読者お便りコーナー いけっち店長の“おやじロック”
■第2回■カードゲームって無駄?
こんにちは。Eと申します。
(中略)
中一ですが、小六や小五の時のDMと遊戯のプレイヤー(友達)に
「なんで辞めた?」って聞くと、
「飽きた」
「将来何の役にも立たない」
「金の無駄遣い」
と言う人がいました。
「飽きた」に関しては、仕方ないと思いました。実際、6年になると、ちょっと壊れたカードとかが出てきて、あんまりでしたから…。それは、僕が言うのもなんですが、製作側の…。
ですが、他の言葉にはあんまり素直に「そうか…」とはいえません。
「将来役に立たない」「金の無駄遣い」
これは、学生のときとか、小さいときにしているのであれば、思い出に残るものになると思いますし、特に「マジック:ザ・ギャザリング」「デュエルマスターズ」「遊戯王」「ディメンション・ゼロ」は、原作がどうのこうのではなく、カードを中心としてやっているわけですから、よっぽどのことがない限り、なくならないと思います。
そうなると、趣味は役に立つものじゃないといけないのかな?と思ったりもします。
僕は、結構運動が得意だったりするので、スポーツが趣味でもあります。そうなったら、スポーツは、プロになってお金が入らないと今までの練習が無駄?それまで費やしてきたお金は無駄?という話と
同じだと思います。
小6の時のデュエルマスターズユーザーは、運動が得意な人同士というか、そういう仲間でやっていたので、そう考えると残念です。
僕は、スポーツが得意と言っても、プロになろうとは思いません。将来、スポーツと他の趣味を重複して続けてられればな。と思っています。
趣味として、スポーツ。パソコン。そして、カードです。
「毎日ディメンション・ゼロ その1」はたらくおじさんの章 第5話でいけっち店長が「野球も最初は受け入れられていないスポーツで〜」というのを見て、すごく納得しました。うちの父が野球好きで2歳の
頃から野球を教えられていました。(今、僕はバスケ部ですが)(苦笑)
でも、やはりまだ大人達はカードを受け入れないんだなぁ、、というのもあります。
受け入れている人もいますが……。
やっぱり、カードキングダム関連の仕事や、バンダイなどのカードメーカーにしか、そういうのを広められないのかな?と思い、少し残念です。
僕はまだ中一なので、協力できること、と言えば、ユーザーを増やしていくことしかできないですが、高校に入ったりしたら、本気でカードのことを真剣に考えようかな?と思っています。
(中略)
僕は今は13歳なんで、仕事に就けるようになるにはあと約5年かかりますが、そういう会社や店舗で働いてみたいな。なんて思っています。
仕事のシの字もわからない中学生ですが(汗
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で、ここからが僕の返事。
よう。お便りありがとう。池田だ。
うん。君みたいに、カードゲームに関係する仕事をやりたい、と
言ってくれる人が増えてきた。大人も、子供もね。
僕が君ぐらいのときは、アニメを仕事にしたい、とか、その後は
テレビゲームを仕事にしたい、とか言う人が出てきてたなあ。
アニメも、テレビゲームも“仕事”として認知されるようになった。
相変わらず市場としては大きいしね。
カードゲームは、本当に、これからだ。
大きな壁は、社会や、大人たちの理解と言うより、むしろ企業のトップの人たちの理解の無さじゃないかと思う。
「しょせん、紙切れで出来た、適当なルールの付いた“かるた遊び
”だろう? 適当に人気のあるキャラクターを付けて売れば良いだけだ。誰でも作れるし」
という認識だから、しっかりとお金をかけてプロに作らせるべき、なんて考えないし、売った後のフォローが必要な事すら、気付いていないんじゃないか、と心配してしまう。
「カードゲームは、一流のノウハウを持ったデザイナーが作り、多数の人間のデバックをくぐらせて、売った後のインフラ(大会運営など)も責任を持って行うべき商材」
との意識を持ってもらいたいと思う。
少なくともブロッコリーさんは、会長自らが
「カードゲームはインフラビジネス」と公言しているぐらい理解されているから、ディメンション・ゼロが売れまくれば、ゆっくりとだろうけど、他のメーカーも気付いてくれるんじゃないかな、と期待してる。
それに、タカラのデュエルマスターズも、イベントにしっかりと力を入れてるからこそ、保護者の方の評価も高いのだし、バンダイさんのガンダムウォーも、年に1回の全国大会がキッチリと運営されているからこそ、ユーザーのモチベーションが維持されているんだよな。
他のキャラクターゲームが次々に消えていくのに、ガンダムウォーだけが残っているのを、「やっぱり、ガンダムの人気は別格だ」とだけ結論付けて思考停止するのは、さすがに無いだろう。イベントの重要度を理解しているからだと、思いたい。(頑張れ2D6Gさん!)
