| 短期集中新コーナー、「毎日ディメンションゼロ その1」
ディメンション・ゼロに関して毎日毎日、書きたいことが山のよーに出てくるので、 このさい「毎日必ず何かを書く!」と規定して、書き漏らしのないようにしよう、と思い立ちました。 続きは「その2」で。
■05/10/27 ゲームデザインの章・第5話 「各大陸の簡単な紹介・緑の大陸」
各大陸のご紹介も、今回の緑の大陸で最後。一見、普通のモンスターが多いファンタジー世界ですが、実は一番オリジナリティの高い設定の大陸。僕のお気に入りです。
太古戦争の折、激戦区となった緑の大陸では、様々な生物・科学兵器が暴走し、生物層にも多大な影響を与えています。 例えば、すべてを取り込むアメーバのような兵器、全ての武器を無効化する呪術、生物と機械を融合する技術など、それらが野放しになって勝手に活動を始めた結果、中国の“蠱毒”(中国に伝わる呪術のひとつで、一つの壺の中に蛇・蠍・ムカデ・蜘蛛などの毒虫を入れ、生き残ったのを使って毒を作り出したり、呪いの媒体にするもの)のように、大陸そのものが凄まじい“DNAとエネルギーの坩堝”と化しています。 もう、一概に“種族”で括れないような様々な生態を持つクリーチャーだらけ。 エネルギーを加速したり、純然たるパワーで押しつぶす、緑の戦術を表すのにピッタリな設定です。
エルフ 緑の大陸の代表種族。フェアリーと同じく、魔法生物である彼らは、現実の世界のすぐ隣、いわゆる魔法界の住民でしたが、激化する戦いの影響を受けてこちらの世界に出てきました。 しかし、物質界の力に対応する必要が出てきたため、体の一部に“機械”を取り込み、より堅牢な肉体を手に入れる事に成功しています。【妖魔の王子】 (イラストはクリックで大きくなります) 男前ですねー。案の定、女性人気がぶっちぎり高いそうです。このまま、黒のヴァンパイアと並び、イケメンカードとして期待したいところ(笑)
ゲーム的には“加速”能力を持っているユニットが多いです。 『加速(このカードは、第1バトルステップでダメージを与える。その後、第1バトルステップにダメージを与えていないユニットが、第2バトルステップでダメージを与える。)』 バトルに入っても相手からダメージを受ける前に先にダメージを与えるため、パワーを強化してやると、走り回って1体で相手ユニットを全滅させる事も夢ではありません。
他のカードゲームでも、マジック・ザ・ギャザリングの“先制攻撃”のように、「相手より先にダメージを与える能力」というものはよくありますが、ディメンション・ゼロの“加速”もなかなかに実戦的。 例えば、相手が大きいユニットを出してきて、こちらが小さなユニットしかなかったとき、普通ならば1体の大型を2体の小型で倒すことに、つまり1対2交換になりますね。 ですが、まず1体目の小さいのでダメージを与えた後、次に加速ユニットをぶつけたら、加速で先にダメージが入るので、1対1交換です。
フェアリー エルフと同じく、魔法世界の住民。ディメンション・ゼロの世界に来て、エネルギーをコントロールする技を身に付け、ある意味世界をコントロールする種族となりました。 結果、あらゆる種族から守ってもらえるようになったため、戦闘力よりむしろ、エネルギーカードを加速、コントロールする能力を与えられています。
ライカンスロープ 半獣人・・なんだけど、すごい事になってる。生まれた時から、何らかの機械が体から生えてるんですな。 中村さんの話によれば、 「DNA(遺伝子)の中に、機械を作って体の一部にする情報が含まれてるんですね。 で、これが生きていくのに都合のいいモノがくっついてりゃ良いんですが、全部偶然ですから。 例えば、右手からトースターが生えたりしてても、役に立たない。 これが剣や斧、またはレーザーガンだったりしたら、戦いでは強い訳です。 こういうのが戦いの中で生き残り、加速した自然淘汰の中で研ぎ澄まされていっている」 との事。 ストラクチャー2のパッケージに書かれている【狼王ロボ】は、体から巨大なブレードが生えています。 今後も、「そう来たかー!」というようなビジュアルが出てくるのが楽しみです。
シードマン 歩き出した植物。何でもかんでも命を持ち、アクティブに動く、混沌とした緑の大陸そのものを表すような種族です。 「マンドラゴラの絶叫は銃器すら効かないシャドーたちを消し飛ばした。同時に、密林の住民すべてが不死者の侵攻に気付いた」 戦闘後、自分がちょっと有利になるよう、エネルギーが少し起き上がったりする能力などを持っています。
キメラ 機械と融合どころか、色んな種族とも融合しちゃった生物。 純然たるパワーとスマッシュがとにかくでかく、その分、移動が遅い。そんなユニットです。
ジャイアント あらゆる強力なエネルギーと融合するモノは、果たして最終的には、何と合体するのか・・で、大地そのものとか、核融合炉とか、そんなとんでもないものと融合しちゃってるのがコイツら。有無を言わさぬ大迫力。 世界そのものを作るのは、どこの神話でも大体、巨人族の仕事ですが、ディメンション・ゼロのジャイアントの絵も、そうしたスケールの大きさを感じさせます。
個人的には、デュエルマスターズの“ダイダラボッチ”風な、シルエット的な巨人も好きですけどね。
ストラテジー 明日発売のストラクチャーデッキ2からも解るように、緑のカードには、エネルギー増加を加速するカードがたくさん。
これらを使う事で、ほかの色よりさらに、“プラン”を有効利用するチャンスが増えてきます。 プランから次々とカードをプレイする色・・・それが緑の特徴の一面を示しています。
また、【ダイヤモンドソウル】【サファイヤソウル】など、各色に用意されているパワー増加系カードですが、緑のカードには、全色に対して使えるパワー増強カードが!
ベース 戦闘応援系のベースとしては、すでに公開されている【妖精の風車】のほか、普通のベースより「さらに」ユニットの数値を上げるベースもあり・・でかいものマニアには垂涎の色と言えるでしょう。
妖精の風車 使用コスト:緑1無1 効果:このカードと同じラインのスクエアにあるすべてのあなたのユニットに以下の能力を与える。 『加速(このカードは、第1バトルステップでダメージを与える。その後、第1バトルステップにダメージを与えていないユニットが、第2バトルステップでダメージを与える。)』
さて、これでとりあえず、各色の世界設定、ゲーム上での特性は、だいたい掴んで頂けたと思います。 が、もちろんこれらの情報は、まだほんのさわり。 今後オフィシャルホームページで紹介される先出し情報カードをこちらでも取り上げ、より深く特徴を掴んでいきましょう。 そして「本製品が出た時に試したい事」を前もっていくつも決めておき、いざ発売日には、一気にたくさんの戦術を試しまくって、ディメンション・ゼロ三昧といこうじゃないですか!
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■05/10/26 ゲームデザインの章・第4話 「各大陸の簡単な紹介・白の大陸」
お待たせしました。白の大陸の紹介です。
太古戦争によって、ほとんどの文明が壊滅した中、白の大陸だけは、スーパーコンピューター“マザーパレス”の統治の下、完全にその文明を維持しています。
しかしながら、戦争によって生物は全て死に絶えており、現在の住人は全て、“マザーパレス”の生み出した人造生命体、ロボットかサイボーグという、超未来世界。 ファンタジーというよりSFですが、もはや両者は完全に融合していますので(日本では特に)、むしろ親しみやすい世界観と言えるでしょう。
赤の大陸に、平和使節団として送った【ピースキーパーエンジェル】の一行(“伝導部隊”との設定。宗教的目的)が、トラブル(?)から戦いに巻き込れます。マザーパレスは即座に救出部隊を送り込みますが、時すでに遅く、結果、ゴーレムなどの“聖戦部隊”を送り出す事になり・・・ 世界を巻き込む動乱が始まる事になります。
エンジェル 白の大陸の代表的種族。クリスタルボディで出来た、少女の姿をしています。 彼女達は一見、非・戦闘的な姿をしていますが、その実、強力なエネルギーの塊で、戦闘時には武装ユニットと合体し、最強の攻撃力と指揮能力を誇る、部隊の中核となります。
【ジャッジメント・エンジェル】 (イラストはクリックで大きくなります) ご覧の【ジャッジメント・エンジェル】は、第1弾最大クラスのユニット。 絵の美しさもさることながら、強大なパワーが感じられる迫力。実際に手にするのが楽しみです。
コロポックルの少年、“マキリ”と出会うストーリー上のヒロイン、【ピースキーパーエンジェル】の絵も、今から大変楽しみですね。 「君、誰? どこから来たの? きれいな肌だね、まるでエネルギー弾みたいだ!」小さな刃マキリ (【ピースキーパーエンジェル】のフレーバーテキストより)
ライオン マザーパレスが白の大陸を再構築する際に、理想世界を築くため、他の大陸にいた優秀な種族のDNAも利用しました。 “ライオン”は元は緑の大陸の種族ですが、今や“キメラ”と化しちゃった種。白の大陸の“ライオン”は、有機体と機械の融合した、サイボーグ種族です。
カード的には、【城門を守る獅子】に見られるように、防御的な能力を有する物が多いようです。
ペガサス ライオンと同じく、サイボーグ天馬。
【ペガサス・ウイング】の能力を、自分自身で持っていたりします。
オーロラウイング・ペガサス 種族:ペガサス タイミング:クイック 使用コスト:白2無1 移動コスト:白1無1 パワー:2500 スマッシュ:1 効果:[白1] 《バトル》 この能力は攻撃された第一バトル・ステップ中のバトル・ダメージがスタックに乗る前にしか使えない。 このカードを、このカードに隣接するバトルスペースのユニットのないスクエアにリリース状態で置く。
バトルで潰そうとしても、ぴょんぴょん飛んで逃げ回り、鬱陶しい事この上ありません。「ペガサスぴょんぴょんデッキ」、上手く使いこなすと、慣れていない相手を翻弄できそうですね。
パラディン 水の大陸にいたという、ケンタウロスのサイボーグ。 テキスト上でエンジェルをかばうセリフがあり、武人のイメージがあります。 “ゴーレム”と同じく、戦闘の中心となるカードでしょう。
ワルキューレ ハーピーのサイボーグ。
ディメンション・ゼロで最初に見たビジュアルが【きらめく剣の乙女】だったため、強烈なインパクトが残っています。 最初のデッキにも入っているため、見慣れたカードですが、やっぱり今でも拡大で見ると・・・美しいですね。 「誰よりも早く戦場に駆けつけ、誰よりも早くマザー・パレスの威光を示す。それが戦乙女たるワルキューレの役目である」
ゴーレム ロボット。完全に兵器。 デザインラインは、漫画『ファイブスターストーリーズ』の“モーターヘッド”のような、細めでエレガントな感じ。 プラモが欲しい。マジで。
ストラテジー 防御と回復、数値の強化がテーマの色なので、相手の行動に対するカウンターとして使うカードがたくさんあります。 選択したエリアすべてのカードを強化したり、スマッシュ値を低下させたり。
平和条約 種別:ストラテジー タイミング:クイック 使用コスト:白2無2 効果:あなたは対象のエリアを1つ選び、ターン終了時まで、そのエリアのスクエアにあるすべてのユニットのスマッシュを−2する。
「あと3点のスマッシュで終わりだ、奥へ進んでスマッシュ!」と突撃したところを【平和条約】でかわされたら・・・そこからいきなり逆転に持ち込まれそうです。 普通のゲームの“ライフ回復”よりも、このゲームの“ライフ回復”や“ダメージの無効化”の方が、逆転性は高いと言えるのではないでしょうか。
ベース 同ラインの白のユニットを強化する【クリスタルフォートレス】以外にも、相手の進軍速度を抑えたり、スマッシュ値を低下させたりと、敵に回すと実に鬱陶しい、使ってて安心な防御拠点カードが色々。
やはり白の大陸の戦い方は、基本的には「カタめて、ハメる」という物になりそうです。 しかし、その「カタめ方」そのものが色々ありそう。 本製品が出たら、さて、みんなどんなデッキを作るのか。今からとても楽しみです。
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■05/10/25 攻略の章第1話 カードキングダムカップ
10月16日(日)に行われた、練馬春日店大会の優勝デッキをご紹介します。
■ストラクチャーデッキ1のみを使用した構築戦 ■16人参加・スイスドロー戦 □1位 タカハシさん | | ユニット | 3x グレン・リベット | 白1 | 3x 城門を守護する獅子 | 白1無1 | 3x 自走戦鬼大砲蜘蛛 | 赤1無1 | 3x バトルフィールド・エンジェル | 白1無2 | 3x きらめく剣の乙女 | 白1無3 | 3x 大いなる刃タンネピコロ | 赤1無3 | 3x 聖騎士ホーリー・フレイル | 白1無4 | 2x 魔弾の射手 | 赤1無4 | 3x ロマネ・コンティ | 白1無5 | 2x メテオブリンガー・ドラゴン | 赤1無5 | | ベース | 3x クリスタル・フォートレス | 白1無2 | | ストラテジー | 3x ダイヤモンド・ソウル | 白1無1 | 3x プラズマ・ライフル | 赤1無1 |
