TOPディメンションゼロ研究所第18回(2007.02.09.)

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□最新弾“暴走! 機動要塞”発売! 都内プレイヤーの各カード評価は?!


 やあ。バリバリ剥いてますか? いけっち店長です。
 
 俺? 俺もぼちぼちですが、木谷会長は今回もすごかったですよ。さっそく5ボックス購入され、次々に開けてはカードを選り分けて楽しんでいらっしゃいました。
 「実際に自分で買ってみないとわからない事も多いからね」との事で、いやもう、真面目に研究熱心な方です。
 カンファレンスなどでの一般ユーザーの方々からの質問に答えるには、ユーザーと同じ経験、同じ視点を持っていなければ到底できる事ではありません。口先で誤魔化そうとしても絶対にボロが出ます。
 
 自分で実際に買う。
  ↓
 自分で開ける。カードをファイリングする。
  ↓
 自分でデッキを作る。
  ↓
 トレードも経験する。
  ↓
 対戦する。
 
 これらすべてを実際に経験しているからこそ、ユーザーの感じる事も理解できるようになるのでしょう。しかし大変な仕事だなこりゃ。
 
 この上、会長がグランプリにまで出場できれば経験としては完璧なのですが、そればっかりはどーしよーも無いですな。だって関係者は出れないもん。僕もそうだけど。
 
会長「むう・・・池田さん、さっきから同じレアばかり引いてるような気がするんですが?」
 
僕 「会長、前回もおんなじこと仰ってませんでした?!」
 
会長「いやいや、だってほら、今連続3回【ディノエッグ】引きましたよ?! ・・・ん? しかし強いなこれ」
 
 パックを剥きながら、これは強い、これは怪しい、とか考えながらカードを見ていく会長。もう完璧にユーザーの姿です。
 
会長「こりゃ“よれてる”んじゃないかなぁ? 引いてないレアカードがいっぱいあるような気がする! ひどいよこれ!!」
 
僕 「御社の商品にござる」
 
会長「とりあえず選り分けてみましょう。・・・ん? ちゃんと揃ってるなこれ。もしかしてレアカード全種類揃ってませんか。・・・ふむう。よく出来てますね」
 
 遊んでるなこの人。
 


 しかし、新しいカードを見ながら「こりゃ強い」「こりゃダメだろ」と仲間たちとわいわいがやがや、意見を言いあいながらカードを集めるのは、もしかするとTCGの一番楽しい時かも知れませんね。
 
 そんな訳で今回は、“ブロッコリーカードゲーム戦略発表会”“ブロッコリーカードゲームコンベンション”にご来場のプロプレイヤーの皆さんや、秋葉原店常連さんなどの、都内プレイヤーの皆さんが最新弾カードをどう評価しているか?!を記事にしてみたいと思います。
 


○暴走! 機動要塞レアカード評価!
 
 今回の評価は前述した通り、僕の主観ではありません。都内プレイヤーの皆さんの意見をまとめたものです。
 
 しかし、特に「強い」と言われているカードを全部ご紹介すると、とんでもない文章量となってしまいますので、「パックを剥いた時にレアカードを見るのが楽しみになる」ように、レアカードとシルバーレアに的を絞ってご紹介しますね。
 今回は緑と青のカード。



○緑の大陸


スキップするフェアリー
 ユニット(フェアリー)
 タイミング:クイック
 使用コスト:緑2無3  移動コスト:緑1無1 パワー:3000 スマッシュ:1
このカードがプレイされてスクエアに置かれた時、このカードと同じラインのスクエアにあなたのベースがあるならば、あなたは自分の山札の上から2枚までのカードを持ち主のエネルギーゾーンにフリーズ状態で置く。
 
 
 実際に使ってみた人、あるいは“あるタイプのデッキ”を見た人たちから、「実は今回の緑のトップレアは誰がなんと言ってもコイツだ!!」と言われています。
 いやいや、知ってる人には当たり前だと思われるでしょうが、知らない人は気付きませんよ、この強さ。
 
