FB徳島ガンダムウォー研究所第60回(07.05.23)

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ついにCSスタート!・今、強力なデッキとは? デッキ紹介「青単スライ」


 ついにチャンピオンシップ予選がスタートしました。
 仙台と広島を除いた会場では、「前線のフォトグラフ」入り環境での構築となりますが、今回はそのおさらいの意味もかねて、現環境最後のデッキ紹介とまいりましょう。

 今回ご紹介するのは前年度GT決勝で6位に入賞した強力なデッキタイプ、「青単スライ」です。



 ■デッキ紹介 「青単スライ」

 「スライ」というのは、「ウィニー」などと同じように元々はマジック:ザ・ギャザリングの用語で、

・1ターン目→1マナカードプレイ
・2ターン目→2マナカードプレイ、または1マナカードを2枚プレイ
・3ターン目→3マナカードプレイ、または1マナと2マナのカードをプレイ、または1マナカードを1〜3枚プレイ

 といった感じでマナに無駄のないプレイをし、徐々にプレイしていくカードの威力と枚数をアップし、序盤から終盤までゴリゴリと押していく「無駄の少ない速攻デッキ」のことを指します。
(細かくいうとちょっと違いますが、GWのスライはだいたいそーいうもん、といった程度の認識でいいでしょう)



 ですが、ガンダムウォーのルールでは「マナを消費する」という概念がありません。
 国力さえ溜まってしまえば、手札と使用タイミング、プレイ回数が許す限り、何度でもプレイすることが許されるルールだからです。

 よって、無理に早いターンからプレイせずとも、少し国力の高くて強いカードをたくさん積めばデッキのパワーもあがる、というのが通常のデッキの考え方でした。
 対して、速攻デッキでは、「5マナで2マナと3マナのカードを使う」というような考え方のないゲームであるため、余った無駄なG(余剰G)はまさに「無駄なカード」です。
 なので、余剰Gを極力なくすため、またG事故を減らす為、徹底した軽量化&Gの切り詰めが進んでいきました。
 そのため、速攻デッキが通常のデッキに挑んだ場合、相手に1〜2ターンしのがれてしまえば、カードの総国力の差=カードパワーの差が原因で押し切ることができずに負け、というケースも多々あったのです。



 しかし、近年は低国力のカードでも強力なパワーを持ったカードがたくさん収録され、4国力という「速攻デッキがなんとか届く国力域」に【ガンダム試作3号機(疾風の砲火)】というパワーカードもあります。

 これにより、序盤から相手本国を削っていき、中盤から大型ユニットを出してさらに相手を追い詰めていくという、ガンダムウォーでは不可能とまで思われた、「マナカーブ」のようなものを描いたデッキを構築することができるようになりました。
 そうした理想を体現させたデッキ、それが「青単スライ」です。

(このデッキの他には、序盤から低国力「サイクロプス隊」ユニットを展開していき、4〜6ターン目に【ケンプファー】で締める「緑単サイクロプス隊」もスライのような動きをするといっていいですね)



■『青単スライ』
ユニット
 3x プロトタイプガンダム
【1枚制限/自軍】1国力3/1/3
 3x ガンダムMk−II
【1枚制限/自軍】1国力3/1/2
 3x ジムコマンド(モルモット隊仕様)
1国力2/1/2 【脅威の装甲】とコンボ
 1x ジムストライカー
1国力3/0/1
 3x ボール改修型
エンドドロー
 1x ガンダムEz8
ユニットを廃棄してリロールイン
 1x ガンダム(ハイパー・ハンマー装備)
「換装:ガンダム」 換装要員&ブロッカー
 3x ガンダム試作3号機ステイメン
換装元&破壊無効効果
 2x ガンダム試作3号機
大型高機動ユニット
キャラクター
 3x アストナージ・メドッソ
リロール効果or特殊効果付与キャラクター
 1x ジュドー・アーシタ
1国力2/1/2 クイック
 1x クリスチーナ・マッケンジー
「名称:ガンダム」に乗って資源分ドロー
 2x シロー・アマダ
−1/±0/±0コインを乗せて格闘UP
 1x マーベット・フィンガーハット
自軍「男性」がいれば本国サーチ
コマンド
 3x 急ごしらえ
ドローカード
 2x 消える命 咲く命
本国サーチ
 3x 周辺警護
ヴァリアブル(1) オペ破壊
オペ
 3x 脅威の装甲
破壊無効、「モルモットジム」とコンボ
国力
 11x 青基本G