3x ヒュドラ・ランチャー | 赤1無3 |
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現在の赤白カードプールでは、ズバリ言って白の大陸のユニットの方が、汎用性が高く高性能。 そこに着目して、
「赤の仕事は“火力”がメイン。ぎりぎりまで赤を減らし(16枚)、白のユニットで戦う。 よってユニット強化カードも白しか使わない」 というコンセプトのようです。
16人と、まったく初めての大会のわりにたくさんの方が集まってくださいました。その中での勝利ですから、立派な結果です。 しかし、まだこれは「デッキの完成度での勝利」だけではないと思います。 最初なだけに、プレイングにも差があったでしょうから、「プレイングでの勝利」も大きかったのではないでしょうか? 例えば、ベースを出すにしても、必ずバトル突入に対応して出すとか、火力カードも、相手の移動に対応して使うとか、すべてのカードを、必ずベストなタイミングでプレイする。そういった細かいテクニックの積み重ねが勝利を呼びます。
皆さんも、結果を出したデッキをそのままコピーするのではなく、「どう使えば強いのか」を徹底的に考えながら使ってみてください。 「全然強くない」と思ったら、実は使い方が違っていた、というのもよくある話です。
さて、次は、同じ日の徳島での優勝デッキ・・・いや実は・・・
オレ 「何だってー! 参加者5人? 奇数じゃねーか。仕方ない。オレが参加してやろう。んふんふ」 お客様「ひでぇ! あんたテストプレイヤーじゃねぇか!」 オレ 「お黙り! 参加費はキッチリ払ったし、公認大会じゃないからイイのよ! お手本になるデュエルを見せてあげるわ、ボーヤ達」
結果、当たり前と言えば当たり前のよーにオレが優勝。
オレ 「やったぜハリー! 賞品くれ!」 ハリー「アホですかあんた! 賞品は当然ながら、1位賞品を2位の方に、同じく2位のを3位の方にで、アンタの分は無しですよ!」 オレ 「・・・まあ、そりゃそうか。・・・せめて、参加費は返って来ない?」 ハリー「聞こえませんな」
と、いう訳で、紹介するのは俺のデッキなのですが・・・。
■いけっち店長の攻撃型デッキ“ねじ込みドリルズ胎動編” | | ユニット | 3x グレン・リベット | 白1 | 3x 城門を守護する獅子 | 白1無1 | 3x 自走戦鬼大砲蜘蛛 |
赤1無1 |
3x バトルフィールド・エンジェル | 白1無2 | 2x きらめく剣の乙女 | 白1無3 | 3x 大いなる刃タンネピコロ | 赤1無3 | 3x 聖騎士ホーリー・フレイル | 白1無4 | 3x 魔弾の射手 | 赤1無4 | 3x ロマネ・コンティ | 白1無5 | 1x ドカン・バコーン | 赤2無4 | | ベース | 1x クリスタル・フォートレス | 白1無2 | 1x 歴戦の城塞 | 赤1無2 | | ストラテジー | 3x ダイヤモンド・ソウル | 白1無1 | 3x ルビー・ソウル | 赤1無1 | 3x プラズマ・ライフル | 赤1無1 | 1x ペガサス・ウィング | 白1無2 | 1x ヒュドラ・ランチャー | 赤1無3 |
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かなり攻撃的に動きます。 中盤戦から攻撃をはじめたら、攻めているユニットを守りきるプレイを心がけます。 「攻撃を途切れさせない事」、これが勝つための秘訣(あくまでこのデッキを使っている時の事)です。
主軸は【タンネピコロ】【ホーリーフレイル】【魔弾の射手】。 これらで攻めやすいよう、自軍の機動を邪魔する【グレン・リベット】は、たとえ2ターン目のプランから出てきたとしても、絶対に場に出しません。
よくいますね? 【グレン・リベット】を場に出す方。 あれは、わざわざ「このラインでは攻めないぜー」と宣言し、あまつさえ、自分の攻撃ラインをひとつ潰している、この攻撃的デッキでの最悪なプレイング。 相手も【グレン・リベット】がいれば別ラインから攻めるだけですから、守りとしてもイマイチです。
このデッキで、プランから出てくるユニットで最速で出して良いのは、【大砲蜘蛛】か【城門を守る獅子】などの2コストユニット。 これらは、移動コストも軽く、中盤戦以降、主力ユニット同士が戦っている間を縫ってスマッシュしてくれるので、先に出していても邪魔になりません。
また、4コストの【タンネピコロ】を、4ターン目の相手メインフェイズ終了時に出すのも考え物。 あえて5コスト以上貯めてから場に出せば、次の自分ターンに4コスト払って2マスすすんでも、2コスト以上余らせて【ルビーソウル】、または【歴戦の城塞】を使う事ができます。 【タンネピコロ】を使うなら、絶対にこうすべきでしょう。
実際の状況で考えてみましょう。 【タンネピコロ】の弱点とは?
まず、移動に対応して火力で除去される事。前進して大きくなるのにスタックして火力を打ち込まれると、移動コストをみすみす無駄にします。 これには対応して使える【ルビーソウル】で、火力を回避する事が出来ます。
次に、相手エリアにある時に、真上に降ってくる【ロマネ・コンティ】。 普通なら一方的に踏み潰されますが、ここでスタックして【城塞】か【ルビー】を使えば、相手の【ロマネコンティ】を破壊できます。
【ロマネ・コンティ】を蹴散らして居座る【タンネピコロ】は強力です。 相手にすれば、プランなどで処理しようにも、最低2体のユニットはぶつけなければなりません。 そうこうしている間に、次の【ホーリーフレイル】などが攻めてきたり、軽量ユニットが駆け回ってスマッシュしまくりです。 そんな風に、攻撃をねじ込んでいきましょう。
上手く裁かれ、攻撃部隊が一掃されても、まだ大丈夫。 よく、「4〜5スマッシュで攻撃が止まって逆転される!」という方がいらっしゃいますが、ひとつアドバイスを。 あと2点、あと1点とあせって、「1体ずつ攻撃を送り込んでも、1体ずつ処理されるだけ」です。
一旦、落ち着いて休み、プランなどで効率よく2体・3体と攻撃ユニットを並べなおし、再び一斉攻撃をかけましょう。 ユニットが大きい必要はありません。 数を並べ、一度に動き、「すべて処理しなければ負け」という状況に追い込むのです。 攻撃に、緩急をつけましょう。
例えば。あと1点だとしましょう。 こちらの攻撃ユニットを、3体とも、中央エリアまで進めます。
この時点で、相手の手札が3枚以上無いと、“詰み”です。
当たり前の事なのですが・・・こういう状況を作り出すのが、偶然ではなく、読み切っての事になって、初めてそこから「ディメンション・ゼロの戦い」です。 今回は赤白20枚のカードの中での話でしたので、今後カードが増えた場合には他の戦い方も必要になると思いますが、とりあえずの基礎としてマスターしておくと良いでしょう。 さあ、ぜひもう一度チャレンジしてみてください。今までわからなかった面白さが、あるかもしれません。
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■05/10/24 はたらくおじさん第6話・カードゲームにプロ制度ができる。その意義と目的について
今回ご紹介するのは、サイト、“DUEL ROOM”さんのインタビューに対してお送りした記事です。 本来ならばリンクを貼って、あちらでご覧頂きたいのですが、残念ながら現在、“DUEL ROOM”さんはサイト改装中。 しかしながらこの記事は、ぜひ、今のうちに皆さんに読んでおいて頂きたかったので、もともとの記事を添削し、改造を加えて、多少違う記事に改造して、こちらでご紹介する事にいたしました。
インタビュー内容 「ディメンジョン・ゼロはプロ制度があるわけですが、それはヘビーユーザーを増やす事になりませんか? そうすると、新たにディメンジョンゼロを始める方はやりにくくなると思うんですが」
□カードゲームにプロ制度ができる。その意義と目的について。
プロ制度というと、どうしても堅苦しく考える人も出てきます。 しかし、プロというものは、ほとんどの人にとってはあくまで、「そういう、頂点の世界もある」という、観念的に言えばファンタジーの世界のようなもの。普通は真面目に目指しません。 しかし、ファンタジーと違うのは、それが現実に存在するという事。 ですが、もし一生懸命になって、上手く転がって頂点にたどり着けば、そこには、それで生きていけるという、新しい世界がある。 この安心感は絶大です。 頂点が高いところにあるからこそ、「裾野が広がる」というのが、全ての競技に共通する構造と言えるでしょう。
他の世界を見てみると、野球にはプロが存在しますが、プロを本気で目指す人(ヘビーユーザー)というのは、ほんの一握りでしょう。 人生のすべてのエネルギーを費やさなければ、プロ野球選手になれるはずもありません。 しかしながら、野球を趣味としている人(ライトユーザー)は、たくさんいます。 これはなぜか?
野球が本当に楽しいものであるから、だけでは、子供の理論です。 野球があそこまで大きくなった理由は一つ。プロがあるから。
スポーツとしても、エンターティメントとしても、娯楽としても優れていて、その上で、そこに経済活動が発生するから。 スポンサーが付き、お金が出て、テレビ番組となり、広告を打つことができ、ス ポンサーに利益が帰ってくる。そういう経済活動の仕組みができるから。
資本主義の世界に生きる我々の社会は、究極的には、すべての価値が金銭に結実します。(ボランティアとかは別です。人の役に立つ事は、経済活動とは無関係に価値があります) すなわち、「お金にならない物は価値がない」 「お金になる物は価値がある」 という仕組みの世の中に住んでいる事を、すべての人が普段は意識しなくとも、「知って」おり、もしも、経済的に価値のないものを趣味にしている場合、その「自分なりの価値」をいちいち人に説明するのは難しいため、ほとんどの人がその労を避け、「いちいち説明しなくても恥ずかしくない、社会一般的に“価値がある”と認められている事を趣味にする」という習性があるのです。
簡単に言うと、例えば社会人のAさんにとって、カードゲームがどんなに素晴らしい物であっても、世間一般には「カードゲームはオタクのもの」と考えられている限り、Aさんはおおっぴらに「カードゲームが趣味である」とは言えません。 言ってしまうと、Aさんは 「オタクだ」とレッテルを貼られ、それは決してAさんの社会的地位にとって、好ましい影響を与えないでしょう。
しかし、Aさんがカードゲームのプロであり、高額の賞金を手に入れていた場合、「なるほど。金になるならたいしたものだ」と受け取られるのではないでしょうか? そしてそれは、 「今まで知らなかったが、カードゲームとは単なる浪費ではないのだな」という知識を相手に与え、それはすなわち「カードゲームそのものの権威を高める」 という事になります。
「Aのやつ、カードゲームが趣味らしいぞ」 「ガキだな」 「いや、それがバカにしたモンじゃないんだ。賞金300万円とかもらってる“プロ”なんだと」 「本当か?! へぇぇ。知らない世界だなぁ」
ここで、「知らない世界だなぁ」と答えた相手は、その場では少し、「よくわからん世界がある」と感じるだけかもしれません。 しかし、今までは、「カードゲーム→ガキ」、とだけの認識で終っていたものが、「よくわからんが、一応、金になる世界があるらしい」という認識になり、これが、他人に話すときには、いつのまにか 「カードゲームってプロがあるらしいぜ」 「へぇ。知らなかったな」 「そうだろう。意外とバカにできないぜ?」 という意見になります。 相手が知らない事を教える時には、それが価値があることとして伝えると話が早いですよね。 そうしてるうちに「カードゲームって、実はすごいぜ」と言い出すことになります。 いつの間にか、自分の中の認識が変わっていくのですね。
実は、資本主義社会の文化や価値というものは、ほとんどがこうして作られていくのです。 野球でさえ、戦前、プロ制度が無い時には、「男子一生の仕事にあらず」とバカにされていました。 明治時代、小説を読む人は、「本をよむなど、金にもならない道楽だ」とバカにされていました。 僕たちが子供のときは、「漫画家になりたい」と言えば親に殴られました。
ブロッコリーさんや、僕がなぜ、カードゲームのプロ化を推奨し始めたのか、もう、わかっていただけたのではないでしょうか。 ヘビーユーザーを増やす? もちろんです。その結果、ライトユーザーも増えるのですから。 戦後、プロ野球チームが増えて、草野球チームも増えましたよね。 プロサッカーが始まって、全国でサッカーを趣味にする人が増えましたよね。 まったくもって、当たり前の構造です。プロができて、何で新たに始める人がやりにくくなるんですか? ナンセンスじゃないでしょうか?