 僕が話した限り、都内では満場一致の統一見解。「【スキップするフェアリー】は真っ先に3枚集めるべきレアカード」との評価。
 
 試しに、こんな感じのデッキを組んで見て下さい。
 
■【スキップするフェアリー】デッキ
ユニット16枚
 3x 兎娘キューティー・バニー
 3x バタフライマスター
 3x スキップするフェアリー
 3x 大巨人ゴッドファーザー
 1x 大巨人ヘカトンケイル
 3x ギガント・エイリアン
ベース8枚
 3x ディノエッグ
 2x 底なしの大地
 3x 魔王の三角海域
ストラテジー16枚
 3x 生命の門
 3x 小さくて大きな力
 3x 魔光合成
 3x バードマン・ソウル
 3x サイバー・チェイス
 1x サプライズ・アタック

 
 きもいです。キモ過ぎるエネルギー加速。
 
 1ターン目、1コストベースセット。
 2ターン目、【魔光合成】。プラン2回か【サイバー・チェイス】。
 3ターン目、【バタフライマスター】を出して後2エネ。プランしたり、【小さくて大きな力】からさまざま展開したり。
 4ターン目、【スキップするフェアリー】。この時点でもう8エネです。もっと回っていると9エネ、10エネもあり得ます。
 
 すなわち、5ターン目あたりには、
 【生命の門】
   ↓
 【大巨人ゴッドファーザー】
   ↓
 【ギガント・エイリアン】で制圧。
 という黄金パターンが可能となるのです!!
 
 ちなみに、実戦での僕の最高記録を書いておきます。
 先行初手5枚でスタートして、4ターン目の終了時に、こうなってました。
 
 エネルギー数 11(うちスマッシュ1点。【ゴッドファーザー】【ギガント・エイリアン】はエネルギーゾーンにあり)
 
 手札残り   【生命の門】×2
 
 スクエアにあるカード【バタフライマスター】【スキップするフェアリー】【キューティーバニー】【ディノエッグ】
 
 「どうなったんだ?!」と思われるかも知れませんが、やってみてください。けっこう近い事はよく起こります。
 途中で【小さくて大きな力】や【バードマン・ソウル】が噛みあうと、実はけっこう簡単です。理論上は最高で4ターン目終了時13エネかな?
 暇な人は計算してみてくださいね。
 
 もちろんこのデッキレシピは、“暴走!機動要塞”の新カードによる、新しいエネルギー加速を楽しんで頂くためのレシピ。
 真面目に強くするなら、【バニー】あたりを抜いて、もう少し大型ユニットを入れたほうが戦力が整うでしょう。
 実際、各地で様々なバリエーションで作られています。
 緑&青に黒をタッチにして、“ゴドルフデッキ”にするとさらに凶悪なデッキになるかもしれません。
 【ゴットファーザー】と相性のいい【大地の塔(I-1)】【シークレット・ベース(II-1)】も面白いかも知れませんね。
 
 例えば、
 2ターン目・【キューティーバニー】
 3ターン目・【大地の塔】
 4ターン目・【大地の塔】のライン上に【スキップするフェアリー】を中央投下。
 
 これで4ターン目にして8エネルギー。5ターン目、エネルギーセットして9エネで【生命の門】から・・・です。
 
 とにかく言える事は、エネルギー加速からの面白コンボを狙うにも、真面目に強力なデッキを組むにしても、【スキップするフェアリー】は無視できない存在である、という事。
 もはや今までのエネルギー加速システム(【バニー】【バルカン】【誕生の宴】)よりも、「エネルギーを増やす事に特化」するならば、「ベースと軽量ストラテジーを使った【バタフライ】【魔光合成】【スキップするフェアリー】を使ったシステム」の方が早く、安定しているという評価です。
 
