トップデュエルマスターズ研究所第92回(2005.08.26)

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□転生編・カード紹介 自然編


 皆さん、“ばかナ!”ってデッキを、憶えていらっしゃいますか?
 「ばかみたいにマナが出るデッキ! 略して“ばかナ!”」と呼ばれた、アレです。


 某月某日、どー考えても強すぎるデッキ、“闇入り4色【無双竜機ボルバルザーク(10弾)】デッキ”に対抗するため、様々なデッキを考案していた僕は、こう考えていました。

いけっち店長 「結局、ボルバルの戦いは、まず【炎槍と水剣の裁(13弾)】をどちらかが使い、それに対して【ロスト・ソウル(2弾)】を打ち込むという、『どちらの【ロスト・ソウル】が早いか』という戦いになっている・・・。
 【幻緑の双月(14弾)】や【青銅の鎧(1弾)】のマナ加速から、5・6ターン目に【ロスト・ソウル】を撃つのが普通だから、それより先に【ロスト・ソウル】を叩き込み、そのまますぐに【ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン(6弾)】で殴りきることができれば、それで勝てるのではないだろうか?」

しまむー  「それはつまり、往年の“ばかナ!”ですね」

いけっち店長 「だよなぁ。【アストラル・リーフ(4弾)】が殿堂の今、やっぱり無理だよなぁ」

店員ヤナー 「しょうがないですねぇ。【愛恋妖精ミルメル(14弾)】を使うんですよ

愛恋妖精ミルメル
 1コスト スノーフェアリー 1000
■プレイヤーがターンのはじめにカードを引いた時、そのプレイヤーは自分自身の手札を1枚、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。
■このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。


しまむー  「ヤナーがウソを言って、店長を惑わそうとしている!」

いけっち店長 「何っ! 【ミルメル】?! それだぁっ!!」

 しまむー  「うわぁっ! 惑わされた! ヤナーのせいだぞ!!」

 惑わされた結果、生み出されたデッキがこれです。





■“キング・ばかナ!”
クリーチャー
 4x 愛恋妖精ミルメル
14弾
 3x ラブ・エルフィン
2弾
 3x 青銅の鎧
1弾
 2x ストーム・クローラー
6弾
 1x 呪紋の化身
7弾
 4x キング・ポセイドン
1弾
呪文
 4x 母なる大地(S・トリガー)
10弾
 4x メビウス・チャージャー
7弾
 1x サイバー・ブレイン(S・トリガー)
1弾
 4x トリプル・ブレイン
14弾
 2x デーモン・ハンド(S・トリガー)
1弾
 4x ロスト・ソウル
2弾
 4x 英知と追撃の宝剣
11弾


 いや、「強いデッキ」ではないですよ。「そこそこ戦えて、アホなデッキ」ですけどね。

 何しろ“闇入り【ボルバルザーク】”は、たとえ【ロスト・ソウル】を打ち込まれても、1枚1枚のカードが強い、“タフな構成”になってますからね。
 「【ロスト・ソウル】を先に撃てば!」なんて、単純な発想で勝てるなら、苦労しません。

 他にも、【巡霊者キャバルト(14弾)】【結界するブロークン・ホーン(14弾)】を使う、トリガーを増やす、など、ありとあらゆる対策が試されてきましたが、やはり【ボルバルザーク】デッキを倒すには、
「【ボルバルザーク】に対する最強の盾」を作るより、
「より鋭く、研ぎ澄まされた槍」を作るほうが、前向きでよい感じです。


 てな訳で、この“キングばかナ”。
 「マナ加速とドロー加速で“【ボルバルザーク】デッキ”を上回るぜ!」と、ある意味、「より鋭い槍」として作られたデッキです。

 ドンドン鋭くなって、細くなりすぎて、ポッキリと折れちゃったようなデッキですけど(笑)