ヘビーユーザーのおかげで、シングルカードが高くなるのでは?と危惧する人がいます。 そんなことはありえません。 プレイヤーの絶対数が多くなるほど、より多くパックが売れ、その結果シングルカードが安くなっていくのは市場原理から言って明らかです。 (商売をしていない1ユーザーから見れば、これが逆に見える事もあるでしょうが、“ガンダムウォー”“デュエルマスターズ”のよ うなメジャータイトルだけでなく、“妖精伝承”などのマイナータイトルも調査して、さらに、一部人気の集中するカードの価格だけでなく、“平均値”を割り出せば、「ユーザーの多いカードゲームほどシングルが安くなる」という事実はおのずとわかります)
お分かりいただけましたか? カードゲームの“プロ”を作る事には、こういった数々のメリットがあるのです。
むろん、一部、こうした社会の仕組みを知らない人々の反対はあるかもしれません。しかしながら、反対されても“正しい”と考えるなら闘う事ができるのが人間です。 “大儀”もあります。 カードゲームを仕事にしたい、と考える子供たち、若者がたくさんいる、という事実です。 カードショップを経営したい、カードゲームデザイナーになりたい。カードゲームの記事を書きたい。
昔、テレビゲームが徐々に市民権を得てきた時に、「ゲームデザイナーになりたい!」という人々が周りにごろごろいた頃を思い出します。 今では信じられないかもしれませんが、昔は、「テレビゲームが好き」と言うと、白い目で見られたものです。 しかしながらそれは、任天堂の、好感度の高いタレントを多用したコマーシャル戦術と、糸井重里の名コピー、「おとなも、こどもも、おねーさんも」 によって、「テレビゲームはみんながやってる。べつに恥ずかしい事じゃない」というイメージに変化していきました。
単に「テレビゲームをする人が増えてきたから、一般的な趣味になった」と思われるかもしれません。 しかし本当は、もうちょっとでそうなりそうな時期に、他人の評価を恐れてしり込みしている世の中大多数の人に向けて、「社会のイメージはこう変わってきている!」と指し示し、「だったら安心だ」と思わせられた。 ようするに任天堂が、社会の尻を蹴っ飛ばすタイミングがベストだった、という事ですね。
僕たちはカードゲームでそれをやろうとしているわけです。 カードゲームが、社会の中でより一般的な地位を占める事になる事・・それが求められている(ニーズがある)と考えるからこそ、“ディメンション・ゼロ”という商品が生まれました。 デザイナー・中村氏は、「遊びの選択肢を増やしたい」とおっしゃいました。この言葉の意味が、おわかりでしょうか。非常に大きな目標です。
そういった流れの中で、「カードゲーム 業界で働きたい」と考える若者が多くなってきました。そして、それを受け入れる準備をするのが、先に行っている僕たち大人の仕事だと考えます。 よりたくさんの人々が働けるよう、市場を大きくし、 カードゲーム業界で働く人が、誇りを持って働けるよう、社会的な認知度を上げる。 それが僕たちのやるべき事。
“ディメンション・ゼロ”は「ゲームとして」売れるかどうか? そんなミクロな視点で作った物ではありません。 “ディメンション・ゼロ”は、カードゲーム市場と、そこで働くすべての人々、楽しんでくれるすべてのユーザーの、今後の100年のために生み出された、ひとつの“道”なのです。 そういうカードゲームが一つ生まれれば、他のカードゲームに対する社会の印象も変わってくるでしょう。
それを担うに相応しいゲームとして、クオリティを維持するのは、正直、大変です。 我々も、ブロッコリーさんの企画に賛同し、理想をぶち上げておきながら、その重責を前に目眩を感じる事もあります。 その点に関して、本心から、ユーザーの方々の良いお導きを期待する所であります。
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■05/10/21 ホームページご紹介のコーナー第2回
さて、今回も、見ごたえのあって面白いホームページを紹介させて頂きます。 ぜひ目を通してみてくださいね。
■“少女が見た流星”様 (ディメンジョン・ゼロ)
ネット環境をお持ちのガンダムウォープレイヤーで、知らない人はいないであろう、超有名サイト。 カードリスト、ルール解説、とにかく便利な作りで、頼りになりまくりです。 ディメンション・ゼロ(以下D−0)のレポートも、ちょっと触れてみただけにも関わらず、鋭い分析を下されています。鋭過ぎて怖いんですけど(笑) やっぱり大手ホームページの人は違うなぁ・・・とびびりました。
■“ディメンションゼロの攻略サイト〜Dimension++〜(DM最強への道)”様
かの有名な、一日5000〜8000ヒット以上をほこる、お化けDMサイト“デュエルマスターズ最強への道”の分家サイト。 “DM最強への道”は、攻略やデッキ紹介が優れているのはもちろん、サイト管理人である高校生の少年の日記が面白く、木谷会長もお気に入り。「ぜひ恋愛関係も書くべきだ」とか無茶おっしゃってました(笑) そんな彼が作ってくれた、D-0専門ホームページがこの“ディメンションゼロの攻略サイト〜Dimension++〜”です。 管理人の彼からのいくつかの質問に、僕が色々とお答えさせて頂いた物が、記事になっています。
タイトル名、☆ ディメンションゼロについての要望 ☆ 要望その1:極端に強いカードを作らないこと。(デッキの偏りをふせぐため) 要望その2:運任せのカードをつくらないこと。(デッキを時間かけて作った人に申し訳ない) 要望その3:大会等は一発勝負出なく3回勝負にすること。(カードの順番で運が強くなるため) 要望その4:大会はいろんな人が参加できるよう店舗からの勝ち上がり制にすること(抽選で少数の中から日本一になっても嬉しくない)
さて、これに対し、僕は何とお答えしたのか?! かなりヘビーな記事になっちゃってますよ。 話は例によって“無双竜機ボルバルザーク問題”に進み、ある意味、当ホームページではなくこちらのホームページに寄稿した記事で、一つの結論が出ているという・・・「けっきょく【無双竜機ボルバルザーク】問題って、何だったんだ?」と今も気になっている方には必見の内容。 ぜひご覧下さい。
現在、管理人様が受験のため、活発には動けない(むしろ動いちゃダメですよ)時期ですが、今までに蓄積された物だけでも、充分に見ごたえのあるサイト。受験が終わる、来年春からのご活躍を期待しております。
■“Dimension-Zero攻略サイト”様
ストラクチャーデッキで遊びまくってる人、必見。 大阪のゲームショップ“パブリック”の店長、まさやん氏が開設した、攻略・理論構築の優れたサイト。
“バカプラン”というデッキを作り上げ、一気に話題に。 “バカプラン”とは、「ばかみたいにプランを使いまくるデッキ、略してバカプラン」であって、どっかで聞いたよーな名前の付け方で、思わずニヤリとするのだが、それならやはり、“バカプラン”ではなく“ばかプラン”ではないかと細かい事を考えてみたり。 ここではもう、すでに“バカプラン”でさえ古いデッキになっているそうで、現在トップレベルの研究サイトの一つ(他にも研究のすごいサイトはありますが、それは次回)なのは間違いない。 今後も、大阪の中心地のひとつであり続けるでしょう。期待しています。
さて、今回は3つのサイトをご紹介させていただきました。 しかし、ネットの海では、凄いスピードで、D-0ホームページが生まれ出でています。 それを全部ご紹介するのは、無理な事。皆さんもご自分で検索して、役に立つホームページをお探しくださいね。 ホームページの管理人様方・面白い質問・コラムのテーマがありましたら、僕に投げてみて下さい。 すべてに寄稿する事はできませんが、内容によっては寄稿させて頂きます。
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■05/10/20 ディメンションゼロ制作秘話の章 第1話「テストプレイヤーを、したくない」
半年ほど前のある日。 ディメンション・ゼロ(以下D−0)のテストプレイをしている社員たちから、練馬春日店店長“しまむー”に、こういう話が切り出されました。
しまむー「何だって? ディメンションゼロのテストプレイヤーを辞めたい?」
社員A「はい・・・」
しまむー「あんなに楽しそうにやってたのに、どうしてだ」
問い詰められた2人は、もじもじと、話しにくそうにしています。
社員B「だって・・テストプレイヤーだと、公式大会に出られないじゃないですか」
社員A「カードゲームで賞金が貰えるなんて、夢みたいですよ。僕もプレイヤーになりたいんです」
テストプレイヤーは、公式大会に出場できない。 これは当たり前のことだ。 なにしろ、発売より何ヶ月も前から、すべてのカードの情報を知った上で延々とデッキを組み、ゲームをプレイするのだから、単純に考えて、他のユーザーより何ヶ月も先に進んでいる事になる。未来人だ。
未来人が大会に参加したら・・・そりゃ、強いに決まってる。 だから当社としては、例えば本製品発売後も、攻略記事で「このデッキは強いぜー! 最終的にはコイツが優勝するだろう!」とか書くわけには行かないし(第一、多分ユーザーの皆さんの方が、最終的には俺達よりずっとずっと強いデッキを作るだろうし、外れたら赤っ恥だし)、書くとしたら、「基本的な、まあまあ強い、練習デッキ」とか、「最強じゃないけど、面白いデッキ」の記事になるだろう。
また、シングルカードの販売に関しても、シングル価格を決定する部署と、テストプレイヤーとの間にファイヤーウォールを設定。 事前情報はなく、あくまで従来どおりの、ご注文の売れ行きに従って価格を変動させるシステムを堅持。 それが当たり前の会社の対応だ。
が、会社がそう考えていても、「想像以上に面白かったから」と、テストプレイヤーが、今更プレイヤーに戻りたい、とは・・・!
しまむー「お前たちには、カードゲームに関わるプロフェッショナルとしての誇りは無いのか!」
当然怒るしまむー。
しまむー「面白いから、プレイヤーに戻りたい?! テストプレイヤーを途中でやめたら、またプレイヤーに戻れると本気で思ってるのか?! もし、お前が勝って、賞金を得たとしろ。いくらテストプレイヤーをやっていない、と皆に言っても、 『きっとカードキングダム練馬春日店だから、絶対に前もってカードの情報を持ってたんだ』 『テストプレイをこっそり続けているに違いない』 と言われるぞ!」
社員B「仕事で、『やれ』って言われたから始めただけで・・・じゃあ、僕たちには、やりたいカードをやる権利も無いんですか?!」
しまむー「そう言われて、受けたのは自分だろう。だいたい、俺たちにとってカードゲームは、愛すべき趣味ではあるが、糧を得ている以上、“仕事”なんだ。遊びたい気持ちがあっても、仕事でやらなければいけない事を優先させるべきだろう? ・・・どうしてもD-0プレイヤーになって賞金を稼ぎたいなら、ここを辞めろ」
社員A「・・・・!」
しまむー「ここに遊びに来ることも、許されん。完全に縁切りだ。理由はわかるな」
社員A「ちょっとでもつながりがあったら・・・情報を教えてもらってる、とウワサされるから・・・」
しまむー「そうだ。そうなったら、D-0にとって、百害あって一利なしだろう。テストプレイを任せて下ったプロッコリーさんに対して、謝って済む問題じゃないぞ」
社員B「でも、テストプレイを辞めたら、絶対に自分でも情報をシャットアウトしますよ!」
しまむー「まだ解ってないのか! 実際はどうでも関係ない! 疑惑を持たれる事をやるのが問題なんだ! 僕たちは、カードゲームでお客様からお金を頂いている、“プロ”なんだぞ?! それが、カードゲームの足を引っ張ってどうする! 社長も言ってるだろう。 『カードゲームの魅力にぶら下がって商売するんじゃなく、もっともっとカードゲームを好きになってもらうんだ、魅力をもっと、作り出していくんだ』と。 カードゲームを趣味にするのは、お客様だ。俺達は、それを仕事にさせて頂いている、従事している者達なんだ。 面白い、やりたいゲームがあっても、それが仕事なら楽しむ事は二の次だ。
例えば、テレビゲームが好きな人でも、それが仕事な、「攻略記事を書くために、一日でクリアしろ」
と言われたら、ゆっくり楽しむヒマも無く、無理やりクリアしなくちゃいけないんだ。 それが、趣味を仕事にした者の、宿命と責任だ。
・・・確かに、D-0が盛り上がってきて、今になってプレイヤーになりたい気持ちが出てきた、って言うのもわかる・・・。 ここは一つ・・社長からも何か言ってやって下さい」
いけっち社長「うむ・・・・」
ずっと横で腕を組んで聞いていた、いけっち店長、重々しく前に出る。
いけっち社長「お前たちに、良い話を聞かせてやろう・・・・・ 1月ほど前の事だ。デザイナーの中村さんと、電話で話していた・・・
オレ『中村さん、もしかして、僕は大会に出れないんですかねぇ?』
中村『わはは、やっと気付きましたか! どんなに面白いゲームを作っても、自分では参加する事のできない、デザイナーの苦しみ! その苦しみを、池田さん、あなたも味わう事になるのだぁ!』
オレ『な、なんだってー! くそぅしまった! 賞金すげー狙ってたのに! 中村さん、あんた最初からそのつもりで!』
中村『いえ、ぼくもつい先日、気付いたんですがね』
だそうだ」
しまむー 「あんた達、全然ダメだあああああ!!!!」
とか言ってると、つい先日の、木谷会長のお言葉。
木谷会長 「池田さん、毎日D−0やっててすごく楽しいんですが、私はいくら強くなっても、大会に出れないじゃないですか?」
オレ 「ええ・・・そりゃまあ、売ってるメーカーの会長さんですし」
木谷会長 「それでですねぇ、考えたんですけど、デザイナーだろうがメーカーの人間だろうが、関係なく参加出来る、賞金制度と関係のない大会を開いて、それだったら私も参加出来るんじゃないかと・・・・・」
オレよりもワガママだよ、このお方。
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■05/10/19 はたらくおじさんの章・第5話
とある中学1年生の少年から送られてきたメールに対し、僕がお返事させて頂いたものを、当人の許可を得て、ご紹介したいと思います。 説教じみた、えらそーな話で恐縮なんですが、多くの子供達に読んでみてもらいたいお話なので、全文載せてみました。何かの支えになれば・・・と思います。
「ディメンションゼロで、逆転したい!」
いつも楽しくページを拝見させて頂いてます。
自分にとっては、カードゲームは生活の一部です
今、僕は中学1年です。 小学校の時は、遊戯王・デュエルマスターズ共に、楽しくプレイしていて、仲間も30人、40人いたのですが、【無双竜機ボルバルザーク】と【炎槍と水剣の裁】でゲームがつまらなくなり、また、中学進学もあって、「まだカードは持ってるけど、もう買う気は無い」などと言うプレイヤーが増え、何時の間にか仲間もほとんどいなくなってしまいました。
そんな中、絶望していたとき、ディメンジョン・ゼロの記事を読み、『もしかしたら、これならいけるかもしれない』と思いました。 このゲームなら、みんな、もう一度始めてくれるんじゃないかと思いました。
ディメンションゼロで、逆転したいと思います。 すごく楽しみにしています。頑張ってください!
