FB徳島ガンダムウォー研究所第28回(04.12.20)

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広島チャンピオンシップ決勝 突破デッキ紹介


 広島チャンピオンシップ決勝

 6月27日に開催された2004年度チャンピオンシップ予選広島大会
 その大会を店員2人と常連さん1人、合計3人が見事に予選突破し、広島チャンピオンシップ決勝に進む事ができました。
 そして12月12日、ついにやってきた2004年度チャンピオンシップ決勝広島大会
 
 なんと、それぞれ優勝、準優勝、5位という素晴らしい結果を残し、3人すべてがグランドトーナメントへと駒を進める事ができました!
 見事優勝した常連さんにレシピを教えていただきましたので、今回はその決勝大会を突破したデッキをすべてご紹介致しましょう。



 まずは当店店員おざワが使用し、5位入賞したデッキのご紹介です。

 広島CS決勝5位突破デッキ

 ■Deck-Name:赤単『カウンター死の旋風』
ユニット
 2x クァバーゼ 《13弾》
『強襲』を持つ、打点の要
 2x アビジョ 《13弾》
チーム効果『速攻』と『クイック』を持つ使いやすいユニット
 2x トトゥガ 《13弾》
特殊シールド(3)を持つ、強固な先頭用ユニット
キャラクター
 1x カイザス・M・バイヤー 《12弾》
国力ブーストカード
 1x トビア・アロナクス 《10弾》
プリベントに影響されないコマンドカウンター
コマンド
 3x 密約 《BB》
ドローカード 赤の必須カード
 3x サラサ再臨 《BB》
サーチカード 赤の必須その2
 3x 死の旋風 《13弾》
デッキのキーカード 可能な限り撃とう
 2x 逆襲のシャア 《BB3》
ユニットも消すことが可能なプリベント付きカウンター
 3x カリスマ 《13弾》
代替コストも利用できる、超強力カウンター
 3x 泣き虫セシリア 《BB2》
Gもカウンターできる、万能カウンター
 1x アクシズからの使者 《BB》
【加速する狂気】や『アプサラス』対策
オペ
 3x 内部調査 《BB》
永続本国操作 赤の必須その3
 2x 転向 《BB》
相手の強力ユニットを奪える
 3x 加速する狂気 《BB3》
永続的に使えるバウンス
国力
 13x 赤基本G
 3x 中立地区防衛部隊 《9弾》
チャンプブロックすると【加速する狂気】が起きる


 サイドボード
コマンド
 1x アクシズからの使者 《BB》
枚数追加
 2x 女帝退場《BB2》
【死の旋風】ユニット+速攻対策
 2x 脅迫 《BB》
赤デッキや【衛星ミサイル】対策
オペ
 2x 虚偽の報告 《9弾》
基本G以外の国力を多用するデッキ対策
 2x 摂政の演説 《BB2》
主に【加速する狂気】や【転向】対策
 1x コスモ・バビロン 《BB3》
速攻+『赤緑アプ』対策



 このデッキは研究所第27回でご紹介した国力ブーストに特化した【旋風】デッキとは違い、3ターン目に【死の旋風】を打つ確率を落とす代わりに、安定性を重視した構築となっています。
 それにより安定したコントロールカードと超強力カウンターである【カリスマ】の採用が可能になり、【死の旋風】を単なる打点の高いユニットサーチカードとして捉えた、『カウンター旋風デッキ』となっているのです。

 【カイザス・M・バイヤー】も1枚は挿しているので、手札がよければ『3ターン目【死の旋風】』も不可能ではありません。
 しかしデッキを全体的にみるとコントロール性が上がっており、ただ殴るだけでは勝てないデッキになっているので、若干ですがプレイングも難しくなっています。


 【死の旋風】デッキは【アプサラスIII】の効果や3以上の『範囲兵器』に弱いのが欠点ですが、【加速する狂気】で【アプサラスIII】の効果に睨みをきかせることができます。
 またメインから【転向】の枚数を増やし、『範囲兵器』の大元を絶ってやる事でそれへの耐性を高めています。
 そして【カリスマ】を採用しているので、代替コストを使えば【アプサラスI】のプリベント3くらいならカウンターもさほど難しくありません。