 とは言え、個性的・かつ面白い動きのデッキにはなりましたし、「もしかしてこのデッキ、本当は強いのでは?!」と勘違い(笑)する瞬間も、確かにありますので、ぜひお試し下さい。なにか得る物はあるでしょう。


 以下、理想的な動きの解説。

 ・1ターン目、【ミルメル】を召喚
 ・2ターン目、【ミルメル】の能力でマナチャージし、続いて通常のマナチャージ。これで3マナ。
 この3マナで、【メビウス・チャージャー】使用。これで5マナ。
 マナになった【ミルメル】【メビウス・チャージャー】を使い、2マナで【ラブ・エルフィン】召喚。
 ・3ターン目に、【ロスト・ソウル】!


 まさに、「そんなバカな!」という対戦相手の悲鳴が聞こえて来そうではありませんか(笑)

 もちろん、こう上手くいくことの方が珍しいのですが、大体は4ターン目の【ロスト・ソウル】は可能。
 最初にちょっとつまづいても、ドローカードが豊富なので、いずれは爆発的なマナ加速が発動します。

 とにかく、7マナにあっという間に到達するデッキなので、【ロスト・ソウル】【キング・ポセイドン】【英知と追撃の宝剣(11弾)】といった、使ってみれば強力なカードが連発できます。


キング・ポセイドン
 7コスト リヴァイアサン 5000
■このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、カードを2枚引いてよい。


 「なんで【キング・ポセイドン】やねん?!」という方!
 一度、このデッキで使ってみて下さい。
 「【キングポセイドン】最高!」と、使うまでは考えもしなかった事を叫んでいる自分に、気付く事でしょう(笑)

 このデッキでなら、手札が尽きたところですぐに【ポセイドン】を召喚する事ができ、また、【母なる大地】で【ポセイドン】を引っ込めて【ポセイドン】を出せば、2枚ドローもできて、大変便利。

 ちなみに、このカードを使う事を発見したのは、カードキングダム練馬春日の小学生、マムゲン君。子供の自由な発想に驚かされます。


 ちなみに、【キング・ポセイドン】に似たカードで、【剛撃戦攻ドルゲーザ(13弾)】があります。

剛撃戦攻ドルゲーザ
 8コスト(水・自然) アースイーター/ジャイアント 9000
■マナゾーンに置く時、このカードをタップして置く。
■シンパシー:アースイーターおよびジャイアント
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分のアースイーターまたはジャイアント1体につき1枚、カードを引いてもよい。
■W・ブレイカー


 このカード、自分自身が場に出たときに、「ん、バトルゾーンに出した時ということは、アースイーターでジャイアントである自分自身が場にいるということになるな? ということは2枚ドローだ!」ということで、1枚マナ重くてレインボーな変わりに、2ドローできるところがいっしょで、パワーが上でW・ブレイカー持ちなので、こちらも強力です。
 この“キングばかナ!”バージョンでは、その「1マナ重くてレインボーな部分」がデッキテーマにちょっとそぐわない気がしたので【キング・ポセイドン】を採用したのですが、好みによっては【ドルゲーザ】を採用した“ドルばかナ!”デッキもありです。
 

トリプル・ブレイン
 5コスト 呪文
■カードを3枚まで引く。


 なぜ【エナジー・ライト(6弾)】ではなく、【トリプル・ブレイン】なのか?
 これですが、コストが軽い事は、このデッキではさして重要ではないため、1枚でも多くのカードが引ける、【トリプル・ブレイン】の方が、デッキの動きを安定させるのです。
 何しろこのデッキ、アホほどドローカード、マナ加速カードが入っているため、中盤以降、「ムダなカード」を引く確率が非常に高いのです。
 少しでも早く、デッキを掘り進んでより多くのカードを使用しなければ、通常の戦力を持つデッキの戦闘力に、拮抗できません。