子供だけど結構深刻 より
池田です。
そーなんだよねー。中学生ぐらいになってくると、経験不足ながらも、「自分の意見」というものの輪郭が出てくるからなぁ。 色々と、世の中やら、自分が好きな物の「これはおかしいんじゃないの?!」と言うのが、見えてくるんだよな。
君達の場合、それがカードゲームだった訳だ。
うん。たしかに【ボルバルザーク】【裁】はおかしい。常軌を逸した狂いっぷりだ。 だから僕たちも非難してるんだけどね。
しかし、だ。
カードゲームに限らず、どんなものにも、どの世界にも、必ず「これはおかしいじゃないか?!」というものが、出てくる。 そこで、それを投げ捨てるのも自由だ。 だけど、投げ捨てず、戦う人もいる。
僕たちはそうしてきた。
そして、どうしてもわかってくれない人たちや、わかってても変える事ができない人達を見てきた。(それが何のことかは言えないが、君もウチのホームページを熟読していたなら、何のことか大体わかるだろう)
そんな、ユーザーの声を代表しているつもりの僕たちの話を、ブロッコリーさんは聞いてくれた。 「では、ユーザーの意見が反映される、ゲームバランス中心で、大人がプレイして恥ずかしくないカードゲームを、作ってみましょう」 これが1年前だ。 その結果が、ディメンション・ゼロだ。 確かに、君たちの期待を裏切らないゲームだと思う。
が、ちょっと心配なのは、君達が、いや、君じゃないな。君の元ゲーム仲間が、「好きだからこそ文句を言う」で止まっちゃった人間じゃないか、という事だ。 よーするに、何でもかんでも文句言って、切り捨ててないかってこと。 文句言うだけで、けっきょく何もしないヤツじゃないかって事。
中学ぐらいで、そーゆー、世の中に文句言いたくなって来るのは、誰にでもあることだ。 が、ここでどういう人間になるか、という大きな分岐点があると思う。
文句言うだけで、何もしない人間。こいつは途中で目を覚まさないと、結局、何も生み出さないヤツになる。 文句言って、「まわりの人間や、世の中はバカばっかりだ」と言い続け、自分のプライドを守るだけ。それで一生を終えてしまう。
問題点を見つけたら、それを直そうと行動する人間は、失敗しても、その中から何かを学び、次に生かす。 そういう人だけが、いつか必ず、何かを作り上げる。
文句を言うだけで、カードゲームをやめてしまった奴らは、さて、どっちのヤツだと思うね?
君は、楽しかったあの頃、友達皆でカードゲームを楽しんでいた頃を、もう一度取り戻したいんだろう。 だが、誰とでも友達で、皆で楽しかった少年の日は、もう終ろうとしている。 辞めたやつを振り返るな。 生き残ったやつと、前へ進め。
簡単に言おう。中学になったら、友人を選べ。それが、回り道をしないで自分を理解する、最良の手だ。 「自分って、どういう人間になるんだろう?」 それは、男なら、いっしょにいる友人を見れば良い。
中学になっても、ずっとカードをしている君を指差して、「まだカードゲームやってんのか。幼稚だな」と笑うやつも出てくるだろう。 ほっとけ。奴らは、文句言うだけのやつだ。逃げたやつらだ。 カードゲームを辞めた人でも、ちゃんと自分なりの、別の道を見つけたやつなら、一つの道に一生懸命なヤツを、笑う事はしない。 「俺はカードに興味はないが、あいつが好きなら、それで良いじゃないか」 と言うはずだ。 これが、迷い無く、ごく自然に、自分に自身のある人間の態度というものだ。 自分が好きな物に一生懸命だから、他の人間の一生懸命も、決して笑わない。
プロ野球の選手と、囲碁の名人。体を使う一流と、頭を使う一流。 彼らも、お互いまるで世界が違うが、相手には敬意を払うだろう。 それが、いちいち人を非難しなくても、自分に自信を持っていられる人間というものだ。
ところで、野球も囲碁も、どっちも社会に必要ないものだ。無くても人間は生きていける。 だが、彼らは敬意を受けている。なぜだろう? 強いから? じゃあなぜ強いと尊敬されるんだ?
そういう事を考えていくと、カードゲームが「幼稚」とされているのは、結局カードゲームそのものが幼稚なんじゃなく、それを取り巻く環境のせいだ、という事がわかってくる。
ならば、やってみようじゃないか。 テレビゲームがその昔、幼稚なオタクのものだ、と思われていた時代、任天堂が“一般向け”というイメージを作り出していったように。カードゲームのイメージも変えていけば良い。 「出来るわけ無い」って言ってるヤツは放っておけ。小説も、漫画も、野球ですら戦前は笑われた。堀井祐二も高橋名人も、叩くヤツはいたんだ。
カードゲームを、中学になっても大人になっても遊びたい、と思ってくれる人々が出てきたのなら、それに答えられるようにするのが僕たちの仕事だ。 「カードゲーム? 大人でも子供でも、強いヤツってカッコイイよね」と、普通に言えるように。 君らが期待してくれる通りに、僕等は頑張る。そっちの方が、楽しいしね。
だから君も、本当にカードゲームが好きなら、これから、仲間が減ろうが、バカにされようが、負けないでくれ。 「ディメンションゼロで、逆転したい!」じゃない。 逆転じゃない。ここからスタートだ。 もう、「みんながやってるから、僕もやる」という、“子供の世界”じゃなくなった。 「好きな物を、他人に何と言われてもやる」という、幸せな人と、「好きな物が見つからないから、人をバカにする事しかできない」という人々に分かれていくんだ。
願わくば君が、「仲間がやってたからだけじゃない。僕はカードゲームが好きなんだ!」と言える人間である事を祈って。 それじゃね。
お返事、ありがとうございます。 自分の考えを、もう一度考え直す結果となりました。
そうですね。ここからがスタートでいいんですもんね。 自分がやりたいから、やる。 当たり前のことですが、もう一度確信しました。 自分がしたいから、続けて、やりこむ。 これからも、仲間と共にカードライフをエンジョイしていきます。 カードという、『競技』に誇りを持って。
本当にありがとうございました。
お便りのやりとりは、以上です。 中学1年生には、ちょっと難しいかなー、と思ったのですが、大体は通じたみたいで、ほっとしました。
ただ、やっぱり読み返してみても、ちょっと説教臭い文章になっていたのが反省点かも知れません。どうなんでしょう? こんなんでも記事にして、良かったんでしょうか? 皆様のご感想をお待ちしております。 |
■05/10/18 ホームページご紹介のコーナー第1回
ディメンションゼロは、なかなかにけったいな(関西弁で“変な、面白い”)盛り上がり方をしているTCGでして、まだ本製品が発売していないというのに、ネット上にホームページが開設されまくっています。
これは、遊んでみてその面白さを広めたくなるゲーム性や、オフィシャルホームページがユーザーのホームページを紹介するという、今までにない、ユーザーとメーカーの距離の近さが生み出した、面白くも素晴らしい現象と言えるでしょう。
カードゲームをずっと楽しんできた人たちが、自力でホームページを立ち上げ、情報を発信できるようになってきた。 そして、ブロッコリーという会社が、ユーザーとメーカーの相互理解を推し進めだした。 この結果だと思います。
皆様もぜひ、グーグルで、“ディメンション・ゼロ”と打ち込んで検索し、興味のある記事、またはその記事の“キャッシュ”をクリックしてみてください(そうすると、その後更新されて探しにくくなっている古い記事でも、すぐに探し当てられます)。 ものすごくたくさんの記事が見つかりますよ。 ヤフーは検索に反映されるまでちょいと遅いので、検索するならグーグルですね。
偉そうに言って、実は僕も、つい最近になって検索の使い方が解ったんですけど(笑) いやー、“池っち店長”、または“いけっち店長”で検索すると、すげーいっぱいヒットするんで、びっくりしましたわ。
そんな風に検索していくと、いくつか面白い記事が見つかったので、これから時々紹介させてもらおうと思いました。 さて、それでは今回は3件ほど。
『ディメンション・ゼロ オフィシャルホームページ』 当たり前なんですが、まずはコレから。 いやいや、いつも見ている人もいらっしゃるでしょうが、要チェックはなんと言っても“カードリスト”のコーナー! “最新情報”のコーナーからも行けますが、なんと! 「まだ発売していないカードの能力、情報」が書かれています!
【レディ・ハートブレイク】やら【神速の魔炎・ブラスト】など・・ご覧になりましたか?! プロキシー(代理カード)を作って、今のデッキに投入し、試しに遊んでみると楽しいですよ!(赤・白以外のカードだと厳しいですが)
他にもお勧めは、左下にある“リンク”コーナーから行ける、“イラストレーター”さんへのリンク。 ディメンション・ゼロのイラストを描いて下さっている作家さん達の、個人サイトを見ることが出来るようになっています。 ほとんどのページでは、“ギャラリー”のコーナーに、作家さんの美麗イラストが満載されています。見始めると時のたつのも忘れます。 僕が気に入ったのは、 仙田聡さん 【バトルフィールドエンジェル】がトップ絵に貼られています。拡大して見ると、こんな絵だったんですね。 いつも見慣れているはずのカードイラストが、大きくなると全く違う絵に見えて、色々な発見ができるという、見本ですね。
槻城ゆう子さん リアルで美しい女性の絵が多く、本の表紙などを多く書かれているようです。ディメンション・ゼロでどのような絵を描いてくださるのか、とても楽しみです。
添田一平さん 月間げーむぎゃざの表紙をお書きのイラストレーターさんです。騎士やドラゴン、ファンタジー世界のイラストが抜群です。
誉堂さん もう・・エロくて大変。 ぜひサキュバスを書いて頂きたいッ!! 家宝にしたい!! とか、今から大変盛り上がってありおりはべりいまそがり。(狂った)
次は個人サイトを2つ。
1つ目は『黄奇怪壊zero』さん。 「レポート」のコーナーに、管理人さんが参加された9月の「ユーザーカンファレンス・東京」のレポートが載っております。
2つ目は『ディメンションゼロ攻略ネット』さんです。 掲示板の書き込みが非常に活発に行われています。カードゲームが大好きな、楽しげな雰囲気が伝わってきます。 トップページの上の方に、“[コラム]池っち店長が語る「各大陸の大まかな戦術」”が載ってます。 僕から寄稿させて頂いたものですが、管理人さんが、見やすくまとめて下さっているので、皆さんもぜひご覧下さい。
他にもたくさん、面白いサイトを見つけましたので、これからもどんどんご紹介していきますね。 |
■05/10/17 ゲームデザインの章・第3話 「各大陸の簡単な紹介・青の大陸」
太古戦争によって大陸そのものが沈んでしまったため、「青の大陸」というのも変な話ですが、沈んではいても海底都市として活動しており、さらには“バードマン”の住まう空中都市まで建造。世界中と交易している、活気のある世界。それが青の大陸です。
ゲーム的には、「移動」を司っている色と言えます。 移動・・・それは、他のカードゲームには、なかなか無い概念です。それだけに、ディメンション・ゼロ(以下、D-0)というゲームの、最も個性的な面を示していると言えるでしょう。 この色を使いこなしてこそ、「D-0ならでは!」
というプレイが楽しめるのではないでしょうか。 では、いつもの通り、各種族ごとの紹介を進めつつ、この色の能力を理解していきたいと思います。
クラーケン (イラストはクリックで大きくなります) クラーケン イラストデザイン的には、海に住む巨大生物に統一されています。 彼等は、テレポート能力を持つ液体金属で構築された、一種のロボット。海底都市の遺跡を守る役目を帯びています。 敵の真上に突然出現し、そのまま質量兵器として相手を押しつぶす。ハイテクなんだか原始的なんだか解らない存在。 太古戦争を起こした前文明の支配者達が、「テクノロジーを持ちつつ野蛮」であったイメージが見て取れます。
カードでも、その能力が表現されています。特殊能力で、いきなり奥のエリアにまで“転移”!移動ではないため、間に他のユニットがいてもお構いなし! そして、【ドカン・バコーン】と同じく、もともとフリーズしていても、リリース状態に・・・! この奇襲能力は、なかなか楽しめそうですよ。
ケルピー 半馬半魚のモンスター・・・昔からのファンタジーファンならお馴染みでしょうが、知らない方のために、ちょっと説明を。 元々は、スコットランドの水辺の妖精(妖怪)。前半分が馬で、後ろ半分が魚という姿をしている。そのまんま想像するとヘンだが、実際には実に美しい姿のモンスターで、よく、紋章や旗に描かれる。 獣木野生の“THE WORLD”三巻で王の化身として出てきたケルピーなど、果てしなく美しいと思うが誰も知りませんか(笑)
D-0では、半透明の皮膚の下に、転移装置が透けて見えるサイボーグ馬として登場。どんな絵になるのか楽しみです。
で、このケルピー、名前が【ハイタイドセイコー】【リュウグウテイオー】などという・・・「をーい、どっかで聞いたぞー」ってルールで付けられてます。 オレ 「中村さん・・この前もいったような気がしますが、あんた、アホでしょ(関西人としては、誉め言葉)」 中村さん「いやいや、そのまんまじゃないですよ?!ちゃんと少し変えてますから」 そーゆー問題か。 で、最近見せてもらった【リュウグウテイオー】のフレーバーテキスト。 『リュウグウテイオー、強い波をもろともせず、十馬身以上の差をつけて、一着でゴールイン。圧倒的な強さです!』 こりゃ確信犯や(笑)
セイレーン 人魚。青の大陸の女性ユニット担当(笑) その魔力を使い、ユニットを召喚する・・・ って、ゲームにするとすごい能力(具体的にはまだ秘密)を持っています。はっきり言って、一つの戦術の中心となるほどに強力な能力で、青のキーカードとして使われる事になると思います。 10月26日発売の、“ビフォアセンチュリー”に早速入っているので、お楽しみに。コイツが起動し始めると、プランがとんでもなく使いやすい事に・・・!
