トップデュエルマスターズ研究所第125回(2007.02.06)

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□“ブルーボルバル”直系速攻デッキ 「ブルーインパクト」
 
 
 《無双竜騎ボルバルザーク(10弾)》を決定的王座に押し上げた名デッキ“ブルーボルバル”。
 水文明のドロー加速を《青銅の鎧(18弾)》《シビレアシダケ(18弾)》のマナ加速に叩き込み、圧倒的アドバンテージを《ボルバルザーク》という「アドバンテージのカタマリ」であるフィニッシャーで締めくくる。
 
 ドロー&マナ加速というシナジーを徹底的に突き詰めたこのデッキ・タイプは、《ストリーミング・チューター(ドリーム)》というさらなるオーバーパワーカードを得て、《ボルバルザーク》を失った後も“牙サファイア”“チューターマナ破壊”等の時代を支配する最強デッキを生み出し続けました。
 
 新プレミアム殿堂により、《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン(ドリーム)》というフィニッシャーを失った“ブルーボルバル系デッキ”ですが、その、基本的に安定したデッキの“本体”が失われた訳ではありません。
 《ストリーミング・チューター》《青銅の鎧》といったスター・カードがある限り、どう形を変えても強力なデッキとなりえます。
 
 
 さて。
 
 前々から僕は、 
「どうせ“ブルーボルバル・システム”を使うなら、《サファイア》を出すよりも、もっと早い段階で攻撃できるデッキ・・・《紅神龍ジャガルザー(8弾)》や《呪紋の化身(7弾)》でフィニッシュに持っていけるデッキの方が男らしくないかなぁ・・・」 
と考えておりました。
 
 もちろん、どうせ作っても、地獄のような除去コントロールに対処できるものではなく、硬直化したメタゲームの一角に入り込むほどのパワーがあるとどうか微妙、なにより別段、画期的な内容でもない・・と記事にするつもりはなかったのであります。
 
 しかし、新殿堂の発表により、ゲーム環境は混沌としてきました。
 
 しかも、なに気に優秀な新しいアタッカー達・・・《衝撃のロウバンレイ(20弾)》《ブレイブハート・ドラグーン(マーズフラッシュ)》などが登場しております。
 これらを投入する事により、ご紹介できる程度にはオリジナリティの高い構成となるのではないか・・・と研究を重ねているうちに・・・なんと、《ジャガルザー》と《呪紋の化身》が抜けてしまいました(笑) 
 だってもう、3ターン目から殴り出して、どんどん相手のシールドを破壊していきますからね。
 《呪紋の化身》を出してフィニッシュ、なんて時には実は相手のシールドがもうなくて、《呪紋の化身》よりもスピードアタッカーが欲しい!なんて状況になってますから。
 《ジャガルザー》も強いのですが、これ以上火文明を多くすると自然のカードが減ってマナ加速スタートできなくなりますし。
 
 と、言うわけで、最初に考えていたものとは随分と違う構成になりましたが、その分個性的な構成になっていると思います。・・・今回のデッキはネタじゃなくて、かなり強いですよ!
 
 
■3色ビートダウンデッキ“ブルーインパクト”
クリーチャー
 4x 幻緑の双月
 1x 怒髪の豪腕
 4x 青銅の鎧
 2x 式神ガーデナー
 4x ブレイブハート・ドラグーン
マーズ・フラッシュ
 3x 猛菌剣兵チックチック
 4x 衝撃のロウバンレイ
 3x アクア・サーファー(Sトリガー)
進化クリーチャー
 2x 大勇者「大地の猛攻」
呪文
 3x エナジー・ライト
 2x 母なる大地(Sトリガー)
 1x サイバー・ブレイン(Sトリガー・殿堂)
 3x ストリーミング・チューター
 4x 地獄スクラッパー(Sトリガー)


○デッキの使い方

 言うまでもありませんが、基本は“ブルーボルバル”です。
 《青銅》や《幻緑の双月》を使ってのマナ加速を行い、ドローカードを使います。
 《式神ガーデナー》のような対策カードはマナゾーンに埋めてしまい、後から《母なる大地》で引き出す事を目的にします。
 
 さて、ここからが今までの“ブルーボルバル系”と違います。
 殴ります。
 殴れるならば、速攻で殴りにいきます。
 そう。実はこのデッキは“ブルーボルバル系”のくせに、“速攻デッキ”なのです!
 