英知と追撃の宝剣(エターナル・ソード)
 7コスト(水/闇) 呪文
■マナゾーンに置くとき、このカードはタップして置く。
■バトルゾーンにある相手のクリーチャーを2体選ぶ。相手はその中から1体選んで自分自身の手札に戻し、もう1体を破壊する。その後、自分は相手のマナゾーンからカードを2枚選ぶ。相手はその中から1枚選んで自分自身の手札に戻し、もう1枚を持ち主の墓地に置く。


 また、相手のクリーチャー2体と、マナゾーンのカード2枚を除去する【英知と追撃の宝剣】が、相手の足を引っ張りまくります。【英知と追撃の宝剣】を使った後の【ロスト・ソウル】も、なかなかに嫌がられます。


 【ミルメル】+【メビウス・チャージャー】+【キングポセイドン】という、マナ加速・ドロー加速という組み合わせは、他のデッキの可能性も含んでいると思います。皆様も、ぜひチャレンジしてみて下さい。

 コツは、最初に強いカードが手札にあっても、ケチらずにマナにして、とにかく「マナを増やすカード」を全力でプレイしていく事。
 このデッキが一般のデッキに勝っているのは、この「狂ったマナ加速」一点に尽きるのですから、迷わず、持ち味を生かして全力展開しましょう。どーせ、必要なカードはすぐ引きますから(笑)





 それでは14弾紹介・自然編といきましょう!

パワード・スタリオン
 3コスト クロスギア
■クロスギア
■これをクロスしたクリーチャーのパワーは2倍になる。
■これをクロスしたクリーチャーのパワーが6000以上の時、「W・ブレイカー」を得る。
■これをクロスしたクリーチャーのパワーが15000以上の時、「T・ブレイカー」を得る。


 やっぱり3マナのクロスギアは、重くて大変使いにくい、という見本のようなカード。
 小さなクリーチャーの大きさが倍になってもたいした事ないから、ある程度の大きさ(少なくともパワー3000以上)にクロスする必要がある。
 
 で、あんまり小型が入ってなくて、中型以上が多く、クロスするべきクリーチャーの多いデッキと言うと・・・。
 ほとんど無いよね。やっぱり使わないカードみたい・・・。
 
 ただ、パワーアタッカーに付けると、ついうっかり鋭いパワーになったりする。
 このカードの「パワーを倍に」というテキストは、最終的な数字を常に倍にする。
 例えば【小さな勇者ゲット(2弾)】に付いたとすれば、いつもはパワー2000が倍で4000になる。
 この状態でアタックした時は、まず、本来のパワー2000がパワーアタッカーで3000になり、その後で【パワードスタリオン】で倍にする、という計算をするわけだ。
 おっと、【ゲット】がパワー6000。W・ブレイカーになるじゃないか。




口寄せの化身
 6コスト ミステリー・トーテム 4000
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分の、ミステリー・トーテム以外の種族1種類につき1枚、カードを引いてもよい。


 とても良いドローカード。
 自然カードらしく、クリーチャーが数多く出ていないとドロー効果が薄れる弱点があるけど、それでも結構使いやすい。
 マナゾーンに埋めておいて、手札が欲しくなったら【母なる大地】で出す事もできるしね。

 種族が多いほどたくさんドローできるので、できるだけ種族をそろえなければならない“進化デッキ”には相性が良くない。

 また、効果的に使うなら、出来るだけ種族を散らす工夫が必要。
 例えば、2マナのブロッカー、【ブラッディ・イヤリング(1弾)】をデッキに入れるとして、4枚ではなく2枚にして、その分の2枚を、わざと【ブラッディ・シンバル(14弾)】にする、とかね。

 ただ、クリーチャーをたくさん並べる時は、【炎槍と水剣の裁(13弾)】に気をつけよう。



結界するブロークン・ホーン
 4コスト ホーン・ビースト
■水または闇の呪文を唱える時、支払うコストは2多くなる。


 “水”と“闇”のカードをかなり封じるので、【炎槍と水剣の裁】や【ロスト・ソウル】に対抗できる、イコール“闇入り【ボルバルザーク】”に対抗できる・・・というのは、ウソではないんだけど、完全じゃない。

