いけっち店長の独断と偏見によるゲーム批評


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  →ドラゴンドライブ

  →2003年現在キャラクターゲームについて


店長のTCGに対するコダワリ

 とても若い遊びです。
 まだまだディベロッパー(バランスを調整したり、よりおもしろく、売れる物にするため調整する、デザイナーとプレイヤーの間に立つ人)も育っていません。
 まるで、TVゲームの初期を見るようです。

 TVゲームの初期のころ、ソフトにバグが見つかった場合、それは“裏ワザ”として容認されました。1人で遊ぶTVゲームのキャラが、無敵になろうがステージがワープしようが、本人が遊ぶ分は問題なかったのです。
 問題になったのは“対戦”ゲームにおいてです。

 『ストリートファイターU』のガイルに、“真空投げ”あるいは“無空波”と呼ばれるバグ技が見つかりました。相手がどんなに離れていても、またどんな状態でも投げることが出来る、そりゃもう、ひどすぎる技でした。
 当然、そんなモンで対戦になるわけないので、『ストUダッシュ』ではなくなっています。

 これはカードゲームにもあてはまります。
 “これ一発で終わり”なコンボがすぐに決まるゲームはバグです。勝負になりません。
 さらに、TVゲームソフトは遊ぶのに支障をきたすバグがあった場合、メーカに返品できますが、カードゲームは返品できません!

 それだけに、デザイナーは責任を持ってゲームデザインを行うべきなのです。ディベロップは多数の能力のある人達が時間をかけて行うべきなのです。お金を出して買ってもらっているのですから!

 よって、私が規定する良いゲームの条件には
・多種類のデッキが勝ちうるゲームバランス
・全てのカードに、上位互換カードがなく、使われる理由がある

があります。

 私がこの“裏FB徳島”でゲームについて語るとき、この価値観で評価していることを、念頭においていただければ幸いです。
 

徳島ゾイド大決戦!(ゾイドバトルゲーム)

 一部常連さんのご要望で、『ゾイドバトルゲーム』を仕入れ始めたのが半年ほど前。小学生から40代まで、幅広い客層の当店ですが、どうやら最大公約数的人気キャラはゾイドだったらしく、爆発的大ヒット。共和国側と帝国側に分かれ、総勢40名に及ぶ大戦争が連日行われました。
 ルールは敵軍のみとのバトル、50ポイント制でプロモーションカードは禁止。
 店内に徳島周辺を70分割した地図を貼りだし、ここに自部隊のマーカーを貼りつけ陣地を増やしていき、各軍のニュースは“大本営発表”として貼りだしと、大掛かりに行い盛り上がっていきました。
 50席のデュエルスペースがほとんどゾイドに埋め尽くされ、ゾイド専門店と化したかのようでした。

 が、

 明らかにゲームバランスに問題点が多く、“絶対的に弱いユニット”“明らかに強すぎるユニット”がはっきり分析されてきました。
 それでも初期のころは、オリジナルのゲームデザインに敬意を払い、あまりにも・・・な戦術“《ストームソーダー》逃げ回り爆撃”以外は禁止にしてこなかったのですが・・・。
 40名、1ヵ月の戦闘の結果、絶対に帝国は勝てないことがわかりました。

 A級戦犯、《ブレードライガー》達。

 他にも色々ありますが、まぁ、詳しく書くのはここではやめましょう。異論のある方々もいらっしゃるかもしれませんが、私達も様々なカードゲームを遊んでおります。それなりにゲームバランス・デザインについて理解しているつもりです。
 40人のアホが、1ヵ月も戦い続けたわけではありません。敢然たる数字として、『帝国には勝てない』とのデータが出たのです。
 《ブレイドライガー》の部隊との勝率、帝国軍15%。
 共和国はどんどん《ブレイドライガー》を量産。帝国《セイバータイガ―SS》や《ライトニングサイクス》などで抵抗するも、格闘に特化した《ブレード》に勝てるはずもなく、《緊急回避》などを投入しても焼け石に水。《ジェノブレイカー》に望みを託すも、パイロット《ディ・エルド》を見てやる気こなごな。
 あまりの戦力差に没収試合になりました。

 『ゾイドバトルゲーム』は“シュミレーションの戦術性”と“カードゲームの偶然性”を融合させた、画期的なゲームであり、なによりゾイド世界を見事に再現しているという点で、すばらしいゲームだと思います。
 でもね? こう、なんというか? このゲーム、大きなお友達でも本気で遊びたくなる物なのですよ。だから、もう少しバランス調整をきっちりやって欲しかったなぁ・・・、というのが正直なところ。
 《補給部隊》がある時点で、ディベロッパーがちゃんとしていないというのが見え見えでしたが、表記もどうとでもとれるものが多かったり、用語も統一されてなかったりで、ゲームとして遊ぶには未完成品としか言えないと思います。
 トミーさんは、これから公式大会を全国的に行っていくとのことですし、賞品などの用意もしっかりなさっていて、営業の方々はがんばっていらっしゃいますが、肝心のゲームのほうが突込みどころ満載で、正直心配です。

 子供たちが遊んでいるゲームだからこそ、もう少しわかりやすい表記にして、好きなゾイドが活躍させられるゲームバランスに調整してもらいたいと思います。