遊戯王なんかはいわずもがな、原作が終わってもアニメを続けているし、エキスパートエディションなどで昔のカードが手に入り続ける環境を整えてくれている。去年の夏には、“1万人ティーチングキャンペーン”と銘打って、新規プレイヤーを増やすためにコナミの営業の方々が大活躍した。
それに伴って、小売店(カードショップね)の意識のレベル、“お店”としてのノウハウのレベルもアップさせていく必要がある、と思ってる。
君みたいに、「将来はカードゲームで・・」と考えてくれている人がいるのだから、その時のために地ならししておくのが、僕たちの仕事だ。
君たちが大人になった時、カードゲーム関係が、胸を張れる仕事になれるように、頑張ってみるよ。
じゃ。
PS
こういっちゃ何だが、13歳は、もっともっと色々な事を経験すべき時期だぞ。
カードゲームばっかりじゃなく、やった事のないものを、何でもかんでも試してみろよ。
山登りとか、カヌーとか、楽器とか、彫刻とか。小説を書いてみるのも良いぞ。色々調べ物とかしてな。(スポーツもやってる君なら、よくわかってるか)
例えば俺は、中学の時、世界の古代文明についての学術書(真面目なやつ)を読んで、それをテーマに小説を書いた。
図書館の本を、ランダムに選んで、何が何でも読んでみる、というのも世界が広まって面白いぞ。
さて、今読み返して思ったんですが、この子、良い事言ってます。
そうなると、趣味は役に立つものじゃないといけないのかな?と思ったりもします。
僕は、結構運動が得意だったりするので、スポーツが趣味でもあります。そうなったら、スポーツは、プロになってお金が入らないと今までの練習が無駄?それまで費やしてきたお金は無駄?という話と
同じだと思います。
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なかなかしっかりした理解力。
何のためにそれをするのか?
いちいち全てに理由を作る必要は無いと思いますが、そうした「やりたい」と思ったことの積み重ねが、自分を創っていきますよね。
さて、カードゲームで、一体何が身に付くでしょうか。
ふふふ。言い出すと長いですよ・・・何せ、それで飯を食ってるんですからね。
しかし、それはまた、いずれどこかで語らせて頂くとして、とりあえず最大のメリットを。
それは、
人間同士の話し合いで進む、コミュニケーション・ツールである、という事です。
年齢、性別、経験、一切関係なく、他のほとんどのゲームを大きく圧して、圧倒的にコミュニケーションの密度と質が、違います。
ゲームそのものだけでなく、トレードや、デッキ作成で交わされる会話にも、大きな密度があるでしょう。
デッキ作成などは、必ずそこに議論が発生し、そしてどうしても決着を付ける(デッキを完成させる)必要が出てきます。
そしてトレードは、交渉。
相手の要求と、自分の要求をすり合わせていく、高度なコミュニケーション能力が問われます。
対戦は、ロジックの実証の場。
しかし不確定要素があるため、常に思うように行くわけでなく、カオスによって運命が翻弄される、人生そのものの縮図です。
そしてそれを、“楽しむ”事が出来るようになるのは、なんとも頼もしいことではありませんか。
日本人は、議論と交渉が不得手だと、よく言われてきました。
カードゲームで育った日本の子供たちは、将来、手強いビジネスマンとして、世界中で活躍してくれそうに、僕は思うのです。
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