 【母なる大地】で駆除されたり、【炎槍と水剣の裁】を止めても、そもそも【裁】をがんばって8マナでプレイされれば終わり。
 つまり、最低でも7〜8ターン目までに勝負を決めろ!ということ。

 こう考えて、7〜8ターン目に決着を付けるために、色的にも一番都合のいいカードといえば・・・。
 そう、やっぱり自分も【ボルバルザーク】を使おうということになりますね。

 自分の足を引っ張らないため、水と闇をいれず、火自然で『ボルバルデッキ』を作ろう、ということになる。

 ・・・その色の組み合わせなら、火自然超速攻でよくない?
 結果、【ブロークン・ホーン】と【ボルバル】が抜け、前回のような『ドラゴンスレイヤー』になる。

 弱いカードじゃないんだけど、うっとうしい程度って所か。



クラウド・メイフライ
 4コスト ジャイアント・インセクト 2000+
■自分のマナゾーンのカードがすべて自然のカードであれば、このクリーチャーのパワーは+4000され、「W・ブレイカー」を得、パワー5000以下のクリーチャーにブロックされない。


 超強力なカード。当店通販で売っている、構築デッキ“蟲王者”でも書いてるけど、やっぱり【フェアリー・ギフト】から出てくる、
「2ターン目のパワー6000、W・ブレイカー、ブロックされにくい」
は、訳がわかんない強さ。3ターン目の【機神装甲ヴァルボーグ(プロモ)】よりでかいときた。消費しているカード枚数もいっしょだし。

 このカードが無ければ、自然単色デッキを作る理由など、どこにもないぐらい。
 いままで、まともに大会を目指せられる“自然単色デッキ”は存在しなかったけど、この【メイフライ】1枚で、一気に新しいデッキタイプができあがったと思う。

 発売直後からの、NACさんおすすめカードでもありますぞ。



フェアリー・ギフト
 1コスト 呪文
■このターン、次に召喚するクリーチャー1体は支払うコストが3少なくなる。ただしコストは1より少なくならない。


 【フェアリー・ギフト】そのものを使うのに1マナ使うので、実質、クリーチャー召喚が軽くなるのは2マナ。
 たった2マナを使うために、カード1枚を使用する価値があるか、というと、普通はそれほど価値は無いと思う。

 しかし、「早く出せばすごい効果を狙える」というクリーチャーを狙って出す事ができれば、かなり有利なカードだ。
 例えば、【ギフト】を使って3ターン目に【雷鳴の守護者ミスト・リエス(4弾)】を出せば、【炎槍と水剣の裁】を相手に使われるまでに、何度か【ミスト】の効果を使ってドローする事ができるだろう。

 その間に【曙の守護者パラ・オーレシス(10弾)】を引ければ最高だ。もちろん、途中で引いた【フェアリー・ギフト】も、【ミスト・リエス】でのドローを加速するためにも使える。

 他にも色々と、「早く出せれば有利」なクリーチャーは結構いる。
 探してみると、楽しいぞ。



エメラルド・クロー
 1コスト クロスギア
■クロスギア
■これをクロスしたクリーチャーのパワーは+2000される。


 使いやすく、ムダになりにくいクロスギア。
 【砕神兵ガッツンダー(10弾)】にクロスさせて、相手をポコポコ破壊していったり、破壊されたくないクリーチャーに付けて、【裁】が効かないようにしたり。

 そのほとんどが、【シャイニング・ディフェンス】で代用できちゃうんだけど、自然が入らないなら、こっちの出番。



 いやー、やっと14弾の攻略が終りました。

 近いうちのイベントとして、28日に行われる、ジェネレートリーグ決勝戦が楽しみですよ。
 今回も【ボルバルザーク】デッキに優勝して欲しいものです。
 今度こそ、禁止にしてもらうためにね。



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