 
○ロウバンレイ。その名に相応しい衝撃のパワー!!

 このデッキの名前の由来となっている主役カード、《衝撃のロウバンレイ》。(“衝撃”は英語で“インパクト”。このデッキの本来の名前は「ブルーボルバル系《衝撃のロウバンレイ》デッキ」であり、略して“ブルー・インパクト”なのです)
 前にも一度紹介しましたが、こやつ、とんでもない強さです。
 

衝撃のロウバンレイ
 5コスト ブレイブ・スピリット 1000
■スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
■このクリーチャーは、可能であれば毎ターン攻撃する。
■自分のティラノ・ドレイクまたはブレイブ・スピリットが攻撃する時、相手の「ブロッカー」を持つクリーチャーを1体破壊する。

 
 一見、「ふーん。じゃあ“ティラノドレイクデッキ”に入るね」と思いますが、とんでもない。
 中速度以上で殴るデッキなら、かなりの率で様々なデッキに入ります。

 なにしろ、自分自身“ブレイブスピリット”なので、自分が殴りながらブロッカーを破壊しますし、そのうえスピードアタッカーです。
 6マナの《ファイアー・バレット(ハーフ)》って何だったのかというこの強さ。(その分《ロウバンレイ》は「毎ターン強制攻撃」が付いていますが)
 
 その上このデッキでは、《ブレイブハート・ドラグーン》が入っていますから、うっかり生き残ると連続的にブロッカーを叩き割ってくれます。
 このデッキの展開力と速度なら、1・2回ブロッカーを破壊すれば十分勝利できます。
 
 例えば、《ブレイブハート》と《ロウバンレイ》が一緒にいて、相手にも2体ブロッカーがいる状況ならば、まず《プレイブハート》で攻撃しましょう。相手ブロッカー1体を《ロウバンレイ》の能力で叩き割り、そしてもう1体にブロックされて死亡・・・となっても、続く《ロウバンレイ》がそのブロッカーを叩き割りつつ、シールドブレイク!となります。
 
 まあとにかく、騙されたと思って《ロウバンレイ》を使ってみてください。ものすごい突破力ですから。



○各カード解説

母なる大地
 3コスト 呪文
■S・トリガー
■バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。そうした場合、そのマナゾーンにあるカードの枚数とコストが同じかそれ以下のクリーチャーを1体、そのマナゾーンから選ぶ。そのプレイヤーはそのクリーチャーをバトルゾーンに出す。ただし、進化クリーチャーを選ぶことはできない。


 新殿ルールになっても、やはりこれからも使い続ける事になる超強力カード。初心者にとっては4枚集めるのが大変なレアカードですね。
 《アクア・サーファー》や《ロウバンレイ》、《式神ガーデナー》を状況に合わせて出したり、相手の《雷鳴の守護者ミスト・リエス(ドリーム)》を除去したり。
 とはいえ、このデッキではほとんどのクリーチャーコストが軽く、わざわざ《母なる大地》で出す必要のあるクリーチャーはいません。
 クリーチャー・カードそのものの枚数が減ると攻撃の持続力が失われるため、2枚のみの投入となっています。
 


ブレイブハート・ドラグーン
 3コスト ティラノドレイク 1000
■スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
■自分の墓地に火のクリーチャーが5体以上あれば、このクリーチャーは攻撃されない。


 今後、様々なところで使う事になるであろう優秀な速攻クリーチャー。
 「墓地に火のクリーチャーが5体以上あれば・・・」という能力はこのデッキではほぼ関係ありませんが、《ロウバンレイ》の能力を発動させる“ティラノドレイク”である事から採用されました。
 しかし強くなったなあ、“ティラノドレイク”・・・。
 
 問題はこれが、“マーズ・フラッシュデッキ”限定プロモカードである事。いずれ採録されないと、また困った事になるかもしれません。
 しかし限定カードとはいえ、似た能力の多いカードなので、《凶星王ダークヒドラ(ジェネレーション)》のような代えの効かない必須カードにはならないと思いますが・・・・。
 


