□通常の3倍つおい! グランプリ4準優勝デッキ
さあ、前回に続いて準優勝デッキの解説です。
前にも言いましたが、準優勝だからと言って、「優勝デッキに劣っている」ものではありません。ぶっちゃけ、上位のデッキはどれが優勝してもおかしくないものばかり。
1位の方のデッキと同じように、「グランプリ4を制したデッキ」として見て頂きたいと思います。
■雨宮慎太郎君Aデッキ
完全自己チューン型黒単デッキ“雨宮専用黒単”
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ユニット 17枚 |
2x 殺意の魔煙キラー | |
3x 夢見る人形エリザベス | |
3x ローリング・ソーンズ | |
2x 琥珀童子 | |
1x レディ・ラベンダー | |
1x イビルアイ・ベイビー | |
2x スパイク・ガールズ | |
3x 真夜中の狩人ミュラー | |
1x イビルアイ・サージェント | |
1x 愛撫の魔煙フェザー | |
3x イビルアイ・ドライバー | |
1x 苦悩の魔煙アゴニー | |
1x 幻影王ルドルフ | |
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ベース 3枚 | 3x 魔王の城 | |
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ストラテジー 13枚 |
1x 冥界の門 | |
1x サキュバスの吐息 | |
1x 石化の呪法 | |
3x 失恋の痛み | |
1x シャドー・ソウル | |
3x 真夜中のダンスパーティ | |
3x 絶望の連鎖 | |
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○「俺は1枚積みが大好きだああああ!」by雨宮慎太郎
いけっち店長「なんで?!」
雨宮君 「デュエルマスターズの例えになっちゃいますが、例えば光のデッキだったら【雷鳴の守護者ミスト・リエス】が4枚確定・・とかありますよね。
そうした『マックス投入確定のカード』以外のカードって、手札に来た時余計な事ってあるでしょう?
だったら、マックスは必要ないカードを実際にじゃあ何枚必要なんだ・・・って言うのを、何度も使い込んで経験で枚数調整してきたんです」
いけっち店長「なるほど。十分な理屈を積み上げた後は、最後は経験法則か」
雨宮君 「一応、全部自分なりに理屈はあるんですけど。多くのカードを1・2枚積みにすると、最終的には枚数なんて、人によって違う、どの考え方も正しい、っていうレベルになるじゃないですか」
いけっち店長「そうだな。つまりこれは、自分のプレイングに合わせて徹底チューンした、『完全雨宮専用黒単』って事か! 君が使ってこそ通常の3倍強い(笑) 誰でも真似して作れば勝てる、というモノじゃないな?!」
事実、試合を見ていた進藤ジャッジの話によると、
「【アゴニー】が【アゴニー】としての仕事を、【琥珀童子】が【琥珀童子】にしか出来ない仕事を完璧にこなしていて・・・【吐息】がこれ以上無いベストなタイミングで【吐息】としての仕事をしていたり、全てが完璧にかみ合っていた。怖かった。とても、怖かった」
との事。
こりゃカッコイイですよ。完璧な理論のデッキ構築の、「その上」にある、
「自分自身の癖やプレイングの傾向も、デッキの一部」とした、より次元の高いデッキの作り方です。
つまり、このまんまでは他の人の役には立たんのですわ(笑)
でも、「確定3枚積み以外のカードを幅広く試してみる」という雨宮君のデッキ構築方法は、誰でも試してみていい事かも知れませんね。
自分だけの、「3倍強い!」という“専用デッキ”を作ってみたいものじゃないですか。
■雨宮慎太郎君Bデッキ “アメーバグッドスタッフ” |
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ユニット32枚 |
15x 変幻獣バブルフェアリー | |
2x 細波の入江の魔女 | |
3x 変幻獣バブルツリー | |
1x 大巨人クレーター・メーカー | |
3x 変幻獣バブルライカン | |
1x カオスビースト・ナインテイル | |
1x カオスビースト・ブレーメン | |
3x 妖魔の勇者 | |
2x 変幻獣バブルドリアード | |
1x ヒメチシオ・ドリアード | |
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ベース1枚 |
1x ロスト・ワールド | |
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ストラテジー7枚 |
3x バードマン・ソウル | |
3x サイバー・チェイス | |
1x 緑の獣王の門 | |
まず、謝らせてくれ。
すまん! 雨宮君! 紹介用としてデッキ名を変えた!
「どう反感を受けようとも、憶えやすくてインパクトのある名前が良いと思います」という、素晴らしい“真実”を語り、デッキネームを“ぬるぬるブレーメン”とした勇気ある君。
・・・いや、勇気だったかな?