 ですので、普通の【死の旋風】デッキの苦手な『緑単アプサラス』にはプレイング次第でかなり有利に戦う事ができますし、天敵の『赤緑アプサラス』にも回り次第でそれなりにいい勝負ができるようになっています。
(【光る宇宙(12弾)】だけは【トビア】がないとどうしようもないのは変わらないですが)


 【加速する狂気】も【カリスマ】の代替コストで手札に移してやれば、リロールさせる手間をかけることなく再利用も可能なので、非常に効率がいいのです。

 また相手が赤デッキの場合、【加速する狂気】をこちらが使っているとわかれば、ほぼ間違いなく【摂政の演説】をサイドから積んでくるでしょう。
(これが出ると【加速する狂気】を使う前に永続的にロールさせられるので、完全に使用不可能になるため)

 現環境ではオペ割りが得意な青が減っていますので、結果的にオペレーションが割られにくくなっています。
 そんな環境ですので、【加速する狂気】はメタ的に重視されるカードとなっており、ほとんどのプレイヤーがサイドに【加速する狂気】対策、たとえば【摂政の演説】などを積んでいるでしょう。
 このデッキの場合はそれを逆手にとり、赤相手だと【加速する狂気】と、場合によっては【転向】を全てサイドアウトし、別のコントロールカードに入れ替えることにより、相手の【摂政の演説】を完全に死にカードにさせることができます。

 『赤緑アプサラス』相手だと【加速する狂気】がないとかなり厳しいので、相手が【摂政の演説】をサイドボードに入れていない、または引かれないことを祈るばかりですが、この作戦はそれ以外のデッキの場合は有効に働きます。


死の旋風(13弾)
コマンド 2/4/0
(自軍配備フェイズ):自軍本国のカード全てを見て、「クァバーゼ」「アビジョ」「トトゥガ」を1枚ずつまで抜き出し、自軍配備エリアにロール状態で出す事ができる。ただし、既に場にいる自軍ユニットと同じ名称のユニットを出す事はできない。その後、自軍本国をシャッフルする。


カイザス・M・バイヤー(12弾)
キャラクター 1/1/0
【セット/G】
(自動A):このカードは、Gにセットされている場合、配備フェイズ中、赤国力1を発生する。
0/0/0


カリスマ(13弾)
コマンド 1/5/0
プリベント(X)
【代替コスト>〔合計国力−X〕:「クイック」を持たない自軍カードX枚を本来の持ち主の手札に移す】
(常時):G以外の敵軍カード1枚のプレイを無効にし、ゲームから取り除く。


転向(BB)
オペレーション 2/4/2
(自動B):このカードは敵軍ユニットにしかセットできない。このカードがプレイされて場に出た場合、このカードがセットされたユニットを自軍配備エリアに移す。
(自動C):自軍ドローフェイズ開始時に3(資源3)を支払う。支払わない場合、このカードを廃棄する。
(自動D):このカードがセットから離れた場合、このカードがセットされていたユニットは、本来の持ち主の配備エリアに、リロール状態で移る。


加速する狂気(BB3)
オペレーション 1/3/0
【(自動A):このカードが属するセットグループは、このカードの効果以外ではリロールしない】
(自動D):ユニットが破壊されて廃棄された場合、このカードをリロールする。
(敵軍防御ステップ):《R1》戦闘エリアにいる敵軍ユニット1枚を、本来の持ち主の手札に移す。


摂政の演説(BB2)
オペレーション 2/3/0
(常時):《0毎》自軍G2枚をロールする。その場合、配備エリアにある、G、またはオペレーション1枚をロールする。