 もちろん、【バニー】や【バルカン】を使う方が攻撃力は上ですから、それはそれで存在価値はあります。
 要は選択肢が増えた、という事ですか。

 
 ちなみに僕はこのデッキ、オフィシャルホームページに寄稿した「馬鹿みたいにエネルギーが出るデッキ、略して“ばかネ”」の、“暴走! 機動要塞”対応レシピということで、『暴走ばかネ』と呼んでいます。(というかエネ加速システムが全然違ってますが)
 練馬春日店では、小学6年生の“ミニ風船君”(徳島の風船君の、ちょうど半分の体重)が発売日に作って回してました。
 実はオフィシャルホームページのデッキ、“ばかネ”もこの少年が原型を考えたもの。相変わらずエネ加速が好きだね。



ディノエッグ
 ベース(ベヒーモス)
 タイミング:クイック
 使用コスト:緑1  移動コスト:(緑1無2) パワー:(7000) スマッシュ:(2)
このカードと同じラインのスクエアにあるこのカード以外の緑のあなたのユニットのパワーを+500する。
このカードがバトルスペースのスクエアにある場合、ベースではなくなる。
[緑2無3] 《ノーマル》 あなたはベーススペースのスクエアにある対象のこのカードをこのカードと同じラインの自分のユニットのない自軍エリアの対象のスクエアに( )内のデータを追加で持つユニットとしてフリーズ状態で置く。

 
 上記【スキップするフェアリー】のデッキに入るパターンが多し。ベースとしての仕事が終わった後には、よっこらしょと出てきて普通に強いスマッシャーとして活躍してくれます。
 地味に見えますが、どうしても必要になるデッキタイプが見えてきた以上、カスレアではあり得ません。徐々に人気が出てきているカードと言えるでしょう。
 
 ところで、僕も途中まで気付かなかったのですが、これら1コスト変形ベースの「パワー+500」の能力。
 ベースじゃなくなった後でも能力は発動しているんですね。知っておくとちょっと便利。



角竜城トリケラ
 ユニット(ベヒーモス)
 タイミング:クイック
 使用コスト:緑2無2  移動コスト:緑1無2 パワー:6000 スマッシュ:1
加速(このカードは、第1バトルステップでダメージを与える。その後、第1バトルステップでダメージを与えていないユニットが、第2バトルステップでダメージを与える。)
プランゾーン効果 暴走4(このカードがプランゾーンで表向きになった時、あなたのエネルギーゾーンにあるカードが4枚以上ならば、以下の効果を誘発する。)
『相手はあなたのエネルギーゾーンにあるカードを1枚選び、リリース状態ならばフリーズする。そのカードは次の支配者のリリースフェイズにリリースしない。』

 
 シルバーレアなので珍しい、という事もあり、「欲しい」と考える人は多いようなのですが、どうも僕の聞いた限り、実績のあるトッププレイヤーの皆さん的にはそれほどの高評価を与えている人は少なかったようです。
 
 皆さん「弱くは無い」と言うのですが、これが必須、と考えられるデッキタイプが見えてこないのも事実。

 緑は呼び声ユニット5・6枚によるサポート体制に、高速化するならば小型ユニットをたくさん、大型化するならば5〜8コスト域のユニットを入れる事で、「ものすごい速攻」にするか、「速攻もできるし、大型での制圧もできる」のが主流、というかグランプリ4での結果なので、「4コストで強いカード」は中途半端なのかもしれません。
 
 と言うか、「4コスト域のユニットを入れるならば、真っ先に【タマゴ・ドリアード】を入れる!!」という考えが主流派。
 
 「このカードが強いか弱いかで言えば、そりゃ強い」と皆さん言いますが、では使うかと言うと首を振る。そうした判断で、「今のところ積極的に集める必要は無い」とみなされているようです。
 
