシオ・ドリアード
 ユニット(ドリアード)
 タイミング:クイック
 使用コスト:緑1無5  移動コスト:緑1無2 パワー:1000 スマッシュ:2
あなたのエネルギーゾーンにあるユニットの枚数1枚につき、このカードのパワーを+1000する。


雨宮君  「ユニットだらけのデッキですから、【ヒメチシオ】が超巨大ユニットになります。でも基本的には重いし、移動も遅いので、1枚で良いです」


○同色に強い!!

変幻獣バブルドリアード
 ユニット(アメーバ)
 タイミング:クイック
 使用コスト:緑2無3  移動コスト:緑1無1 パワー:5000 スマッシュ:1
バトルスペースのスクエアにあるこのカード以外の種族「アメーバ」のあなたのユニットのパワーを+2000する。

変幻獣バブルライカン
 ユニット(アメーバ)
 タイミング:クイック
 使用コスト:緑2無2  移動コスト:緑1無1 パワー:4500 スマッシュ:1
バトルスペースのスクエアにあるこのカード以外の種族「アメーバ」のユニットに以下の能力を与える。
『あなたのエネルギーゾーンにあるカードが相手のエネルギーゾーンにあるカードより多い場合、このカードのパワーを+4000する。』


雨宮君  「上位陣には、速攻型の緑単色も多かったのですが、【バブルライカン】と【バブルドリアード】のおかげで、サイズでも有利に立てて押し込む事が出来ました」

いけっち店長「そうだよなぁ。普通、エネルギー加速は“アメーバデッキ”の方が上だし、相手はエネルギー加速じゃなくて“呼び声”を使ってるから、ほぼ間違いなく【バブルライカン】の能力が発動してるよな」

雨宮君  「【バブルフェアリー】がすぐパワーアップして、相手の“呼び声”を『うわー、小っさい(笑)』ってすぐ踏み潰しに行って。“呼び声”潰すとすぐ止まりますからね」


○パワー重要!

緑の獣王の門
ストラテジー
タイミング:クイック
使用コスト:緑2無X
あなたは自分のエネルギーゾーンにある対象の使用コストX以下のユニットを1枚選び、自分のユニットのない自軍エリアのスクエアにリリース状態で置き、ターン終了時まで、そのユニットのパワーを+3000する。


雨宮君  「どうせエネルギーはたくさんあるし、エネルギー1の差だったら、最後に踏み潰しながら前進できる【獣王】の方が【生命の門(I-2)】より強いです」

いけっち店長「まったくそうだね。パワーが上がる分、突破もしやすくなるし」


○トリックスター!

細波の入江の魔女
 ユニット(セイレーン)
 タイミング:クイック
 使用コスト:青1無1  移動コスト:青1 パワー:1000 スマッシュ:0

召集−同じエリア(あなたは、このカードと同じエリアのユニットのないバトルスペースのスクエアに、自軍エリアであるかのようにユニットをプレイできる。そのユニットがプレイされてスクエアに置かれる時、フリーズ状態のかわりにリリース状態になる。)

雨宮君  「色んな相手に突き刺さりました。
 リリースインユニットが出てくるのは【門】だと1回だけで、それはだいた相手も計算に入れてるんですけど、【細波】で何度もリリースインが出てくると対処されません」

いけっち店長「しかも軽い、エネルギーはある、だから、1ターンに何体も何体も走ってくるわけか! こりゃ酷いな」



 さて、いかがでしたでしょうか? 優勝者、準優勝者お2人のデッキ解説。

 とりあえず今回のグランプリは、【妖魔の勇者】が人気であったため、参加数的には緑中心のデッキが多かったようですが、メタゲーム的には“ケルベロスエンジン”(【ケルベロス】を【チワワ】などで起こして攻め込むコンボシステム)を積んだ“流氷デッキ”が中心だったと思います。

 そして、それらを制したのはやはり、そうしたデッキ達と戦えるよう、一歩進んだ構築に踏み込んだデッキと、なにより、それを使いこなせる技量を持ったプレイヤー達でした。

 結果としてプランコントロールデッキが優勝者の手にあったわけですが、ではまた“プランコントロール”が多いのか、と言うと、上位8名のデッキで見てみると・・・8人中、3人だけ。
 それに対して“流氷”は8人中4人。

 他には、富田プロこだわりのデッキ、“ブーストギガンティック”ともいうべき黒緑デッキも光ります。

 緑のビートダウン系はほぼ皆さん使っていますが、“プランコントロール”や“流氷”を作ると残りは緑になりますから、これは当然ですね。
 しかしそれらも実に独創的で、大平プロの緑単色デッキなどは、【冒険者ガッツ】【ドラゴンフライマスター】などの、「強いんだけど大会ではあまり見ない」というカードを男らしくふんだんに取り入れたデッキになっています。



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