 次に、カードキングダム練馬春日店店員、マツモト氏が使用した2位入賞デッキのご紹介です。

 広島CS決勝2位突破デッキ

 ■Deck-Name:赤単『カウンターΞ』
ユニット
 2x ギラ・ドーガ 《BB3》
エンドドロー付き序盤パンチャー兼ブロッカー
 3x Ξガンダム 《13弾》
紫Gと合わせて、平均5ターン目にだせる大型高機動ユニット
キャラクター
 1x シャア・アズナブル《12弾》
【転向】されずバウンスも効かない
 1x マフティー・ナビーユ・エリン 《13弾》
カウンターが本国火力になるので最後の打点の押し込みに
コマンド
 3x 密約 《BB》
ドローカード 赤の必須カード
 3x サラサ再臨 《BB》
サーチカード 赤の必須その2
 1x 脅迫 《12弾》
同色対決で非常に有利に立てる
 2x 逆襲のシャア 《BB3》
ユニットも消すことが可能なプリベント付きカウンター
 3x カリスマ 《13弾》
代替コストも利用できる、超強力カウンター
 3x 泣き虫セシリア 《BB2》
Gもカウンターできる、万能カウンター
 1x 女帝退場 《BB2》
【死の旋風】などに非常に有効
オペ
 3x 内部調査 《BB》
永続本国操作 赤の必須その3
 1x 転向 《BB》
相手の強力ユニットを奪える
 3x 加速する狂気 《BB3》
永続的に使えるバウンス
 2x コスモ・バビロン 《BB3》
赤の定番大回復カード
国力
 12x 赤基本G
 6x 中立地区防衛部隊 《9弾》
チャンプブロックすると【加速する狂気】が起きる


 サイドボード
キャラクター
 1x シャア・アズナブル 《12弾》
枚数追加
コマンド
 2x 鉄仮面 《BB3》
【死の旋風】や【制圧作戦】などの序盤に打たれるコマンドへの対策
 3x 血の宿命《1弾》
『アプサラス』や【死の旋風】などの大打点デッキ対策
 1x 宇宙を統べる者《9弾》
【アナベル・ガトー】対策
 1x 脅迫 《12弾》
枚数追加
オペ
 1x 転向 《BB》
枚数追加、『アプサラス』や同型デッキ対策
 1x 摂政の演説 《BB2》
主に【加速する狂気】や【転向】対策



 上記『カウンター旋風』の基礎となったデッキで、完全なカウンターコントロールデッキです。
 ユニット選定はまったく違いますが、基本的な動きはほぼ同じといって良いでしょう。
 【死の旋風】デッキよりさらにコントロール寄りに特化しているため、早いターンでの大打点を出すことはできませんが、ユニットのコントロール力はさらに高くなっています。
 【加速する狂気】を中心にコントロールするよう構築されているのは同じですが、【中立地区防衛部隊】の枚数が多く、【ギラ・ドーガ】もブロッカーとして働くので、単純にブロッカーの枚数が多くなっています。
 なので【加速する狂気】がさらにリロールしやすくなりながら、【Ξガンダム】のサイコミュ3もあるので、かなりの場の制圧力を持ちます。


 現環境では明らかに赤が強く、使用者も多いと見越したので、メインから【脅迫】を採用し、同色対決で有利に戦えるようになっています。 
 実際、5戦中3戦が赤絡みのデッキだったので、この選択は正解だったといえるでしょう。
 そして赤相手だと【シャア・アズナブル】が非常に強力で、【加速する狂気】も【転向】も効かないスーパーキャラっぷりを発揮し、これが出るだけでゲームに勝てるほどのパワーを持っています。


 【死の旋風】ユニットと違い、場に出ればそう簡単に死なない【Ξガンダム】がメインパンチャーなので、自軍ユニットを守りながら戦うという感覚があまりありません。
 相手のユニットをコントロールしながら、厄介なカードをカウンターしつつ、【Ξガンダム】で殴っていれば勝てる、というデッキなので、とにかくコントロールが好き!という赤好きな方にオススメなデッキといえるでしょう。
 しかし遅いデッキなことに変わりはなく、完全に使いこなすにはそれなりにプレイングスキルが必要な、ちょっと難しめのデッキとも言えます。


 早いデッキはちょっと苦手ですが、【加速する狂気】&【カリスマ】などのカード単品でハンパでなく強力なカードばかり入っているので、プレイングさえ備わればほとんどデッキと互角以上に戦うことができる強力なデッキなのです。


Ξガンダム(13弾)
ユニット 1/7/2
プリベント(5) サイコミュ(3) 高機動
(自動B):《[2・4]》このカードは、自軍紫国力の数と同じだけ、合計国力−1してプレイできる。
(自動B):このカードは、手札にある状態で敵軍青国力が発生している場合、「クイック」を得る。
6/4/6