バードマン 青の大陸の主役。鳥人間。空中都市に住んでいて、世界中をめぐる交易商人として活躍しています。 若干コミカルに描かれるらしいが、美形も出てくるでしょう。 実は、この戦いの元凶も、こいつらの中にいたりして・・・本製品が出たら、フレーバーテキストから読み取ってみましょう。
能力的には、商人だけに、ドローに関したものが付随していたりと「もうかりまっか?」って感じ。ドローなだけに、人気のカードになるでしょう。 しかし・・・どれくらい強いかどうかは、使ってみてのお楽しみ。
ブリザード 竜巻の魔法生物。 自分が破壊された時、レベルに応じて、相手のユニットをデッキに戻す能力を持つ。 この鬱陶しい能力をかわすには、バトルに入る前か、ダメージスタックを解決するまでに、火力ストラテジーか直接除去で排除するしかありません。 ユニットのパワーの大きさが役に立たないので、強力な相撃ち能力です。
シルフ 空中飛行生物。この世界では、偵察に使われるそうです。
クラーケンとはまた違った感覚の転移能力を持っていたり、単純に移動が早かったり。青の大陸の純粋な機動性を表すユニット。 その分パワーが低いのはもちろんですが、普通とは違う盤面の使い方が出来て、奥深い攻防や、「引っ掛け」が楽しめます。 青の大陸を使いこなすなら、将棋の盤面を読みきるような、移動のエキスパートを目指したいですね。
その他、ストラテジーやベース 移動をコントロールする、強力なストラテジーが楽しいのなんの。 特に、2つのユニットの場所を入れ替えるストラテジーが僕のお気に入り。 「そちらの【グリン・リベット】に【魔弾の射手】をぶつけます」 「そんじゃあ、【グリン・リベット】とこっちの【ロマネ・コンティ】を入れ替えます」 「あれー!」 って使い方がベストですね。
ほか、オフィシャルでも発表された【グッバイ・マイエンジェル】などのバウンス(手札戻し)カードも重要。 なにしろ、このカードゲームでのバウンスは、普通のゲームと違い「わざわざ歩いてきたカードを手札に戻す」ことができるのですから、その効果は絶大。
しかし、何と言っても注目は、ドローカード。その名も、【益々繁盛】!! 「スマッシュフェイズに入りまーす。」 「じゃあ、巻き戻して【益々繁盛】しまーす」 といった宣言が、よく行われる事になるでしょう。 この【益々繁盛】、おそらくは多くの人が「ドロー!? 強いんじゃないの?!」と思われる事と思います。 もちろん、ドローですから普通に使われると思います。 しかし、ドローだけしてれば勝てるというものでもありません。 それは、長くプレイしているうちに、わかっていただけると思います。
その他、ベースカードは、ドローを強化する物や、特殊な移動に関するものがあったりして、トリッキーな物・一撃必殺なもの・持久戦に効果を発揮する物があり、他の色のような単なる強化系と違った、個性的な戦術が楽しめます。 青は、純然たる戦闘力ではなく、奇襲性と速度、そしてアドバンテージで戦う色と言えるでしょう。 |
■05/10/14 はたらくおじさんの章・第4話「ディメンション・ゼロにおける当社のお仕事」
○ルール問題のフォロー 今まで販売してきたカードゲームで、時折エライ目にあってきたブロッコリーさんですが、実はこの辺、一番何とかしたいとお考えだったのが、当の木谷会長です。
「ルールを一番しっかりとしてくれるデザイナーは誰か?」 と聞かれ、僕がお答えしたのが中村聡さん。
そんなわけですから、今後ディメンションゼロでルール上何か問題が出てきた場合、デバックを受け持つ僕達(有)遊縁と、中村さんの(有)遊宝洞のお仕事になる訳です。
今までは、単にショップとして、「このカードはルール的におかしい。エラッタを出して欲しい」と言ってる立場でしたが、今後はそれをいち早く見つけ、エラッタを出す側に(笑) 基本的には、そんな事の無いように頑張ります。 が、印刷の工程でどこかの大切な一文が抜けてしまったり、数値の記載ミスが起こったりするのは、現実にはどうしても起こりうるミス。 そういった事があった場合、とにかく早く対応させて頂きます。
拡大解釈されないように、念のため書いておきますが、「このカードは強すぎるぞ! エラッタを出せ!」という意見は、本当に人によって様々あり、全部聞くとカードが無くなってしまう(笑)ため、なんでも受け入れられるものではありません。
遊宝洞様と僕達のテストプレイで、強さのバランスは充分にとったつもりですし、発売後も皆様のご意見を頂き、「このカードはなぜこんなに強く作ったのか?」などという意見に対しては、できるだけこのホームページやオフィシャルで、お答えさせて頂きたいと考えています。
その上で、もし、ユーザーの方々にとって、どうしても納得のいかないカードがあったのなら、ぜひそれを使って全国大会で結果を出し、本当にそのカードが危険な強さなのかどうか、実証してみて頂きたいと思います。
もう一つ。なんだか木谷会長、すごい事言ってましたよ。 エラッタの出たカードは回収して、書き直したものと交換するとか。本当だったらすごい事です。他のメーカーもやってくれるようになるかも(笑)
○プレイを続けるための目的 ブロッコリーさんの言う、カードゲームにおけるインフラ。 その中のひとつ、「カードゲームを続けてもらうためのインフラ」について。
カードゲームをなぜプレイするか? それは、仲間と楽しく遊ぶため。 カードゲームをプレイする目的のほとんどはこれでしょう。
しかし、仲間がいなくなったら? 仲間がそもそもいなかったら?
それに対して、“場”を用意する事で、仲間を作っていただこう、というのがブロッコリーさんの・・いや、デュエルスペースを持つすべてのお店の考えです。 また、“機会”を作る事(大会など)で、仲間との付き合いを続けてもらって、モチベーションを維持しようとも考えます。
ディメンションゼロでは、これにさらにプラスアルファします。 小学校から中学、少し大人の仲間に入る高校になっても、カードゲームをプレイする事自体が、恥ずかしくならないようにしようという。 そのためのプロ制度、賞金なのです。 こういう事が、「価値を創出していく事」なのではないでしょうか。
ところで、プロ制度ですが、なんだか勘違いして心配している子供たちがいらっしゃるようです。 「カードゲームのプロになったら、学校に行けなくなるの?」とか(笑)
ええとですね。プロって言うのは、「それでお金をもらう人」の事で、「そればっかりやってる人」事じゃないわけです。 例えば、ボクシングのプロの人も、実際には別の仕事を持ってる人が多いですよね。 中学生で、将棋のプロ(4段)もいました。
だから、今の生活が変わるとか、全然心配しなくて良いわけです。 プロになるのも簡単。ただディメンション・ゼロで、勝ち続ければ良いだけ。シンプルです。
ただ、未成年は、お金をもらうために保護者の方の許可がいるため、大会で勝っても、お母さんが「賞金はいりません」と言ったら、賞金はもらえないしプロになれません。 ちゃんと保護者の方に認めてもらってくださいね。
さて。 「はたらくおじさんの章」を連載4回にわたって書いてきたことで、ブロッコリーという企業が、かなり一貫して「人々が快適に遊ぶ事の手伝いをしたいと考え、そのように働いてきている」という事が、おわかり頂けた事と思います。 もちろん、成功・失敗繰り返しつつの事だったと思いますが、少なくとも理想と目的はぶれずに、まっすぐな企業として進んでこられたのではないか、と、友人として思います。
友人・・偉そうだな。ウチは比べ物にならないぐらい小さいし(笑) でも子会社でも、部下でもないしなぁ。 なんて言ったらいいんでしょう? 会社が会社に惚れて同盟? うーん。
ブロッコリーさんが、ネットゲームの“ガンホー”と組んだのも、人同士が遊ぶ間をつなぎたいという、その考え方があったから。 ネットゲームで遊ぶのも、カードゲームで遊ぶのも、人と人がコミニケーションを取る事で生まれるエンターティメントの世界。 ブロッコリーさんは、デジタル方面でネットゲーム、アナログでカードゲームと両方を扱い、どちらにとっても必要な、「人同士が楽しむために必要なサービス」を、ノウハウとして積み上げていらっしゃるようです。
どうも企業というと、「金儲けのための組織」とシンプルに考える人もいるようですが、僕も会社を立ち上げて、社長になってわかりました。 金儲けが存在理由の企業など、社会に「生かして」もらえません。 人間が社会に「生かされている」のと同じように、企業も社会に「生かされている」のですから、社会のための組織であるべきです。 社会にとって、必要でなくなった時(ニーズがなくなった時)、消えていくもののような気がします。 ブロッコリーさんが企業のテーマとする、「コミニケーションエンターティメント」は、まさにこれから社会に必要とされるもののように、思います。
4回にわたる長い記事をお読み頂き、ありがとうございました。
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■05/10/13 開発秘話 第2話 大阪ユーザーカンファレンス・続き
さて、実際のカンファレンスの流れに乗せて、解説していきましょう。
まず、会長、中村さん、僕の3名から挨拶。 中村さんが短く挨拶されたので、僕もべらべらと話す訳にいかなくなり(ぬう。名人め。ほっといたらべらべらしゃべるオレに対し、フタをしおったな)、 「テストプレイヤーの池田です」 としか自己主張できず。ワシの事を知らん人には「正体不明のチビ」としか思われなかったのでは?
続いて照明を消して、東京で行われた制作発表会で流された、プロモーションビデオを上映。 これがカッコいいの何の。 見た人はご存知でしょうが、一気に“ディメンション・ゼロ”のイメージが叩き込まれます。 BGMはオリジナルではなくて“PRIDE”のテーマなんですが、それがもう“ディメンション・ゼロ”のハード&真剣勝負なイメージに合うの何の! このフィルムで始めてみるイラストなんかも出てくるので、みなさん画面に釘付け。滅茶苦茶カッコいい。 このフィルムは、近々オフィシャルホームページからダウンロードできるようになる予定だそうで、とても楽しみ。店頭で流すと良さげです。
ビデオ上映後、会長から、“ディメンション・ゼロ”プロジェクトそのものについての説明。 ここでどーゆー訳か、掛け合い漫才になる。
会長 「我々が、正直言って、今までのゲームで失敗してきた点などの、反省点をフィードバックし、ユーザーに満足してもらうための商品として作り上げた、自信作です!