「僕は“ぬるぬるブレーメン”で良いと思います! インパクトこそが大切ですよ。叩かれたって構わない!いやむしろ叩かれたい! ありていに言うと僕はMなんです!!」
・・・すまん。勇気でも何でもないような気がしてきた。
しかしだめだ! 面白すぎるから!
もとい!
“ぬるぬるブレーメン”ではデッキの内容を表しておらんと思うのじゃよ。
どう見ても真実は“アメーバグッドスタッフ”(アメーバを中心に、純粋に強い優秀なカードを投入したデッキ・タイプ)だろ?! インパクトはともかく、覚えやすさはこっちでは? “グッドスタッフ”という単語の意味を知っているプレイヤーなら、デッキ名を聞いただけで内容が理解できるし。
えー、雨宮君本人と僕(あとその場にいた数人)にしかわからない話題はここまで。
このデッキに関して雨宮君本人から御解説頂こう。
雨宮君 「アメーバデッキに【バードマン・ソウル】を入れてると、引いた時にただマナに行くだけで、もったいないんですよね。
で、試しに【サイバー・チェイス】を入れてみると、2ターン目に使った時、デッキの2枚目に【バブルツリー】が仕込めて、『これは強いんじゃ?!』って感動したんですよ!」
いけっち店長「なるほど! そりゃすげえ!」
・変幻獣バブルツリー
ユニット(アメーバ)
タイミング:クイック
使用コスト:緑1無2 移動コスト:緑1無1 パワー:3000 スマッシュ:1
プランゾーン効果(このカードがプランゾーンにある場合、以下のテキストが有効になる。)
種族「アメーバ」のあなたのユニットがスクエアから墓地に置かれた時、あなたは自分の山札の上から2枚のカードを、持ち主のエネルギーゾーンにフリーズ状態で置く。
日本選手権でも実績を出していた“アメーバデッキ”は、実際コントロールデッキキラーとして冗談ではない実力を持つ。
以下は何人かのプレイヤーさんと僕の間で、実際にあった会話でげす。
「いけっち店長! この前のアメーバデッキ、僕も作ってみたんですけど」
「おお、どう? 使い方わかった?」
「ええ。・・・真面目に強い・・・んですか? あのデッキ」
「弱いと思った?」
「なんと言うか、『そんな馬鹿な』という感じで・・・。じゃあ、ガチのトーナメントデッキなんですか?」
「いや、・・・あのデッキには致命的な弱点がある。使った君なら気付いてるだろ?」
「ああ・・・【バードマン・ソウル】ですね」
「そうそう」(皆さんわかりますね?)
・・・という事で、「強いんだけど、ガチの大会では最終的には生き残れないだろう」と僕は思ってたわけですよ。アメーバ。
もしもプランデッキがたくさんいたら、それに対するカウンターデッキとしては、アリかな・・・とは思うけど、さすがに安定して上位に行くのはしんどいんじゃないかなー、と。(何しろあの弱点・・・青のデッキ全部がライバルじゃないですか)
しかし! 雨宮君はそうした僕の常識を打ち破り、見事頂点の戦いにアメーバを持ち込んでくれました!(すげえ!!)
■各お勧めカードについて
○名・バイプレイヤー
カオスビースト・ブレーメン
ユニット(キメラ)
タイミング:クイック
使用コスト:緑1無4 移動コスト:緑1無1 パワー:7000 スマッシュ:1
このカードが手札からスクエアに置かれた時、あなたはバトルスペースのスクエアにある対象の自分のユニットを1枚選び、持ち主のエネルギーゾーンにフリーズ状態で置く。
雨宮君 「何といっても今回一番活躍してくれたのはコイツです! もう主役はアメーバじゃなくて【ブレーメン】ですよ!
エネルギー加速で勝てなくて【バブルライカン】が役に立たなくても、【ブレーメン】のパワーと移動力でなんとか取り返せたシーンが何度も!」
いけっち店長「じゃあ、今のところ1枚積みだけど、2枚にする?」
雨宮君 「やっぱり【カオスビースト・ナインテイル】が役に立ちませんでした。これを抜いて【ブレーメン】ですね。
もう、このデッキの名前を“ブレーメンと愉快な仲間達”と言いたいほどに(以下ブレーメンを称え続ける)」
○こういうデッキでこそ出番が
・ヒメチシオ・ドリアード
ユニット(ドリアード)
タイミング:クイック
使用コスト:緑1無5 移動コスト:緑1無2 パワー:1000 スマッシュ:2
あなたのエネルギーゾーンにあるユニットの枚数1枚につき、このカードのパワーを+1000する。
雨宮君 「ユニットだらけのデッキですから、【ヒメチシオ】が超巨大ユニットになります。でも基本的には重いし、移動も遅いので、1枚で良いです」
○同色に強い!!