ギラ・ドーガ(BB3)
ユニット 1/3/2
(自動B):このカードがプレイされて場に出た場合、ターン終了時にカード1枚を引く。
3/1/2


シャア・アズナブル(12弾)
キャラクター 2/6/0
プリベント(5)
【(自動A):このカードが属するセットグループは、廃棄以外の敵軍効果によっては移動しない】
(自軍攻撃ステップ):《0》このカードが戦闘エリアにいる場合、敵軍プレイヤーはカード2枚を引く。その場合、敵軍プレイヤーはG以外の自軍カードを1枚選んで廃棄する。
3/3/3


脅迫(12弾)
コマンド 2/4/0
【ターン1枚制限】 プリベント(3)
(常時):コマンド1枚のプレイを無効にし、そのコマンドを自軍ハンガーに移す。





 次に見事1位で突破した方にレシピを教えていただきましたので、ご紹介いたしましょう。

広島CS決勝1位突破デッキ

 ■Deck-Name:赤単『ブースト死の旋風』
ユニット
 2x クァバーゼ 《13弾》
『強襲』を持つ、打点の要
 3x アビジョ 《13弾》
チーム効果『速攻』と『クイック』を持つ使いやすいユニット
 2x トトゥガ 《13弾》
特殊シールド(3)を持つ、強固な先頭用ユニット
キャラクター
 3x カイザス・M・バイヤー 《12弾》
国力ブーストカード
 1x トビア・アロナクス 《10弾》
プリベントに影響されないコマンドカウンター
コマンド
 3x 密約 《BB》
ドローカード 赤の必須カード
 3x サラサ再臨 《BB》
サーチカード 赤の必須その2
 3x 死の旋風 《13弾》
デッキのキーカード 可能な限り撃ちたい
 3x 嫉妬 《11弾》
G以外なんでも、序盤からカウンターできる
 3x 撤退命令 《BB》
3国力の防御ステップバウンス
 3x 泣き虫セシリア 《BB2》
Gもカウンターできる、万能カウンター
 2x アクシズからの使者 《BB》
【加速する狂気】や『アプサラス』対策
オペ
 3x 内部調査 《BB》
永続本国操作 赤の必須その3
 1x 転向 《BB》
相手の強力ユニットを奪える
国力
 13x 赤基本G
 2x 中立地区防衛部隊 《9弾》
緊急時のブロッカーや、サイド後【加速する狂気】リロール用に


 サイドボード
コマンド
 2x 脅迫 《12弾》
同系対策
オペ
 3x 虚偽の報告 《9弾》
基本G以外の国力を多用するデッキ対策
 2x 摂政の演説 《BB2》
主に【加速する狂気】や【転向】対策
 3x 加速する狂気 《BB3》
永続バウンスカード


 研究所第27回でご紹介した、3ターン目に【死の旋風】を撃つことが目的の『赤単ブースト死の旋風』とほぼ同じですが、このデッキは『アプサラス』デッキや赤デッキが多いことを踏まえ、それに合わせて調整したモノです。


 特徴として、【死の旋風】が引かなかったり、多いと予想される赤にカウンターされてしまっても普通の中速デッキとして戦わせるため、または単純に【死の旋風】を撃った後の展開力+打点アップのため、【アビジョ】のみ3枚目が採用されていることが上げられます。

 また『アプサラス』や【加速する狂気】対策のため、【アクシズからの使者】が採用されており、【撤退命令】と合わせてスロットを抑えつつもコントロール力の向上と苦手デッキへの対策を図っています。
(戦闘フェイズに4国力は発生しにくいが、【アクシズからの使者】は配備フェイズにも撃つことができるので、【カイザス・M・バイヤー】と相性は悪くないため採用)


 調整段階では、旋風隊キャラクターも積んで、メインから『範囲兵器』と【アプサラスI】対策を万全にしていたのですが、いくら【バーンズ・ガーンズバック】が非常に強力といえど、やはり【ギリ】と【ローズマリー】の微妙さがなんともいえなかったので、結局キャラクターは【カイザス・M・バイヤー】と【トビア・アロナクス】のみにし、他のカードで対策していくということで落ち着いたようです。