ゲームの中身そのものも、中村さんに最高の物を作って頂いたと思います。・・ついでに、池田さんにも、色々アイディアを出してもらい・・」 オレ 「オレはやっぱり、ついでなんですか!」 事あるごとに、オチとして流用されるオレ。キャラクターに合った扱いとはいえ、大阪ならではの雰囲気と言えよう。
説明した内容については、以下の通り。
○公式大会の運営方法について DPA(ディメンション・ゼロ プレイヤーズ・アソシエーション)を設立。 これについては10月下旬に記者会見予定。
賞金のかかる“競技”であるから、小売店で公認大会を行うにしても、不正に対する罰則を含めたしっかりとした規約を告知しておく。 しかし、何と言っても出たばかりのゲームであるから、徐々にきちんとした運営の出来るところを育てていくという事で、最初は様々なトラブルが起こる事もありうるだろう。これは、皆さんと共により良い道を固めていきたい。
ルールに詳しいジャッジも、全国で養成するには時間がかかるであろうから、土・日・祝もフォローを続ける、ルールサポートセンターを作る。大会運営者は、わからない事があった時も、大会中に電話すれば解決。
○構築済みデッキ第2弾の発売を急遽発表した事について 会長 「第1弾があまりに好評で、しかもやりこむ人が続出。本製品が出るまで2ヶ月も間が持たないと考えたので、前倒しで発売する事にしました」
オレ 「よーするに面白すぎたんですよ。予期はしていたので、『プロキシーを作って色々試せるよう、カードの情報を順に告知していくと良いのでは?』って話してたんです。 構築デッキをもう一つ、間に挟むって言うのは、さらに良いですよね。デッキを改造して遊べるし」
○自爆解説(笑) ルールブックが分かりにくい事について ここで中村さんとオレ、平謝り。 中村さん「説明書を作ったのは我々なんで・・申し訳ございません」 オレ 「中村さんに相談を受けておきながら・・それほど力になれなくて。いやぁ、こりゃ絶対、漫画での解説がいりますねぇ」 会長 「しかし、これがすごく難しい。まず、“ディメンション・ゼロ”のルールを漫画家さんに理解してもらわないと書けないし」 オレ 「コンテを誰かが書くのもアリですが。 とにかく、今後、この、全く新しいが故に理解されにくい面白さを伝えるため、出来る事は何でもしたいと思ってます」
その他、長く楽しくプレイしてもらいたいため、プレイヤーの意見を真摯に受け止め、出来得る限り反映すると、中村さんからのお話。
僕からも、 「テストプレイは僕達も行いましたが、そもそも中村さんが、すごくシステマチックにゲームを作っているので、“狂った”カードは存在していないと思います。 しかし、人や状況によって、『このコストは軽すぎる!』とか『この能力は強すぎないか?』といった印象を受ける方もいらっしゃるでしょう。 例を挙げると、ドローカードや手札破壊。情報が発表されたら、絶対に、『コストが軽くて強すぎる!』という方がいらっしゃると思います。 ぶっちゃけると、確かに強いのですが、決して強すぎとは判断していません。 ですから、『アレがおかしい、コレがおかしい!』と思われたら、ぜひそのカードを使って、勝っていただきたい。我々は、その結果を率直に受け入れたいと考えています」 とコメントを。
さて、その後が本番。質問のあるお客様に挙手して頂き、質疑応答。
○来場者からの質問 Q:『ビフォア・センチュリーストラクチャーデッキ』と『ファースト・センチュリーベーシックパック』で、どのくらい種類が重なるのか? A:全て重なります。各レアリティーの封入率はパックと同じです。【ロマネ・コンティー】と【メテオブリンガードラゴン】がレアです。
Q:雑誌に付いているプロモーションカードは後々手に入れにくくなりますが、雑誌にプロモーションカードを付けたりしますか? A:・プロモーションカードはあまり出すつもりはありません。出しても、使われるようなカードにしない。 ・プロモーションカードがないと勝てないようなことにはしない。(中村氏) ・ぶっちゃけ、激弱いカードにするって事ですわ。(池田)
Q:本製品版はホイル加工をしたりするのですか? A:競技性を重視するため、それはありません。
Q:効果の割り込み解決が分かりにくいのですが。 A:・申し訳ありません。ルールブックやホームページをより分かりやすくします。 また、リプレイコミック等で入門しやすく努力します。他のゲームの良い所も取り入れていくつもりです。(中村氏) ・ルールに精通している方と一緒にプレイしながらゆっくり覚えていくのも良いのではないでしょうか。つまり「習うより慣れろ」です。(会長)
Q:全国大会の予選店舗の公平さを保てるのか? A:・大会中に疑問が発生した場合でも、すぐに本部と連絡をとれる状態にし解決に臨みます。(中村氏) ・運営面をしっかりし、充実させたい。決勝大会はさらに厳しく管理し公平さ、競技性を維持していく。予選で不正が発覚した店舗には1年間公認大会の禁止など厳しい処置を行う。(会長)
Q:パック内のレア封入率は? A:レア、アンコモン、コモンが1:3:6の割合で入っています。
Q:各色に対する色限定対抗カードはあるのですか? A:ありません。色の相性は出にくいようにしました。
Q:割り込み解決はMTGのスタックと同じように解決されるのですか? A:互いが「これ以上何もしない」と言うまで解決は始まりません。 上に積まれた効果を1つ解決したら、また互いに「何もしない」と言うまで、割り込んで効果を積むことができます。
Q:全国で大会は開かれますか? A:少ない所は声をかけて増えるように努めております。
Q:全国大会の代表になった場合、会場までの旅費は出るのですか? A:・4大トーナメントは出す予定はないが、特別な大会の場合は出したいと思います。(会長) ・32位でも2万円の賞金が出るので、プロを目指してドンドン参加してほしいです。(中村氏)
Q:同人カードを作って良いですか? A:作るのは結構ですが、販売はしないでください。
これは、オレからも強く言っておいたつもり。 例えば、ディメンション・ゼロの品位を下げる事にならないか、よく吟味して欲しいと。 オリジナルで、下品・下劣なカードを誰かが作って、それをよく知らない人が見た場合、「ディメンション・ゼロってカードゲームには、こんな下品なものなのか」と思うだろう。 それはつまり、ディメンション・ゼロをプレイする人全員が、その人にとって、「下品なゲームをやってる奴等」になるという事。 センスの悪いオリジナルカードを作る奴は、カードゲーム全体に仇を成していると言える。
○よくある質問に対して会長から 「これからどういったプロモーションをしていくのですか?」という質問をよく受けますが、実はプレイヤーがプレイヤーを誘うことが一番効果的なのです。 マスなPRはあくまで安心感でしかない。だから興味を持った方に直接面白さを伝えるのです。 また、カードゲームはゲーム内容とインフラが大切なのです。 ゲーム内容には自信がありますので、インフラ部分を充実させていきたいと思います。 その他に、例えばカードゲーム喫茶といったような手軽にプレイできる環境をつくりたいと思います。 カードゲームはオタクだけのものじゃない、皆が手軽にプレイできるものにします。(カードゲームという文化を世に広める)
○最後に一言 ・長く続けられるゲームにしたいです。遊びの選択肢を増やしたい。(中村氏) ・毎朝ディメンション・ゼロの会議をしています。それだけ力をいれています。開発責任者がやらなきゃ分からない、苦労しなければ分からない部分をインフラに生かしていき充実させます。(木谷会長) ・TCGをどこにいってもできるように、TCG文化を広めていきます。(池田)
その後、大阪選手権大会開催を発表。他の県の大会に先駆け11月に開催。ここでノウハウを積み今後に生かしていく。(現場のユーザーの意見により、他県のユーザーも参加ОKという事に!) 最後に参加者の方と一緒に写真撮影を行い、無事終了しました。
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■05/10/12 はたらくおじさんの章・第3話「“機会”について。脱線してアクエリアンエイジの悲劇とこれから」
「ブロッコリーは、カードゲームを売るメーカーの責任として、“場の提供”“機会の設定”“ルールサポート”“ゲームを続ける目的の添付”を考えている」 その“機会の設定”について。ブロッコリーさんはどう考え、実際になにをしてきたのでしょうか?
カードゲームは主に、友達同士、仲間同士で遊ばれています。 が、それが日常だとして、非日常、いわゆるハレの日、祭りが時には必要です。 そのためには、全国大会などの、大掛かりなイベントが必要でしょう。
それについて、「実はすごい事をやっていた」というお話を。
カードゲームのイベントは、
商品発売 ↓ ユーザーが増える ↓ 腕試しがしたいという欲求が高まる ↓ 公式大会のルールが制定される ↓ 各地で試験的に大会が行われる ↓ 大会規定が制定される ↓ 全国大会が行われる
という流れがほとんどで、つまり、 「うまくユーザーが増えたら、それにあわせて大会を行う」 という、ユーザーの欲求に対してのメーカーのサービスとして行われてきたものでした。
が!
ブロッコリーさんが最初に発売した“アクエリアンエイジ”(以下アクエリ)! これは実は凄かった! なんと、発売前から、発売後半年間の全国大会スケジュールが、前もって告知されていたのです! つまり、「キチンと大会を運営します。遊んでいただければ、その結果を出す機会をご用意いたします」と、最初から明言していたのです! むろん、発売前にこんな事をやったカードゲームは当時、世界初(多分)。 僕も当時かなりびっくりしました。
個人的な見解ですが、ブロッコリーさんにとって不幸な事は、“アクエリ”というカードゲームが、根本的にそうした「キッチリとした大会運営」に相応しいカードゲームではなかった事。 また、そもそもカードゲームという物が、できたばかりのシロモノで、「デバッグやテストプレイが重要で、ゲーム性の維持のためには様々なフォローが必要」という、今では常識的なことが、まだあまり知られていなかったという事実があります。 おかげで、「ブロッコリーのカードゲームはいいかげん」といったイメージが、少なからできてしまったのも事実。 だから“アクエリアンエイジ”プレイヤーからは、 「ブロッコリーの目指しているモノと、プロモーション活動は立派だ。 だが、アクエリアンエイジという商品と、ブロッコリーの理想はかみ合っていない」 とよく言われていたように思います。
ブロッコリーの本気度が伝わっていたからこそ、アクエリには、ボランティアでジャッジにまでなる、熱心な「本物のゲーマー」が集い、カードゲームをより良くしていこう、と活動してくださっていたのですが・・・(Bレギュの時、本当にそう感じました)一番大切な、ルールの制定にいい加減すぎるところが残ったままでは、いくらジャッジとブロッコリースタッフが一生懸命船を漕いでも、全然進みません。
僕も以前はずっと、傍から見ていて「何やってんだ?」と思ってましたが、ようするに当時、ルールを修正する権利はブロッコリーには無く、外部のデザイン会社にあったため、どうしようもなく手出しできなかったというのが事実のようです。 どんなにユーザーとジャッジの方々が、「こんなルールじゃ遊べない! 何とかしてくれ!」と言っても、それを聞き入れて修正していく権利が、事実上ブロッコリーに無く、製作権は全て、制作会社にあったって事。 で、「そんな外部の会社にゲームを作らせなきゃいいじゃん」という、単純な問題なら簡単だったのですが、もともと向こうの物なんだから仕方ない。
しかし、現在、アクエリアンエイジは、そういった泥沼からようやく脱出し、ゲームデザインに対し、ブロッコリー側から、しっかりとカードゲームの事がわかっているスタッフ(カードゲームのヘビープレイヤー)が何人か付くようになりました。
これは実は、僕からお願いした事だったのですが、Bレギュの活動があったから、何とか代わりにできた事です。一見、関係ないように見えますが、実際のところ、「Bレギュに協力してくださった方々の後押しがあったから出来た事」なのです! 詳しくはまた、いずれかの機会に書ければ・・と思います。賛同してくれた皆様、本当にありがとうございました。
とはいえ、あまりにも“負の遺産”が多く、何しろ2600を超えるQ&Aや、「同時解決ルール」の規定を作ったりと、整理することが多くて物理的に超大変(笑)。 まだまだ完全に整理されるまでには時間がかかりそうですが、とりあえずアクエリは、「サーガIII以降で遊ぶ分には遊べるゲーム」になって行くのではないかな・・だったらいいな・・と見ています。
だいたい、あれだけ熱心なプレイヤーに愛されているゲームが、このまま消えるなんてもったいなすぎますし、会長にとってもアクエリは、思い入れの深い、わが子のような商品。しっかりとしたルールサポートの上に、もう一度盛り上がってくれる事と、信じています。
脱線しましたね。 カードゲームを遊ぶ“機会”を作る、という事では、ディメンションゼロも、発売後1年間の全国大会が企画されている事実からもわかる通り、しっかりとフォローされていると言えるでしょう。
また、ルールサポート、ゲームバランスやトーナメント環境のコントロールについては、「絶対にお客様の満足のいくものにしたい!」という会長の希望を受け、遊宝堂さんと当社・遊縁で、クオリティを維持していきたいと考えています。
と、いうか、実は連日、ブロッコリー社内で社員同士、“ディメンションゼロ”がプレイされておりまして、業界でもまれな、「メーカーの人達が、カードゲームを知っている」という状況になっております。
担当でもない人達が、「あのカードはどーだかこーだか」とか言い始める始末なので(笑)、今後、自動的に徹底テストプレイされる事になるでしょう。こりゃあ便利です(笑)
それに、会長の頭の中には、少なくとも今後3年間の展開が計画されているようです。楽しみですね。 (そりゃ全然売れなかったら物理的にムリだけど)
次回は、「ルールサポート」について。 僕達の仕事でもあるところですね。 |
■05/10/11 開発秘話 第1話 大阪ユーザーカンファレンス【レディ・ハートブレイク】イラスト公開!
先日、大阪で行われた“ディメンションゼロユーザーズカンファレンス”に、僕もコメンテーターとして参加させていただきました。
参加者数は、数えてみると、60人近く。延べ人数で言えば70人はいらっしゃったでしょう。
大盛況だったと言えます。
東京では30人、名古屋で20人ちょいだった事と比べると、大阪の60人はいきなり倍以上。いやあ、来てよかった。
実は僕、本当に参加してよいものかどうか、当日までずっと不安だったんですよ。
東京でのカンファレンスでは最初から呼ばれていたんですが、名古屋ではお声が掛からなかったので。
それで思い切って、「今度の大阪・・僕も行っていいんですか?」と聞いてみたところ、
「え? そりゃ、来れるんだったらぜひきて下さいよ!」
という、拍子抜けの木谷会長のお言葉。
それで、2週間前から予定していたのですが・・・・
いつまでたっても、オフィシャルサイトに、「大阪ユーザーズカンファレンスに、池っち店長参加!」とか告知されない!