 ■【ジム・コマンド(モルモット隊仕様)】と【脅威の装甲】

 見ていけばわかりますように、低国力で戦闘力の高いカードが多数採用されています。これらで序盤からガンガン殴っていき、最後は【ガンダム試作3号機】で締めくくります。

 が、そんなに手札を序盤から使っていけばあっという間に息切れしてしまい、後続が続かなくなってしまいますね。
 その「手数の足りなさ」も、これまで「スライ」と呼ばれるようなデッキが存在できなかった大きな理由の1つといえるでしょう。

 これが「サイクロプス隊」だと、その「手数」を【シーマ・ガラハウ(16弾)】や【ブリッツクリーク(18弾)】が補ってくれています。
 そして青スライの場合には、不可能を可能にするとんでもないドローエンジンがあるのです。

ジム・コマンド(モルモット隊仕様)(17弾)
ユニット 1/1/2
(戦闘フェイズ):《0》このカードを破壊する。その場合、カード1枚を引く。
地球 2/1/2


脅威の装甲(10弾・EB)
オペレーション 1/2/0
(自動B):このカードがプレイされて場に出た場合、自軍国力の値と同じだけ、このカードの上にコインを乗せる。
(常時):《0毎》このカードの上のコインX個を取り除く。その場合、X以下の合計国力を持つ、自軍カード1枚の破壊を無効にする。このカードの上のコインがなくなった場合、このカードを廃棄する。


 この2枚が場にそろってしまえば、あっという間に手札が増えていきます。
 やり方は非常に簡単。

1・【ジム・コマンド(モルモット部隊仕様)】の自壊テキストを起動し、カードをドロー。
2・【脅威の装甲】で自壊を無効にする。
3・これを戦闘フェイズごとに繰り返す。


 これだけです。すごく簡単ですね。
 するとどうでしょう。
 なんと、【脅威の装甲】に乗ったコインの枚数分だけ、ドローすることができるのです!

 このコンボのおかげでとてつもない枚数のドローが可能となり、しかも各カードが単体で使っても十分すぎるほどに強力なカードであるため、絶対に無駄になることはありません。
 【ジム・コマンド(モルモット隊仕様)】は1国力ユニットなので戦闘力になり、【脅威の装甲】は必要なドローを終えたあとは、主力1国力ユニットの破壊無効という元々の使い方へ転用されます。
 このデッキの根幹は、このカードたちによって支えられている、といっても過言ではないでしょう。

 なお、【ジム・コマンド(モルモット隊仕様)】のテキストは《0》宣言なので1ターン1回のみしか起動できませんが、相手ターンでも起動できるので、自分ターンと相手ターンの両方でドローできることを忘れないようにしましょう。




 ■【ジム・コマンド(モルモット隊仕様)】のシナジー

 この【ジム・コマンド(モルモット隊仕様)】のコンボは【脅威の装甲】だけに留まりません。
 他のカードとも組み合わせることができるという、強烈なまでのシナジーを発揮するのです。

 わかりやすく簡単なところでは、破壊テキストを起動してドローしたあと【ガンダム試作3号機ステイメン】で破壊を無効にすること。
 さらにその後【ガンダム試作3号機】に換装してやれば、換装するだけで手札が増えた、というような不思議な結果になります。

 他にも破壊宣言してドローしたあとに、破壊状態の【ジム・コマンド(モルモット隊使用)】をコストに【ガンダムEz8】を場に出すといったのも強力ですね。



 そして、もっと強力なのが、【消える命 咲く命】とのコンボです。

消える命 咲く命(9弾・EB)
コマンド 2/2/0
【追加コスト>破壊されている自軍カード1枚を廃棄する】
(常時):自軍本国のカードを全て見て、青の指定国力を持つユニットと、「子供」を持つキャラクターを、1枚ずつ抜き出し、表にしてから手札に移す事ができる。その後、自軍本国をシャッフルする。