 そしてサイドボードに【加速する狂気】がありますが、これは『カウンター旋風』デッキとは逆の動き、つまり1戦目は【加速する狂気】を相手に見せず、2戦目から【加速する狂気】を投入し、相手に【摂政の演説】をサイドインさせないようにして【加速する狂気】を2戦目から有効に使うという動きも隠されているのです。

 『アプサラス』以外のデッキ相手にも【加速する狂気】は非常に強力なカードですので、2戦目からでもどんなデッキにも有効な永続バウンスカードとなり、無駄になることがありません。


 結局『アプサラス』デッキ相手がちときびしいことにかわりありませんが、【死の旋風】が通って【撤退命令】や【アクシズからの使者】を引ききることができれば、その高い打点を生かしたダメージレースに持ち込んで押し切ることもできます。
 それほど『3ターン目【死の旋風】』を成功させることに特化し、打点を通すことにすべてをかけたデッキは強力なのです。


ギリ(13弾)
キャラクター 1/4/0
(自動A):このカードは、「死の旋風隊」であるユニットにセットされている場合、+1/+1/+1を得る。
(自動B):このカードが、プレイされて「死の旋風隊」であるユニットにセットされた場合、自軍本国のカードを全て見て、「ローズマリー」「バーンズ・ガーンズバック」を1枚ずつ抜き出し、表にしてから手札に移す事ができる。その後、自軍本国をシャッフルする。
2/1/1


ローズマリー(13弾)
キャラクター 1/3/0
(自動A):このカードは、「死の旋風隊」であるユニットにセットされている場合、+1/+1/+1を得る。
(戦闘フェイズ):《1》このカードと交戦中のユニット1枚をロールする。
1/2/0


バーンズ・ガーンズバック(13弾)
キャラクター 1/3/0
(自動A):このカードは、「死の旋風隊」であるユニットにセットされている場合、+1/+1/+1を得る。
(戦闘フェイズ):《1》「子供」を持つキャラクターがセットされているユニット1枚の破壊を無効にする。
1/0/2


アクシズからの使者(BB)
コマンド 2/4/0
(常時):配備エリア1つにある、カードX枚をロールする。Xの値は、自軍国力の値を上限とする。






 今のトーナメント環境について

 見ていただければわかると思いますが、なんと3人とも赤のデッキで出場しています。

 なぜ、3人が3人とも赤いデッキで出たか、理由は非常に簡単。
 赤が他の色にくらべ、明らかに強力だっただけのことです。

 現在の環境だと【アプサラスIII】や【死の旋風】の台頭などが原因となり、あれほどの人気を誇っていた青中速デッキや『青緑G−3』デッキがほとんどいなくなり、結果【V2ガンダム(11弾)】がまったくといっていいほどいなくなりました。
 そして現在強力な緑と赤、これらは共通して基本的にオペレーションを割ることができない色です。

 こちらの体制が整う前に殴りきってしまう速攻デッキは、【気化爆弾】のせいでデッキのアーキタイプ自体がほとんど壊滅状態ですので、大きな大会ではあまり見かけないでしょう。
 『ブーストタイタニア』デッキならばサイドに【ロンド・ベル】を積むことができ、メインには【黒い覇道】があるのでオペを割ることができますが、このデッキは基本的にコンボデッキであり、中速デッキではありません。
 ブン回ればどんなデッキにも勝てるし、回らなければまったく勝てないことまでありえる極端なデッキなので、オペが割れるかどうかというのは殴りデッキに比べるとそこまで重要ではありません。

 これがどういうことか?
 それはオペレーションを張ることができれば、それはもう割られないということ。
 積極的にオペレーションを割ってくるデッキは、今の大きな大会ではほとんどいないということなのです。

 【カリスマ】という非常に強力なカウンターが登場したおかげで、【三段構え】のプリベント3くらいならわりと簡単にカウンター、しかもゲーム除外できるようになり、いま赤から見て致命的なオペ割りは早い段階で撃たれる【ロンド・ベル(BB3)】か【V2ガンダム】くらいなのです。