「もしかすると、本当は邪魔なのかしら。それともオフィシャルホームページの人は、僕の名前を出したくないのかしら」とか心配に。
だって、オフィシャルサイトに載ってないのに、自分のホームページでだけ告知したら、ヘンじゃないですか。
しかし木谷会長に電話すると、「大阪の件、お願いしますよ!」と念を押される。
一抹の不安を秘めたまま、当日、大阪梅田のゲーマーズに行ってみると、梅田店の店長さんが、
「あれ? 池田さんじゃないですか?! なんでいらっしゃったんです?」
会場の店長も知らんかったんかい。
「もしかして、僕・・・いらない子?」
ポスターを見ると、
『会長・木谷孝明、ゲームデザイナー・中村聡、来店!!』
と書かれています。
おもわずサインペンで、
『オマケのいけっち店長も来店』
と書き込む僕。ヘコミ度MAXです。
しかし、近所の漫画喫茶で時間を潰し、会場時間に訪れてみると・・・
いるわいるわ、参加者の皆さん!
君達、言っとくけど、ゲストはむさい男ばっかりなんだぞ? 平野さんは来ないのよ?!
そして、久しぶりに聞く関西弁のイントネーション・・いやぁ、泉州人のDNAが呼び覚まされましたよ。思わず会長と2人で、漫才みたいに話してましたね。
突っ込み役の中村さんは大変だ。
「しかし、女っ気が少ないイベントですねぇ」
「けけけ。そう思って、ただ今ハリーに命じ、記事用に頂いていた“サキュバス”のイラストを送信させました。
(パソコンを取り出し)さあ皆さん! お待たせしました! 本邦初公開、【レディ・ハートブレイク】のイラストです!」
サキュバス【レディ・ハートブレイク】
(イラストはクリックで大きくなります)
うおおおおお!(どよめき)
「はいはーい、写真撮影は後ほど。はいはい、胸の谷間をクローズアップしたり出来ますよー。君々、かぶりつかない。踊り子さんには手を触れないで」
とか、こんな調子。
普通、ユーザーズカンファレンスは、もっと真面目な物のはずなんですが・・・大阪の気風のせい、としておきますか。
「ユーザーカンファレンスって、なんじゃい?」という方のために、ご説明。
新商品を売り出すときに、お客さまを呼んで、質問していただき、それに対して企業側が説明する事。
もちろん答えにくいところをを遠慮なく突いてくる人もいるので、それに対して堂々と答えられるものでなければ、カンファレンスは行えません。
つまりコマーシャルの一環なんですが、企業側が、「この商品は、自信を持ってお勧めできる、全く後ろめたいところの無い自信作です!」と言える商品ということを示す、正々堂々としたプロモーションな訳です。
ユーザーの声が、ダイレクトにつたわり、企業側の反応が、その場で即座に確かめられる手段と言えるでしょう。
しかもこのディメンション・ゼロの場合、販売会社の会長御自らと、ゲーム作成のデザイナー自身が出てくるのですから、ごまかしようがありません。
ウソついたり、腹黒いものを持っている人間は、長時間話ているとやはり態度に透けて見えます。ユーザーも、直接会えば、それを見逃す事は無いでしょう。
ディメンション・ゼロのカンファレンスは、大いに盛り上がりました。
僕たちの熱意と本気度は、伝わったと思います。
どんな質問があって、どうお答えしたかは、次の機会に。
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■05/10/07 はたらくおじさんの章・第2話「デュエルスペースは、カードゲーム市場を育てている」
前回書いた、
「ブロッコリーは、カードゲームを売るメーカーの責任として、“場の提供”“機会の設定”“ルールサポート”“ゲームを続ける目的の添付”を考えている」
というお話。今回はこれの具体的なお話を書いていきましょう。
木谷会長は、カードゲームユーザーのために、本当のところいったい何をしてきたのか?
場の提供
ブロッコリーの直営店・ゲーマーズには、ほとんどの店にデュエルスペースがあります。
自社のカードゲームを売るためだけでなく、他社のカードゲームも分け隔て無く、ほぼ毎週大会を行っています。
「カードゲームを売るからには、それを楽しんで頂くための場所を提供するのは、メーカーの義務だ」という事だそうです。
実際、ここをご覧なほどカードゲームが好きな皆様なら、デュエルスペースがあることの便利さはご理解いただけると思います。
そうは考えても、実際には何の商品も売らない(生産性の無い)デュエルスペースなどという“空間”を店の中に作るのは、家賃やスペースの都合というものがある以上、普通のメーカーにはなかなかできる事ではありません。
ものすごい理想主義。金だけが目的の企業なら絶対にやらない、とんでもない商売の仕方です。
ですからブロッコリーは、デュエルスペースのある、いわゆるカードゲーム専門店にも、特別に好意的です。
専門店に商品説明会の案内を出したり、特別イベントの公募を募ったり。
掛け率
「高い」と言われる掛率問題に関しても、それが小売店救済の一環であることも明言しています。
僕も最初は、仕組みが全く理解できず、
「なんで掛率をあげる事が小売救済になるのやら。儲けたいだけじゃなかろうか?」
と少しは考えたのです。
ですが、確かにああする事で、“量販店”という、客引きのためだけに場合によっては仕入れ値以下でカードゲームを売ることで業界を蝕んでいる要素を、追い出す事に成功しています。
実際に量販店競合がきついカードゲームショップでは、ガンダムウォーなどが全て量販店などで買われてしまい、そちらに流れないブロッコリー商品で活路を見出しています。
当徳島店の周りには量販店が無かったので、全然メリットがわかりませんでした。
実際に目の前に量販店の電気屋ができて、そこでまったく電気商品と関係ないのに、客引きのためだけにほぼ仕入れ値でカードゲームを売られてみればわかります。カードゲーム屋をやるのが情けなくなりますよ。
一生懸命、カードゲームの楽しさを伝えようとしてるのに、全くカードゲームに愛情のない電気屋が、「ガンダムウォー1パック200円」(注・定価330円)とかで馬鹿売りするんですから。
で、掛率がブロッコリー商品のラインになると、原価にしても「驚きのビックリ価格」にならないため、インパクトのためだけに安売りしている量販店では、扱わなくなるという仕組みです。
ブロッコリーさんは、「たとえ大量購入してくれるとしても、市場を育てない量販店にはディメンション・ゼロを卸したくない」というつもりのようです。
そりゃまあ、量販店が問屋から直接仕入れる分には止められないでしょうし、「絶対」という事はないでしょうが、基本的にはカードゲーム専門店や、一般のユーザーの手に入りやすいところを優先して卸していくそうです。
で、掛け率が高い分は、プロモーションや、イベントに予算がまわっているのではないでしょうか。
またアクエリアンエイジなどでは、イラストにも、何だかんだで他のゲームと比べてものすごいお金が掛かっていると思いますし、大会を開けば商品としてBOXが送られてきます。
また、あまり知られていない事ですが・・・カードの“中”に、すかし防止の紙が入っているゲームは、僕は今のところ国産ゲームではアクエリしか知りません。
ディメンション・ゼロの表面に塗られている“蝋”も、無論タダではないでしょう。
先の『場の提供』の話とも重なりますが、カードゲームショップを重視している、という点では、実際にブロッコリーさんほど、カードゲーム専門店の意見を聞き、会長自ら脚を運び、近づこう、協力していこう、とするメーカーは無いと思います。
普通のメーカーは、先に問屋・量販店など、自社商品を物理的にたくさん買ってくれるところに行くのが当たり前ですよね。
それよりも先に、デュエルスペースのある所、お客様の“場”を作ろうとする店に対して会長自ら脚を運ぶ、というこの事実が、単なる口だけでない、本当の理想を実践している姿を現していると思います。
ただ単に、カードゲームが流行っているから、作って売る。そう考えているメーカーに出来ることではありません。ブロッコリーさんには、少なくとも、「カードゲームを作り、その市場を育てたい」という、企業理念があるという事が信じられます。
次回は、『機会』について。
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■05/10/06 ゲームデザインの章・第2話「各大陸の簡単な紹介・赤の大陸」
太古戦争によって破壊された、機械文明の廃墟が広がる赤い大地の荒野。
それが赤の大陸です。
半壊しつつも、未だ活動を続けている“遺跡”が各地に点在し、荒々しくも逞しい住民達が日々戦いを繰り広げています
。
イメージイラストで見た世界観は、砂漠に埋没する近代都市の残骸が描かれたりしてます。
以前、遊宝堂さんにお邪魔して、ゼロの世界設定をお聞きした時、
中村名人「コンピュータゲームなどでよくある、“日本的ファンタジー”の世界観にして、万人に受け入れられ易いようにし
てみました」
俺 「なるほど。ファンタジー+機械、ぶっちゃけ“バ○タード”ですな。
日本人は漫画を色々読んでるから、『何々みたいな』っていう話で一発で通じる。便利だなぁ。日本人でよかった」
という会話があったのですが、本当に、事前知識が無くても受け入れられ易い、「日本人的に良くわかるファンタジー世界
」に統一し、違和感や戸惑いなく受け入れてもらうための工夫としています。
例えば、“ドラえもん”ならば、みんなどういう話(世界)なのか、最初からわかっているので、ゲーム化するにしても、そ
れらしい言葉、絵を想像する事ができます。
しかし、“ディメンション・ゼロ”は、原作漫画やアニメがある訳でもなく、誰もが知らない世界の話。
こういう時は、誰もが知っているような物に準拠した設定にして、まずは受け入れてもらう事が大切です。
例えば、「日本の戦国時代を舞台に」とか、「芸能界をモデルに」などですね。
最初からぶっちぎりの個性を持っていると、誰も付いていけません。
例えば、全然読んだ事の無い人に、いきなり『JoJoの奇妙な冒険』の第4部を見せても、「?」が連発でしょう(笑)。僕は
大好きですが。
“ディメンション・ゼロ”ならではの、これにしかないという個性は、何年かたって基本の世界観が広く受け入れられてか
ら、その上での話となるでしょう。
さて、赤の大陸に話を戻します。
ゲームの基本ストーリーでの、主役と言えるキャラクターがいるのがここ。
本製品のフレーバーテキストを読み解けば、ゲームのストーリーがある程度わかるように作られていますが、
白の大陸から送られた平和使節が、死の商人によって仕組まれた罠により、赤の遺跡から攻撃を受けて壊滅。
ただ一人生き残った【ピースキーパーエンジェル】の少女は、コロポックルの少年【マキリ】と出会い、戦争を止めるため旅立つ事を決意するが、時はすでに青を除いた、四つの大陸全てを巻き込んだ大戦争に発展していた・・・。
というのがストーリーの縦糸。
ちなみに、主人公“マキリ”のアニキが、ビフォアセンチューリーストラクチャーでも活躍している【大いなる刃タンネピコロ】!
「じゃじゃじゃ〜ん、ヒーロー見参! ま、ここはオレにまかせて、マキリはその子を連れていきな」
なかなか絵にピッタリのフレーバーテキスト。こりゃ人気でそうですよね。
さて、それでは各種族のご紹介に入り、そのあと、戦い方や能力のまとめと行きましょう。
ドラゴン
支配種族。古代の武装を身にまとう、赤の大陸で最も知恵と知識を持つ者。
【プラズマキッドドラゴン】のような火力発生能力や、【メテオブリンガードラゴン】のような直接スマッシュを持つものなど
がいる。
「ただ単にドラゴン」なのではなく、知的生物であることを表すため、必ず「鎧を着て」「武器を持っている」というルールで
デザインされています。つまり、アーマードドラゴン。
普通、アーマードドラゴンと言うと、でかい未来的な火力兵器を持ってると思ってましたが、大御所、開田裕治先生のイラ
ストによる、【アースブラスト・ドラゴン】を見てびっくり! 武器と言えば、原始的な槍を一本、持ってるだけ!
(ゲームぎゃざ11月号の、D−0の広告イラストのドラゴンです)
それが逆に、荒々しさをかもし出していて、新鮮・かつ、カッコ良かったり。さすが大御所です。
アーマードドラゴンのイメージが、さらに膨らみましたね。
コロポックル
遺跡のパーツを集めて、武装したり生活に使ってるジャンク屋みたいな人達。人間より若干、等身が低め。
攻めれば攻めるほど強くなる、そんな能力を持ってたりします。
ハーピー
赤の大陸の女性ユニット。攻撃的で、機動力がある。
えーっと、例の話、書いていいのかな。いいや、書いちゃえ(笑)。
〜以下、回想シーン〜
出来上がったフレーバーテキストの原稿を見ながら、中村さんと話す俺。
「中村さん、ハーピーに萌えキャラがいますね!」
「いえ? 萌えキャラはとりあえず作らないつもりですが・・・?」
「いや、俺はもう、このハーピーの“うらら”ってキャラが楽しみで!」
「は? どこにそんなキャラがいますか?」
「ほらこれ。【魔弾の射手】のテキスト。『うららの縄張りから出ていきな!』このうららちゃん」
「あーー、これは、『うちらの縄張りから』の間違いですねー。・・・消しときましょう」
「ああっ! 僕のうららが!」
〜回想シーン、ここまで〜
オレが黙っていれば、あのまま印刷されて、“うらら”が誕生していたのかもしれない、と思うと、悔しくて枕を濡らす毎日
(涙)
ごめんよ、うらら。オレが萌えたばっかりに。
サラマンダー
遺跡を守る戦闘機械。
子供達に、
「ねえ店長、【自走戦鬼大砲蜘蛛】(じそうせんきたいほうぐも)って、どこで名前を区切るの?」
と聞かれたとき、
「ジ・創戦記『タイホウグモ』、と読む」
と嘘っぱちを教えた事がある。
本当言うと、“何とか戦鬼”と始まり、“韋駄天丸”とか“雷神丸”と、何とか丸、と付く名前が多い。
【剣豪戦鬼戦神丸】とか出ないか。シバラク先生〜!