 これまでは「追加コスト」を自力で用意することが困難だったため、相手任せのカードとして使い勝手が悪かったのですが、【ジム・コマンド(モルモット隊仕様)】が自力で破壊状態になるため、わりと簡単に本国サーチをすることが可能になりました。
 しかも破壊テキストを起動したということは、カードを1枚ドローしているということ。
 なんと手札&場の合計カード枚数が増えています(笑)

 これで【シロー・アマダ】or【ジュドー・アーシタ】やフィニッシャーである【ガンダム試作3号機】or【ガンダム試作3号機ステイメン】を本国からサーチしてやりましょう。
 とても効率が良い方法です。


 なお、【消える命、咲く命】の追加コストですが、無理に【ジム・コマンド(モルモット隊仕様)】を使わずとも、【アストナージ・メドッソ】で地球適正を持たないユニットを「大気圏突入」してやれば、帰還ステップの規定の効果で破壊されるため、そのユニットを追加コストにしてプレイすることも可能です。

(これを応用すれば、【ガンダム試作3号機】を「大気圏突入」させて地球ブロック、【ガンダム試作3号機ステイメン】で破壊無効、という動きも取れます。重要なので覚えておきましょう)

 もちろん、相手が火力カードや破壊カードを使ってきた場合や、ユニット戦闘で破壊された場合、その破壊されたカードを追加コストにしてプレイするのも強力です。



 このように、怪しくて強力なギミックがたくさん搭載されているデッキです。
 反面、怪しいギミックが多い割には動き自体は非常に簡単、且つ強力というとんでもないデッキでもあります。
 トーナメントシーンでよく見かけるデッキになることでしょう。

 ですので、このデッキを意識したサイドボードも必要となるでしょう。
 「破壊無効」が得意なデッキであるため、「破壊効果」や「火力」での対処は難しいところです。
 さらに高い打点で迎え撃つ、コントロールを奪う、バウンス、ゲーム除外、廃棄する、といったところが有効な手段といえるでしょう。

 たくさんの破壊無効カードのおかげで破壊効果や火力カードに対する耐性も非常に高く、多くのデッキを相手に有利に戦えます。

 なお、今わかっている「前線のフォトグラフ」の収録カード、【ガンダム試作1号機フルバーニアン】の投入によりさらにパワーアップも見込めるアーキタイプですので、今後はさらに見かけることが多くなるでしょう。

ガンダム試作1号機フルバーニアン(前線のフォトグラフ)
ユニット 2/4/2
プリベント(5) 高機動 《[1・2]》換装〔ガンダム〕
(常時):《[1・2]1毎》このカードは、カット終了時まで、コマンド以外の敵軍効果の対象にならない。
(常時):《[2・4]1毎》このカードは、カット終了時まで、敵軍コマンドの対象にならない。
宇宙 3/1/3


 「名称:ガンダム」から換装できるため、【シロー・アマダ】とも相性バツグン。
 【シロー】が何度かテキストを使ってコインが乗った後、乗っているユニットを換装すれば、換装のルールにより「ユニットに乗ったコイン」が落ちるため、【シロー】を再び(実質)格闘4へ戻すことができるのです。

 さらに、強力な効果回避能力を持つため、とても場持ちのいい高機動ユニットです。
 この効果回避能力もとてつもなく強力。
 1カット中に2枚以上のカード効果を使用されない限り、ほぼすべての効果から逃れることができます。
 ただでさえ破壊無効カードを多く持つデッキタイプでありながら、【魂の輝き】で倒すためにはそもそも2枚撃ちからスタートしなければならないという面倒さ。

 このテキストは常時の《1毎》宣言であるため、望む限りずっと資源を作り続けることができるのもポイント。
 そう、いくらでも捨て山を作ることができるのです。
 わかりやすいところでいうと、【決戦前夜(BB3)】を使う際、残り本国1枚というギリギリまで捨て山を使ってやれば、本国を完全回復させてやることもできます。


 「戦場のフォトグラフ」からは、少なくともこのカードが新しくデッキに投入されることになるでしょう。
 発売がとても楽しみですね。



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