 これまではどんな強力なオペレーションでも、常に【V2ガンダム】や【三段構え】の影におびえなければならず、「オペレーションに依存するデッキである限りいつかは青にあたって死亡するため、決して優勝できるデッキにはなりえない」、といわれるほどでした。

 ですが、これらの致命的な弱点が消えてしまい、今までは「強力だけど、対策されやすいカード」だったオペレーションが、「強力なだけでなく、対策されにくいカード」となってしまったのです。
 【ラフレシア】デッキが『今、勝てるデッキ』となった大きな原因の1つがそれでしょう。
 このオペレーションの強化により、【コスモ・バビロン】が再び超強力大回復カードとなり、【加速する狂気】が何度も使えるバウンスカードとなり、【ラフレシア・プロジェクト】&【バグ】による永久ブロックが止まりません。

 しかも【カリスマ】の代替コストで【加速する狂気】を回収し、これを出しなおせば、ユニットを破壊する必要なく再利用することができます。

 ぶっちゃけた話、今は【加速する狂気】と【カリスマ】が強すぎるのです。
 上記で紹介したデッキすべてに【加速する狂気】が採用されている理由も簡単、単純に恐ろしく強いから。
 コストが軽くなるだけでなく他のカードを再利用までできるカウンター、壊すことができない永続バウンスカード、取り除くことで再利用を防ぐ効果、これらが弱い理由なぞどこにもありません。
 しかも今の赤は他の色に匹敵する、もしくはそれ以上に単機で強力なユニット(またはユニットサーチ)を手に入れてしまいました。
 相手のアタッカーを何度も手札に戻し、その間にこちらの強力な打点を持つユニットで殴りつづけ、相手との本国差をつけていけばそりゃー勝てます。
 しかもこの赤という色、前回の研究所でも解説いたしましたが、Gもカウンターすることができるので相手のG事故を引き起こさせることまで可能なのです。
 最悪の時はカードをプレイされてもすべてカウンターし、結局相手に何もさせないまま勝ててしまうこともありえます。

 どこを見ても弱いと思える要素が見当たりません。

 オペレーションを割ることができる中速デッキと今の赤いデッキが戦ったとしても、【V2ガンダム】の入っているデッキならば、オペを割られようとも赤や『赤緑アプサラス』ならユニットパワーで押し切ることができますし、それ以外のデッキ相手ならばカウンターも容易なのでマストカウンターを絞ればいいだけの話。

 青の復権か、大幅なエラッタがでないかぎり、赤の時代は当分続くことでしょう。





 今のガンダムウォー環境

 今、トーナメントデッキとして生き残っているデッキ、それはみんな共通して、
 「早すぎるターンから超打点をたたき出す、もしくは一撃必殺のシュート方法を持っている」
 「相手のGに触って、国力発生を縛ってしまう」
 このどちらか、もしくは両方が可能なデッキばかりです。

 はっきり言って、負けた方のプレイヤーが不快な思いをするデッキしかありません。
 ガンダムウォーツアーのガンスリンガー大会で、楽しく遊ぼうとしていた人が『ブーストタイタニア』デッキや『アフリカGロック』デッキとあたり、なにもできないまま負けていったのでは、そりゃおもしろくありません。
 または『白茶ウイング0』デッキに突然死させられたりしてもおもしろいわけがありません。

 そういうおもしろくないデッキしか勝てないのなら、トーナメントデッキを使用したフリープレイはなかなかやる気が起こらなくなりますね。

 誤解がないように書いておきますが、これはデッキを使っている人が悪いのではありません。たとえガンスリンガー大会であろうと、勝つためには全力を尽くす、これはプレイヤーとしてとてもすばらしい姿勢だと思います。
 問題なのは、そんな偏ったデッキじゃないと勝てない、むしろそんな使われておもしろくない偏ったデッキが生まれてしまう環境にあるといえるでしょう。

 これまでのガンダムウォーは、なにかカードバランスに問題があればすぐに対処してくださる素晴らしい対応の早さを見せてくれました。
(【妄執の果てに】の問題も対処は早かったですし)
 なので今の偏った環境を修正するためにも、チャンピオンシップ決勝がすべて終了した後にでも、なんらかの措置をしてくださる事を祈るばかりです。


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