トロール
大体のカードゲームでは、巨人族というと、パワーのわりには地味なキャラクターイメージですが、“ディメンション・ゼロ”
のトロールは毎回楽しみで仕方ない僕。設定
が面白いんですよ。
中村名人いわく、
「とにかくアホ、というイメージにするために『お前、それは違うだろう』という物を持たせたいと思います。
例えば、せっかくのバズーカ砲を、打撃武器として振り回していて、『お前それは・・・撃てよ』という風に」
名前も【ドカン・バコーン】とか【フンガ・フンガ】、【ウーゴ・ウゴルグ】とアホ丸出し。バイクを食べちゃったりして腹壊したり
。
「トロールはドラゴンにすら拳で立ち向かう。もちろん、頭が良ければそんな事はしない」
「トロールは大人になっても少年の心を忘れない」
というフレーバーテキストが、詩的でありながらアホで最高です。
フレイム
炎の魔法から生み出された、“魔炎”と呼ばれるモンスター。
速攻性に優れ、何とリリース状態で出てきたりする。
って事は、プランから出てきていきなり爆走、スマッシュ!
こりゃ今のデッキ同士の戦いからは想像できないバトルですぞ。
種族『フレイム』
ベース&ストラテジー
直接火力や、それを支援するベース、又は移動を助けるものもあったりして、選択肢は色々。
子供たちの大好きな“X点火力”もありますよ!
さて、まとめると、赤の大陸の戦い方は、
「自軍エリアにいる相手を踏み潰し、能力で一歩前に出て、効果でリリース状
態になるのでいきなりスマッシュ」(【ドガン・バゴーン】)とか、「勝った時スマッシュ」(【メテオブリンガードラゴン】)、または、“フレイム”のような速攻能力などで、計算外のスマッシュを与える奇襲性
火力呪文による直接除去
低めの移動コストを活かした機動戦術
が得意なようです。
シンプルに 「焼いて速攻」という物ではなく、「盤面の重要なポイントに穴を開け、そこへ一気に戦力を送り込む」という、
陣形を操る軍師のような、ダイナミックかつ計画的な戦いが楽しめるでしょう。
ディメンションゼロの“赤”は、とてもシンプルとは言えない、静かに燃える炎のような色ですね。
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■05/10/05 はたらくおじさんの章 第1話「カードゲームは、売って終わりのもので
はない」
カードゲームに親しんで育ってきた人たちの中から、 「カードゲーム業界で働きたい!」という人たちが増えてきたよう
で、そういったメールも何度か頂きます。
テレビゲームもそうだったように、「子供の頃からカードゲームで育った人たちが、カードゲームを作ったり売ったりする
時代」が、もうすぐやってくるのでしょう。
そこで、この“はたらくおじさん”のコーナーでは、“ディメンション・ゼロ”の製作・販売に関わっている人たちの事を書い
ていこうと思います。
まずは、ブロッコリーが、いや、木谷会長が、何を考え、どんな夢を描いてこの“ディメンション・ゼロ”というカードゲームを
製作したのか・・・
そして、「なんで僕達が、それに関係してるのか」を、これから何回かに分けてお話して、それをもって、“ディメンションゼ
ロ”へのご理解を深めてもらえれば、と思います。
なにしろ、「どんな目的で作ったか」を知らないと、「なぜこう作ったか」を理解しにくいものですからね。
えー、それと、ここから先、ブロッコリーさんの企業理念を色々書くことになるため、念のため先に明言しておきます。
1・ここでは僕達から見て「あぁ、こういうことをブロッコリーさんは理念として目指しているのだな」と思ったことを書くのであ
り、ブロッコリーさん自身が考えていることとはズレがあるかもしれません。
2・当(有)遊縁は、ブロッコリーの子会社でも何でもありません。
個人と個人が、単に気が合うから友人になるように、ブロッコリーと遊縁も、目的と夢が同じだからお付き合いしているの
です。(とはいえ、ブロッコリーと遊縁では、格が全く違いますが(笑))
ですのでもちろん、ブロッコリー様に限らず、他の会社とも同じようにお付き合いしたいと考えています。
それがカードゲーム業界のためならば、ですけど。我が社はそのために皆様に生かされている会社ですからね。
さて、以上のことをご理解いただいた上ではじめましょうか。
ちょっと難しい、高校生以上向きの記事かもしれませんが、カードゲームが好きな方には、きっと興味深く読んでいただ
けるものと思います。
「カードゲームという物は、実はインフラビジネスだ」
最近、ブロッコリーの木谷会長が、よくおっしゃる言葉です。
インフラというのは、交通・通信・電力・水道・公共施設など,社会や産業の基盤として整備される施設。
つまりインフラビジネスとは、「生活などのために必要なものを用意する仕事」ですね。
例えば、電気会社。例えば、道路を作る事。
こういった「あって当たり前、無くなった時に初めてその大事さがわかる」ようなものきっちり整備する仕事です。
で、カードゲームにとってのインフラとは、「遊べる場所や、しっかりしたルール」のこと。
ただ単にカードゲームを作って売ってハイおしまい、ではなく、そのゲームを遊ぶためのルールサポートを行ったり、全
国大会などのイベントを行ったりの、「売った後のフォロー」がカードゲームの本質ではないのか、と。会長はそうおっしゃる。
なるほど。全面的に正しいと思います。
一見、メーカーにとっては、「売った後のサービス」など、全くの無駄、ボランティアのようなものですが、メーカーがそう考
えている限り、ユーザーは安心してその遊びを続ける事が出来ません。「一体いつ、フォローが打ち切られるのか」って、心配ですよね。
デュエルマスターズの大きな大会・・例えばタカラボーイズフェスティバルなどに参加された事のある方なら、お分かりで
しょう。
タカラさんは、イベントにかなりの力を入れ、「前回よりも良いイベントを。次はさらに良いイベントを」と研鑽されています
。具体的には、ポイ捨てされていたゴミが減ったり、怪しげなバイヤーが減ったり。
そして、イベントで楽しんだお客様は、安心されるのです。「デュエルマスターズは、まだまだ元気だな」と。(ゲーム内容
は怪しくなってきましたが・・)
また、遊戯王も、週刊誌で漫画が終っても月刊誌やアニメは続き、「まだまだ終らないぜ!」とアピールしてくれています
。
こういった「まだまだ続けるよ」といったメーカーアピールを行なうゲームに対し、あるTCGのメーカーイベントでは、スタッ
フがユーザーにこういう事を言っていたそうです。
「メーカーはあくまでサービスでイベントを行っているのだから、ややこしい事は言わないでほしい」
これは「イベントをやってあげてるんだ」という立場からの言葉。
同じ事を言われた人が何人もいたようなので、たまたま心得の悪いスタッフがいたという訳でなく、そこの運営スタッフ
はそういうつもりでイベント運営しているという事なのでしょう。
両者の認識の差は明らかです。売った後のお客さまの反応を大切にし、次回につなごうとするメーカーと、売った後はオ
マケだ、というメーカー。
賢い消費者になるために、また、カードゲームそのものを舐められないようにするために、インフラ整備が頭にないメー
カーの商品は、できるだけ買わないようにしたいものです。
さて、木谷会長の話に戻しましょう。
会長は、メーカーが大会を主催するといったことだけでなく、カードゲームという物を、より長く遊んでもらえる商品にする
ために、もっと様々なインフラ整備を行なおう、と考えているようです。
「カードゲームを買って下さるお客さまは、カードそのものが欲しくて買っているだけではない。友人や仲間といっしょに遊
ぶ、『楽しい経験』を期待して、そのためのツール(道具)としてカードゲームをお求めなのだ」
「では、メーカーが期待されている事は、カードを作る事だけではなく、その、楽しむための“場”や“機会”を整備する事も
含まれているのではないか?
また、ゲームを続けるために必要な“ルール問題のフォロー”をサポートし、さらに“プレイを続けるための目的”を作り出
していく事も、メーカーの責任なのではないか?」
実は、ブロッコリーさんがここ数年に及び、続けてきた事は、上記のようなテーマが隠されていると思います。
その具体例を、次回は書き出してみましょう。
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■05/10/04 ゲームデザインの章・第1話、「各大陸の簡単な紹介・黒の大陸」
とりあえずまだ、コストや戦闘力などの、数値データは一切明かせません。書いちゃうとプロキシーを作って練習したりで
きますからね。
ディメンション・ゼロの競技の公正を守るためにも、それは絶対にできない事です。
色々と想像して、本製品を楽しみにしていただければ幸いと思います。
はるかな過去、超科学文明によって支配されていたディメンション・ゼロの世界は、破滅的な最終戦争の結果、その文明
の科学技術のほとんどを失いました。
数千年後の現在は、5つの大陸それぞれを特徴的な文明が支配しています。
○黒の大陸
あらゆる機械を腐食させる濃霧と、電子機器を狂わせる呪いに満ちた、暗黒の大陸。 ここでは、科学技術を復興さ
せようとする努力は全て徒労に終わり、かわりに魔法や呪術が発達しました。
世界観的に言えば、ゴシックホラーや伝記小説のような感じ。いやぁ、俺は大好きですよ。菊池秀行とか女神転生とか。退廃的
でハイソサエティー。
ヴァンパイア【真夜中の狩人ミュラー】
そこに住まう物たちは、
ヴァンパイア
支配種族。強力な魔法を操る。
中村名人いわく、「何が何でも美形」だとか。わかってるなぁ、名人。「たとえおっさんを書くにしても、少なくともアル・カポ
ネ」だそうです。
能力的には、墓地操作能力を持つものが多いのが特徴。
シャドー
高位のヴァンパイアによって生み出された魔法生物。
ドラクエのシャドーみたいなモンと言えばわかりやすいかも。
高い攻撃力を持つが、やはり影なので、すぐにかき消される。
ゴルゴン
闇の大陸に住む、致命的な能力を持つモンスター。まだ僕も絵は見た事無い。
レベルに応じた“即死”能力を持つ。
「剣で斬られた者は死にかねない。ゴルゴンに睨まれた者は必ず死ぬ」
サキュバス
女性型魔族。
この種族が含まれていると知ったときの、俺の喜びようたるやなかった。
俺 「サキュバスですか!」
中村さん「ええ。“夢魔”とか書くと、男の悪魔の“インキュバス”を書くイラストレイターさんがいるかもしれなかったので、
あくまで“サキュバス”です」
俺 「いいぞこのエロス! 最高!」
と、必要以上に盛り上がり、
「いやあ、中村さんに作ってもらって良かった! エンターティメントを実によくわかっていらっしゃる! サキュバスの導入
だけで、俺のディメンション・ゼロに対するモチベーションは5倍に怒張(?)したね」
とか、お前一体何のためにカードゲームやってんだ的発言をしていたのですが、ついにこの前、ユーザーズカンファレンス
会場で、サキュバスのイラストと対峙!
「か・・・かっこいい・・・!!」
確かにお色気担当(笑)ですが、直接的なエロスとは違い、何かこう・・匂い立つと言うか(こう書くともっとエロいな)・・エ
ロ関係なくて、カッコ良かったんですよ。
これはこれで良し! むしろ想像以上だッ!
全部のサキュバスがどうなるかわかりませんが、むしろこのままのイメージでいって欲しいところです。
関係ないけど、テストプレイのプロキシーでは、僕の彼女の似顔絵だったので、一気にイメージが変わりましたね。
こんなの↓
サキュバスの能力的は、相手の数値を低下させたりする、ねちっこいものがあります。吐息でゴーレムすら蝕むらしいで
すぞ。
ドール
暗殺人形。ビスクドールとかアンティークドールとかのデザイン。
“ローゼンメイデン”ってアニメを見ればわかるお。(間違った知
識)
飛び掛って、殺す。そんな能力が多いですね。
スケルトン
シャドーと同じく、魔法によって作られた存在。
人型に限らず、ドラゴン型とかもあり。
能力的には、手札破壊を持つ者が多い。
さて、このゲームで手札破壊が強いかどうか?
「強いに決まってるじゃねぇか!」と思われるでしょう。正しい。確かに強力。
しかし、「手札をほとんど持たない」デッキも実は組めますし、相手の手札が強力な時に使えないと効果的でないのも手
札破壊。
確かに強いが、絶対的ではない。そんな感じです。
さてそんな訳で、黒の能力は、他のカードゲームでも多いのでわかりやすい、「除去・墓地利用・手札破壊」が中心。
ユニットには、「軽くてでかいけど相撃ちする」とか「能力が強いが数値が小さい」という極端な物が多く、クセのあるユニ
ットを使いこなす戦術性が求められます。
移動コストはじゃっかん低めなので、特殊能力を使って受動的に動くだけでなく、奇襲性にも注目すべし、ってところかと
。
それでは、次回をお楽しみに。
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