 もちろん、それも「今のところ」の考え方なので、グランプリ5の環境によっては【トリケラ】がトップレアになっている可能性もあります。
 単純に強いか弱いかではなく、「今は【トリケラ】が必要なデッキタイプが中心的ではない」というだけですね。
 なので、今この瞬間にも、【トリケラ】が必須の超強力ビートダウンが生まれているのかも知れないのです。【トリケラ】の未来を信じるなら、持っておいて損は無いでしょう。



巨竜城ブラキオ
 ユニット(ベヒーモス)
 タイミング:クイック
 使用コスト:緑2無5  移動コスト:緑1無2 パワー:9000 スマッシュ:2
プランゾーン効果 暴走7(このカードがプランゾーンで表向きになった時、あなたのエネルギーゾーンにあるカードが7枚以上ならば、以下の効果を誘発する。)
『相手はあなたのエネルギーゾーンにあるカードを1枚選び、リリース状態ならばフリーズする。そのカードは次の支配者のリリースフェイズにリリースしない。』

 
 とにかくデカい、暴走はそれほど気にならない、という事で高評価を受けていますが、実際に使ってみて微妙、との声も出ています。
 
 7コストなのでちょうど【ギガント・エイリアン】で戻される限界値。しかし【時空を歪める者シュレーゲル(II-1)】の能力では除去されないのが強いのもまた事実。
 
 とにかく評価は分かれています。今後の構築によって研究されていくでしょう。
 


○青の大陸


シェル・スループ
 ユニット(タートルシップ)
 タイミング:クイック
 使用コスト:青1無1  移動コスト:青1無1 パワー:3000 スマッシュ:1
このカードと隣接するバトルスペースのスクエアにあなたのユニットが置かれた時、あなたはこのカードを、このカードと隣接するユニットのないバトルスペースの対象のスクエアにフリーズ/リリース状態を変更せずに置いてよい。
 プランゾーン効果 暴走2(このカードがプランゾーンで表向きになった時、あなたのエネルギーゾーンにあるカードが2枚以上ならば、以下の効果を誘発する。)
『相手はカードを1枚引いてよい。』


 暴走効果によるドローは、ただなんとなくでデッキに入れた場合はひどいデメリットですが、デッキ構築段階で十分に折込み済みならば、それほどのデメリットにはならないのではないか? という声を聞きました。
 
 勝負を「詰める」のは、手札の枚数よりも、何を何回できるかという「行動の自由度」。手札枚数はその一因に過ぎない、と考えるのは、「1枚得した、2枚得した」と枚数のアドバンテージのみに拘泥しているプレイヤーレベルでは、なかなか到達できないプレイング理論のようです。
 
 そこから考えると、青の暴走ユニットは、全てかなり優秀なカードと言えるようです。
 
 この【シェル・スループ】にとっては、全ての自分のカードが【サンダージャッカル】になるわけですから、相手にユニットをぶつけられそうになっても、【パウダー・スノー】と組み合わせてひょいひょいと逃げ回る事が出来ます。とてつもなくうっとうしい機動性と言えるでしょう。
 ただ、【シェル・スループ】自身は暴走しやすくしかも3000ユニットということで、4コスト5000の【シェル・ティークリッパー】の方が使いやすそうだという声も多いのですが、こういうカードを使いこなしてこそ、いぶし銀と言えるのではないでしょうか?



サプライズ・アタック
 ストラテジー
 タイミング:クイック
 使用コスト:青2無1
あなたはバトルスペースのスクエアにある対象の自分のユニットを1枚選び、自分のベースと同じラインの自分のユニットのないバトルスペースのスクエアにリリース状態で置く。

 
 高額レアになる事はなさそうですが、数多くのプレイヤーに注目されているビックリドッキリメカです。
 
 とりあえず僕は、上記のデッキで、【ゴッドファーザー】の能力を使って【ギガント・エイリアン】を出した後、【サプライズ・アタック】で【ゴッドファーザー】をブン投げ、もう一回今度は【大巨人ヘカトンケイル】を出す、というド派手なプレイを楽しみました。
 
 
 
 さて、今回はここまで。



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