地獄スクラッパー
 7コスト 呪文
■S・トリガー
■相手のクリーチャーを、パワーの合計が5000以下になるように好きな数選び、 破壊する。


 ブロッカーの無いデッキが単色速攻と当たったらどうするか? そう。シールド・トリガーに賭けて、後は殴り合うしかありません。 
 そんな訳でやはり必須のカードです。
 とは言え、普通のデッキ相手に、《スクラッパー》で相手のクリーチャーを除去しているヒマがあったら、1体でも多くクリーチャーを並べて殴り続ける方が、実は勝利に近づいている事が多かったりします。
 手札に来たら、基本的には埋めてしまいましょう。
 こういうデッキを使うときは、「相手にあわせてプレイ」する気弱なプレイングをせずに、「攻め続ける為のプレイ」を自信を持って続ける事が大切です。
 


アクア・サーファー
 6コスト リキッド・ピープル 2000
■S・トリガー
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。


 速攻対策シールドトリガー。
 《ミスト・リエス》などのシステムクリーチャーを戻したり、ブロッカーを戻したり、“フェニックス”を戻したり。



ストリーミング・チューター
 5コスト 呪文
■自分の山札の上から5枚を表向きにする。その中の火と自然のカードをすべて自分の手札に加え、それ以外のカードを自分の墓地に置く。


 限定、コロコロドリームパックのレアカードという、手に入りにくいカードですが残念ながら必須カード。DMをやるなら4枚なんとかして手に入れなくては。
 ただしこのデッキでは3枚で十分。《チック・チック》のドローもある事ですし、《エナジー・ライト》などの軽いドローを優先し、毎ターン途切れることなくクリーチャーを出していく事が大事だったりします。
 


式神ガーデナー
 3コスト ワンダー・トリック 2000
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクロスギアを1枚選び、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。


 厄介なクロスギア・・・例えば、《ノーブル・エンフォーサー(16弾)》などを除去します。
 クロスギア対策カードは様々な物があり、《ペトリアル・フレーム(15弾)》がクロスされた《予言者マリエル(8弾)》を、《マリエル》ごと葬り去る《ドリルボウガン(14弾)》なども強力なのですが、やはりこのデッキでは、自分自身殴れるカードである《式神ガーデナー》が順当なところでしょう。
 マナゾーンに置いておいて、必要な時に《母なる大地》で出す事も出来ます。
 


猛菌剣兵チックチック
 4コスト(水/火) サイバー・ウイルス/ドラゴノイド 1000
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
■このクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。


 速攻をかけながらドローしてくれる、「殴るタイプのブルーボルバルデッキ」で昔から活躍しているカードです。
 なにげに《ストリーミング・チューター》で手札に入ったりします。
 


大勇者「大地の猛攻」
 2コスト ビーストフォーク 5000
■進化−自分のビーストフォーク1体の上に置く。
■このクリーチャーがタップされている時、バトルゾーンにある自分の他のビーストフォークすべてのパワーは+2000される。


 《幻緑の双月》《青銅の鎧》と合わせて実質4マナ5000スピードアタッカー。
 ライバル、青単速攻の《パシフィック・チャンピオン(13弾)》とも相打ち!
 《「大地の猛攻」》がタップしていると、自分の“ビーストフォーク”のパワーが+2000になる・・・という、地味ですが重要な能力も、忘れないようにしておきましょう。



 まわりの環境によっては、大型クリーチャーに対処する《コーライル(ドリーム)》や、呪文に対抗する《お騒がせチューザ(20弾)》などを試してみるのも良いでしょう。



○最後に

 プレミアム殿堂の発表により、現在のDMは「除去も速攻も強いけど、色んなデッキが強い!」と言えるゲームになっているようです。
 今回ご紹介した“ブルー・インパクト”は、そういう環境でこそ楽しめます。
 火単速攻より動きが柔軟で持続力もあり、ブロッカーを叩き潰しつつ気持ちよく動き、気持ちよく攻撃できる強いデッキです。
 ぜひお試し下さい。



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