・変幻獣バブルドリアード
ユニット(アメーバ)
タイミング:クイック
使用コスト:緑2無3 移動コスト:緑1無1 パワー:5000 スマッシュ:1
バトルスペースのスクエアにあるこのカード以外の種族「アメーバ」のあなたのユニットのパワーを+2000する。
・変幻獣バブルライカン
ユニット(アメーバ)
タイミング:クイック
使用コスト:緑2無2 移動コスト:緑1無1 パワー:4500 スマッシュ:1
バトルスペースのスクエアにあるこのカード以外の種族「アメーバ」のユニットに以下の能力を与える。
『あなたのエネルギーゾーンにあるカードが相手のエネルギーゾーンにあるカードより多い場合、このカードのパワーを+4000する。』
雨宮君 「上位陣には、速攻型の緑単色も多かったのですが、【バブルライカン】と【バブルドリアード】のおかげで、サイズでも有利に立てて押し込む事が出来ました」
いけっち店長「そうだよなぁ。普通、エネルギー加速は“アメーバデッキ”の方が上だし、相手はエネルギー加速じゃなくて“呼び声”を使ってるから、ほぼ間違いなく【バブルライカン】の能力が発動してるよな」
雨宮君 「【バブルフェアリー】がすぐパワーアップして、相手の“呼び声”を『うわー、小っさい(笑)』ってすぐ踏み潰しに行って。“呼び声”潰すとすぐ止まりますからね」
○パワー重要!
・緑の獣王の門
ストラテジー
タイミング:クイック
使用コスト:緑2無X
あなたは自分のエネルギーゾーンにある対象の使用コストX以下のユニットを1枚選び、自分のユニットのない自軍エリアのスクエアにリリース状態で置き、ターン終了時まで、そのユニットのパワーを+3000する。
雨宮君 「どうせエネルギーはたくさんあるし、エネルギー1の差だったら、最後に踏み潰しながら前進できる【獣王】の方が【生命の門(I-2)】より強いです」
いけっち店長「まったくそうだね。パワーが上がる分、突破もしやすくなるし」
○トリックスター!
・細波の入江の魔女
ユニット(セイレーン)
タイミング:クイック
使用コスト:青1無1 移動コスト:青1 パワー:1000 スマッシュ:0
召集−同じエリア(あなたは、このカードと同じエリアのユニットのないバトルスペースのスクエアに、自軍エリアであるかのようにユニットをプレイできる。そのユニットがプレイされてスクエアに置かれる時、フリーズ状態のかわりにリリース状態になる。)
雨宮君 「色んな相手に突き刺さりました。
リリースインユニットが出てくるのは【門】だと1回だけで、それはだいた相手も計算に入れてるんですけど、【細波】で何度もリリースインが出てくると対処されません」
いけっち店長「しかも軽い、エネルギーはある、だから、1ターンに何体も何体も走ってくるわけか! こりゃ酷いな」
さて、いかがでしたでしょうか? 優勝者、準優勝者お2人のデッキ解説。
とりあえず今回のグランプリは、【妖魔の勇者】が人気であったため、参加数的には緑中心のデッキが多かったようですが、メタゲーム的には“ケルベロスエンジン”(【ケルベロス】を【チワワ】などで起こして攻め込むコンボシステム)を積んだ“流氷デッキ”が中心だったと思います。
そして、それらを制したのはやはり、そうしたデッキ達と戦えるよう、一歩進んだ構築に踏み込んだデッキと、なにより、それを使いこなせる技量を持ったプレイヤー達でした。
結果としてプランコントロールデッキが優勝者の手にあったわけですが、ではまた“プランコントロール”が多いのか、と言うと、上位8名のデッキで見てみると・・・8人中、3人だけ。
それに対して“流氷”は8人中4人。
他には、富田プロこだわりのデッキ、
“ブーストギガンティック”ともいうべき黒緑デッキも光ります。
緑のビートダウン系はほぼ皆さん使っていますが、“プランコントロール”や“流氷”を作ると残りは緑になりますから、これは当然ですね。
しかしそれらも実に独創的で、大平プロの
緑単色デッキなどは、【冒険者ガッツ】【ドラゴンフライマスター】などの、「強いんだけど大会ではあまり見ない」というカードを男らしくふんだんに取り入れたデッキになっています。
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